パプアニューギニアには魔術法という法律が存在するそうですね。
なんでも魔術を禁じる法律だそうで、このたび廃止されるそうです。
パプアニューギニアでは魔術の効力を信じる人が8割を超えており、問題となるのは、魔術を使った、という風評が立つと、魔術を操ったとされる人物が大勢から私刑にあい、最近では二十歳の女性が全裸にされた上火あぶりにされ、死亡したそうです。
まるっきり中世ヨーロッパの魔女裁判と同じですねぇ。
これまでは魔術法により、こうした私刑を行った者を裁くことが困難だったところ、今後は通常の殺人罪として裁くことができるようになるとか。
これに併せて、これまで国家反逆罪や海賊行為など、ごく限られた犯罪にしか死刑が適用されなかったのが、通常の殺人罪にも最高で死刑を適用できるようにするそうです。
パプアニューギニアでは1954年以降死刑が執行された例はなく、事実上死刑制度は廃止されていたわけですが、今後は厳罰化が進められることになります。
魔術法の廃止は結構なことだと思いますが、何もせっかく廃止していた死刑を復活させることは無いような気がしますが。
わが国でも、いまだに特定の神社では丑の刻参りのわら人形が五寸釘で打たれたものが時折発見されるそうです。
怖ろしや。
魔術とか呪いとかいうものの効力はおそらく無いものと推測しますが、それよりもそれほどまでに人を恨み、呪い殺そうとする人間の憎しみの強さが怖ろしいですねぇ。
人間の情として、人を憎んだり恨んだりすることはやむを得ないことですが、本気で呪殺しようとは、なんとも切ない心情です。
第二次大戦中、ナチは古代ゲルマンの魔術を操ってチャーチルやルーズベルトを呪殺しようとしたと伝えられます。
戦争末期、ルーズベルトが現職死亡したとき、魔術の成果だと考えたナチ高官は大喜びしたとか。
しかし悲しいかな、民主主義国家においては、国のリーダーが突然死したところで、別の者がその地位に就くだけで、むしろ国民は弔い合戦を合言葉に戦争遂行により献身的に協力したことでしょう。
チャーチルのVサインは、VictoryのVで、勝利を祈念するものであるとともに、ナチの邪悪な魔術の呪い返しとしての白魔術だという説を聞いたことがあります。
お互い魔術を駆使していたのですねぇ。
おそらくわが国でも神道や密教を総動員して魔術を仕掛けていたことでしょう。
第二次大戦は魔術大戦でもあったというわけでしょうか。
不思議なのは、勝利を意味するVサインが、その後、平和を祈るピースサインと呼ばれるようになったこと。
チャーチルに言わせれば、連合国が勝利したことで世界に平和が訪れた、ということなのでしょうが、それはあんまり敵味方問わず、戦争の被害にあった人々に対して失礼というものです。
だから私は、決してVサインもしくはピースサインをしません。
いわくつきで、不快なのです。
自然や、人智を超えた存在に対す畏怖の念を失わないことは重要なことではありますが、魔術法などというものを今まで維持してきたパプアニューギニアには驚かされました。
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