ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

ブラックホールと不生不滅

2014年01月27日 | 思想・学問

 ホーキング博士が衝撃的な論文を発表したそうです。

 すなわち、光などが抜け出せなくなるような、今までの概念どおりのブラックホールは存在しない、というもの。

 他の宇宙物理学者はこの意見に懐疑的なようですが、なかなかエキサイティングな論ですねぇ。

 ホーキング博士が考えるブラックホールとは情報とエネルギーを消滅させるのではなく、新しいかたちでまた空間に開放するというもの。

 古典的な理論では、エネルギーと情報はブラックホールの事象の地平面を抜け出せないと主張していますが、量子物理学はそれが可能であると示唆されるというパラドックス=ブラックホール情報パラドックスを取り上げ、下の図のようなものをブラックホールとしてイメージしているそうです。



 私は難しい宇宙物理学のことは全然分かりませんが、どこか仏教の考えと似ているような気がします。

 般若心経には、不生不滅、という文句が出てきます。

般若心経・金剛般若経 (岩波文庫)
中村 元,紀野 一義
岩波書店

 

現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))
玄侑 宗久
筑摩書房


 悟りの境地を表す言葉とも言われますが、私はもっと単純に、現実社会に存在するものは生まれることも滅びることもなく、水が水蒸気になったり氷になったりするように、変化していくだけだ、と解釈しています。

 情報とエネルギーを消滅させるのではなく、変化させて再び放出するとは、まさしく不生不滅と同じではありますまいか。

 仏教が辿り着いた地平が、最新の宇宙物理学や量子力学に近付くのだとしたら、人間の知見は何千年も前から変っていないということでしょうか?

 私は寺で生まれ育ちましたが、仏教に関する知識は中途半端でいい加減なものです。

 出家するような発心を起こすことは未来永劫無いと思いますが、もう少し体系的に仏教の深みを学んでみたいと思わせるホーキング博士の論考でしたねぇ。

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