ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

生活を始める?

2024年02月12日 | 思想・学問

 先週の金曜日、千葉大学医学部附属病院の眼科を受診するために休暇を取ったため、今日まで4連休でした。
 わりとゆっくりできたと思います。

 今日は6時半に起きて朝湯に浸かり、朝飯は納豆と生卵だけの質素なおかずで白飯をたっぷりと食い、珈琲を飲んで二度寝しました。
 幸せ。

 昼は近所のラーメン屋であっさりした塩ラーメンを食し、ミスタードーナツで食後の珈琲を頂きました。
 ラーメンや蕎麦は嫌いではありませんが、どうしても慌ただしく食って終わりになってしまうので、駅前のドトールやミスタードーナツで珈琲を飲むことを慣例としています。

 その後近所の魚屋で中おちと真鯛の刺身を購入。
 本当に良い魚屋が近所にあって良かったと思います。
 実家からとても甘みの強い小松菜を送ってもらい、昨日、一昨日とお浸しにして食しました。
 今まで食ってきた小松菜は何だったのかと思うほど旨い小松菜です。
 小松菜は江戸川区の名産なので。
 今日は油揚げを買ったので煮浸しにする予定。
 野菜はその他はフルーツトマトです。
 私は幼い頃からトマトが好物で、トマト坊やとまで呼ばれていたそうです。
 自分では覚えていませんが。

 こんな風に日々を生きてきて、年を食い、最後は石の下。
 人間の一生なんて儚いものです。
 それでも、死なない以上生きなければなりません。
 生きるためににつまらぬ仕事をするという芝居を続けて。

 私の学生時代の友人で独身を貫いて一人を楽しんでいる者がいます。
 一人であちこち海外旅行に出かけ、様々な高級店で旨い物を食い、哲学書と森鴎外の小説を愛する優雅な生活を送っています。

 彼が最近、生活を始めることにした、と年賀状に書いて寄越しました。
 自分が浮世離れした暮らしをしてきたという自覚はあったようで、しかし50代半ばを迎え、浮世離れを止めて、生活を始めるとは全く意外です。
 何か思うところがあったのでしょうね。
 彼は何ももてないために独身であるわけではありません。
 180センチを超える高身長と、穏やかな性格で学生時代から女を切らしたことがありません。
 しかし自分一人の小さな居心地の良い夢の城を守るため、結婚という選択肢も、一人の女と長く付き合い続けるという選択肢も選ばなかったというだけの話です。

 じつを言うと、就職して数年は私も彼のように一人だけの夢の城で誰とも深い付き合いをせず、まして結婚などせず、面白おかしく暮らしていこうと思っていました。
 しかし私の両親とお付き合いしていた今の同居人の両親からの結婚しろという強いプレッシャーに負けて、一人だけの夢の城を捨ててしまいました。
 
 だらしないことです。
 親からのプレッシャーごときでおのれの夢の城を永遠に捨て去るなんて。

 しかし同居人と暮らし始めて、私の考えは変わっていきました。
 同居人は正職員として私と同じくらいの給料をもらっていたため、互いの収入の半分を家計費に入れ、残り半分はそれぞれが管理してお互い口を挟まないことにしました。
 極めてイーブンな関係で、私は気に入っています。

 同居人は穏やかな性格で、しかし音楽や映画、小説などは私と似てエキセントリックな物を好むため、私たちは良好な関係を保ち、これまで喧嘩一つしたことがありません。

 私には想像もできなかった、二人だけの夢の城を築き、二人だけでそこに潜んで暮らすことに成功したのです。
 我儘で傲慢な私の性格を思えば、全く意外なことです。
 で、私たちは彼と異なり、生活を始めようとは思いません。
 人並みに働きながら、それは完全に芝居でしかなく、心中深く、夢の城に籠り、生活はしていないのです。
 いつか生活を始めようと思う時が来たなら、二人だけの夢の城は瓦解してしまうでしょう。
 だから私たちは永遠に二人だけの夢の城に籠っていたいと思うのです。
 生活なんて始めません
 永遠に。
 



 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ローズ・ゴールド | トップ | 箱庭の巡礼者たち »
最新の画像もっと見る

思想・学問」カテゴリの最新記事