今日は上野の国立科学博物館に出かけました。
お目当ては、ラスコー展。
1940年に、フランスのラスコー洞窟で遊んでいた子供たちが偶然発見したというラスコー洞窟の壁画にまつわる展覧会です。
私はラスコー壁画は一種の落書きのようなものだと思い込んでいました。
しかし今日、展覧会を見て、それは全くの誤解であったことを思い知らされました。
2万年も前にクロマニヨン人によって描かれた動物を中心とする壁画。
それは巨大で、しかも力強い美しさを持っていました。
実物大の壁画の模型は、私を圧倒しました。
真っ暗な巨大洞窟のいたるところに巨大な壁画を描くという行為は、一人でできるものではなく、しゃもじのような形状のランプに動物の脂を浮かべ、火をともし続ける役の人、様々な顔料を作る人、そして絵を描く人々の共同作業で進められたと推測されます。
上の写真がランプです。
2万年前に、ランプを灯してまで巨大壁画を残したクロマニヨン人に脱帽です。
それは現代で言えば、一種の巨大プロジェクトのようなものだったのではないでしょうか。
動物の壁画を残そうとする精神、そしてまた、それを集団で行おうとする意思。
まさしく、芸術の誕生であり、巨大プロジェクトの嚆矢と言っても過言ではないでしょう。
その時代にプロジェクトに携わった人々、そして、壁画を鑑賞した人々の精神を思うとき、私は人間精神の運動の深奥を見る思いで、深い感銘を受けました。
同時に、この展覧会を強力に勧めてくれた同居人に感謝です。
行く前は正直面倒くさかったのですが、これほど素朴で力強い感動を与えてくれる絵画は珍しいでしょうね。
考古学的興味で見ても楽しめるものです。
是非、お出かけください。
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