今日は千葉市美術館に出かけました。
初期浮世絵展ー版の力・筆の力を観るためです。
大英博物館やホノルル博物館から借りてきた里帰り作品も多いということで、見逃してはいつ観られるかわからない作品も多いそうなので。
日本美術の展覧会の多くがそうであるように、今回も着物を着ていくと2割引ということで、当然着物で出かけました。
先週の日曜日、NHKの日曜美術館のアートシーンで紹介されていたため、混んでいるかなと思ったら、ガラガラでした。
これが都内の美術館だったら押すな押すなの大盛況でしょうに。
千葉市美術館はなかなか面白い企画を立てて頑張っていますが、立地の悪さはいかんともしがたいようです。
今回の展覧会は、浮世絵の祖、菱川師宣を始め、浮世絵草創期の作品が多数展示されていて、たいそう見応えのあるものでした。
定番の遊女の絵や役者絵はもちろんですが、花見や夕涼みなど、庶民の生活を描いたものも多く、それらからは江戸庶民が楽天的に人生を楽しんでいた様子がうかがわれ、微笑ましくもありました。
浮世絵は基本的に人生を楽しいものと捉えるポジティブなものです。
そこには小難しい理屈を抜きにした、人生を楽しむという本来の日本人が持っていた美風が感じられます。
明治維新以降、欧米に追いつき追い越せと、ナーバスで神経症的になってしまった美術とは拠って立つ所以が全く異なっており、不思議な感慨を覚えざるを得ません。
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