ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

ひろくさびしき

2015年09月02日 | 文学

 業務多忙だと憂鬱になるのは、何も私が精神障害を患っているからだけではありますまい。
 誰だって忙しいのは嫌でしょう。
 多忙のなかにこそやり甲斐があると言っても、それは限度があります。

 暇なのも時間が経たなくて苦痛です。
 真、人というものはわがままに出来ているようです。 


 
一つ 身にとどまりて天地(あめつち)の ひろくさびしき 中にし息(いき)す

 窪田空穂の和歌です。

窪田空穂歌集 (岩波文庫)
大岡 信
岩波書店

 命の器でしかない肉体を詠って壮大です。
 その壮大さを思う時、私はおのれの小さな感情に恥じ入るばかりです。 

 小さな肉体に閉じ込められて世の片隅で生きるしかない私たち。
 私たちはその宿命を呪いながらも、呪うばかりではなく、幸福を求めずにはいられません。

 そのような人類全体、いや生命全体を貫くどうしようもない運命を嘆かずにいられない精神とは、如何なる構造になっているのでしょうね。

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