ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

種まき、段取り7分!

2016-04-25 07:35:42 | 農業

 さあ、いよいよ、種まきだ。もちろん、米だ。

 この日のために、もう1週間も前から準備を重ねてきた。いやいや、土を畑から取ってくることも含めれば1か月前からだ。ハウスを張り、土をふるい、ぼかしと燻炭を測り、ハウスの中にプールを設え、種まき機の整備も完了、1枚1枚チェックして穴だらけの古い苗箱は全部却下し、新たに100箱ほど購入、って言っても中古だけど、もちろん。従来から使えているもので使用可も含めて193枚になった。なんと目標とほぼ同じ、これだけの枚数を播く。昨年、機械屋さんに見てもらって不調の原因がわかったので、今年は万全、事前に空箱を流してみたら、おお!スムーズに流れること!当たり前のことに歓喜した。

 ハウスのプール作りは、灼熱地獄の中での作業だ。曇りとか雨の日にやろうと思っていたが、なぜか、作業日は好天、ガンガンに照り付けられてハウス内の温度は40度近い。そんな中で丸太で周囲を仕切り、6つのプールを作る。レーキで表面をならして水平をとるのだが、これが容易でない。これでよしっ、と見なして、また別の角度から見ると、あちこちデコボコが目立つ。何度も何度も繰り返すので、ハウス内は土ほこりが舞い上がり、劣悪な労働環境。それでもなんとか、もうこんなもんでねぇと見切り発車を決定した。

 最後は車庫内を作業場に整備すること。まず2台の車を外に出し、冬中たまりにたまった土や舞い込んだ木の葉を掃き出して、機械を引き出して動きをチェック、配線にちょっと手間取ったが、どうやら終了、すべて準備が整った。

 と、言うことで今日はこれから種まき、だから、このブログもさらっとね。

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慣習から抜け出せ!

2016-04-24 09:14:13 | 農業

 なんせねぇ、今成農家だから、見習い農家だから、30年経ったって言ってもそう。あっち行って聞き、こっち行って教えを請い、先輩からはアドバイスをもらい、師匠からはご託宣をいただいて、なんとかかんとかやり過ごしてきた農業だ。お教えには忠実に!これを大切にしながらここまでやってきた。

 だが、待てよ、言う人によって違うこと言ってる?!とか、それやったら失敗した?!なんてこともちょくちょく出て来て、ここは一つ、自分の経験と頭で取捨選択しなけりゃわかんねえぞってことに気付いた。

 例えば、育苗に使う土だ。雑草の種が入ってるとまずいし、PH調整とかあっから、市販の焼成培土を使う、なんてのも、言われるままにやってきたが、昨年、機械屋さんに言われたのは、そんじゃダメ!田でも畑でもいいから、自然の土を使わねば、ってこと。おいおい、どっちなんだよ?我が家で使うポット育苗箱だと根と土がぎちっと一つに固まらないと田植えが上手くいかないって説明、なるほどなるほど、それは確かだ。それに、買うより自賄いした方が経費が安く済むに決まってる。よしっ、今年は機械屋さんに軍配上げて、畑土を育苗に使ってみよう。

 最初から全部変えるてのも、心配だから、半分は従来通り焼成培土を使い、半分を山の畑の良い土を使うことにした。てことで、13袋は購入、残り12袋分、240キロ分を畑から調達する。山の畑、雑草は多いが石が少ないしよい土だから、ここだな。ビニール袋に20キロ入れると高齢者仕様でなくなるので、14.5キロ入れて20袋堀上て運んだ。でも、重い!いい加減うんざりして、お終いの方は、10キロあるかなしかの手抜きになった。

 このままぼかしや燻炭と混ぜるわけにはいかない。少ないとはいえ石もある、土の塊もある。こんなものそのまま使えば、ポットが詰まってしまう。ふるいで石と土塊を取り除く作業を行った。

 木製の大きなふるいを鉄パイプを軸に転がして、土をふるう。作業効率を上げるため、下はキャリーの荷台だ。見れば、ふるいには「野菜」って書いてある。そうかそうか、これ、赤湯園芸高校が廃校になるときにもらってきたものだった。30年前の話しだ、いやぁ、ずいぶん活躍してくれてるもんだなぁ。その他剪定ばさみとか、のこぎりとかもらって使っている。道具ってやつは大したものじゃないか。

 土の入った重たいビニール袋を持ち上げ、ふるいの上にあけ、ふるいを揺する、結構な力仕事だ。腰に来る!20袋ふるい終えたところでダウン!昼休み昼休み。気を取り直し午後から20キロずつ計って袋に入れなおし、作業完了!経費削減てやつはなんともきついもんだ。ぼかしと燻炭の計量も済んだし、これで土交ぜ作業の準備がすべて終わった。さてさて、畑土を使うという今回の新趣向は、いかなる結果になりますことやら。

 そうそう、機械屋さんからのアドバイス、プール育苗で根を箱の外にはみ出させない工夫、下に寒冷紗を敷くといいって言うんだが?信じていいもんだか?農家の一工夫、いろいろあるもんだよなぁ。

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熾烈!薪争奪戦

2016-04-23 08:28:22 | 暮らし

 薪集めがとんでもない激戦になってきた!

 昨年初めてもらってずいぶん重宝した河川敷の障害木、今年もばっちりいただこうと、3月早々から置賜総合市庁河川課に電話を入れた。今年は配布が5月、申し込みは4月の各市町のお知らせを見てくれとのこと、4月1日、町報配布になると同時にさっそく電話するに、申し込みは18日からととのこと、おいおいなんとも気をもませるじゃないか。

 さて、申し込み解禁日、朝9時、県職員の勤務時間開始を待ってさっそく電話。つぅーつぅー、通じないって駄洒落言ってる場合じゃない。お話し中だ。10分後、再度挑戦、またもやお話し中。そうだろそうだろ、みんな欲しいんだよ、ありゃ薪ストーブ派にとっちゃ宝の山だからな。よしっ、気合いを入れてさらに10分後、リダイヤル。が、しかし、またまたお話し中!これは容易ならぬことになってきたぞ。まるでアイドル公演のチケット予約のようじゃないか。お話し中をかいくぐる方法ってないのか?

 さらに10分経ってまたかけるもお話し中、結局、6回ほどかけ続けて、ようやく通じたのは1時間後。あの河川敷の薪、と言うより早く、ああ、予約終了しました、朝から電話なり続けで、って、1時間足らずでかい!ずっと電話かけ続けてたんだって話しをして、電話も通じないほど殺到するなら、抽選とかにしてもらわないと、なんて悔し紛れの捨て台詞、担当者も可哀想って思ったんだか、明日までに再度調整してみますから、もう一度電話ください。

 あっ、望みの糸がかろうじてつながった、ありがとう、捨て台詞なんか言って、ごめん、よしっ、明日も一番でかけるから。で、翌日、かけた、電話、河川課、な、なんと、あっ、それ昨日で終わりましたってつれない対応、えっ、でも、もしかしたら出来るかもしれないって聞いたんで、あっ、ありません、終わりました。電話に出た人間が違ったんだろうね、まったく取り付く島もないそっけない応答。昨日の担当者に代われって叫びたかったが、ここで怒鳴れば、ああ嫌だ嫌だ、まったくクレーマージジイだよなんて電話口でしかめっ面するに決まってる。人柄によっちゃ、ただでもらうくせして態度でかいんだよ、なんて悪態つくかもしれない。て思ったら気勢がそがれて、しょぼしょぼと受話器を置いた。

 はてさて困ったぞ、来冬の薪、絶対に足りない。どうしたもんか?と、パソコンのメールチェックしてたら、なんと、薪の無料配布ありって町の生活課からメールが届いていた。屋代地区公民館で配布、8名限定、各軽トラ1台分。おっ、捨てる神あれば拾う神あり、さっそく電話をして4番目だかってことで予約できた。

 集合は午後2時、抽選で積み込む順番を決めるという。遅れれば即後回し。これは気合い入ったねぇ。普段はぎりぎりに着くように出かけるのに、20分も前から乗り込んだ。見れば駐車場脇に高さ1m、長さ15mほどの薪の列が2列!上等、上等!枝葉のたぐいまで持っていかされるんじゃないかと疑心暗鬼だったが、そんな心配まるで不要、どれも十分に薪として使用可能な材ばかりだ。聞けば、公民館が地域に声掛けして、園地で腐らしたり燃やしたりするくらいなら、希望者に持って行ってもらおうと、始めた取り組みで今年で2年目だそうだ。実に心憎い仕組みだ。そんなところにまで目が届き、しかも自分たちの手柄にもならない事業に力を貸せる、屋代公民館、いいね!を上げよう。

 さて、時間になって6名が集合、残る2人は都合で後程来るとのこと、いよいよ抽選だが、くじを引く順は、到着順ってことで、僕は4番くじ。そう、20分前でも後ろから2人目。なんたって、年寄り多いんだもの。彼らのせっかち、いや用意周到にはかなわない。まっ、早く引いたからって良いくじ引けるってわけじゃなし、薪はたっぷりあることだし、でも、手前側の先頭部分に積んであるリンゴの木は、太いし揃ってるし、行ければあそこからもらいたい、なんどと、半ばは遠慮、半ばは期待して引いたくじは、①!おおっ、やったね!さっそく狙いの場所にトラック横づけして積み込んだ。

 薪の積み込みは丁寧に考えて積むのがコツ。太さ、長さ、曲がり具合、瞬時に判断しながら、隙間のないように積んでいく。中には腕くらいの細枝もあったが、好き嫌いせずそれも乗せる。経験不足の僕など、積み込み下手に違いない、と周囲を見回すと、高齢者の夫婦、こっちが顔をしかめた細枝を選んで積んでいる。そうか、ここじゃ、僕なんか若造なんだ、ぶっとい木も60センチに切ってあるからなんなく放り上げ、2番目に積み込み完了。最初の人は、米沢からってことで、トラックのあおりの高さにしか積んで行かなかった、もったいない!公民館職員から、遅れて来る2名の分さえ残してもらえれば、2度来てもいいですよ、って耳寄りな話し、おっ、ここは急行便でも一度やるか?!と色気、欲気がムラムラっと来たが、残る薪を見れば、2回目でもらえそうな薪はそれぼとなさそう、それに後の2人にも残してやらんとね、がっついちゃダメダメと自らの意地汚い根性を諫めて、1台で我慢することにした。

 家に帰って、積み上げてみれば、結構な量!上手く積めた、思いの外量があった、で大満足。

 しかもくじは①番くじだったし、これからなんかいいことありそう!なんて実にたわいないもんだよなぁ、人間ってやつは。おっと、またもや言い間違い、僕ってやつは!

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新舞台監督、舞台経験たったの1回!でも、やりそうですぞ!

2016-04-22 08:55:00 | 演劇

 舞台監督=舞監が決まった。えっ、いつの公演の話し?『女たちの満州』に決まってんじゃないかって、遅っ!

 ほんと、遅い。僕もつくづくそう思う。公演1か月前だってえのに。このあたふた感、この泥縄具合、うーん、実に菜の花座的じゃないか、って感心してる場合いかよ。舞監ができる人材っていうと、どうしたって経験豊富な人間、芝居もわかり照明や音響にも通じ、しかも全体を統括できる人、となると、今の菜の花座じゃ若手ってことになるんだけど、その3人が今回はすべてキャスト、一昨年まで舞監専属でやってたマキコは子育て中だし、弱ったなぁ、どうしよう?でずるずるとここまで来てしまった。

 これまた遅ればせながらチラシの原稿が仕上がってきて、見れば舞監名が空欄!これ、さすがにまずいでしょ!チラシ見た人疑うよ、なんだぁ?舞監が決まってないのかぁぁぁ?!芝居の質だって疑われかねない。こりゃ何としても、決めなくっちゃ。

 沈思黙考1分間、よしっ、決まった、Hさん。ええーっ、Hさん?聞いた事務局、驚いたろうねぇ、だって、シニアの4期生だもの。つまり、舞台経験は役者として1回のみ、裏方の知識もほぼゼロ!普通、あり得ない、舞監って言ったら、舞台の要だもの。知識も経験も豊かで、しかも役者、スタッフに信頼されていなけりゃならない。初心者に務まる仕事じゃない。

 でも、決めた!決断を後押ししたのは、まずやる気。11月のシニア演劇学校4期生公演の打ち上げの時にすでに菜の花座加入を表明していたし、今回ピンスポットを頼んだ時も早く稽古に参加したいという意欲が漲っていた。これがまず一番だ。次に理解力の速さ、外資系企業に働く経験は伊達じゃない、1を聞いて10を知る、つーと言えばかー!しかも、好奇心は満々だ。これから1か月、若手から猛特訓を受ければ、本番は十分仕切れるようになるだろう。

 そして、最後は人柄、明るい!小さいことにくよくよしない、誰とでもすぐ酒飲みできる、いや違った、仲良くできる。物怖じしない。これはとても大きなプラス要因だ。さっそく彼に渡された舞監心得のテキストにも、舞監の仕事その1として、勝手きままに騒ぐ役者、スタッフに「俺の話しを聞け!」と一括すること、って書いてあったが、彼なら平気でするだろう。

 依頼してその翌日、早くも稽古に参加したHさん、出演メンバーから拍手で迎えられた。できるかどうか、とか不安とか、そういった言葉は一切ない。すでに舞監としての威厳と自信を備えている。かと言って、知ったかぶりするでもなく、しゃしゃり出るわけでもなく、適度なはまり具合で座っていた。

 そのあとの稽古、それまでより役者一人一人の集中力が格段に高まっていた。舞監の存在、大きいなぁ!舞監就任のお礼として、彼のカッコいい舞台写真を載せておこう。

 

 

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堆肥宅配便

2016-04-21 09:08:15 | 農業

 堆肥が届いた。それもダンプで2台、たっぷり!家の裏の5aほどの畑には十分すぎる量だ。これで秋野菜まで不安なし、使い方しだいでは来年の春だって撒けるかもしれない。運んでくれたのは、家の稲わらをあげている酪農家Sさん。今年は雪が少なかったこともあって、すでに田んぼの方にもどっちゃりと落としてくれている。さあさあ、早く田んぼの準備を始めろよ、って急き立てられているような気分になるが、まだ、種まきだって終わっちゃいない。おっと、思い出した、浸積しておいた籾の芽出しを始めなくっちゃ、ちょっとスイッチ入れてくる。(と、外に出る)・・・・よし、これで明日には芽が出て、水から上げて水切り乾燥、種まきの準備完了!えー、それで、普段なら連休中の作業なのに、Sさんの仕事もはかがいっているようだ。

 田んぼの堆肥は、稲わらとの交換、でも畑の方は、こちらからは言い出しかねていたもの。Sさんの方で、気を利かせて運んでくれたのだ。それは、山の畑を耕さないと決めたことを知ったからだ。山の畑、そう、里山の裾野にけっこう広い畑を持っている。以前はここで桃を育て、野菜を作り、小麦まで栽培したりした。将来的には、ここに山小屋を作って移り住むことだって考えた。周囲は牧草地、背後は奥羽山脈につらなる里山、高台からの眺望は見事で、開けた南面の奥には吾妻の峰も望める。

 桃もよく育って、プロも驚くほどの美味しいものができた。まさに桃源郷だ。そのためには、朝5時起きして剪定やら草刈り、嫌な農薬散布までこなした。むろん、勤務に支障を来さぬように頑張った。ひそかに「ふふるファーム」と呼んだりして、この農場が軌道に乗ったなら、仕事を辞めて専業農家になるのもいいかもしれない、と本気で考えていた。ちょうど教員としての倦怠期でもあったかな。

 夢はあっけなく終末を迎えた。猿の出現・襲撃だった。収穫の1週間前になると、大挙して押し寄せ、一晩で食い散らかして行った。なんてこっちゃい!だが、こちらだってやられてばかりはいられない。電気柵を張り巡らし、必死に防戦に努めたが、どこをどう掻い潜るのか、猿一族には一向に効き目なく、報われぬ抗いを2年続けた後、白旗を掲げ桃作りから撤退した。

 それでも、隣接する畑は地味も豊かで野菜作りには絶好、傾斜地の桃畑はSさんに牧草地として提供した後も、栽培を続けた。カモシカが食い荒らすので豆類はダメ、それは聞いていたから、カモシカが好かないジャガイモ、加工用トマト、ネギなどを作って、10年ほどは順調に収穫していた。が、今度はなんと、イノシシ野郎が嗅ぎ付けてやってきた。これまた収穫直前のジャガイモを掘り起こし食い尽し、まるで人間による盗作にでもあったようにきれいに奪い去って行った。トマトも同様。残るはネギだけ。これが2年前の出来事。

 まさかネギだけ栽培するのに5aは使い切れない、ネギ農家じゃないんだから。そして、今年は農業従事者が僕一人、これはもう、山の畑すべてを諦めるしかない。仕方なくSさんに管理をお願いすることにした。だから、大量の堆肥宅配は、畑の小作料でもあるわけだ。そう、つまり、夢を放棄して得た代償がダンプ2台の堆肥ってことでもある。

 安くはない価格で手に入れ、その後何年にもわたって悪戦苦闘した挙句、手元を離れていく山の畑、ずいぶん無駄に無駄を重ねたようで、それを思うと気が滅入るが、人生、無駄と寄り道はつきものよ!って言い聞かせながら、もらった堆肥をめでることにしよう。

 

 

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