朝早い電車に坐っていたら、カメムシが飛んで来た。目の前のリュックに止まり「ブーン」という音をたてている。カメムシがリュックに摑まりながら左右の羽を高速で羽ばたかせ続けている。はじめてカメムシの羽の音を聴いた。からだの割には大きな音である。時間にして30秒から1分くらいは「ぶ~ん」とやっていた。そのあいだ私はすっかりカメムシに支配されていた。その日釣った岩魚よりもこのカメムシの方が印象に残っているのはどういうわけだろう。
朝早い電車に坐っていたら、カメムシが飛んで来た。目の前のリュックに止まり「ブーン」という音をたてている。カメムシがリュックに摑まりながら左右の羽を高速で羽ばたかせ続けている。はじめてカメムシの羽の音を聴いた。からだの割には大きな音である。時間にして30秒から1分くらいは「ぶ~ん」とやっていた。そのあいだ私はすっかりカメムシに支配されていた。その日釣った岩魚よりもこのカメムシの方が印象に残っているのはどういうわけだろう。