
青春18きっぷの5回の欄に9月7日付けのハンコが入って、何とか期限までに5日分を使い切ることができました。
4日分はお盆に東北、最後の1日でどこに行ったかといえばコレです。

新幹線駅もかなり立派になってきた富山駅から出発し、神通川を渡るとすぐに高山本線に入ります。
高山本線は単線非電化のローカル線で、特急ひだ号の運転こそありますが、それほど本数は多くありません。
数少ない列車の中から接続のいい列車を選んでいって、下呂までは3時間くらいかかりました。
山越えの路線だけありダイナミックな線形を描く区間も多く、川沿いをなめるように走るため車窓風景もたいへん素晴らしい路線です。
川は、富山を出てから進行方向とは逆に流れていたのですが(宮川)、高山を少し過ぎた宮峠を境に進行方向と同じ流れの川が現れました。(飛騨川)
宮峠は国道41号線の難所として知られていますが、鉄道も大きな大きなカーブを描きながら高度を稼ぎ、トンネルを抜けると今度は徐々に高度を下げていくのが分かりました。
この峠がいわゆる「分水嶺」であることに気づくのにそれほど時間はかかりませんでした。
さて、天気はよかったのですが外は暑いくらいの気温で、下呂駅から温泉街まではやや上っているためすぐに汗が出てきました。

それでもがんばって温泉街よりも奥手にある「雨情公園」まで行って一休み、すぐにとって返して街中で食事をとってから、写真の外湯に入ってゆったりしました。

列車の本数が少ない路線ではハプニングも時に致命傷になりますので、お風呂の休憩所で眠りこけたい誘惑を断ち切って飛騨川沿いを散策しながら駅に向かいました。
「いでゆ大橋」のたもとでは、靴を脱いで川に足を入れて涼んでいる若者の姿が多くありました。
ちょうど日が射してきて、写真は思い切り逆光になってしまいましたが。

帰りは接続が今一歩で、高山で一度下りて1時間ほど散策しました。
あくまで接続待ちの時間で、さしたる目的もないままブラブラしただけですが、いつ来てもいいところです。
高山を出る頃にはもうずいぶん暗くなってきていて、富山には20時前の到着、移動は正味6時間もありましたので日帰りとしてはかなりきつかったです。
ちなみに富山と下呂を単純に乗車券だけ買うと往復で5,180円ですので、1日あたり2,370円の18きっぷでは十分過ぎるくらい乗ったことになります。
ともあれ、せっかくの切符ですから使い切ることに意味があり、今年の夏の思い出の大きな助けになってくれたことに感謝したいと思います。
体力的にきついのと計画そのものが大変なので、よほど好きな人以外にはオススメできませんが、スピードと効率とは無縁の、ある意味不自由な旅を自分なりに存分に楽しめたことはいい経験になりました。
年に数回、学生さんがお休みの時期を中心に発売され、攻略本まで出ているくらいの切符ですから、また使ってみたい気もしています。