スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産省賞典安田記念&感情の処方

2021-06-07 19:27:48 | 中央競馬
 昨日の第71回安田記念
 カテドラルはやや立ち上がるような発馬となり1馬身の不利。先手を奪ったのはダイワキャグニーで2番手にトーラスジェミニ。この2頭が1馬身半くらいのリードを取ってレースが進みました。3番手にダノンプレミアムとラウダシオン。1馬身半差でギベオンとインディチャンプとシュネルマイスター。8番手にサリオスとダノンキングリー。1馬身半差でグランアレグリアとケイデンスコール。12番手にカラテ。カデナとカテドラルが隊列の最後尾を併走。前半の800mは46秒4のスローペース。
 直線に入ってもしばらくはダイワキャグニーが先頭でしたが,2番手のトーラスジェミニが追い抜きました。ここからは激戦。トーラスジェミニの外からインディチャンプが伸びてくると,トーラスジェミニとインディチャンプの間からグランアレグリア。インディチャンプの外がシュネルマイスターでその外からダノンキングリー。トーラスジェミニは脱落し,残る4頭の争い。グランアレグリアとダノンキングリーの2頭の伸び脚が優り,優勝争いは2頭。優勝は外のダノンキングリーでグランアレグリアがアタマ差で2着。シュネルマイスターが半馬身差の3着でインディチャンプはクビ差で4着。
 優勝したダノンキングリーは昨年の中山記念以来の勝利で大レースは初制覇。3歳のときからゆくゆくは大レースを勝つだろうと見込んでいたのですが,4歳のときは順調に使うことができず,5歳になってようやく僕の期待に応えてくれました。このレースはグランアレグリアの能力が上でしたが,ヴィクトリアマイルを早いタイムで勝ってから中2週というのが不安でした。ただ今日のレースをみると,その点は問題なかったのですがこの馬自身がほかの馬に不利を与えて狭いところから伸びてきたように,窮屈なレースになったというのが最大の敗因でしょう。道中の位置取りがやや後ろ過ぎたのではないでしょうか。これに対してダノンキングリーはのびのびと走ることができましたので,それが逆転に繋がったのだと思います。父はディープインパクト。6つ上の半兄に2014年にカペラステークス,2015年に黒船賞東京スプリントクラスターカップ東京盃,2016年に黒船賞北海道スプリントカップクラスターカップJBCスプリントを勝ったダノンレジェンド
                                         
 騎乗した川田将雅騎手は大阪杯以来の大レース27勝目。第65回,67回に続く4年ぶりの安田記念2勝目。管理している萩原清調教師は昨年の香港カップ以来の大レース9勝目。国内では一昨年のヴィクトリアマイル以来の大レース制覇。安田記念は初勝利。

 第四部定理一四がいっているのは,善bonumと悪malumの認識cognitioはそれが真verumであるということによっては感情affectusを抑制することができないということです。したがって,たとえば新型コロナウイルスに感染するリスクを高める行為を喜びlaetitia,すなわち第四部定理八よってそれが善であると判断している人に対して,実際はそれは悪であると認識するcognoscereことが真であると教えたとしても,その人はそれが善であるという判断を変更することはありません。これは一般的な事柄に属しますが,何を善と判断しまた何を悪と判断するのかということは諸個人の現実的本性actualis essentiaによって決定されるのですから,いかに真理veritasというものが万人に共通のものであったとしても,それは感情に対しては何の効果ももたないのです。別のいい方をするなら,万人にとって善であることあるいは万人にとって悪であることというのは存在しないのであって,ある事柄が善であるとかある事柄が悪であるということは,一般的な真理として規定することができないのです。よってあらゆる感情,とくに喜びと悲しみtristitiaに属する感情に対しては,どのような真理も効果的ではないのです。
 第四部定理七がいっているのは,確かに何らかの真理が感情を抑制するのに効果的ではないということでもあります。ある感情を抑制するのは真理ではなく,その感情より強力な感情であるといっているからです。しかし他面からいえば,この定理Propositioは感情を抑制することは不可能であるということをいっているのではありません。ある感情は少なくともそれよりも強力な感情によっては抑制されるといっているからです。したがって,たとえば新型コロナウイルスを蔓延させる可能性を高めることによって感じる喜びは,その可能性を低下させることによって感じられるより大きな喜びによっては抑制されますし,また蔓延させる可能性を高めることによって生じるより大きな悲しみがあるなら,その悲しみによっても抑制され得ることになります。
 これが感情を論点とした場合の処方において,一般的に遵守されなければならないことです。ただし何が強力な感情となるかということについては,第四部定理一六も考慮しておく必要があります。
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