スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

マイネプリテンダー&紐帯

2021-06-01 19:09:58 | 血統
 5月23日のオークスを勝ったユーバーレーベンの輸入基礎繁殖牝馬は,3代母で1995年にニュージーランドで産まれたマイネプリテンダーという馬です。ファミリーナンバー6-b
                                        
 マイネプリテンダーは繁殖牝馬としてではなく,競走馬として輸入されました。競走成績は4戦して未勝利戦の1勝のみ。ところが繁殖牝馬になると,立て続けに活躍馬を産みました。
 最初の産駒が2000年に産まれたマイネヌーヴェル。2003年にフラワーカップを勝ち,初産駒が重賞を制覇したのです。この馬は繁殖に入り,ユーバーレーベンの祖母になりました。
 3番目の産駒は2003年に産まれたマイネルネオス。平地で4勝してから障害レースを走るようになり,2011年に中山グランドジャンプを勝ちました。障害とはいえ,2頭目の産駒は大レースを勝ったことになります。
 4頭目の産駒は2004年に産まれたマイネルアワグラス。この馬は2008年にシリウスステークスを勝ちました。今度はダートの重賞勝ち馬が出たことになります。
 5頭目の産駒が2005年に産まれたマイネルチャールズ。この馬は2008年に京成杯と弥生賞を勝っています。
 2002年は産駒がなく,2006年に産まれた馬は競走馬として登録できませんでした。そしてマイネプリテンダーの産駒はこれですべて。実質的に5頭の産駒のうち4頭が重賞を勝ったことになります。
 子孫以降の世代からはユーバーレーベンが初めての重賞勝ち馬。産駒が少なく,牝馬もマイネヌーヴェルだけなので,一族がすぐに拡大していくことはないのですが,曾孫世代から大レースの勝ち馬が出ましたので,活力が衰えた牝系というわけではないでしょう。

 個々の人間の現実的本性actualis essentiaは異なるので,一般的にこのようにすればよいという方法を示すことはできず,個々の現実的本性に見合うような形で解決しなければいけないということは,解決策のヒントの前提となります。これは要するに,社会的な分断,あるいは情報の分断というのが,現代社会が抱える病理であるにしても,それを社会的な問題として,社会的に解決しようとしても,うまくはいかないであろうということを示唆します。僕はそれを社会的に解決する方法がないとはいいませんが,そのような解決策を選択するべきでないと考えています。これはスピノザ主義者としてそう考えるということで,このことが何を意味するのかということは,ヒントを出していく中で明らかにされるでしょう。
 その前に,次の点には注意しておいてください。いくら個々の人間の現実的本性によって社会的な分断が生じるのだとしても,分断された社会,たとえばAというグループとBというグループに分断されてしまったとして,Aの中に社会的な紐帯が存在しないとかBの中にも社会的な意味での紐帯が存在しないということを意味してるわけではありません。そこに強度の相違はあるでしょうが,紐帯というのは生じているのです。ただしここで僕がいう紐帯というのは,人間の現実的本性に基づくような紐帯,いい換えれば第三部諸感情の定義一により欲望cupiditasによる紐帯であり,欲望を生じさせるその他の基本感情affectus primariiすなわちあるものを希求させる感情としての喜びlaetitiaおよびあるものを忌避させる感情としての悲しみtristitiaによる紐帯です。こうした感情による紐帯が現にあるということは,それほど難しく解する必要はありません。たとえば中東地域におけるユダヤ人とアラブ人の対立の背景に,相互が憎しみ合っているという感情の紐帯が大きく影響しているというように理解してもらえればいいです。もちろんすべてのユダヤ人がアラブ人を憎み,またすべてのアラブ人がユダヤ人を憎んでいるというわけではありません。あるいは憎んでいる場合でも,その憎しみodiumには強度の差があると考えなければなりません。それでもこの憎しみは,ユダヤ人やアラブ人の間に紐帯は発生させるのです。
コメント
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