スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京スプリント&ヘーゲルのライプニッツ批判

2015-04-08 20:35:38 | 地方競馬
 好メンバーが顔を揃えた第26回東京スプリント
 アルゴリズムが出負け。好発はゴーディーでしたがシゲルカガがすっとハナに。これも楽にダノンレジェンドが2番手に上がり,押しながらグレープブランデーが3番手。そしてその外にサトノタイガー。最内のピエールタイガー,控えたゴーディーと続き,ノーザンリバーとドリームバレンチノはその後ろ。前半の600mは34秒1でハイペース。
 3コーナーを回ってシゲルカガのリードは2馬身ほど。ダノンレジェンドとグレープブランデーの差も同じくらい。差は縮まりましたが直線入口でも前の隊列は変わらず。そこからダノンレジェンドがシゲルカガを交わして優勝。シゲルカガが逃げ粘って2馬身差の2着。ただ1頭だけ伸びたといえるノーザンリバーがグレープブランデーを交わして2馬身差で3着。
 優勝したダノンレジェンドは先月の黒船賞に続き重賞3連勝。強い内容でしたが,今日は前が止まらない馬場状態が大きく味方したように思います。2着馬は前走でオープンを勝っていますが,強力メンバーのレースではなく,その馬が2着に粘れたことを考えれば,3着馬に対して着差ほどの力差があるわけではないでしょう。ただ,スムーズに先行できれば力が発揮できることは明瞭になりましたから,今年のこの路線の中心的存在であることは間違いありません。
 騎乗した丸田恭介騎手,管理している村山明調教師は東京スプリント初勝利。

 ヘーゲルは『哲学史講義』という著書で,ライプニッツの批判を行っています。『宮廷人と異端者』では,その批判のうち,現状の課題と関係する部分が少しだけ紹介されています。それを取り掛かりにします。
                         
 ヘーゲルは,最終的にはスピノザに対して批判的でした。それはとりわけスピノザの認識論において,主体というものが完全に排除されてしまっていることと大きく関連します。しかしヘーゲルは,哲学者であるためにはスピノザ主義者でなければならないという考えを有していました。なので,ライプニッツの主張とスピノザの主張が食い違う部分においては,基本的にスピノザ主義の立場からライプニッツの方を批判することになります。ヘーゲルのライプニッツ批判には,まずそういう原則があるということに注意してください。
 ヘーゲルが問題にしているのは,ライプニッツのいう可能世界すなわちモナドが,実体として成立するのかという点です。これは,第一部定理五に対するライプニッツの疑問というものは,スピノザ主義の立場からみれば,レトリックにすぎないという僕の考えとパラレルな関係にあるといえます。というのは,現実世界だけでなく,すべての可能世界が神の意志によって創造されるというなら,モナドには実体としての性質がないというのがヘーゲルの批判の中心だからです。いい換えればヘーゲルもここではスピノザ主義の立場から区別というものを考え,あるモナドと別のモナドは様態的に区別されなければならないと考えているのです。要するにモナドは実体ではなくて様態であるというのがヘーゲルの認識だといえます。
 僕の考えでは,おそらくライプニッツは区別ということの考え方がスピノザと違っているのです。なのでこの批判はそれ自体ではライプニッツの批判にはならないかもしれないと思います。ただ,モナドが様態ならば,神が実体でなければなりません。その実体の意志によらずしてモナドが存在し得ないとしたら,第一部定義三は,スピノザがいっているのと同じ意味でライプニッツの哲学においても守られているということになります。つまりライプニッツもスピノザ主義者にほかなりません。
コメント
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