goo blog サービス終了のお知らせ 

スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

国際自転車トラック競技支援競輪&原因の観念

2021-06-14 19:23:00 | 競輪
 松山競輪場で行われた昨晩の第13回国際自転車トラック競技支援競輪の決勝。並びは坂本‐斉藤の北日本,菊池‐金子‐相川の関東,町田‐吉永の広島,久米に近藤。
 斉藤がスタートを取って坂本の前受け。3番手に久米,5番手に菊池,8番手に町田で周回。残り3周のバックから町田が上昇を開始すると,菊池も合わせて出ていき,内の菊池と外の町田が並びました。坂本は誘導との車間を開けて待ち構えてホームに入り,3つのラインが併走に。坂本を叩いたのは菊池。坂本が4番手を確保し,6番手に久米。町田は8番手まで引かされての一列棒状に。打鐘から引いた町田が再発進。菊池を叩いてかまし先行になりましたが,吉永が離れてしまい,やや離れた2番手に菊池。菊池はバックに入って町田との差を詰めていきましたが,そこからまた町田がスピードアップ。菊池は町田に追いつくことはできず,そのまま逃げ切った町田が優勝。2着争いは直線で内から伸びた坂本,町田を追った菊池,菊池マークの金子,金子マークの相川の4人。菊池を差した金子が1車身差の2着で菊池が8分の1車輪差で3着。坂本が8分の1車輪差の4着で相川が8分の1車輪差で5着。
 優勝した広島の町田太我選手は1月の久留米のFⅠを完全優勝して以来の優勝でグレードレースはこれが初優勝。デビューから1年強でのグレードレース優勝ですから,前途洋々といっていいでしょう。レース内容も,結果的に単騎でのかまし先行になり,自力選手が2番手から追ってきたのを前に出させずに逃げ切ったというものですから,とても強かったといえます。とはいえこれはこのレースに出走したメンバーでは力量が明らかに上位だったということであり,相手がさらに強化されればこのような勝ち方はさすがにできないでしょう。それでももうすぐ21歳になるという若さなので,将来のスター候補であることは間違いありません。
 協賛競輪や支援競輪を実施することは有意義だと思いますが,GⅢを乱発するのは,主催者自身がグレードレースの格を下げてしまう行為に等しいと僕は思います。GⅢで行うなら,少なくともそれに見合ったレベルの選手が出走できるときにするべきではないでしょうか。

 このことについては次のことをつけ加えておきます。
                                   
 第三部諸感情の定義七から分かるように,憎しみodiumは,外部すなわち自分以外の何らかのものの原因の観念を伴った悲しみtristitia, concomitante idea causeです。そこで,もし志村けんさんが亡くなったことで悲しみを感じるなら,これは亡くなった志村さんの観念を原因として伴った悲しみであるとみることができます。したがってこの限りにおいて,志村さんが亡くなったことで悲しみを感じるとき,志村さんのことを憎んでいるとみることができます。一般的にいい換えれば,僕たちは僕たちの愛する人が亡くなったとき,その愛する人のことを憎むようになるということができます。しかし,実際はこのようなことはほとんどの場合で生じません。なぜかというと,これは憎しみが,単に外部の観念を伴っている悲しみというわけではなく,その外部の観念が原因として伴われていることに由来します。このためにこの原因の観念が別の観念と連結したり結合したりすると,そのものに対する憎しみは消滅するのです。なおこのことは,外部の観念が原因として伴われていることに由来するのですから,この点では第三部諸感情の定義六の愛amorの場合も同じです。つまりこのことは憎しみの場合だけではなく,愛の場合にも妥当します。
 このことを一般的に示しているのが第三部定理四八です。これを志村さんの場合に適用すれば,志村さんは新型コロナウイルスに感染することによって亡くなったのですから,志村さんが亡くなったことを表象するimaginariことによって,それを原因として伴う悲しみは,単に志村さんの観念を原因として伴っているのではなく,新型コロナウイルスの観念と連結あるいは結合した観念を原因として伴うことになります。よって志村さんに対する憎しみは消滅し,新型コロナウイルスの観念を原因として伴った悲しみに変ずるのです。いい換えればこのとき僕たちは,志村さんのことを憎むのではなく,新型コロナウイルスのことを憎むようになるのです。もちろんこの憎しみの大きさもまた,志村さんに対する愛の大きさと比例することになります。とはいえ多かれ少なかれ,僕たちはこのときに新型コロナウイルスを憎んだのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする