スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典黒船賞&精神の完全性

2016-03-15 19:20:34 | 地方競馬
 第18回黒船賞
 絶対に逃げたいという馬は不在でしたので,発走後の直線ではそれぞれが周囲の出方を窺うような形。先手を取ったのはラブバレットで,半馬身差の外にダノンレジェンド。1馬身ほどでニシケンモノノフ。4番手がタールタン。この後ろはサクラシャイニー,ドリームコンサート,メイショウオセアンの3頭。ミドルペースに近いハイペースでした。
 向正面に入ると後方からドリームバレンチノが外をぐんぐんと上昇。捲りきるかの勢いでしたがダノンレジェンドが対応し,3コーナーでは2頭が並び,これをニシケンモノノフが追う形。そのままコーナーを回るとドリームバレンチノは一杯。一旦は抜け出したダノンレジェンドを,コーナーでドリームバレンチノの外に出たニシケンモノノフが追い詰めましたが届かず,優勝はダノンレジェンド。1馬身差の2着にニシケンモノノフ。直線ではニシケンモノノフの外に回ったタールタンがドリームバレンチノは捕えて2馬身半差の3着。
 優勝したダノンレジェンドは昨年9月の東京盃以来の勝利で重賞6勝目。第17回に続いて黒船賞連覇。ここは実力は上位。斤量差がありましたからその点は心配材料でしたが,問題となるほどではなかったようです。最後は差は詰められたものの手応えには余裕があり,斤量差もあった上に,ドリームバレンチノに早めに来られて楽な展開でもなかっただけに,着差以上の力差はあると考えていいでしょう。短距離路線では今年も主役級の活躍が期待できそうです。
 騎乗したミルコ・デムーロ騎手は黒船賞初勝利。管理している村山明調教師は連覇で黒船賞2勝目。

 事物を十全に認識する精神は,事物を混乱して認識する精神よりも優れている,より完全であるという意味において優れているという命題は,スピノザの哲学の中では真の命題であると僕は解します。なぜなら,第二部定義六により,より完全であるということとより実在的であるということは同一でなければなりません。しかるに第二部定理四三備考が述べているのは,十全な観念は実在的な思惟の様態であるけれども,混乱した観念は実在的な思惟の様態であるとはいえないということです。したがって事物を十全に認識する精神は事物を混乱して認識する精神よりも実在的であることになります。ゆえに十全に認識する精神の方が,より完全であるという意味において優れていることになるからです。
 ただし,事物を混乱して認識する精神というのは,現実的に存在している精神に限られるということに,ここで再び注意を向けなければなりません。今は人間の精神による事物の認識についてだけ考えれば十分ですから,さらに現実的に存在する人間の精神だけであると限定しておきましょう。僕はこの精神が事物を混乱して認識することをそれ自体で肯定する一切の見解は是認できません。ですがそれを全面的に否定するというわけでもありません。この混乱した観念は第二部定理一一系の具体的意味の様式で正しく神と関連付けられたなら,十全であるからです。いい換えれば第二部定理三二により真であるからです。
 これを理解するためには,僕がこのブログにおいて,用語として虚偽と誤謬を使い分けていることに注意してください。第二部定理三三が示しているのは,どんな観念のうちにも,それを虚偽として積極的に定立する要素は含まれないということです。当然ながらこのことは人間の精神の現実的有を構成している混乱した観念の場合にも該当します。ですがたとえばXの混乱した観念がその精神の現実的有を構成しているのなら,それはそれ自体で虚偽であると僕はみなします。なぜならそれはXの真理を十全に表現しないからです。もっと端的にいえばXの真理ではないからです。真理ではないという意味で,僕はそれはそれ自体で虚偽とみなすのです。
コメント
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