スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ゴールドシップ&解決法

2021-05-31 19:15:49 | 名馬
 先週のオークスを勝ったユーバーレーベンの父は,GCカレンダーで第9位のゴールドシップです。父はステイゴールド。母の父はメジロマックイーン。8代母が星旗
                                   
 2歳7月にデビューし新馬を勝利するとオープンも連勝。札幌2歳ステークスとラジオNIKKEI杯2歳ステークスは連続の2着で2歳戦を終えました。
 3歳初戦の共同通信杯で重賞初制覇。続く皐月賞は最終コーナーでイン捲りのような競馬をして大レース制覇。ダービーは共同通信杯で2着に降していたディープブリランテの5着でした。
 秋は復帰戦の神戸新聞杯で重賞3勝目をあげると菊花賞で大レース2勝目。さらに有馬記念も制してJRA賞の最優秀3歳牡馬に選出されました。
 4歳初戦の阪神大賞典で重賞6勝目。天皇賞(春)は5着に敗れたものの宝塚記念で大レース4勝目。
 秋に復帰した京都大賞典は5着。ジャパンカップも15着と大敗を喫し,連覇を狙った有馬記念オルフェーヴルの3着。
 5歳初戦の阪神大賞典で連覇を達成して重賞8勝目。天皇賞(春)は7着でしたが宝塚記念は連覇を達成し大レース5勝目。夏の札幌記念を使って2着。フランスに遠征した凱旋門賞は14着。有馬記念はこの年も3着でした。
 6歳の初戦も阪神大賞典で三連覇を達成。さらに天皇賞(春)で大レース6勝目をあげました。ところが宝塚記念は大きく出遅れて15着。
 秋の復帰はジャパンカップになりこれは10着。引退レースに選んだ有馬記念は1番人気に支持されましたが8着でした。
 途中から精神面の安定性を欠くようになり,大敗も多くなりました。基本的に中山と阪神は得意で,東京と京都は苦手だった個性的な馬です。種牡馬としては現3歳世代が2世代目。ユーバーレーベンは2頭目の重賞勝ち馬で,大レース制覇を達成しました。さらに昨日,ウインキートスが目黒記念を制覇。古馬の重賞の勝ち馬も出たことになります。

 前にいっておいたように,人間の精神mens humanaは有限finitumであるために,その現実的有actuale esseを構成する観念ideaの数は有限個です。一方で現代の社会societasは有限である人間の精神に対しては情報の量が過剰です。そして僕たちは,自身に悲しみtristitiaを齎すような情報に接触することを厭うという現実的本性actualis essentiaを有しているのですから,情報の取捨選択をする際には,自身に喜びlaetitiaを与えてくれる情報に接触するようになり,自身に悲しみを齎す情報に接触することを避けるようになるでしょう。このようにして様々な情報の中から,人びとが積極的に接触する情報に分断が生じるのです。よって,たとえば新型コロナウイルスに関していえば,ウイルスに感染する危険性に関する情報について,それを積極的に希求する人もいれば,それを軽く見積もる情報を積極的に希求するという人もいるのです。そして観念は必ず意志作用volitioを含んでいるのですから,それらの人びとの間では意志作用のあり方の相違も徐々に広がっていくことになります。このようにして情報の分断と社会の分断も徐々に広がっていくことになるのです。
 こうしたことは,人間の現実的本性から生じているのですから,特効薬のような解決法が存在するわけではありません。人間の現実的本性というのは各々の人間の間で一致しません。つまり,単に新型コロナウイルスに感染する危険性を高めても,現在の喜びを希求する人がいたとしても,そうした人びとの現実的本性は一致しているわけではありません。他面からいえば,各々の人間は各々の原因causaによってその喜びを希求しているのであり,その原因というのがすべて一致するわけではないのです。しかるに第一部公理三により,結果effectus,この場合でいえば喜びを希求することは,各々の原因によって必然的にnecessario生じているのですから,この結果を除去するためには原因を除去しなければなりません。ところが原因はそれぞれによって異なるのですから,一般的にこのようにすればよいという解決法はないのです。ただそのヒントとなることについては,スピノザの哲学から示すことができると僕は考えていますので,このことについても僕の見解opinioをここで示しておくことにします。
コメント
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