スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ディープブリランテ&自然

2020-03-20 19:05:48 | 名馬
 10日の黒船賞を勝ったラプタスの父はディープブリランテです。
                                        
 父はディープインパクト。4代母がバブルカンパニー。祖母の4つ下の半妹に2000年にサンスポ賞4歳牝馬特別を勝ったマニックサンデーで,7つ下の半弟に2002年にラジオたんぱ杯2歳ステークス,2003年に菊花賞に勝ったザッツザプレンティ。Brillanteはイタリア語で素晴らしい。
 デビューは2歳10月。新馬戦を勝つとすぐに東京スポーツ杯2歳ステークスに挑戦。これも勝って重賞ウイナーとなりました。
 賞金を加算できたのでこれで休養。3歳初戦に共同通信杯を選択すると行きたがってしまい2着。スプリングステークスも2着で皐月賞は3着でした。しかし日本ダービーは先行して抜け出すと追い込みをぎりぎりで封じて優勝。大レースの勝ち馬に名を連ねました。
 休養せずにイギリスに遠征。キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークスに挑戦するも8着。菊花賞の前に右の前脚に屈腱炎を発症。完治せずにそのまま引退となりました。
 ダービー馬ですが,本質的にはもう少し短い距離の方が向いていたのだろうと思います。2016年から産駒が走り始め,これまでで芝の重賞勝ち馬が2頭。ラプタスは初のダートで重賞を勝った産駒となりました。重賞の勝ち馬はもう少し出るだろうと思いますが,大レースの勝ち馬が輩出するかどうかはやや微妙な気もします。

 第四部序言を援用して神Deusと自然Naturaとを等置するとき,次のことに気を付けておいてください。
 第一部定義六から分かるように,神というのは無限に多くの属性infinitis attributisによってその本性essentiamを構成されている実体substantiamのことです。ですから神を自然と等置するときは,自然がそれと同じように解される必要があります。もっともここでは,「人新世」を克服するための内在の哲学について考察しているのですから,人類が認識し得るような属性についてだけ誤らずに理解することができればそれで十分なので,無限に多くの属性についてはそこまで注視しなくて構いません。ただ,第二部公理五の意味から,人間は思惟の属性Cogitationis attributumと延長の属性Extensionis attributumのふたつの属性だけは認識するcognoscereので,これらふたつの属性に関しては,それらが同じ意味で自然を構成していると把握しておく必要があります。したがって神と等置される場合の自然というのは,延長の属性に属するものだけをいうのではなく,思惟の属性に属するもののことも含まれます。よって物体corpusだけを自然といっているのではなく,観念ideaとか意志作用volitioといったものもそれと同じ意味で自然というのであり,人間についていうなら,人間の身体humanum corpusのことだけを自然といっているのではなく,身体が自然に属するのと同じ意味で,人間の精神mens humanaもまた自然に属することになるのです。
 これはスピノザに独自の分類というわけではありませんが,スピノザの哲学では自然が二種類に分類されます。それが第一部定理二九備考で示されている能産的自然Natura Naturansと所産的自然Natura Naturataです。ここで重要なのは,自然なるものは必ず能産的自然であるか所産的自然であるかのどちらかなのであって,それ以外には自然は存在しないということです。
 この自然の分類を第一部定理一五に当て嵌めると,能産的自然に属するものは神であり,あるものすなわち存在するものといわれているのは所産的自然に該当します。つまり所産的自然は能産的自然のうちにあるのであって,能産的自然がなければ存在するesseことも概念するconcipiことも不可能なものです。したがって第一部定理一八がいっているのは,能産的自然は所産的自然に対して内在的原因causa immanensであり,超越的原因causa transiensではないということになります。
コメント
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