スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

セリエンホルデとサロミナ&分断

2021-05-15 19:52:14 | 血統
 日曜日のNHKマイルカップを勝ったシュネルマイスターはドイツ産で,競走馬として輸入された馬です。しかし母のセリエンホルデは,ドイツでシュネルマイスターを産んだ後に輸入されています。Serienholdeはドイツ語でシリアルホールド。6代母がアグサンとサトルチェンジの祖母にあたる同一牝系で,ファミリーナンバー16-c
                                        
 シュネルマイスターがまだ競走馬として走り始める前に輸入されたのですが,そこには理由があります。セリエンホルデの母のひとつ下の半妹の産駒,つまりセリエンホルデの従姉にあたる馬が先に輸入されていたからです。その馬がサロミナ。Salominaは楽曲名。
 サロミナはドイツで競走馬生活を終えてすぐに輸入されましたので,繁殖生活は日本だけで送っています。最初の産駒がデビューしたのが2016年。この馬はオープンを勝ちました。そのひとつ下の全妹はサラキア。昨年の府中牝馬ステークスを勝った後,エリザベス女王杯,有馬記念と大レースを連続で2着して引退。さらにサラキアの2つ下の半弟は,2019年にサウジアラビアロイヤルカップと朝日杯フューチュリティステークスを制し,昨年は毎日王冠を勝っている現役のサリオスです。
 セリエンホルデとサロミナという従姉妹の産駒から,この2年の間に大レースを勝った馬が2頭,さらに大レースにも手が届きそうだった馬が1頭出たわけです。おそらく今後もこの牝系から輸入される馬もいるでしょうから,注目しておくべき牝系だといえそうです。

 人間の精神mens humanaにとっては情報過多の社会であれば,情報の取捨選択はだれでも行います。あるいは行わざるを得ないといった方がいいのかもしれません。そこでその取捨選択に偏りがあると,Aの得る情報とBが得る情報がきわめて異なったものとなるということが生じ得るのです。得る情報がきわめて異なれば,その情報について,AとBそれぞれの精神の現実的有actuale esseを構成する観念ideaもきわめて異なってくることになります。これはAとBというふたりの間だけでのことですから,これ自体で社会的な問題を惹き起こすというわけではないのですが,こうした情報の分断というのがもっと大きな範囲で生じる場合にはそうではありません。それによって社会的な分断が生じるからです。あるいはこのことが社会的な分断を生じさせる要因となるからです。実際にXについて,それは真verumであるという情報にばかり接している人と,それは偽falsitasであるという情報にばかり接している人の間では,Xに対する肯定affirmatioと否定negatio,あるいは同意と不同意のあり方は真逆になってくるでしょう。そしてこうしたことが広い範囲で生じるようになると,Xが真であるか偽であるかということが,社会的な論争の対象になってしまうようになります。実際にはあるものは真であるかそうでなければ偽であるかのどちらかでしかないのですから,このようなことが論争の対象になるのは,本来的には不毛であるといわなければならないでしょう。僕が病理といっているのは,現実的に生じているこのような現象のことです。そして情報というのはさらに増加していくでしょうから,こうした分断はますます深まっていく可能性があると考えておかなければならないのではないでしょうか。
 たとえば地球の温暖化という現象に関して,それを否定する,いい換えればそれに同意しないという人びとがそれなりにいるということは,多くの方が知っているところだと思います。それはフェイクであるということを肯定するあるいは同意するという人びとがそれに該当します。なぜそれがフェイクであるということを肯定しあるいはそれに同意するのかが分からないという人もいるかもしれませんが,それも必然的な現象なのです。
コメント
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