スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京スポーツ賞川崎マイラーズ&感情と意志作用

2021-05-27 18:54:52 | 地方競馬
 昨晩の第13回川崎マイラーズ
                                        
 モジアナフレイバーは躓いて2馬身の不利。ファルコンビークとワークアンドラブの2頭が前にいき,内のファルコンビークの逃げとなり,ワークアンドラブが控えて2番手。3馬身差でヴァケーションとウタマロ。5番手にティーズダンクとウインオスカー。3馬身差でヒカリオーソとルイドフィーネとトーセンレビュー。10番手にトキノパイレーツとモジアナフレイバー。12番手にサルサレイアとサトノプライム。最後尾にインペリシャブルという縦長の隊列。前半の800mは48秒3のハイペース。
 3コーナーで前の2頭がリードが5馬身くらいに。3番手はヴァケーションで,向正面で馬群を縫いながら追い上げてきたモジアナフレイバーがその外へ。さらにティーズダンク。直線の入口でもまだ前の2頭は大きなリードをとっていましたが,モジアナフレイバーの末脚は抜群で,あっさりとその2頭を差し切って優勝。前の2頭はフィニッシュまで競り合い写真判定。2馬身半差の2着は外のワークアンドラブ。逃げたファルコンビークがハナ差で3着。
 優勝したモジアナフレイバーは昨年9月のオープン以来の勝利。南関東重賞は一昨年の勝島王冠以来の4勝目。この馬は重賞でも通用する能力があり,ここでは能力が断然。発馬で落馬寸前の不利があった上,前にいった2頭が残るレースを差し切ったのですから,着差以上の能力差が現にあったということでしょう。距離もこれくらいが最適なのだと思います。3代母がパテントリークリア。母の6つ下の半弟に2017年に高松宮記念,2018年に函館スプリントステークスを勝っている現役のセイウンコウセイ
 騎乗した大井の真島大輔騎手は一昨年のサンタアニタトロフィー以来の南関東重賞23勝目。川崎マイラーズは初勝利。管理している大井の福永敏調教師は南関東重賞4勝目。川崎マイラーズは初勝利。

 意志作用volitioについて考える場合にはなおのこと第四部定理八に置き換えられるのがなぜかといえば,この定理Propositioがいっているのは善bonumは喜びlaetitiaの認識cognitioであり悪malumが悲しみtristitiaの認識であるということだからです。精神mensが何かを認識するcognoscere,たとえばXを認識するということは,精神のうちにXの観念が発生するということと同じです。そして意志作用というのは観念が含んでいる肯定affirmatioないしは否定negatioのことです。ですから意志作用について考える場合は,第四部定理八に置き換えることが,そうでない場合よりも意味のあることなのです。精神がXを悪と認識するということはXによって悲しみを感じるということであり,かつこの悪という認識のうちには何らかの意志作用が含まれています。同様に精神がXを善と認識するということは,Xに喜びを与えられるという意味なのであり,かつこの善という認識のうちにも何らかの意志作用が含まれているのです。
 これで見れば分かるように,僕たちが何に喜びを感じ,また何に悲しみを感じるのかということと,僕たちが僕たちに喜びや悲しみを与えるものを認識したときに,そのものの観念にどのような意志作用を有するのかということ,具体的にいえばそのものの観念を肯定するaffirmareのか否定するnegareのか,あるいはそのものの観念に同意するのか同意しないのかということの間には,ある相関関係があるのです。これは原理的にいえば,喜びや悲しみという感情affectusの方が先立つのであって,意志作用が感情に影響を受けるのですが,必ずしも感情が原因causaで意志作用が結果effectusであるとはいえません。なぜなら肯定することや否定すること,あるいは同意することや同意しないということが,それ自体で喜びになったり悲しみになったりすることがあり得るからです。
 ここで気を付けてほしいのは,このことは喜びにだけ成立するのではなく悲しみにも成立するということです。というのも僕たちは僕たちに喜びを与えるものを肯定し,悲しみを与えるものを否定しようとする傾向conatusがあるということを第三部定理二八はいっていますが,これはあくまでも傾向なのであって,必ずそうなるというものではないからです。つまりこれとは逆の肯定と否定もあり得るのです。
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