スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

リオンディーズ&デカルトへの批判

2021-05-11 19:16:57 | 名馬
 4日の兵庫チャンピオンシップを勝ったリプレーザの父はリオンディーズです。父はキングカメハメハ。母はシーザリオ。祖母がキロフプリミエール。3つ上の半兄にエピファネイア。3つ下の半弟に2019年のJRA賞で最優秀3歳牡馬に選出されたサートゥルナーリア。Leontesはシェイクスピアの「冬物語」の登場人物名。
                                        
 2歳の11月にデビュー。その新馬戦を勝つと朝日杯フューチュリティステークスに挑戦。見事にこれを制してJRA賞の最優秀2歳牡馬に選出されました。
 クラシックを目指して弥生賞で復帰。後のダービー馬に差し切られてクビ差の2着。初の敗戦を喫しました。皐月賞は4着に入線しましたが,直線半ばで外に斜行したため5着に降着。ダービーはかなり後ろからのレースをして5着でした。
 これで故障を発症してしまい,現役を退きました。
 現3歳世代が最初の産駒たちになります。リプレーザはその中で初めての重賞勝ち馬。早くに引退してしまった馬ですが,きょうだいから連想すると,早熟だったということはなく,古馬になっても走ることができた馬だと思われます。ですから種牡馬としては未知の魅力があるとはいえるのではないでしょうか。

 現実的に存在する人間の精神mens humanaのうちに,新しい観念ideaが発生したとき,もしその人間の精神がその観念を肯定するaffirmareこともできるし否定するnegareこともできる,あるいは近藤のいい方に倣っていうなら,その観念に同意することもできるし同意しないこともできるのであるとしたら,確かにその人間の精神には自由な意志voluntas liberaがあるということができるでしょう。ところがここまでに説明してきたことから明らかにされたように,人間の精神にはそのような自由意志があるわけではありません。むしろ人間の精神がその観念を肯定するか否定するか,あるいは同意するか同意しないかということは,その時点でその人間の精神の現実的有actuale esseを構成している観念によって決定されるのです。こうしたことが第二部定理四九備考には含まれているのだと近藤はいっているのであり,僕は備考Scholiumのこの部分をこのように読解したことはなかったのですが,確かに近藤のいっていることは理に適っているという発見がありました。
 ただ,近藤はこの点について,ある観念を肯定するのか否定するのか,あるいは同意するのか同意しないのかということについて,それは自由な意志によって決定されると主張したデカルトRené Descartesに対する批判を含んでいるという主旨のことをいっていますが,僕はこの点については全面的に同意するわけではありません。確かにデカルトは意志の自由があるという主張,いい換えれば観念を超越する意志作用volitioがあるという主張をしています。それはデカルトの哲学における道徳律の基礎が,理性と感情の分別,すなわち理性ratioによって感情affectusを統御することにあるということから明白なのであって,こうしたことは意志の自由を認めない限りは不可能だからです。他面からいえばスピノザの哲学では自由な意志が否定されるわけですから,デカルトが目指すような道徳律は,人間に対して不可能なことを要求しているということになります。ですからこの点においてスピノザがデカルトのことを批判するのは間違いありません。この点には僕も全面的に同意します。ただそのことが,第二部定理四九備考のこの部分に意図されているとは必ずしもいえないのであり,それは読解の結果だと思います。
コメント
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