スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

宝塚記念&スピノザの訴訟過程

2013-06-23 18:55:56 | 中央競馬
 アクシデントによるオルフェーヴルの回避は残念であった第54回宝塚記念
 いつものようにシルポートの逃げ。今日は大逃げになりました。2番手はダノンバラード。宥めながらジェンティルドンナが3番手。発馬後に行き脚をつけたゴールドシップが押さえて4番手。内のトーセンラー,外にフェノーメノと続きました。最初の1000mは58秒5でこれは超ハイペース。
 1頭だけ違ったレースをしたシルポートは,直線入口の時点でまだかなりのリードがありましたが,さすがに失速。3コーナー過ぎからダノンバラードにジェンティルドンナが並び掛けていき,その外へ押しながらゴールドシップ。さらに外をフェノーメノが追い,この4頭の競馬。抜け出したのはゴールドシップで,直線は加速し続けて3馬身半という大きな差をつけての優勝。最内に入ったダノンバラードがよく粘って2着。力んでいたジェンティルドンナは最後の伸びを欠き,クビ差で3着。
 優勝したゴールドシップは昨年暮れの有馬記念以来の大レース4勝目。この馬は道中でラップが緩む局面があると強く,そうでないと届かないというのがパターン。また,適度に時計が掛かった方が向くと思われ,今日はレース条件がマッチして快勝となりました。ダノンバラードが相手ならばこのくらいの差をつけて不思議ではなく,むしろほかの有力馬が凡走したという面もあったとは思います。父はステイゴールド。母の父はメジロマックイーン星旗風玲の分枝。
 騎乗した内田博幸騎手は先月のヴィクトリアマイル以来の大レース制覇。第49回以来5年ぶりの宝塚記念2勝目。管理している須貝尚介調教師は本馬による有馬記念以来の大レース制覇で宝塚記念は初勝利。

 それではスピノザによる第一部定理二九の証明の細部のうち,現在の課題にとって重大である部分をみることにします。
 スピノザはこの訴訟過程において,第一部定理一六の援用を行っています。僕の第一部定理二九証明でもこの定理を援用していますから,この援用の理由や詳細についてはここでは触れません。ただ,スピノザがこの定理の援用を行う際には,僕の場合よりもより懇切丁寧な内容になっています。それは単に第一部定理一六を援用するというだけでなく,この定理の内容は,第一部定理二一の場合でも第一部定理二七の場合でも同様であると補足しているのです。
                         
 岩波文庫版の『エチカ』の訳者である畠中尚志は,この部分に訳注を付しています。ここでは第一部定理二八を援用する方がベターであったというのが畠中の考え方です。ただ,現状の考察との関連だけでいえば,第一部定理二七でも第一部定理二八でも同じことなので,僕はその点について争うことはしません。しかし,この部分は第一部定理二二を援用するべきだという識者がいて,畠中はそれに対しては懐疑的です。そしてこの点に関しては僕は畠中説の方を支持します。畠中がその訳注でいっているように,この部分でスピノザがいいたかったことは,第一部定理一六の内容は,無限様態に対しても有限様態すなわち個物に対しても同じように該当するということであったと僕は理解します。そのためには,第一部定理二一で無限様態に関する補足がなされているのですから,第一部定理二二が援用されるべきではなく,個物についての言及である第一部定理二七ないしは第一部定理二八が援用されるべきであると考えるからです。そもそも第一部定理二二を援用するにあたっては,この部分のスピノザの文章を変更する必要があり,第一部定理二二の援用を主張している識者,畠中によればマイエルやベンシュなどですが,書き換えを実際に行っているようです。しかし僕はそうしたことは許されないだろうと思います。確かにスピノザと言語の関係でいえば,ラテン語は一定の年齢に達してから習得した言語ではありますが,推敲はしている筈で,それで問題ないとスピノザは判断したと考えるべきでしょう。
コメント
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