goo blog サービス終了のお知らせ 

ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

「220」ってなんの数字?

2016年04月03日 01時51分00秒 | ワインの事
220とボトルに書いてるわけではありませんが、この数字が意味のあるワインがあります。


まさかアルコールが220度なんてありえませんし

容量が220㏄ってこともありません。

ヴィンテージが220年ってこともありません(笑)



葡萄品種のことです。

例えばボルドーでは概ね5種の葡萄がブレンドされていますし、南仏のシャトーヌフ-デュ-パプでは13種の葡萄が認可され、試験前には皆さん必死で覚えようとします。

ブルゴーニュでは単一葡萄と言われながらガメイとピノノワールの混醸はあります。

アルザスのジョンティとかツヴィッカーと呼ばれるものは結構な数をブレンド。

中でもマルセルダイスさんというカリスマ生産者などは赤用ブドウも白用ブドウも一緒にします。

彼の場合は(以前にも書きましたが)ゲミシュターサッツと呼ばれる混植混醸で「同じ畑に複数の品種をランダムに植え一緒に収穫し同時に醸す」というもので「特別な世界」にいざなってくれます。

しかし、それでも10数種までです。

220・・・・

実はその「ゲミシュターサッツ」で同じワインに使用している品種の数です。

オーストリアのレートという造り手のものです。

特別高いワインでもありませんが「よくもまあ・・・・」とあきれるほどのブドウを混植しています。

この地の規定では同じ品種が50パーセント以上使ってはならず、3番目の品種も30パーセント以下、樽熟禁止、です。

つまりインチキをして90パーセント同じブドウで他のブドウは一房ずつ、っていうようなことをさせない訳です。

私の印象では壮観な人数で良いチームワークのAKB48かなあ・・・

一つ一つのブドウが突出しているわけでもなくマルセルダイスのように骨太でもありませんが、綺麗にシンクロした動きとハーモニーです。

何故か名前が「シンプリーワウ」

哲学的な名前です。


今月のメニューは春らしい食材が揃っていますが、このワインの出番も増えそうです。


           樋口誠