「完訳 緋文字」 ナサニエル・ホーソーン著 八木敏雄訳
岩波文庫 岩波書店刊
を読む。
以前から一度は読んでおかなければと思っていた小説をようやく読む。
ゴシック小説の流れを汲む、アメリカ文学の原型の一冊で、最重要小説のひとつ。
そういう知識があったから読んだが、一読した感想としては、小説としての寿命はもう尽きているのかもしれないという印象。訳文も相当読みにくいので(特に、序文とされている短編「税関」は、日本語の意味がうまくとれずに、何度も投げ出しかけた。岩波文庫は、訳文の読み取りにくいものが多い気がする)、そのせいもあるのかもしれない。
姦通を意味する緋文字の「A」が、物語とともに様々な意味を併せ持つという発想はとても面白かったけれども。