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今年のシロップ




まだ白いエルダーの花が咲き残っているのを見て少しだけ収穫した。
夏の清涼飲料水を作るためのシロップを作るためだ。花の時期に留守をするから、今年は諦めていたのだ。でも、間に合った。
檸檬が手元に無かったのでテラスで育っているLimequatとCalamondinという柑橘類の実が色づいているので幾つか放り込み、ついでに苺も入れた。
うまくいくかどうかは賭けで、それがまた楽しい。

シロップを仕込み終えて、窓の外に沢山のポプラの綿毛が空中遊泳をしているのを見る。
それぞれがまるで意志を持って飛び回っているかのようで、眺め続けていると私の頭の中にも舞い込んできて真っ白にみっしりと降り積もる。


(昨日は霧で、今日は綿毛で一杯)






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霧の中




朝、窓の外に霧がたゆたゆと湧いていた。
見慣れた景色に霧が足されるだけなのに、何故こんなにもわくわくするのだろう?
見えない場所には想像の余地があるからなのか?
此の地には珍しいほど強い湿気のせいか呼吸が重い。

カッコウカッコウと鳴き声が遠くから近づいてくるのに気がついて見上げると一羽の郭公がまっしぐらに飛んで来た。鳴きがやけにせわしない。
頭上を通り過ぎてその姿が見えなくなっても鳴き声は聞こえ続けた。
郭公が飛びながら鳴くとは知らなかった事で、ちょっと面白く思った。



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もう梅雨に入ったと日本から知らせが入った。
つい数日前に見ていた場所をまだハッキリと思い浮かべられる。
朝自分が何処に居るのか不確かで、目を開けば違う景色が見える筈だと思えて、奇妙な気分になる。

時差で狂ったリズムを無理に取り戻す努力は放棄したのだけれど、お陰で夕方如何にもコントロール不能な睡魔に襲われる。
絵を描きながらふうっと意識が消える。
鼻の頭にグラファイトの粉が付いている。

頭の中にも濃い重たい霧が湧いている。









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Japan
































3.5 - 2.6 2016

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歩くことで道は出来上がる
歩くことで目標は定まる
































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水の形

2016年1月19日

この冬は暖冬で凍てつく日が少ない。
久しぶりにちらついた雪もあっという間に溶けてしまった。
凍った水の模様を探しに出た。
アスファルトの道には羽根の様な形に模様が現れ、落ち葉や草が氷の中に、まるで寒天寄せのかなにかの菓子の様で、美味しそうに見えた。
枯れ草の茎を芯にして面白い形に薄く白い氷が張っていて、軽く足を乗せると崩れ、パリンパリンと良い音がする。
その音がもっと聞きたくて、数歩踏みしだいたけれども、美しい絵を壊している様で忍びなく引き返す。
このパリンパリンという音を聞きながら思い出したものがある。
子供の頃家の近所に飴細工のおじさんを何度か見かけたことがあった。
自転車の後ろの箱の中に飴やら道具やらを詰めていて、棒の先に絡めとられた飴はちょきちょき切られたりひっぱられたりしながら、あっという間に鳥や動物になってゆく。筆でササッと色が入るとセロファンの袋が被せられて、動物達は買われるのを待っている。私はそのハサミ使いや筆使いに見惚れて立ち尽くした。
ストローを使って飴に息を吹き込み膨らませて可愛らしい小鳥も現れる。その小鳥はの肌は薄く薄く筆で描かれた羽根と顔が愛らしく、買ってもらった記憶があるが、持って遊んでいるうちに間もなくパリンと音を立てて粉々に壊れて蟻の餌となった。
美しい飴細工であったが、大人たちは「食べてはいけません、きれいじゃないのだから」と言った。割り箸も使い回しだったかもしれない、膨らんだ鳥のお腹の中はおじさんの息が閉じ込められている。そんな事から大人たちは不衛生だという理由で食べてはいけないといったのだろう。
その辺りでは商売にならなかったのだろうか、その後飴細工のおじさんを見かけることはなかった。
薄い氷が足の下でたてる音は、あの飴細工がこわれたときの音と、その時の残念な気持ちを蘇らせた。





























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朝起きて窓の外の景色は薄っすらと白く染まっていた。
夢を思い出そうと苦労しながら、髪を梳かす。
はらはらと白髪みが雪に溶ける。






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一月七日のメモ




散歩の途中での事だ。
左目の中に冷たい氷のかけらのような物が飛び込んできた。
痛みでしばらく片目をつむったまま、厄介な物が通り過ぎるのを待つように、立ち竦む。
そろりそろり目を開く。
左に右に上に下に眼球を動かして異常が無いか確かめてみる。
左、右、左、右、上、下、左。。。。チカリと光った。光はすうっと伸びて畑の上空に飛んで行った。
それ以来、左目で見えているものと右目で見えているものが同じでは無い様に思う。





昔、皆んな同じ物を見ていると信じていたら、そうで無いのだと気が付いた頃の戸惑いは、相変わらず今でも起こるけれど、それだから面白い。




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私風春の七草






日本で春の七草と言えば「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ これぞ七草」である。この中でナズナとハコベラは見つかる、スズナとスズシロは八百屋で買うことも出来るが、いつもあるわけではない。
そんなわけで、私の七草を集めることにした。
ナズナ
ハコベラ
ミチタネツケバナ
オオバコ
フキタンポポ
スカンポ
シロツメクサ
というところでどうだろうか?

今年は私の七草粥を作ってみようと思う。

そう言えば、話は変わるが昨日黒鶴が小さな編隊を組んで飛んでいるのを見た。
時期外れの様に思うけれど、桜やレンギョウも一部咲いてしまう暖冬だから、いろいろ具合が変わっているのかもしれない。
独特の鳴き声と共に頭上を飛んで行いった。


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新年つみ草始め











この冬胃の調子が悪く、食べる事など考える気力もなかったのだが、クリスマス頃から少しずつ楽になってきたので、のんびりしていたらあっという間に年が明けてしまった。
この冬は異常な暖冬で妙な感じがあって、お正月を迎えた気がしない。いや、暖冬のせいばかりではないかもしれない。年々そういった気分が湧かなくなっている。

さて、年末に中国人の友人宅でナズナと挽肉の餡が入ったワンタンを戴いて、それがとても美味しかった。

畑道や空き地で地味に棲息しているナズナはよく見れば可愛らしい花や実が付く。
子供の頃、三角形をした果実が並ぶ茎を折り、一つ一つの果実を繊維に沿って取れてしまわない様にそっと引っ張り、すべての果実をユラユラと茎にぶる下げる。その茎をつまんで軽く振るとかすかにシャラシャラと音をたてる。そんなたわいないことを楽しんだ。
春の七草の籠にもなずなが入っていたが、その味は記憶にはなかった。
かの友人がワンタンの餡にはナズナが絶品だとなんども語るので、私の興味は深々だったが、なかなか大きな株が見当たらない、見つけて鉢に植えてみると暫くして消えてしまう。野草からは人間の言う事など聞かないぞという意思の様なものを感じる。

"よく見れば薺花咲く垣根かな " 芭蕉

とまれ、友人はせっせと葉を集めては冷凍保存していたらしい。新しい根も美味しそうな香りがあって食べる。
日本では春の七草粥に使われる事しか私は知らないが、中国でも韓国でも喜ばれる春の野草らしい。

今日、散歩中畑の脇に立派ななずなが生えていた。この陽気の中、小さな花まで付けている。
雨あがりの畑の縁は土もゆるんでスイスイと草を抜くことが出来たので、早速小さなビニール袋にいっぱい集めて帰ってきた。

天生此物為幽人山居之為 (世捨て人の為に天がナズナを与えた)
蘇東坡がなずなを評して語った言葉だそうだ。

新年摘み草始め






*効用
利尿作用/胃腸病改善/便秘改善/ガン予防/皮膚病予防/動脈硬化予防/高血圧予防/低血圧予防解毒作用/糖尿病予防/高騰血改善/止血作用









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大晦日







雨がバチャバチャと
音を立てて
窓枠を叩いている
大晦日の朝

遠くで足止めを食らったままの冬
奇妙に暖かい12月
胸をざわつかせる事件の続いた今年は

あと
16時間

時間はただ一方に流れるままで
人が勝手に決めた年の区切りが変わるからと言って
意味は無いようなものの
一区切りを意識する事で気持ちを整える

美しいものを
沢山見つける事が出来るように。

みんな笑顔で
新年を迎えられますように。

一瞬でも多くの場所に平和が訪れますように。





















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ニコラウスの手






今日は一件搬出。(昨日から左肩甲骨辺が痛くて心配したものの皆の手伝いもあって無事終了)
片付けてからアドヴェントのお祝いも兼ねたお茶会に移行。

今日は聖ニコラウスの日だ。「聖ニコラウスの日の夕方、ドアがすっと開いて手が現れ、お菓子がぽんぽんと投げ込まれるの。体も顔も見えない、手だけが見えるのでいろいろ想像していたものよ」と同席していた女性が語った。
なんとなく、いい話だなと思う。
楽しいひと時を過ごしてから、外に出ると聖ニコラウスと真っ黒なクネヒト・ルプレヒトが寒い夜闇を急ぎ足で横切るのが見えた。



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分身





私の分身がいて
代わりに話したりしてくれるなら
良いなあ、と
思うこの頃。

だけれど分身はそのうちに私と同期しなくなって、勝手なことを始めるかもしれない。
それも厄介だな。
などとどうしようないことを
ほとんど手を伸ばせば届く鼠色の空に
訴える

分身の作り方
教えてください。















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思考錯誤




暫く前、友人からのメールにパリに行ってくるとあった。
そこに家族が住んでいる。その後例の同時多発テロが起こり気になってメールを書いた。
「今、どこにいるの?」
彼女は事件の前日に此方へ戻っていた。
「恐ろしい話だわ、だけど芸術は生き残らねばね!」
と彼女らしい一言があった。


今朝も雨が降っている。





















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断熱材の威力を確認するの巻




雨が降っている。
屋根の上に溜まった雨水がちょろちょろと音を立てて流れ落ちる音がひっきりなしに続いているのに耳をそばだてる。
我々の住居は集合住宅の一室だが上の階はなく平屋根で、だいぶ前からかなり傷みが激しく、やっと修繕することになった。ところが古い断熱材を剥がしたまま職人達が来ない。来たと思ったら荷物を置いて三時頃にはもう消えている。
そして寒くなった。。。
普段考えもしなかった事だが断熱材の威力がどれだけ凄いものか確認することになった。暖房の目盛りをいっぱいに上げてもなかなか部屋が温まらず、本気でコタツまがいを作ろうか考えた。数日して少し温まって来たが、台所の煮炊きの水蒸気が冷たい屋根にふれて水滴となる。天井も湿気ている様子だ。工事担当の建築家にそれを訴えると、屋根工事会社と相談の結果数日中に応急処置をするという。
これはまずいと暖房をさらに強め、度々窓を開けて換気をし、なるべく水蒸気の上がらない料理をすることにした。

。。。と書いたところで、日曜日の夜はふけ、風が屋根の上に積まれた断熱材や道具を揺する音を聞きながら寝てしまった。

月曜日、屋根工事屋登場。
足音、屋根に溜まった水を機械で吸い取る音、断熱材や道具を引きずる音、時々荒っぽい音がしてこちらの心臓が跳ねる。
今日も天気は悪いものの、気温はそれほど低く無いしまだ雨も降っていない。
どうか早く仕事が進みます様に。。。と祈りながら買い物に出て帰ると、もうすっかり屋根の上は静かなので、又心配になる。

どうか、あまり沢山雨が降りませんように!













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散歩






早朝、散歩に出た。
小型のミルクコーヒー色のプードルを連れている年配の男性とすれ違いざま、挨拶をすると、つぶれてしゃがれた声でぼそっと挨拶が返ってきた。
彼は無愛想な表情で、彼の道連れの相棒とは面構えがまったく違う。
散歩道を一回りあるいていると、前方から見覚えのあるシルエットが近づいて来た。黒ずんでくぼんだ目元のしかめ面と素っ頓狂な顔をしたミルクコーヒー色のプードルだ。うなずきながら通りすぎようとすると”しかめ面”が解けて少し笑みが浮かんでいる。彼は立ち止まって「一日に三度同じ人とめぐり合ったら、一緒にシュナップスを一杯を飲むというしきたりがあるんですよ、知ってますか?」と話しかけてきた。傍に広がる畑を見ながら「私は生まれも育ちもこの近所だけれど、このあたりはすっかり変わってしまいましたよ、今82歳だが79年間この付近を歩き回っているんだから、よく知っているんだ」と言う。そうか、三歳の頃から歩き回っていると言うことなんだ。 よちよちと歩く小さな子供が畑道を歩くさまを想像して、なんだか愉快になった。
「それでは、もう一度お目にかかったらシュナップスを飲みに行きましょう」と言いながら手を振った。






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