「少女には向かない職業」 桜庭一樹著
創元推理文庫 東京創元社刊
を読む。
以前に読んだ「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」と、系統的には似た長編。ライトノベルではあるんだけれど、十代の少女の心を掴みそうな、透明感と痛みに満ちたガラスのような文体がよかった。
出来事がひとつの辛い結末を迎えたとき、その理不尽さに満ちた現実に押しつぶされそうになりながら、「なぜわたしたちはこんなふうな結末を迎えることになってしまったのだろう」と繰り返す。波のように返しては寄せる後悔と呪詛。そんな後戻り出来なくなった場所で、たった一人で立ち尽くす少女の物語を描くのが、桜庭一樹はとても上手い。
創元推理文庫 東京創元社刊
を読む。
以前に読んだ「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」と、系統的には似た長編。ライトノベルではあるんだけれど、十代の少女の心を掴みそうな、透明感と痛みに満ちたガラスのような文体がよかった。
出来事がひとつの辛い結末を迎えたとき、その理不尽さに満ちた現実に押しつぶされそうになりながら、「なぜわたしたちはこんなふうな結末を迎えることになってしまったのだろう」と繰り返す。波のように返しては寄せる後悔と呪詛。そんな後戻り出来なくなった場所で、たった一人で立ち尽くす少女の物語を描くのが、桜庭一樹はとても上手い。