漂着の浜辺から
囁きのような呟き。
 



 そうしてその同じ三日目の夜、深夜当番の三点鐘(午前一時半)の頃、何かが起きた。ラリー・エドワーズはふと、何か不吉なものを感じて目を覚ました。彼ははっと寝台の上で起き上がってそこに座ると、まずは閉ざされたドアの一つにさっと目をやり、それからもうひとつのドアの方を見た。どちらもきちんと閉まっていた。彼は視線を寝室の中にぐるりと這わせ、何も異常がないことを確認した。しんと静まり返っていたが、彼はじっと耳を澄ませた。すると微かな、何かははっきりしない、気になる音に気づくようになった。音は始まるとしばらく続いて少し中断し、それからまた微かな軋むような音が、ゆっくりと、そしてこっそりと、また始まるのだった。
 その密やかな、気になるノイズは、寝台やその付属品が自然に立てるような軋みの微かな音よりも確実に大きく、船が揺れるのに合わせて起こっており、まだ起きもしていない何かよりもずっとラリーには気になった。彼は無意識に、敵が何らかの方法で彼らの安心を脅かしていることを悟っていた。だが彼には、それがどのように行われるのか、あるいはどこから来るのか、想像することが出来なかった。何度も何度も、彼はゆっくりと寝室の中に視線を這わせた。突然彼は上を見上げ、ゾッとするような、そして不安にさせるようなものを目にした。大きな螺旋状の刃先がゆっくりと寝室のデッキ・ルーフを通して差し入れられてきたのだ!
 彼は無言で起き上がり、寝台の端から足を下ろした。そして近くから見た。その螺旋状の刃先はゆっくりと引きぬかれ、一インチほどの穴を残していったが、その穴はその周りにあるたくさんの穴の一つであり、すべての穴は丸く連なっていて、トミー・ダッドの目には、それが(完成したときには)直径が十八インチほどになる一つの円形を形作っていることがわかった。
 少年には、瞬時にその計画が読めた。小屋の上の人物が一連の穴を完成させたとき、その仕事を完成させるのに必要なことは、細い鋸をとても上手く静かに扱うことだろう。そうしたら次には!舟大工のずっしりとした斧の打撃が一発か二発あって、円盤状の屋根板が見事に中に落し込まれ、ビーストン船長、シーファー、甲板長、そして何人かのさらに野獣めいた水夫たちが、彼らを目覚めさせたノイズの意味するところをきちんと把握する前に、それに続いて上から降ってくるつもりなのだ。それは優れた計画だったし、もう少しで確実に権力者である野獣たちの思いのままになるところであったが、幸いなことに、若いエドワーズが目を覚ました。
 彼は用心深く寝台から彼が下に置いておいた衣装箱へと移動したとき、とても静かに、ゆっくりと道具を使って擦っている音が再び始まるのを耳にして、上にいる水夫が仕事を続けていることを知り、眠っている皆を起こした。

+++++++++++++++++++++


  Then, on the night of that same third day, about three bells in the middle watch (half-past one in the morning), something happened. Larry Edwards woke with a sudden feeling that something was wrong. He sat up very quietly in his bunk and looked, first at one closed door and then the other. Both were safely shut. He let his glance wander all round the berth and saw nothing unusual. Keeping absolutely still, he listened intently~ As he did so he became aware of a faint, curious sound that he could not locate. It began, continued a little, paused, and then began again a faint grinding sound, slow and stealthy.
  The slight, curious noise, distinct above the faint natural creakings of the bunks and fittings, as the vessel rolled, troubled Larry more than anything that had happened yet. He knew in his heart that the enemy were attacking their security in some way; but he could not imagine how or where. Again and again he let his gaze go slowly round the berth.
  Suddenly he looked upwards, and saw something that made him tingle with excitement and apprehension. The end of a big auger was coming slowly through the decked-roof of the berth!
  He sat up silently, and let his feet down over the edge of the bunk; then took a closer look. The auger was slowly withdrawn, and Tommy Dodd saw that it left an inch hole that was one of about a score of others, all bored to follow round what would make (when completed) a circle some eighteen inches in diameter.
  The lad saw the plan in a moment. When the person on the roof of the house had completed his series of holes, all that would be necessary to finish his work would be a little quiet manipulation of a narrow-bladed saw; then, hey! a blow or two with the Carpenter's heavy maul, and a circle of the roof-planks would be driven clean in, to be followed instantly by Captain Beeston, Schieffs, the Bo'sun, and some of the more brutal of the men, who would thus be upon them before they had fully comprehended the meaning of the noise that had wakened them. A good plan it was, too, and one that would certainly have left them at the mercy of the brutes in authority, but for young Edwards's providential awakening.
  As he slid cautiously from his bunk to the chest that lay beneath him he heard the slow grinding of the tool commence again, very gently, and knew that the man above them was continuing his work, all unconscious that he had waked anyone.

"Prentices Mutiny"
Written by William Hope Hodgson
(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
Translated by shigeyuki



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 彼らはコンノートの寝台のカーテンを開けて様子を見たが、彼はまだ重く鈍い眠り、あるいは意識が朦朧とした状態のままだった。
 彼らは再び意識のない三人の少年たちの前のカーテンを引いて、協議を行い、最終的に交代制を採ることにした。
 その夜にはもうこれ以上の干渉はしてこないだろうというエドワーズの予想は正しかった。三日間というもの、彼らは全く干渉を受けることなく放っておかれた――船での業務は閉ざされた鋼の部屋の周りで続けられていたが、それはプレンティスたちの健康的な軽率さや屈託のなさに慣れたというよりも、扉の向こうでは二人の少年は死にかけており、もう一人はまだ重い心身喪失の状態にあって、残りの少年たちもいったんその小部屋のドアを開けてしまったら、想像を絶する残忍さの報酬を受ける脅威に晒されているというのに、まるで異常な事態や悲劇的なことなど何もありはしないといった風だった。
 寝室の中で少年たちは掃除をし、料理をして食事をし、そして意識のない仲間たちにも、小さなオイルストーブを使って水とコンビーフで作った、吐き気を催すようなビーフティーとも言うべきスープを与えるという、大雑把で無力な試みをしていた。幸いそうした善意の努力が裏目にでるということはなかった。そしてまもなく彼らは、するべきである恐れを感じなくなった。
 その三日の間に、彼らは水夫たち――たまたまふらりと小屋の近くを通りがかる水夫たちと会話をする機会を持とうとした。そのようにして、彼らは鋼鉄の障壁の後ろにいながら、ささやかなニュースを手に入れた。二等航海士が寝台にいて、とても具合が悪いということを知ったのだ。水夫の一人は、実際に首の後ろにエドワーズのピストルの攻撃の一部を受け、いろいろな意味で、とても辛いと感じていた。さらに、少年たちは水夫の一部からは「勇敢な若い悪魔」とみなされており、そしてまた別の水夫たちからは、「無理にでも押し入る」ための何らかの方法が必要であると考えられていることを知った。その見解から、後者の水夫たちは明らかに、プレンティスたちをみんなリギングに縛り付けて、甲板長が「縄梯子のラインの一ファザムを使って、威張りちらしている若造たちを楽にしてやる」というイメージをとても楽しんでいるようだった。
 三日目の第二折半直の間、八点鐘の少し前の夕暮れに染まりつつある時間、プレンティスたちは少し「勇気を取り戻して」楽しめる余裕が出てきた。水夫の一人がこっそりと、前のドアの鍵穴を通じて語りかけてくれるのを聞いたからだ。「よくやった、お前ら!」彼は言った。「頑張れ!おれたちのほとんどはお前らが勝つ方に賭けてるぞ。奴らなんぞ呪われちまえばいい!とおれは言いたいね」どちらかといえばそれは、それほど深く考えているわけではない単なる共感にすぎなかったけれども、それでもこれから先のことに不安を抱いている雄平状態の中で、ランプの光を灯して座り込みながら、カード遊びに一日の大半を費やし、囁き声で会話をしている彼らにしてみれば、勇気を与えられる言葉だった。彼らはいつでも、「船の所有者」のスパイがドアの近くで聞き耳を立てているかもしれないと感じていたからだ。

+++++++++++++++++

They drew back the curtains of Connaught's bunk and had a look at him, but found him still in a kind of heavy, dull sleep, or stupor.
They drew the curtains again before the three unconscious lads, held a council, and finally decided to turn in.
Edwards proved to be right in supposing that no further attempt would be made on them that night. They were left absolutely unmolested for three days--the work of the ship going on about the closed steel-house as though it held nothing more unusual or tragic than its accustomed set of light-hearted, healthy careless crowd of 'prentices, instead of two lads near death, and a third who was still in a kind of heavy stupor, and all of the others under threat of most brutal reprisal, once they should open the doors of the little house.
Within the berth the lads cleaned up, cooked, ate, and tried crudely and ineffectually to feed their unconscious mates with soup of a kind of mawkish beef-tea which they made on their little oil-stove with water and corned beef. Fortunately they did no harm with these well-meant efforts; and presently they desisted for fear that they should.
At times during those three days they would catch snatches of the talk that went on between the men---talk that came plain to them as odd men happened to pass near the house. In this way they gathered bits of news, there behind their steel barrier. They learned that the Second Mate was very bad in his bunk; that one of the men had actually received a portion of the charge from Edwards's pistol in the back of his neck, and was feeling very sore about it, in more ways than one. Also, the lads learned that they were considered by some of the men to be "plucky young devils," and by others as needing something to "break 'em in"; these latter having evidently, from their remarks, a strong relish in the picture of all the 'prentices being tied up in the rigging and the Bo'sun "easing 'em of their bucko with a fathom of ratlin-line."
In the second dog-watch of the third day, when it was growing dusk, a little before eight bells, the 'prentices had a pleasant little "heartener," for they heard one of the men speaking to them cautiously through the keyhole of the for'ard door. "Good on you, mates!" he said. "Stick to it! There's a lot of us is bertin' you'll win yet. Curse 'em! I says." Which, though no more than an expression of sympathy from a half-developed mentality, was yet a cheering thing to the imprisoned five, upon whom the anxiety and confinement of their position were beginning to tell, as they sat there in the lamplight, playing cards most of the day, and talking in whispers; for they had always the feeling that some spy of the "afterguard" might be near one of the doors listening.

"Prentices Mutiny"
Written by William Hope Hodgson
(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
Translated by shigeyuki



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「赤朽葉家の伝説」  桜庭一樹著
創元推理文庫 東京創元社刊

を読む。

 図書館でふと手に取り、そのままなんとなく借りて読んだのだが、かなり拾い物だった。意欲作だというのが伝わってくる。
 鳥取の小さな町を舞台にする、母娘三代に渡るクロニクル。第一部はマルケスの「百年の孤独」を思わせるような感じ。第二部は八十年代を舞台にしていて、いろいろと懐かしかった。そして第三部は現代のミステリー小説風。その謎解きの部分で、映画化もされた「朗読者」と共通の落ちが使われていたのは、そもそも謎解きがこの小説の核ではないのだから、ご愛嬌だろう。文学作品、とまでは言わないにしても、単なる娯楽小説として読み捨ててしまうには惜しい小説。

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「ガリレオの苦悩」 東野圭吾著 文藝春秋社刊

を読む。

 東野圭吾の本には全く面白くないものはあまりないようで、これもまあまあ面白く読めた。探偵ガリレオものだが、読みながらどうしても福山雅治の顔がちらついて仕方ないのはやむをえないのだろうが、内容自体も、初期のガリレオものとはちょっと違うものになって、普通のミステリー小説になってきているような気がした。「ガリレオ」である必要はなさそうだという意味だ。

 今日は暖かい一日で、自転車でちょっと阿佐ヶ谷の方まで夫婦で出かけた。特に用事があったわけではなく、ただの散歩。ポタリング。途中、吉祥寺の古書店に立ち寄って、妖精文庫の「ジンボー」(アルジャーノン・ブラックウッド著)を購入。実は持っている本なのだが、加湿器の水漏れでちょっとふやけてしまっていたのだ。好きな本だったから、きれいめの本が手頃な値段であったので、再購入した。同じ本を二冊買うのは、僕には珍しいこと。

 阿佐ヶ谷では、駅前の「おさかな食堂」の店頭でまぐろメンチを購入し、近くの公園でビールを飲みながら食べた。これも、以前一度食べて美味しかったので再購入、という一品。やっぱり美味しかったと、妻も満足していた。

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 ちょうどその時だった。ジャンボはネジを回して覗き窓のガラスを外し、頭を突き出した。「ヘンリックセンさん」彼はできるだけ穏やかな口調で言った。「よしてください。さもないと、ぼくたちはあなたを撃たなければなりません」二等航海士はさっと手を止めて、鉄の足枷をひとつ、怪我をしていない方の左手で拾い上げ、それをジャンボの突き出た頭に向かって放り投げた。もし命中していたら、おそらく彼を殺してしまったことだろう。だが彼はすぐに首を引っ込め、そしてその大きな黒い塊は、舷窓の周りの真鍮の窓枠にぶつかって、デッキの上にドサリと落ちた。
 「それをつけて引っ込んでろ、クソガキ!」二等航海士は叫んだ。「ドアごと押し込んじまえ!」彼は舵をとるために巨大なスパーの一番遠い端を捕まえたが、それは船の揺れに合わせて、不規則に揺れた。
 「もう一度警告しますよ」ジャンボは小屋の中から叫んだ。
 「おんなじこった、このクソガキ!おんなじだぜ!」ヘンリックセンはヤードを左手でしっかりと固定しながら、吠えた。「いくぜ!」
 その瞬間、ジャンボがライフルを水平に構えて、撃った。二等航海士は叫び声を上げ、ヤードの端を放した。左の大腿部に命中したのだ。
 「さて、次はどいつだ」ジャンボは戸惑う水夫たちに向かって叫んだ。「そいつを片付けて、分別を働かせてくれ。おれたちはみんなを傷つけたいわけじゃないんだ。だがもし手を打たず、適切な処理をしないでいると、いきなり殺されかねないからな」
 それでも彼らは、二等航海士が「ドアをぶち破れ!」と呻きながらも命令する言葉に従うべきか迷い、ためらっていた。
 「今だ、ラリー!」ジャンボは言うと、急いで暗いハーフデッキ(半甲板)へと引き返した。「お前のピストルの出番だ。もしあいつらが動かなかったら、足を狙うんだ。あとは運次第だ!」
 エドワードは自分の大きなピストルを他の舷窓から突き出した。「さあ!」彼は言った。「撃つぞ!」
 すると水夫たちは一斉に、ぶら下がっているスパーをその場に放り出して走り出し、放置されたスパーは、揺れながらあちらこちらにぶつかって、ガタガタと音を立てた。彼らの背後から、ラリーの大きなピストルが音を響かせた。水夫たちを急がせるために、彼らの頭上を狙って撃ったのだ。十秒もしないうちに水夫たちは一人もいなくなり、ついには呻き声をあげていた船員たちも、安全な場所へと避難したほうが賢明だと考えた。
「やった!」エドワードは言った。「また全部のネジをきちんと締め直そう。今夜はもうぼくたちにちょっかいを出さないと思う。かわいそうなダーキンズとペータースの様子は見た?」彼が寝台のカーテンを引くと、五人の少年たちが半円を描き、どうすることもできずじっと見つめながら、神妙な様子で立っていた。
 「ペータースはなんておかしな呼吸をしているんだろう!」ジャンボが言った。「どこを怪我したんだ?こいつらの頭に包帯を巻いてやったのは誰なんだ?」
 「スチュワードだよ」トミーは言った。「船長は彼をよこさなかったけれど、ぼくがこっそりと彼のところに忍んでいって、治療に来てもらった。ダーキンズの顔色を見てよ!ぼくたちが家に着く頃には、みんなこうなっているかもしれない。いずれにせよ、銃撃が最初に起こらなくて良かったよ」
 「まあな!」ジャンボは言った。「おれはこれで全部終わったんだと願いたいね」年長である彼には、一連の出来事のぞっとするような悲惨さと、そして自分の目の前に横たわっているであろう事態が恐ろしく困難であるということがある程度わかったことで、それが望みの薄いことを悟っていた。

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  It was at this moment that Jumbo unscrewed the glass port light itself and put his head out. "Mr. Henricksen," he said, speaking as calmly as he could, "you've got to stop that, or we shall shoot."
  The Second Mate stopped swiftly, caught up an iron-bound snatch-block with his uninjured left hand, and hove it at jumbo's unprotected head. It would have killed the lad, probably, had it struck; but he drew back in time, and the great heavy block crashed against the brass circle about the port-hole and fell with a thud to the deck.
  "Back with it, lads!" shouted the Second Mate. "In with the door!" He caught the far end of the big spar, so as to steer it, for it swayed clumsily with the rolling of the vessel.
  "I give you one more warning," shouted Jumbo, from within the house.
  'All together, lads! All together!" roared Henricksen, steadying the yard with his left hand. "Now!"
  At the same instant Jumbo levelled his rifle and fired. The Second Mate gave a shout, loosed the end of the yard, and caught at his left thigh.
  "Now, then, you chaps," cried Jumbo, to the hesitating men; "you clear off and be sensible. We don't want to hurt you; but there's going to be sudden death aboard here if we ain't left alone and treated proper."
  Still they hesitated, seeming half-minded to obey the Second Mate's groaning orders: "In with the door!"
  "Now, Larry!" said Jumbo, quickly drawing back into the dark half-deck, "shove out your pistol. If they don't move, let 'em have it in the legs, and Heaven help them!"
  Edwards pushed his great pistol out through the other port. "Now" he said, "run!" And as one man they loosed the hanging spar and ran, leaving it there to bash and clatter and sway about. Behind them Larry's great weapon roared; for he had fired over their heads to hasten them. In ten seconds not a man was visible, even the groaning and cursing officer having thought it advisable to remove him- self to a safer place.
  'That's done it!" said Edwards. "Let's screw everything up tight again. They'll not touch us again tonight. Have you seen poor old Darkins and Peters?" He drew back their bunk-curtains, and the five boys stood round solemnly in a semicircle, staring rather helplessly.
  "How queer Peters is breathing!" said Jumbo. "Where's he hurt? Who bandaged their heads up?"
  "The Steward," said Tommy. "The Old Man wouldn't let him come, but I got him to sneak in and fix them up. Look at the colour of Darkin's face! There's going to be an awful row about all this when we get home. Anyway, I'm glad we didn't start the shooting first."
  "Jove!" said Jumbo, "I wish it was all over!" He was old enough to realise the hopeless, dreadful piteousness of it all, and to see some- thing of the awful complications that might he ahead.

"Prentices Mutiny"
Written by William Hope Hodgson
(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
Translated by shigeyuki




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「赤い月、廃駅の上に」 有栖川 有栖著 メディアファクトリー刊

を読む。

 全編鉄道を題材にしたホラー短篇集。作者自身が鉄ちゃんらしい。どの作品も結構楽しめるが、僕が好きなのは「密林」という短編。この前に読んだ恩田陸の「不連続の世界」の中に収録されていた「夜のガスパール」から、自然にこの本に入っていったという感じがした。鉄道に乗って、そこから二度と戻れない異界へと入ってゆくという小説はひとつのジャンルといっていいほどの数があると思う。日本で言えば、映像作品だが、ウルトラQの「あけてくれ」がジャンルの最初期だろうか。そういう作品ばかり集めてみてもおもしろそうだ。

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 「不連続の世界」 恩田陸著 幻冬舎刊

を読む。

 「月の裏側」(読んでないけれど)の塚崎多聞を主人公に据えた、連作短編集。ホラー風味の強いミステリー。どこかで読んだような話ばかりかな、という気もするが、まあ娯楽小説なので、さらりと読めて、結構面白いと思った。特に最後の「夜のガスパール」がよかった。


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