漂着の浜辺から
囁きのような呟き。
 



 
 二番目に、性質と魂が穏やかになってゆくことに対する危惧に対してだが、かつて最も人の生き血を啜った人間屠殺者たちが取りつかれていた、思い切った行動、英雄的勇気、不屈の精神といったものを要求するような前世紀的な感覚の中へと一般市民の生活を逆戻りさせるようなその意見には、私は異を唱えたい。
 もしこの点について疑うというなら、時速二七○マイルの現代のモノレールカーに直面した古代ローマの勇士の姿を想像してみるといい。さらに言うなら、時速六〇〇マイルから八〇〇マイルで地球をぐるりと旅する飛行艇に直面した姿を想像して欲しい。そうすれば、わたしの言う事にも一理あると同意してくれることだろう。
 『しかし』という異を唱える声が聞こえてきそうだ。『それは我々がそれに慣れているからだ。彼らがそれに慣れたら、問題にならない』
 なるほど。だが、それは古代の人々が大量虐殺に慣れているからだ。ちょうど我々がモノレールや飛行艇を扱うことに慣れているように。もちろんそこにだって、臆病な心をどうすることもできず戦いから逃げ出す臆病者はいる。それでも彼らは戦いの空気の中で生きているのだ。現代にも、ほんの時速百マイル程度の旅さえしないし、しようとも思わない臆病者は存在する。自分の周りには高速による轟音が鳴り響いているというのにだ。その他の点については、今日の男たちの勇気は、時代の必要性に適応している。もし古代の英雄たちが持っていたような天賦の才能があれば、さらにその上を行くかもしれない。
 さて、昔の言い方にもあるように、本題に立ち戻ろう(to get back to our muttons。直訳すれば、「羊肉の話に戻ろう」となる)。戦争はまだ我々とともにある。国家が分かれている限り。国がいくつにも別れたまま異なった価値観を持っている限り、人間屠殺業連合は恐るべき現実として長く残るだろう。我々が、そうした屠殺者に代わって治安を維持する役目を持った、世界政府という形態に同意するその時まで。
 「《世界政府》は、かつて蔓延していた、正当な理由のない虐殺に対する解決法である。だがそれはまだ時期尚早であり、今我々がしなければならないことは、逃げることなく最善を尽くすことだ。この目的を達成するために、私は二つの提案をしたい。どちらも経済学という同じ根から伸びた考え方の応用である。

****************


"To the second danger, that of becoming soft of fibre and heart, I will oppose the fact that to lead the life of a civilian in this present century of ours, calls for as much sheer pluck, heroic courage, and fortitude as was possessed by the most blood-drunken human butcher of the old days.
"If any have doubts on this point, let them try to imagine the ancient Roman soldier-hero facing the problem of 270 miles per hour in one of our up-to-date mono-rail cars; or, further, a trip round the earth in one of the big flying boats, at a speed of from 600 to 800 miles an hour, and they will, I think, agree that there is some little reason with me.
"'Oh,' I hear the cry 'that's because we're used to it. Let them get used to it, and they wouldn't mind.'
"True, my friends; but so were the Ancients used to slaughter; almost as much so as we're used to our mono-rail and flying boats. Yet there were cowards then, who shirked fighting, and never won free from their cowardice; for all that they lived in a very atmosphere of war. There are cowards today, who have never travelled above the puny rate of 100 miles an hour, and who never will; though all about them is the roar of our higher speeds; for the rest, the courage of the man of today is well suited to the needs of his time; far more so than if he were gifted with the sort possessed by some ancient hero.
"But to get back to our muttons, as an ancient saying has it. War is still with us. So long as nations remain separate, having separate and conflicting interests, so long will the profession of human-butcher remain a hideous fact, until the time when we are agreed to form a World-Nation, policed, instead of butchered, into order.
'A World-Nation is the cure for the causeless slaughter which obtains at the present date; yet it is a cure that lies in the future, and our aim at present is to make the best of that which we cannot escape. To this end I have two propositions to make; though they might both come under one head, and that is Economy

"Date 1965: Modern Warfare"
Written by William Hope Hodgson
(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
Translated by shigeyuki



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1965年: 現代の戦争

 
(フォノ=グラフィックからの抜粋)


 新しい軍事機構が、ジョン・ラッセル下院議員が先月の二十日に議会で行った注目に値するスピーチの後で即座に発足することになったが、実際の運営に世論の理解を得ることは難しいであろう。
 ラッセル氏はこう述べた――
 「向きあわねばならない時代の変化がやってきた。現代的な戦士、兵士、屠殺者、どうとでも好きなように呼んでもらってかまわないが、彼は、どんなふうに自分が一般社会に恩恵を与えるのか、それは殺すことによってなのか、それとも確実で分別ある「駆け引き」の先例に倣って巨大な肉屋に殺されることによってなのか、それをなんとしても知りたいということを声高に言うようになった。実際のところ、前世紀の囚人たちのようにもし終りのない単純な工場作業に従事しなければならないのなら――それはまさに死の工場だ――自分のやっているのは本当に労働と言えるのかどうかを知りたいと強く思うのは当然だ。労働者は一個の考える部品――脳を使うという能力を持つ一個の部品であり、所有物になってしまっているのだから。人は素晴らしい未来が約束されていると信じながら――いや、天職だと呼べるような最上の職業だと信じながら、自ら死に向かおうとするような、半世紀前の無知による半狂乱的な熱狂から醒めてしまった。精神の状態は、高い教養を身につけた人間によって、慎重に育成されるべきものである。だがそれがいつでも高い知性によってなされるとは限らない。近年ではそれが、人間屠殺業連合(the profession of human butcher)への賛同という形をとって押し進められているが、屠殺者たちの言葉によると、自分たちは同じリスクをとっているし、それが全てを発展させる最上の手段であり、人間にとって最も気高く、英雄的な好意であると主張する。この時代の我々は「ha'e oor doots(為すべきことをしている?)」と。だが今なお、昔ながらの信仰を盲信し、《由緒正しき国家》(the Nations of the Classics)を目指す人々も存在している。そして、武力によって糧を得るという高みから失墜して戦士であることをやめ、性質も魂もやわになったと言うのだ。彼らに対しては、まず第一に、強い愛国的知性に溢れた昨今では、我々は、誰かの母親にとっては息子である男を殺すという事が、問題に対する道義的解決法にはならないということは自明だと返答しよう。南極はいったい誰に属するべきなのか?いずれは、その世界法規(Universal Law)の力は(ぼんやりと伺えるその流れからでさえ)、古びた場所――つまり屠殺者の場所を奪い、知識人の健全な精神が、理屈に合わない、愚かな大虐殺にとって変わって、その場所に君臨することになるだろう。

****************


Date 1965: Modern Warfare


[Extract from the "Phono-Graphic."]

THE NEW WAR MACHINE, coming as it has so promptly after the remarkable speech by Mr. John Russell, M.P., in the House on the 20th of last month, will find the narrow path of Public Opinion paved for its way into actual use.
As Mr. Russell put the matter:――
"A crisis has come which must be faced. The modern fighting-man,soldier, butcher, call him what you will, has made definite representations that he must know in what way he benefits the community at large, by killing or being killed in the gigantic butcheries which follow in the wake of certain political 'talkee-talkees.' In fact, like the prisoners of last century, if he must tread the mill――in his case the mill of death――he is desirous of knowing that it is doing some actual work. He has become an individual, thinking unit――a unit capable of using the brain of which he is possessed. He has risen above the semi-hysterical fervour of the ignoramus of half a century ago, who went forth to kill, with the feeling that he was engaged in a glorious――nay, the most glorious vocation to which man can be called: a state of mind which was carefully fostered bx men of higher attainments; though not always of higher intellect. These latter put forward in favour of the profession of human butcher, that the said butchery of their fellows, as the running of the same risk, were the best means of developing all that is highest and most heroic in man. We of this age 'ha'e oor doots;' though, even now, there be some who still swear by the ancient belief, pointing to the Nations of the Classics, and showing that when they ceased to be soldiers they fell from the heights they had gained by arms, and became soft of fibre and heart. To the first of these I would reply that in these days of high national intellectuality we are realizing that the killing of some mother's son does not help the logical solution of the question: To whom should the South Pole belong? More, that the power of Universal Law (the loom of which even flow we can see) will usurp the place of the ancient――butcher in other words, that intellectual sanity will reign in place of unreasoning, foolish slaughter.

"Date 1965: Modern Warfare"
Written by William Hope Hodgson
(ウィリアム・ホープ・ホジスン)
Translated by shigeyuki




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 ついにアンプが壊れてしまった。
 もともと妻が子供のころから使っていたTechnicsのアンプで、三十年以上に渡って使っていたもの。マランツのCDデッキとケンウッドのスピーカーをつないで使っていた。古いが、なかなか悪くなかったので、寂しいが、妻はもっと寂しいだろう。それにしても、昔の電化製品は本当に丈夫だったとつくづく思った。
 僕自身は、最近それほど音楽を熱心に聞くことも少なくなっていて、最後にCDを買ったのはもう何ヶ月も前。ラジオは毎日聞いているけれども、かかるのは退屈な音楽が多くて、特にこれを買おうと思うことも少なくなっている。とはいえ、最後に買ったCDはラジオで聞いたもの。「sleepy. ab」というバンドのCDで、聞いた局は「メロウ」という曲。これをyoutubeで調べて、そこで見つけた別の曲「アクアリウム」のPVの映像がかなり好みだったので、買った。
 最近はCDが売れなくなったとよく聞くが、子供の数が減っているのだから、それは当然といえば当然。音楽をよく買うのは、圧倒的に若い世代なのだから。違法ダウンロードの問題なんてなくても、きっと以前のようには売れないことにはかわりはないだろうと思う。最近、普通に耳にする音楽のつまらなさが(当たり前で単調なヒップホップと切なさを押し出したディーバものと懐メロがやたらと多い)、さらにそれに追い打ちをかけているとも思うけれども。

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 何日にも渡って僕は働いた。真実と加齢毒に打ち勝つための知識を、可能な限り最大限に押し広げて、現在の《ティーン・シティ》と《ムー》で行われていることを、ありのままに書き記していった。そして充分な成長の方法も。僕は《ムー》の歴史と、そこからの僕たちのフライトについても記した。暗い宇宙のいたるとところに住んでいる、アトランとティターンについて記した。新しい太陽を探す彼らのことを。ノータンについても記した。古かろうと新しかろうと、太陽の近くに住むなんてことが信じられないという、彼らのことを。
 僕は自分のメッセージを――時間ぎりぎりまで更新し続けた。仕事を終えたとき、アールが僕のところへとやってきた。
 「ヴァヌーの船が数時間後に《ムー》に向けて出航するわ」と彼女は言った。「準備をしないと」
 その途端、僕ははっとした――これが、僕が《ムー》での戦いから戻るその時まで、愛するアールと共に過ごせる最後の数時間なのだと。もし戻ることができれば、だ。ノールにやってきて、僕は初めて悲しさを覚えた。だがアールはそんな僕の心の中を見透かしたように、嬉しい言葉を僕に返してくれた。
 「わたしも付いて行くのよ。船のテレスクリーンのオペレーターの一人として」彼女は幸せそうにそう告げた。
 僕が危険の中に身を投じて自分は取り残されるなんてことに、忠実なアールが同意するはずはないということくらい、分かっていてしかるべきだったのだ!
 「あたたの命はわたしの命」僕の腕の中に身を滑り込ませながら、彼女は囁いた。「あなたが行く場所にはどこへでも行くわ。あなたの魂の側にいることが、わたしの願いなのだから」

****************


For many days I worked, putting down the truths and the knowledge to overcome the poison of age to the fullest possible extent, as it is now done in Tean City and all Mu; and the means to full life growth. I told the story of our flight from Mu, and much of the history of Mu. I told of the Titans and the Atlans who live throughout all dark space; who are seaching ever for new suns. I told of the Nortans; who do not believe in living near any sun, old or new.
I brought my message up to date--and barely in time. For when I had finished Arl came to me.
"Vanue's ship leaves for Mu in a few hours," she said. "You must be ready."
At that moment it hit me--these were my last hours with my loved Arl until I returned from the war in Mu; if ever I returned. Now for the first time since reaching Nor I knew sorrow. But Arl saw what was in my mind, and her words brought joy back to me.
"I am to go along, as operator of one of the telescreens on our own ship," she announced happily.
I should have known that my loyal Arl would never consent to remaining behind while I went into danger!
"Your life is my life," she was whispering as she snuggled in my arms. "Where you go, there also will I go. Your soul's nearness is my desire."

"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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箱庭の海は蜃気楼のよう
だらりと伸びきった水面は波立たない
海藻の強い香りはない

塩にまみれた蛞蝓を想う
陽射しの中のアイスクリームを思い出す
小さな潮だまりを見詰める

箱庭の海は蜃気楼のよう
太陽の中に薄れて消える

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 あなたは彼らに、どのようにしたら自然な状態の水や食料の中に含まれている毒を分離し、生命の成長を達成できるのかを説くことができます。加齢毒はまだ、遠心分離機を用いれば取り除くことが出来ます。空気は適切な処置と電気の磁場掃引によって有害なイオンを完全に取り除き、栄養物を作ることができます。エクシドによって、生命磁場の基本的な統合を(ちょうど成長学校タンクの中の肉体のように)エネルギー流体の中に凝縮することが可能で、一般的に、成長の割合、頑強さ、体重は増加します。
 未来の人々に、こうしたことをするように呼びかけてください、ミュータン・ミオン。きっと得るものは大きいでしょう。あなたはこうした努力がどれほど大きな報酬をもたらしたのかを見てきました――生命の満ちた何千年もの時間――有害な太陽の下にあった惑星の上でさえも。わたしたちには、まだ生まれてもいない人々を救うことは出来ません。わたしたちに出来ることはただ遺産を残すこと。未来の人々のために、わたしたちサイエンコンの知識という遺産を残すことだけなのです。だからミュータン、あなたはその無限の愛と哀れみをもって、あなたの同胞たちのために、その愛が可能とする全てのエネルギーを注ぎこみ、この役割を成し遂げてください!」
 ノールのエルダーたち、そして神々の思慮に驚きつつ、僕は偉大なるヴァヌーの前を辞した。彼らの種族が偉大なのは、驚くことではない。だが僕、サブアトランの出来損ないのアーティストに、大きな役割が与えられたのだ。それは、心の底からゾクゾクすることだった。僕はそれを話したくて、アールの元へと急いだ。
 「驚いたよ!」と僕は叫んだ。そしてヴァヌーが言ったことを繰り返した。「僕の手の中に――この《ムー》のミュータン・ミオンの、不器用で才能のない芸術家の手に――未来の人々の希望が託されたんだ。この僕に、まだ生まれていない人々のために生命の遺産の知識を保存するという名誉が与えられたんだよ!」
 アールは僕を抱きしめた。彼女の目は輝いていた。「ええ、わかるわ」と彼女は言った。
 「すごいことなんだよ!」僕は続けた。「ノータンたちはまもなく、死にゆく太陽の放射能とデロイトの黒死病による死の脅威に晒されている何千人ものアトラン人とティターン、それにその様々な子孫たちを救うために出航する。だが僕、ミュータン・ミオンは、惑星が死を迎えるその時に至るまで、《ムー》の歴史の中に存在するであろう無数の未来の人々を救うことになるんだ。そのことを考えてみてくれ……」
 アールは僕に優しくキスをした。「さあ行って、ミュータン。そしてメッセージの作成に全力で取りかかって。でも、時間がないわ。だからわたしは、《ムー》の物語を書き記すことから始めるべきだと思う――わたしたちの物語を!そうすれば未来の人々へのメッセージに具体性を持たせることが出来る。おそらく人々は誰ひとりとして《アトランティス》を覚えてさえいないでしょう!ティーン・シティも、《ムー》の中心部の他の巨大な都市も、何一つ。多分、かつてアトランやティターン、それにノータンのような存在がいたということさえ、覚えてはいないでしょう。それを伝えるのがあなたの義務です。そしてわたしの愛したあなたのことも。もし生命の真実についての知識がなければ、いったいどうやって信じ、望みを持つことができるかしら?」
 「いちばんはっきりとしていることは、君のことを伝えなければならないということさ!」と僕は叫んだ。「君ほどの女性は、どんな時代にだって、いやしない!」
 そしてまた彼女にキスをすると、ぼくは将来のレムリア人への希望のメッセージを、テロニウムの朽ちることのない金属版に刻み込むという仕事を開始するため、必要な材料を集めようとサイエンコンの研究室へと急いだ。

****************


"You can tell them how to attain this life growth by freeing their food and water intake of all the poisons that will be found in it in the natural state. The age poisons can be removed by centrifuge and by still; their air can be made a nutrient by proper treatment and freed of all its detrimental ions by field sweeps of electric. The exd on which the basic integration of life feeds can be concentrated (just as it was in your body in the growth school tank) in energy flows which greatly increase the rate of growth and the solidity and weight of the flesh.
"Tell future man to do these things, Mutan Mion, and their reward will be great. You have seen what the reward of such effort can be--in thousands of years of life's fullness--even on a planet under a detrimental sun. We cannot save those men yet unborn. We can only leave for them the heritage that is rightfully theirs, the heritage of our sciencon knowledge. And you, Mutan, in your infinite love and pity for your fellow men, shall perform this task with all the energy that your love makes possible!"
I left the presence of mighty Vanue, marveling at the understanding of the Elders and Gods of Nor. No wonder that their race is so great. To me, the humble artist of Sub Atlan, had been given a great mission; one that thrilled me to my depths. I hurried to Arl to tell her all about it.
"The wonder of it!" I exclaimed, having repeated what Vanue had told me, "In my hands--the simple-awkward, unskilled artist's hands of Mutan Mion, culture man of Mu--has been placed the hope of future man! To me is given the honor to preserve for men yet unborn the knowledge of their heritage of life!
Arl held me to her, and her eyes were shining. "Yes, I understand," she said.
"There is more!" I went on. "The Nortans set out soon to rescue many thousands of Atlans and Titans and their variform offspring from the threat of death by a dying sun's radioactives, and from the black death of the derodite; but I, Mutan Mion, am to be the rescuer of untold numbers of future men down through the history of Mu, until the very planet is dead! Think of it..."
Arl kissed me tenderly. "Go, Mutan, and busy yourself with the beginning of the message. You have but little time, and I think you should begin by putting down the story of Mu--our story!--and thus give body to the message to future man. Perhaps he will not even remember Atlantis! Nor Tean City, nor all the other vast cities of center Mu. Perhaps he will not even remember that there ever was such a being as an Atlan or a Titan or a Nortan. It will be your duty to tell him that, too, my loved one. For how can he believe and hope if he has no knowledge of the truth of life?"
"Most certainly must I tell them of you!" I exclaimed. "Never in all Time was there such a woman!"
And kissing her again, I hurried off to the sciencon laboratories to gather the materials necessary to begin scribing my imperishable plates of telonium with the message of hope to Lemurians unborn.

"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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 今となっては、僕たちの中の誰もが、ヴァヌーはその若さの割には、ノールのエルダーの中で最も愚かという訳ではないということが分かっていたし、最上位にある者の一人として、どこでも尊敬を集めていた。彼女を追随する者たちは、著名なエルダーたちよりもずっと多く存在したのだ。
 アールと僕は愛に包まれて数日間を過ごし、ノールの文明の驚異を目の当たりにした。ここには巨大な地下都市が広がっていたが、全ての熱と有益なエネルギーは、人工的に作られていた。太陽の熱は、生きるためには必要ではなかった。惑星の土や水を毒化し、加齢による緩やかな死を引き起こす恐るべき太陽からの崩壊物質の危険などなかった。
 そんなある日、ヴァヌーは僕を呼び出した。
 「わたしがこれから話すのは、エルダーの議会が、会議室であなたに与えた任務についてです。覚えていると思いますが、あなたの役割は二つあります。一つ目はわたしたちと共に行動し、来るべき戦争を戦うことです。わたしたちは一つの計画を立てました。それには、先行する諜報部員としてのあなたの活躍が必要となります。いざわたしたちが船を出した時には、あなたはその後のことについて語ってくれることでしょう。
 さて、もう一つの任務ですが、それはこのノールで始まります。それはあなたの同胞たちに向けた、愛の任務です。わたしたちがアトランの人々を救うことに成功したとしても、全ての人々を救えるというわけではありません。多くの人々は救うことが出来ないでしょう!死の毒に冒された者たちに対して、わたしたちが出来ることなど、何もないのです。さらには、わたしたちはこの毒が暗い世界にやって来ることを許しません。感染の恐れがあるからです。さらには、デロの影も脅威です。狂気が宇宙に蔓延してはなりません。
 ですから、あなたにはわたしたちの不滅の金属であるテロニオンで出来た、朽ちることのないプレートに、未来の人々に向けたメッセージを書き記して頂きたいのです。そうすれば、それを発見して解読するだけの知性を持った、《ムー》の表面そして内部の人々にとって、成長というものの真実と加齢による早すぎる死への防御という点において、利益となるかもしれないからです。
 《ムー》のアトランの科学力では、誰もが同じように年老いて死に向かい、そしてその子どもたちは、全て同じ年齢なら同じ大きさということになります。これは《ムー》の水の中に含まれる太陽毒の蓄積によって引き起こされるもので、それは進歩のごく初期の段階で、人類の進歩を止めてしまうでしょう。人々は幼年期を超えることさえほとんどなく、死に向かいます。
 これらのプレートに、あなたは未来の人々に向けた、人生の価値というものを開くであろう扉への経路、あるいは鍵となるメッセージを記すことになります。わたしたちはその運命を知ってはいますし、哀れにも思いますが、防ぐことは出来ないのです。わたしたちに出来ることは、《ムー》にしがみついて生きることをやめれば、最上のものを手に入れることも可能だという知識を知らせてさしあげることだけです。デロはそれを読むことはできず、その当然の報いとして、死んでゆくことになるでしょう。デロのロボティズムから完全に逃げるだけの精神的な強さを持った人々は、それを読み、利益を得ることになるでしょう。

****************


All of us found out now that Vanue was not the most foolish of the Elders of Nor, despite her comparative youth, but was looked up to everywhere as one whose star was in the ascendant. Her followers were more numerous than many much more prominent Elders.
Arl and I spent several days together in our love, and in seeing the wonders of Nor's civilization. Here was a vast series of underground cities, all heated and bathed in beneficial energies artifically created. No need for a sun's light to live. No danger of dis-integratives from a dangerous sun poisoning the soil and water of the planet, to cause slow death by age.
Then one day Vanue called me to her.
"I speak now of the mission the Elders of the council granted to you in the conference chamber. As you remember, your part in the coming task is two-fold. In one phase of this you will accompany us to act with us in the great war that must be fought. We have developed a plan in which your help as an advance and secret agent is necessary. You will be told more about that later, when we have embarked.
"Now, however, your other mission begins, here on Nor. It is the mission of love for your fellow men. No matter how successful we are in rescuing the men of Atlan, it cannot be that we will rescue all of them. Many must not be rescued! There is nothing we could do for them, poisoned as they are to the point of death. Nor must we allow any of this poison to escape to the dark worlds where it can infect others. Too, the dero influence is dangerous, and madness must not spread over the universe.
"Thus it has been given to you to inscribe on imperishable plates of telonion, our eternal metal, a message to future man which will be placed on and in Mu so that those who have the intelligence to find and read it may benefit by the truths of growth and defense against a too-soon death by age.
"After the passing of Atlan science from Mu, men will begin to die at the same age, and their sons will all be the same size at the same age. This will be caused by accumulations of sun-poison in the water of Mu, which will stop all growth in mankind at almost the very beginning of their development. They will scarcely get beyond childhood before they will begin to die.
"These plates you will inscribe will contain a message that is a key and a path to the door that will open life value to these future men, whose fate we know and pity, but cannot prevent. We can only teach them what we know that will enable them to get the most out of their life on Mu. The dero will not be able to read, and thus will die as they should. Those whose minds are powerful enough to escape complete dero-robotism will read and profit.

"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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 僕の知識の一部となった物事の中には、このようなタンクの中での未来の約束もあった。いつかアールと僕はそのようなタンクと装置を作り、その中で眠り、そして充実感と美と喜びと人生の達成感を持った神々のように目覚めるのだ。
 したがって、アールと僕は存在の種子の実際の混合によって結婚したのであり、くだらない儀式によって結婚したのではなかった。無意味な言葉によってではなく、今では僕たちの女主人となったヴァヌーの愛の恵みによって祝福されたのだ。
 我々がタンクの中にいたのは、一週間にも満たなかったが、あらゆる意味において、数インチは大きくなって出てきた。だが、本当に成長したのは内面だった――というのは、ぼくはとても重くなっていて、強度的に限界だったからだ。
 知的にも、僕は限界以上に成長した。というのは、装置を調べると、その内部構造から利用法にいたるまで全てが分かったからで、最年長の神々の仕事以外は困惑することもなくなっていたからだ。ヴァヌーへの愛は失われてはいなかったが、今では仲間の一人としての愛であり、リーダーへの感謝の気持ちとなっていた。アールへの愛が、ぼくの中では最も強いものであった。[*28]

*****

原注
 *28) ミュータン・ミオンとアール、それにその仲間たちが精神と肉体の双方の成長のために向かった成長の「学校」とは、古代の三人の神族によって起草された人間発達科学の、機器という形での具体的な実現である。それは物質の統合のシンプルな法則に基づいている。そのシンプルな法則は、シェーバー氏と編集子の科学上の研究論文の中に述べられており、その出版は、全ての全時代的な科学と物理学に爆弾を投じるものであると固く信じている。もちろんここできちんと触れるだけの余裕はないが、ミュータン・ミオンに何が起こったのかについての説明は、ある程度必要だろう。ここでの説明は、シェーバー氏によるものである。
 成長とは、エクシドの流入である。生命は、それ自体が統合の炎であり、火のように燃え上がり、消えてしまうのだ。通常、この成長は物質的発達である。ノータンの行ったことは、エクシドの流れを集約し、生命の炎をより大きな割合で燃え上がらせて、その結果より大きな成長を成し遂げるものだった。技術面は、直喩で説明する。火は、細かく砕いた石炭とたっぷりの酸素の供給で、より大きく、激しいものとなる。それは生命も同じことである。より多くのエクシドが供給されると、生命は成長し、より強くアクティブになる。
 技術的な仕組みとしては、選択して焦点を合わせるために、光線の中に含まれる、光よりも細かい粒子である電子の流れが使用される電子顕微鏡の電磁レンズにとてもよく似ている。この同じ磁界の原理は、エクシドの焦点化に使われ、その結果、統合を早めることができる。ちょうどラジオで正しい電波を拾うように、磁界、レンズの形などの同調によって、エクシドに焦点を合わせることができるのだ。この同調は、電子望遠鏡のコイルと同じ形にコイルを組み上げることによって行われる――ただし、もっと大きいのだが。焦点もやはり同じように、光の焦点によって合わせられる。植物をこの焦点下に置くと、その葉は生き生きとして、枝を伸ばし、瑞々しく樹液を滴らせて、短期間で通常の二倍もの大きさになるのだ。
 かつて、「T」と呼ばれた本があった(「T」とは integration(統合), for growth force(成長の力), energy(エネルギー), などの意である)。それはどちらかと言えば、キリストの時代までに広く使われていた。そこには論理の原始的な骨組みと簡単な加齢毒を除去する方法、簡単で有益なジェネレーターの扱い方、などが記されていた。だが、とある集団がその影響力を恐れ、焚書にしてしまった。かつてそんな書があったという記憶だけをを残して、徹底的に。その記憶とは、聖書の父であり、崇拝であり、その表紙でクロスする、「T」のサインであった。
 人類のより良い未来のために必要なのは、「T」の力による全体的な精神を強くすることであり、さらなる脳の成長だ。より良い脳を育てるためのより良い脳を育てない限り、どんな進歩も本当の進歩とは言えない。それは進歩のパターンである――成長がさらなる成長を生む、そういうことだ。人に必要なのは、成長に向かってゆくという意識である。一人前の人間になる方法を学ぶことで賢い人間に成長することが可能だが、その方向に向けて努力することのできる僅かな人々だけが、その目標に到達できるのだ。グレート・ワンたちはそのような目標を「TIC」と呼び、その目標へと向かわないエネルギーを「ERR」と呼ぶ。アレクシス・カレルはそれを「人間、その無知なるもの」の中で、同じことを語った。。彼は地球上で、その努力が私利私欲に走らなかった、数少ない人間の一人である。すなわち、彼は生命の過程を理解することを目指し、それを最後まで続けたのだ。本当の自己への興味は、他の僅かなものと同じく、彼の努力の中に見られる。他の者達は自己への興味を他の自己への興味の反対にあるもののように考えるが――それは幻想(幻滅のアトラン)であり、反対を無効化するものである。本当の自己への興味は、したがって、常に同時に起こるものであり、反対にあるものではない。
 我々の最も基本的な概念は、崩壊によって歪まされた思考のせいで誤りを犯すようになり、それは我々がかつて神の子供たちであった頃からずっと、長い年月に渡って続いている。――(編者)


****************


Among the things that became a part of my knowledge was the promise of the future in such tanks as this: Sometime Arl and I were to build such a tank and appartatus and take a long sleep in it and awake as Gods, full of the strength and the beauty and the pleasure of life and life's fulfilment.
So it was that Arl and I were married by an actual mingling of the seeds of our being, and not by any foolish ceremony; blessed by the actual love of Vanue, now our Lady, and not by any meaningless words.
Though we were in the growth tank less than a week, we came out inches bigger in every way; but the real growth that had taken place was an inner growth--for I was vastly heavier and my strength was aware of new limits.
Mentally, too, I was vastly more able; for when I looked about at the apparatus I knew the inner construction and use of every bit of it, and I knew that from then on few things would mystify me other than the work of the very oldest Gods.
I found that I had not lost my love for Vanue, but that I loved her now as one loves and is grateful to a leader. My love for Arl was the strongest thing in me. [*28]

*****

#footnote#
^69:28 The "school" of growth to which Mutan Mion and Arl and their companions went for their growth in both body and mind is the concrete manifestation in apparatus of the science of mangrowth as conceived by the three ancient god-races. It was based on simple laws of the integration of matter. These simple laws are being set forth in a scientific monograph by Mr. Shaver and your editor, who firmly believe that its publication will throw a bombshell into all of present-day physics and chemistry. Naturally they cannot be dealt with in complete form here, but a slight explanation of what was done to Mutan Mion seems necessary. Part of this explanation is in the words of Mr. Shaver:
Growth is an inflow of exd. Life itself is a flame of integration, which like a fire must be fed or it goes out. Exd is the fuel of that flame, and by its condensation into matter, adds to the flame, causing growth. Naturally this growth is a material growth. What the Nortans did was to concentrate the flow of exd so as to feed the flame of life at a greater rate, and thus cause greater growth. A technical simile might be drawn: a fire, when supplied with finely divided carbon and a larger supply of oxygen becomes a greater, fiercer thing. It is the same with life. When supplied with a greater quantity of exd, it grows, becomes stronger, more active.
The mechanical means is very similar to the magnetic field lenses used in electron microscopes, which direct and focus a flow of particles called electrons into a beam more revealing than light because its particles are smaller. This same magnetic field principle can be used to focus exd and thus hasten integration. A magnetic field, lens-shaped, could focus falling exd by attunement just as a radio collects certain waves. This attunement can be determined by constructing a coil in the same shape as the coils of the electron microscope--but much larger. The focus can be determined by its light focus, which would be the same. A plant, placed beneath this point of focus, perks up its leaves, reaches out, is invigorated, exudes a dew, in a short time is twice the size it would ordinarily have been.
Once there was a book called the "T" book ('T' for integration, for growth force, energy, etc.) which was in rather widespread use up to the time of Christ. It contained the elemental frames of logic and simple what-to-dos like the age-poison elimination. beneficial generators, and so on. But some group feared its influence and it was destroyed, so completely that only the memory of that once infallible book remains, which memory was the father of the Bible and all its veneration, including the cross on its cover, the 'T' sign.
The direct need for a greater future for man is strengthening of the general mind by T forces, the growth of a better brain. No progress is truly progress unless man grows a better brain to grow a better brain. That is the pattern of progress--to grow a growth to grow, etc. What man needs is a conscious aim toward growth. To learn how to grow into a man better able to grow into a wiser man is a goal followed by but a few men out of all the number who could be striving in that direction. The great ones called such a goal 'TIC' and any energy not directed toward that goal was called 'ERR.' Alexis Carrel says much the same thing in 'Man, the Unknown.' He is one of the few men on earth whose efforts are not err to self interest. That is, he aims to understand his life process and make it last longer. True self interest is seen in his efforts, as in few others. These others think of self interest as an oppositional of other self interests--which is a de illusion (Atlan for disillusion), for oppositionals neutralize. True self interest would therefore always be a coincident, not an oppositional.
Our most basic concepts have become err from disintegrant force distortion of thought flows over the long period of time since we were children of the Gods of the past.--Ed.


"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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 僕は少年の言葉に耳を傾けた。太陽のこととなると、少年は饒舌だった。話は自在にあちらこちらに跳んだし、言葉も、素直には聞き取りにくかった。だがそのことに気付いていないのか、それともこちらの理解などどうでもよいのか、本人はまるで意に介していないようだった。
 「あらゆる場所に、光があるんです」とルピコルは言った。「輝いています。色が溢れている。複雑な色彩に。数えられないほど、とりどりの色彩に。何も闇に隠れていない。全て見えている。でもただ隠れていないだけではない。まるで全てのものが、生きているかのように見えるんです。触ると動き出しそうなくらい。それぞれの色彩に、それぞれの温度を感じるくらい。その光は柔らかい。そして暖かいんです。はっきりと皮膚に感じます。空は透き通った、とても薄い、青い色彩です。でもその色彩は、底が知れない。その青い色彩の空の中に太陽があります。でも、見詰めることはできない。その光が余りにも激しいから。激しくて、鋭いからです。見つめようとすると、目が痛くなる。だから、見詰めません。ただ目を外らして、感じるだけです。その存在を思いながら、皮膚の隅々まで、その光の中に晒して、感じるだけです。それでとても柔らかく、落ち着いた、嬉しい気持ちになります。そんな鋭い光。それが太陽です。ぼくの、遥かな記憶の中にある光です」
 
 病院を退院したルピコルの身柄は、とりあえずカムリルが引き取ることになった。身内でもないことだし、無理を言って最後まで面倒を見てもらってもよかったのだが、できれば早く退院して欲しいという様子が病院側にはありありと伺えた。それに、彼にしても病院は居心地が良くないと感じているの明らかだったから、カムリルと相談してそうすることに決めた。見知らぬ男性を、いくら少年であるとはいえ、カムリルの自宅に住まわせるということに全く抵抗がなかったわけではなかったが、彼女が大丈夫だと強く言ったのと、あまり抵抗すると見苦しい嫉妬をしているような気もして、結局は僕の方が折れるような形でそうすることにした。実際のところ、僕は図書館での仕事があるし、まだ体調が万全ではない少年の面倒を見るのは確かに困難だったから、仕方がないといえば仕方がないことではあった。
 病院から引き取ってきた少年をカムリルの自宅のベッドに横たえた。随分と良くなってはいたが、それでもまだ思うように力が入らないようで、身体を起こしているのが苦痛なのだと言う。カムリルは自分のベッドをルピコルに譲り、自分はアトリエのソファをベッドとして使うことにしたようだ。カムリルは「忙しい時には、ベッドよりもこっちで眠ることの方が多いくらいだから、何とも思わないわ」と言った。確かにそれは事実で、僕も彼女がアトリエのソファで眠っている姿を何度も見ている。「ちょっと横になれるように」と選んだソファだから、かなり快適なのだそうだ。
 それからは毎日、仕事の帰りにカムリルの家に寄ることが日課となった。数日を待たずして少年はすっかりと回復し、ベッドにいることの方が少なくなった。それでも当分はカムリルの家から出るつもりはないらしく、彼女もそれを拒もうとはしていなかった。二人は気が合うようで、そのうち少年はカムリルの仕事の手伝いをするようにさえなった。カムリルは「タダで働いてくれる助手が出来て助かるわ」と喜んでいたし、ルピコルの方も「助けて頂いたお礼をどうしてもしたい」と言うので、僕に文句の言えるはずもなかった。
 よく三人で太陽の話をした。僕たち三人を繋いでいるものは、誰も実際には見たこともない「太陽」だったからだ。
 「太陽のことは幼い頃からずっと考えてきました」とルピコルは言った。「当たり前のようにぼくの記憶の中にあるのが太陽でした。だから誰も太陽のことを知らないというのは不思議だったし、自分が太陽のない世界にいるというのが馴染めませんでした。ぼくの記憶の中にある太陽は、今ここにはないけれども、この世界のどこかには絶対にある。ぼくにはそうとしか思えなかったんです。だからそれを確かめたくて、太陽を探す旅に出ることにしました。この《ミッドナイトランド》に出て行くのは、勇気がいったけれども、繰り返し現れる太陽の輝きを思うと、旅に出ないではいられなくなりました」
 「それで死にかけたんだよ。無茶な旅には違いないね」僕がそう言うと、ルピコルは「運が悪かったって最初は思いました。でも、良く考えてみたら、こうして助かったんだから、そうでもないのかもしれない」とさらりと言った。随分と楽天的な性格だと呆れたが、そうでなければこんな無茶なことをやろうなんて、確かに考えないかもしれない。脇ではカムリルがおかしそうに笑っていた。
 「まあ、確かに今回は運があったのかもしれないけど、運はいつまでも続くものではないと思うよ」
 「それはわかってます。でも、諦めるのは嫌です。こんなに簡単に諦めるくらいなら、最初から旅になんて出ない」
 「じゃあ、治ったらまた旅立つつもりなのか?」
 ルピコルは答えなかった。けれども、その目には曇りがなかった。
 「それなら、仕方ないかもしれないけど」と僕は言った。「でももうしばらくは身体を休ませてからにしないとね。それに、装備ももうちょっとちゃんとしたほうがいいと思う。見たところ、君の装備にはかなりの問題があるようだったから。はっきり言うけど、ここまで辿りつけたのが僥倖だったとしか思えないくらいだった」
 「それは、身にしみてわかってます」とルピコルは恥ずかしそうに言った。「でも、ちゃんとした装備をするだけのお金がなかったから。それでもよく考えて、工夫して、なんとかここまで来たんです。この街でもう少し良い装備を揃えたいけど、今は買うお金がない」
 「そんな状態で旅を始めたのか。ずいぶん無茶だ」
 「そうです。無茶でした。ごめんなさい、迷惑をかけてしまって。でも、いくらお金があったって、どこでも同じお金が使えるとは思えなかった。それより、道中でなにか珍しいものでも見つけて、それを売ってその場所で使えるお金に変えたほうがいいと考えたんです。でも、見込みが甘すぎたみたいです。そんなにうまくはゆかなかった」
 「呆れたな。それじゃ何も考えてないのと同じだよ」
 「しばらくここに住んで、どこかで働いてお金を稼ぐといいわ。病院の支払いもあるし」カムリルは笑いながら言った。「でも病院の方は、公費でほとんどが出るから、そんなに気にすることもないわよ。仕事は、君ぐらい無茶な子なら、きっと何か探せると思うわ」
 「本当ですか?それは嬉しいです」
 「まあ、まずは身体を治すことだよ」と僕は言った。


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 奇妙な細い声が(それはヴァヌーが思考電話(telethought instrument)で話しているに違いなかった)僕に囁いてきた。「あなたはもう決してアールから離れたりはしないでしょう。あなたは永遠に彼女のしもべです」その声を聞いた時には、僕にはヴァヌーの語ったことが真実であると分かっていた。
 アールの顔が、僕の目の前のアイ・プレート(eye plates)の中で笑っていた。それがどんどんと大きくなり、頭の中に入り込み、僕という存在の生命の源となった。僕はアールの思考を、僕の心の中に流れる雄大な力の河の音を、聞いた。「わたしがどこへ行こうとも、あなたも一緒だわ。わたしの望みはあなたの心の中を占めること。わたしはあなたの心に根を下ろしているの。あなたは私の欲望。あなたは私の欲望の奴隷なの!」
 そして僕は自分の思考が彼女の心の中で答えているのを聞いた。「そうだ、常に側にいるよ。ああ、可愛い音を鳴らす蹄、素早い手、美しい尻尾、クリーンな意思と強い欲望を持つ処女!」そして僕には、自分の言葉が真実であると分かっていた。
 液体と力が僕たち二人の間で脈打っていた。そして僕たちの内部で育った。愛しながら触れ合うという世紀は、怒涛のような成長の数分間に取って変わられたのだ。そうして僕たちは眠りに落ちたが、奇妙なことに、お互いの内部で二人の思考が混ざり合い、成長して、自分たちという存在の構成要素となっていった。僕は身体の組織の全体を通じて、豊かな成長を感じることが出来た。それは広がり、膨張し、僕の思考と、そしてまだ僕のものではない思考によって、パターン化された。耳の中で奇妙な音が神秘的な意味合いを込めてビートを刻み、それが僕の内部に根を下ろす力となった。僕の記憶は、精神が成長するにつれ、新しい思考が成長するための巨大な庭と化した。そして記憶すべきあらゆる原理が、エルダー神自身の思考記録から、電線を通じてやってきた。
 常に頭上に、ノールのメイドたちが僕の精神映像を見張り、その成長するメモリーを修正して、あらゆる物事を正しい場所に配置しているのを感じていた。そして自分の内部に、同じように成長し、眠っているアールを感じることが出来た。彼女がとても愛しかった。
 それは僕にとって、赤ん坊が子宮の中で眠るのに似ていた。神の思考の種が、僕とアールの中に着床し、成長したのだ。僕たちはすぐに神の母の子宮の中で眠る胎児となり、そして互いに敬愛しあっている夫婦の腕に抱かれるのだ。時間が水のように流れた。僕たちは眠っていたが、以前よりもずっと目覚め、生きていた。そして互いの肉体と精神の存在を、男の生命の根源のエッセンスと、男に対する女性らしさを、快く思った。生命が、常に片方から他方へと流れ込み、脈打った。成長学校タンクの中で、僕たちはお互いに、これまでに知っていたどんな喜びよりも大きな心地よさを感じていた。

****************


A strange little voice (it must have been Vanue's speaking over a telethought instrument) whispered beside me: "You will never escape Arl now. You are her slave forever." And as I listened, I knew that Vanue spoke the truth.
Arl's face, laughing before me in the eye plates, became larger and larger, entered my brain, became the wellspring of my being. I heard Arl's thought, a vast river of force flowing in my mind, saying: "Where I go, there will you go also. The thing that is my desire is growing in you. My roots are your soul. You are my desire and the slave of my desire!"
And I heard my own thought make answer in Arl's mind: "So it shall be, always, oh maiden of the clicking hooves and swift hands, of the beautiful tail, of the clean will and strong desire!" And I knew that what I said was true.
The fluids and forces that were pulsing through us made these things grow within our beings, so that centuries of loving contact were replaced by minutes of furious growth; and we fell asleep, strangely within each other our thoughts, growing and becoming an integrant part of our being. Through every fibre of my body I could feel fecund growth swelling and expanding, patterned by thoughts which were mine and yet not mine. In my ears strange sounds beat mysterious meanings which were forces taking root within me. My memory was a vast garden of new thoughts growing as my mind grew, and remembering all the principles that came over the wires from the Elder Gods' own thought record.
Always overhead I could feel the Nor maids watching my mind pictures and correcting the growth memory so that everything took its rightful place. And within me I could hear Arl, sleeping and growing too, and she was very dear.
The thing that was me slept as a babe sleeps in the womb, and the seeds of the Gods' thoughts took root in Arl and me and grew. We were at once children asleep in the womb of the God mother, and man and wife wrapped in each other's adoring arms. Time flowed by like water; and we slept but were more awake and alive than ever before, and felt the pleasure of each the other's body and soul appeal, the very inner essence of man-life and woman-appeal to man. Life pulsed from each of us into the other constantly. We had more pleasure of each other in the growth school tank than ever I have known of in any pleasure.

"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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 地下を走る列車は、ヴァヌーの洞窟宮殿へと皆を運んで行った。巨大なエアロックが地響きを立てて開き、僕たちは宮殿の下部へと進むことを許された。ヴァヌーの家の特別な大気の中に足を踏み入れた時、スペースライナーの中の彼女の小部屋の中で感じた生命過程が強力に加速する感覚が、再び僕たちを捉えたのに気がついた――そして生命を失うことが、心の底から恐ろしいと感じた。
 だが僕にはまだ、ノールのエルダー神の娘であるエルダー・プリンセス・ヴァヌーが生まれた始まりの家がその場所に建てられたその知彗の謎の中にいてさえ、自分の目の前に横たわっているものが何なのかには考えが及ばなかった。
 その重要性ゆえに会議室で身につけていた服を脱ぎ捨て、ヴァヌーは言った。「わたしたちは子どもたちを学校へとやるつもりです。それからわたしたちは自分の仕事をします。用意しなければならないことは沢山ありますが、時間がありません」
 「学校」とは巨大な実験室であることが判明した――アールと僕とが知り合い、そして生命の可能性について学んだ、ティターンのテクニコンの実験学校の拡大版である。
 胎児の代わりに、栄養タンクの中には、六フィートのroや、それよりさらに大きな男女も入っていた。ヴァヌーは僕とアールを手に持ち、大きなタンクの一つへと運んだ。液体は暖かく快適で、僕たちは他のアトランの仲間たちが同じようにペアでタンクの中に運ばれて行く間、おどけて跳ね回った。
 それからヴァヌーのメイドたちが僕たちの周りに集まり、腕、手首、手のひら、足の周りに電線を貼り付けた。そして呼吸器を口の上に固定した。静脈に針が差し込まれたが、その針の尻の部分には、細いチューブが取り付けられていた。たくさんの電線のついた金属のキャップは、僕たちの頭の上の機械と発電機につながれていた。僕たちの目は、電線の繋がった奇妙な水晶のプレートに覆われていた。
 タンクのカバーが閉じる音が聞こえ、さらに液体が、僕たちが完全に水没してしまうまで注ぎ込まれた。僕たちは皆、タンクの中で漂っていた。
 そのとき、不思議なことが起こった。僕たちの精神、つまりアールと僕の精神が、目の上のプレートと電線の相関的な媒体を通じて、互いを認識していたのだ――その認識力は、千倍にも鋭くなっていたに違いない。彼女の呼吸は僕の呼吸であり、彼女の思考は、かつてヴァヌーが占めていた場所に、さらに強く入り込んできた。そして彼女の「女性なるもの」は、これまでの記憶の中にある全ての女性の存在を圧倒してしまうほど、僕の心の中で膨れ上がった。

****************


The tubes took Vanue's train to the doors of her own cavern palace. Huge air locks swung open to admit the whole procession into the under parts of the palace. When we stepped out into the special air of her home that tremendous acceleration of the life processes that I had noted in her chambers in the space liner again seized us--and life became a thing to really fear to lose.
But as yet I had no inkling of what lay before me in the mystery of the wisdom that had built that place to house their first borne, Elder Princess Vanue, daughter of the Elder Gods of Nor.
Flinging off her wraps, which she had worn to the council chamber because of their significance, Vanue said: "We will put the children in school, and then to our own work. We have much to do to make ready and the time is short."
"School" turned out to be a vast laboratory--a replica on a much mightier scale of our own Titan technicon's laboratory school where Arl and I had learned to know each other and the possibilities of life. Instead of embryos, the nutrient tanks contained six foot ro and even much larger men and women.
Taking Arl and me in her hands she placed us in one of the big tanks. The liquids were warm and comforting and we splashed about playfully while others of our Atlan group were also being placed in pairs in tanks like our own.
Then Vanue's maids swarmed about us, placing wires about our arms, our wrists, our hands and feet; fastening breathing cups over our mouths; thrusting needles into our veins and attaching them to the ends of thin tubes; placing caps of metal with many wires connected to generators and other machines on our heads; covering our eyes with strangely wired plates of crystal.
I heard the tank cover sealed and more fluid gushed in until we were completely submerged. We floated in suspension within the tanks.
Then began a strange thing; for our minds, Arl's and mine, were conscious of each other through the medium of the interrelated wiring and the plates over our eyes--an awareness that must have been augmented a thousand times. Her breath was my breath, her thoughts took place in my head stronger than Vanue's ever had, and the woman-soul of her was so augmented in my mind as to eclipse all other woman's appeal that my memory had ever recorded.

"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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 第七章
 
 ノールでの結婚式

 
 遠くの方が霞むほどの大きな会議洞の中を歩いていると、前を歩いていたヴァヌーが僕たちアトランの方に向き直り、真面目な声で言った。
 「種族への奉仕なくして報酬は得られないというのがノータンの法律なのです。ですから、わたしは貴方がたが忠実な家臣のように常にわたしに仕えるということを誓うというのでなければ、はっきり申し上げて、法的には何もして差し上げることはできません。いかがでしょうか?」彼女の眼差しは、僕たち一人ひとりに注がれた。
 火星の少女が、瞳を輝かせて答えた。「わたしたちが誓うのはアトランに対してだけです。ですが、目の前の邪悪な状況は、その誓いを虚しいものにしてしまっています」
 ヴァヌーは続けた。「わたしは一人の若いエルダーにすぎません。わたしに従うよりは、その方がいいかもしれません――わたしの幸運が完全に保証されているというわけではありませんから。その方が賢明かもしれません!」
 「あなたはわたしたちを誇りに思ってくださいました、ヴァヌー」と火星の少女は言った。「さっき、あなたはわたしたちにその心を見せてくださいました。だからあなたに悪意がないことは知っています。あなたの幸運が私達の幸運であるべきだということ、それだけでわたしたちは充分です。あなたは、わたしたちの中の男たちの愛を返してくれると言いました。わたしにはあなたがどうするつもりなのか、それにそんなことが出来るのかどうか、分かりません。でも、そのつもりだということは知っています」
 一人づつ、僕たちは他の偉大なる存在の前で、ヴァヌーに忠誠を誓った。
 するとヴァヌーは、自分のノールのメイドたちを見つめて、喜びと期待を込めた笑いとともに、奇妙に仄めかしを込めて、言った。「さあ、彼らを学校に入れなければなりません――ペアで!」ノールの金色の頭をした百合の花たちの笑い声が陽気に鳴り響いた。
 どんな種類の学校なのだろう、と僕は思った。なぜ彼女たちはあんなふうに笑ったのだ?

****************


CHAPTER VII

A Wedding on Nor


As we passed from the misty vastness of the council cavern Vanue turned to us of Atlan, trooping behind her, and said in a serious voice.
"It is law among Nortans that no service to the race goes unrewarded. Now there are certain things I plan for you which I cannot give you legally except you swear to serve me always as my loyal followers. Is there anything to keep you from that?" Her eyes searched us one by one.
The Mars maid answered, her eyes shining:
"There is only our oath to the state of Atlan, and the present evil conditions render that oath void."
Vanue went on: "I am only a young Elder; you might do better than to follow me--my fortune in the future is not wholly assured. You might do better!"
"You have honored us, Vanue," said the Mars maid. "You have let us see your mind at work; we know there is no evil in you. That your fortune should be our fortune is enough for me. You have said you will give the love of our men back to us, and though I don't understand how you will or can, I know you will."
One by one we swore loyalty to Vanue before all other greater beings.
Then Vanue looked at her Nor maids and said with a strange innuendo that made them laugh with delight and anticipation: "Now we must send them to school--in pairs!" The laughter of the gold-topped lilies of Nor rang merrily.
What sort of a school was this, I wondered, to make them laugh so?

"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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 実際の神々の会議がいよいよ、《思考の雲》の領域中への思考の投影で開催された。僕はいくつもの思考を見たが、どんなに抽象的であっても、思考推力増強装置[*27]によって、雲の中に投影することができた。彼らは言葉の代わりにイメージ言語を使った。そのため、彼らの会話は僕には、変化する形、いくつもの顔、幾何学的な図形、宇宙の地図、それに軌道上にある様々な形状、その他さまざまな物体といった、めまぐるしい図像でしかなく、理解できなかった。おそらく、そこにいたほとんどのroにとってもそうだっただろう。ノータンのパワフルな精神は、僕たちには余りにも素早く機能しすぎて、目の前の雲の中の表意文字の、いちばん簡単な意味以外は理解できなかったのだ。だが僕は、アトラントアトランのティターンをデロダイトから救うために、すぐに何らかの行動を行ってくれるのだろうと推測した。

*****

原注
 *27) シェーバー氏の手紙の中で、この推力増強装置の事が詳しく紹介されている。彼は言う。「多くの高校の古代史の教科書に載っている一枚の絵を参照してください。「死者の書」からのものです。「死者の書」についてなら、大きな図書館ならどこででも手に入れることができます。この絵は一つの光景を描いたもので、「神々」の絵と呼ばれ、二つの画面に分かれています。下側の画面は、歴史家によると、神が『魂を計っている』のだということです。実際には、それはハイブリッドな豚を買い付けている肉屋のように見えます。半分が豚で半分が鹿……その動物は腹の周りに線が入っていて、あたかも半分に切り離したあと、また一つに縫合されたかのようです。それは《ムー》のティターンとアトランによる、動物の混成育種の証拠なのです。
 別の絵では、先生が器具の前に座っています。そして先生に向き合う一団の生徒たちは、それぞれ小さな器具を持っています。これはまさに、思考推力増強装置とその波を拾う焦点化装置を視覚化したものなのです。
 さらに、古代エジプトの象形文字(グリフ)の中に描かれている器具には、ファラオが常に持っている杖があります。注目すべきは、元口がU字形になっていて――穴がいくつも開いているという点です。僕はそのようなハンドルが、古代の光線兵器から突き出しているのを見たことがあります。それは飛行機の操縦桿のようなもので、光線の指揮者のように働きます。そしてもし取り外せば、他の誰かに装置が使われるのを防げます。なぜ下部がU字形をしているのでしょうか?笏の起源は、この、少し席を外した隙に他人がその危険な装置を使うことを防止するために持ち運べるようにしたコントロール・ハンドルだったのです。
 もちろん、この装置は人の心をコントロールするものであったため、それを使用することは、古代の統治者の間では一般的に行われてはいましたが、その使用に関しては、彼らの間で常に秘密とされ続けてきたのです」――(編者)


****************


The actual conference of the Godheads took place now in thought projections in the thought-cloud area. I saw that any thought, no matter how abstract, could be projected in these clouds by thought augmentors. [*27] They used an image language instead of words, and their talk was to me but a whirlwind of changing forms, faces, geometrical figures, maps of space and figures on orbits and many other things incomprehensible to me and probably to most of the ro present. The powerful minds of the Nortans functioned too rapidly for us to grasp any but the simplest meaning in the ideographs unfolding in the cloud before us. But I did gather that some action was to take place at once to save the Atlans and the Titans of Atlan from the derodite.

*****

#footnote#
27)In a letter from Mr. Shaver, this reference to augmentors is explained in great detail. Says Mr. Shaver: "I refer you to a picture printed in many high school books of ancient history. It is from the 'Book of the Dead' a copy of which could be obtained in any large library from a book about the 'Book of the Dead.' This picture shows a scene which is called a picture of the Gods, and is in two sections. On the lower section the Gods are 'weighing the souls' our historians tell us. Actually it looks like a butcher buying a hybrid hog: half hog and half deer... the animal has a line around its middle as though it had been cut apart and sewn together again. It is evidence of the hybrid breeding of animals by the Atlans and Titans of Mu.
"Another picture shows a teacher seated before an instrument, and before the teacher, facing him, is a group of students each holding a smaller instrument. This is an actual pictographic representation of the thought augmentor and the focusing device used to pick up its waves.
"Still another instrument pictured in ancient Egyptian glyphs is the crook the Pharoahs always carry. Notice the bottom end has a clevis--with holes. I have seen such handles protruding from the ancient weapon-beam apparatus. It acts as a beam director, like the stick of an airplane; and if removed would have kept the apparatus from being used by anyone else. Why else the clevis on the bottom? The origin of scepters was this carrying of the control handle to keep others from using the dangerous apparatus while one was gone for a short time.
"Certainly the use of this apparatus was very general in ancient times among rulers for it gave them control of men's minds and its use was always secret among them."--Ed.


"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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今日の月と金星。
ちょっとわかりにくいけれど、格好いい。
でも、僕のコンパクトカメラの望遠では、このくらいが限度。

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 ヴァヌーは思考を放射し、注意を促す警告とともに、煌めいている《思考の雲》[*26]の領域の中にセットした。目が眩みつつも、僕は自分自身の思考が《思考の雲》の中に映し出されるのを見た。そしてふたたび、初めての時と同じくらいリアルに、インフォ・スクリーンに映し出されたサイベルの顔に浮かんだ恐怖を目にした。ダンスの時の黒死病の印象的な様子を見た。ダンサー達の顔に浮かんだゾッとするような恐怖。アールの可愛い顔が、スクリーンの中で歪んだ。
 思考レコードが《ティーン・シティ》の仲間のそれぞれの脳から次々と提出された。これだけ一度に集められると、《ムー》を支配している悪の存在は、明白だった。
 脱出を計画するにあたって、自分の考えを隠す努力をしたこと、操縦桿のベルトのトリック、その結果上手くいったことなどを記録画面は映し出していった。
 僕は拍手喝采を聞いて、驚いた。雷のような大きな声が、僕の名前を叫んでいた――アトランのミュータン・ミオン、と。彼らは僕を呼び讃えていた。出来損ないの芸術家をだ!多くの古代の存在からの巨大な声、彼らの一部は、三百フィートもの身長なのだ!
 ヴァヌーは二本の手で僕を抱え上げ、皆に見えるようにした。それで僕は彼らの注目の的となり、これまでの普通の生活では感じたことのないほどの当惑を覚えた。もし僕が、彼らがそうした状態から脱出することがそれほどの偉業だと考えるだろうと知っていたなら、多分僕は決してやってみようなどとは考えなかったと思う。そもそも無鉄砲な考えからの、成功の望みの薄い挑戦だったのだから。
 僕がまた地面に下ろされた時には、赤面し、頭は混乱していた。不快で、きまりが悪かった――だがその不快さの中には、謙虚さの奇妙な満足感があり、同時に誇らしい気持ちも含まれていた。僕は自尊心ゆえに誇らしかった。だがどういうわけか、それは僕自身のプライドではなく、ヴァヌーのプライドだと感じた。僕は完全にヴァヌーの虜になっていた。そのヴァヌー、ノールのエルダー長は、自分のroが誇らしいと感じていたのだ!

*****

原注
 *26) 三次元映像が、雲の中の電圧によって保たれたガスの塊の中に映像を投影することによって形成される。そして粒子が、それが浮かんでいる《バイブレーション・フィールド》の精神の波長によって、様々な色彩に輝く。通常、雲は乳白色である。だが、思考映像がノータンの精神によって映し出される時には、天然色の映像が形成される粒子を除いて、透明になる。雲全体が乳白色から真紅になるのは、注意を促すコマンドである。――(編者)


****************


Then Vanue's thought flashed out, setting the thought cloud [*26] areas into coruscation with an alarm, a command to attention. I was brought out of my daze to see my own thought record projected in the thought clouds. I saw once again, as real as the first time I had seen it, the fear on the faces of the six-armed Sybyl of the Info screens; the striking of the black death at the dance; the hideous fear on the faces of the dancers; Arl's sweet face contorted in a scream.
A thought-record from the brain of each of our group from Tean City followed. It was evidence enough, thus gathered together, that evil had the upper hand in Mu.
My own efforts to conceal my thought as I planned our escape and the trick of the belts on the throttle that had resulted in our success finished the record display.
I was mightily surprised to hear applause and a great thunder of voices calling for me--Mutan Mion of Atlan. They called for me, the stupid artist! those vast voices from hundreds of ancient beings, some of them three hundred feet in height!
Vanue held me out in her two hands for all to see. And as I became the center of their attention, my embarrassment exceeded any emotion of a similar nature I had ever had. If I had known that they would think of an escape from such a condition as so much of a feat it is probable I would never have tried it. I would have been hopeless of success from the very inception of the fool-hardy thought.
I was put down again, my face red, my thoughts flustered, my embarrassment a flood of discomfort in me--but a discomfort that held within it a strange glow of humility that was at the same time a glow of pride. I was proud with a just pride; and I felt somehow that it was not my own pride, but the pride of Vanue, whose utter slave I had become. Vanue, Elder of Van of Nor, was proud of her ro!

*****

#footnote#
26) Three dimensional pictures were formed by projection of the image into a mass of gases held by electric pressure in a cloud whose particles glowed in various colors according to the mental wavelength of the vibration field in which they floated. Ordinarily the cloud is opaque white, and when the thought-picture is projected into it by the Nortan mind, it becomes transparent except for the particles which form the image in full color. The command for attention causes the whole cloud to change color from milky white to flaming red.--Ed.


"I Remember Lemuria"
Written by Richard S. Shaver
(リチャード・S・シェーバー)
Translated by shigeyuki




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