漂着の浜辺から
囁きのような呟き。
 



グレッグ・イーガンの「ディアスポラ」を読み始めた。
が、この難解さは、ちょっと強烈かも。
ちゃんと読もうとすると、相当時間がかかりそう。
評価が高い作品のようだけど、みんな、よく読んだね。
そう言いたくなるほど。
100ページほど読んだけど、ここまででもかなり、よく分からないまま放置している部分がある。
凄い作品だということは、さすがに手ごたえで分かるのだが、果たして読了できるだろうか?

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幻燈  


「幻燈」
大佛次郎著
徳間文庫「霧笛」収録

を読む。名品。

 以前、この本の表題作の「霧笛」は読んだのだが、他に読む本があって、「幻燈」のほうは読まないで済ましてしまっていた。それを、改めて読んだ。
 「幻燈」は、一読して、よい小説を読んだと思った。最近、「坊っちゃんの時代」という漫画のシリーズを読んだから、なおさら面白かったのかもしれない。どういうわけか、明治という時代が、僕には最近気になってしかたないようだ。
 大佛次郎というひとは、本当に根っからの物語作家だと思うが、この小説は文学作品としても、優れた小説だと思う。幕府が崩壊して、明治という全く新しい時代がはじまった。その混迷の時期を描いて、この小説ほど今なお現代性を問い掛けてくる小説も、それほど多くはないのではないかと思う。その時代を知る人にしかかけないリアリティが、心に語りかけてくる。表題作の「霧笛」ほど派手ではないかもしれないが、文学としては、こちらのほうが上だろう。
 この小説の愉しみ方としては、僕のように、横浜が好きな人間としては、今の姿と対比して考えながら読むという遣り方もある。

 野尻抱影を兄に持つ大佛次郎は、横浜と猫を愛した。彼の記念館は、港の見える丘公園にあるが、そこにはかしこに猫のオブジェが飾られ、併設された喫茶店の名前は「霧笛」という。そこでは、大佛次郎がこよなく愛していたという、麦酒も飲むことが出来る。


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映画「ALWAYS─三丁目の夕日」
 をDVDで観た。
 よい映画だった。

 昭和43年生まれの僕は、昭和三十年代にはまだ影も形もなかったわけだが、それでも懐かしく感じる部分は沢山ある。この映画を面白いと感じたのは、それも多分に影響しているのかもしれない。背景となる街は、路面電車の表示まで、細かく再現されていて、何度も見ていると、いろいろな発見がありそうだ。

 それはそうと、映画を見ていてふと思ったのは、僕が小学校のころに大好きだった漫画、松本零士の「男おいどん」を映画化するとしたら、この映画の主人公の一人、茶川をやっていた吉岡秀隆は、「おいどん」大山昇太にぴったりなんじゃないかということ。青年誌版「おいどん」というべき「元祖大四畳半大物語」のほうは、昔一度にっかつでロマンポルノとして映画化されたことがあるのだが(ただし、僕は見ていない)、「おいどん」は一度郷ひろみ主役で映画化の話があったものの、流れたと聞いている。現代性はないかもしれないけれど、この監督で、実写版「男おいどん」を観てみたいなあと、ちょっと妄想した。まあ、実現することはないだろうけれど。


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 訃報が出ていますね。

【シドニー23日】「種の起源」を著したことで有名な英国の博物学者、チャールズ・ダーウィンが研究したといわれるメスのゾウガメ、ハリエットが22日夜、オーストラリアで176歳で死んだ。【全文】


 象の長寿のギネス記録は、188歳とか。
 ハリエットが生まれたのは、1830年。日本では天保元年。将軍は徳川家斉。
 あの重そうな甲羅を背負って、175年というのも、気が遠くなる時間ですね。

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「移民たち ─四つの長い物語─ 」
W.G ゼーバルト 著
白水社刊 ゼーバルトコレクション 第一回配本

を読む。

 霧の向こうから、名も無い人が浮かび上がってくる。手を伸ばせば届きそうなのに、けして届かない。そんな本。素敵な一冊。

 収録されているのは、それぞれ個人の名前をタイトルとする、四つの物語。つまり四人の物語だが、語り手の姿が浮かび上がるという点を考えれば、八人の物語か。四つの話の中に明るい話は一つとしてなく、語られる四人のうち三人は自ら死を選んでいる。それも、次第に磨り減って行くような死を選んでいる。登場人物に共通するのは、居場所をどこかで失った人々だという点である。本の中に散りばめられているモノクロームの写真が、その「不在」の感覚を、一層高めている。この本は、写真と文章で作られた、コラージュなのだろう。
 こういう作品を、僕も作ってみたいと思った。

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 写真は、地下鉄銀座線浅草駅の構内。
 ちょっと怪しくて、よい感じですよね。
 こういう場所も、最近減りました。

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 最近、少し絵を描いていない。
 らしくない絵を描こうとして、つまらなくなって投げ出してしまった。
 こういう絵を描いて見ようかなという気持ちと、実際にしっくりと来る絵とは、やはり違うので、このあたりの折り合いが難しい。
 この絵は、かなり前に描いた小さな絵。

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浅草  



 木曜日から土曜日まで、神戸から弟夫婦がこちらに来ていた。
 で、土曜日には皆で浅草へ。
 浅草へは、夏以来。

 写真は浅草寺の天井画。
 妙に艶かしい。

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 特に理由は無いのだけれど、時々ふと思い出すテレビ番組がある。
 「夜はクネクネ」という、関西ローカルの深夜放送。
 昔から僕は余りテレビを見ない方なのだが(今では、殆ど見なくなってしまった)、この番組は好きで、よく見ていた。昭和58年から昭和61年まで放送されていた。
 内容は単純で、『あのねのね』の原田伸郎と、当時深夜ラジオ「ヤングタウン」でパーソナリティーなどもやっていた角淳一というアナウンサーが、深夜の京阪神のなんでもない町をだらだらと歩き、見つけた人と話をするというだけの番組だった。要するに深夜徘徊の、成り行き任せ、行き当たりばったりという、不思議な番組だった。今、NHKでやっている「鶴瓶の家族に乾杯」(だったっけ?)の、深夜版といえば、何となく想像がつくかもしれない。そういえば、鶴瓶はそのころ「突然ガバチョ」という、やはり関西ローカルのバラエティー番組をやっていて、「夜はクネクネ」と共同の番組なども、特番でやっていたこともあった気がする。
 なぜあの番組がこれほど印象に残っているのか、よくわからないのだが、多分、当時中学生だった僕には、深夜の町が魅力的に思えたからだろう。実際、そのあと僕も散々深夜徘徊するようになったのだが、その頃の記憶と、どこかで結びついているのかもしれない。

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老ヴォールの惑星
小川一水著
ハヤカワ文庫JA

を読了。

 ライトノベル作家ということで、実はそれほど期待しないで読んだのだけれど、結構面白かった。解説を読むと、笹本祐一の「妖精作戦シリーズ」(僕は読んでいないので、分からないけど)を読んで、「こんなバッドエンドは認めない」と奮起、作家になったということ。それだけに、作品は全てハッピーエンドか、それに近いものになっていて、読後感がいい。善人ばかりが出てくるストーリーには、賛否があるだろうけれど。
 表題作は、最近話題の「ホット・ジュピター」についての小説。ホットジュピターについては、実はまだそれほど分かっていないらしいが、テーマとして、とても魅力的だと思う。
 この短編集の中で、僕が一番面白かったのは、最後の「漂った男」。
 読みながら、僕がふと思い出したのは、「ドラえもん」の中の一話。
 のび太が、家出をして、無人島に到着するのだが、いつかドラえもんが迎えに来てくれると信じながら、10年もの時間が流れるという話。子供の頃に読んで、ショックだった。内容は違うのだけれど、モラトリアムの状態に置かれた孤独感が、似ているのかもしれない。

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 漆喰の白い壁に乱反射する陽射しが眩しい。光が、まるでレモンの肌のようだ。
 冬は間もなく終わり、島は、春を迎えようとしている。
 風はまだ少し冷たいが、透き通った太陽の陽射しは、香るような暖かさだ。
 私はゲストハウスを出て、細い坂道の路地をすり抜けながら、港に向かった。

 朝の港を散歩するのが、私の日課になっていた。
 朝の港が好きだった。
 一日が始まる、その張り詰めた空気が、朝の港には満ちている気がするからだ。
 実のところ、私はそれほど早起きというわけでもない。だから、私が港を歩く時間には、とっくに魚の水揚げは終わっていることが多かった。当然、思うように魚を買うことができない。本当に美味しい魚を食べたいなら、もう少し早く起きて散歩する習慣を実につけるべきだと、ベータはよく私に言う。
 ベータは、この島で私が最初に親しくなった青年だった。ハンサムな黒い髪をした青年で、どちらかといえば無口だった。だが、シャイというのは、当たっていないような気がする。彼は漁師の父親の手伝いをしているが、私の借りているゲストハウスの管理人の甥でもあって、いろいろと面倒を見てくれる。
 ベータにしてみれば、魚を買うという目的もなく、朝の港を散歩するというのが今ひとつ理解できないようなのだ。私は彼にいつもこう答えた。私は魚ばかり食べて生きているわけではないと。すると彼はいつもこう返した。でも、君は誰より魚が好きじゃないか。
 彼がそう言うのはいつもの事だ。その言葉に、私は微笑むばかりなのも、いつものこと。すると彼は、いつもいかにも面倒臭そうに、君の好きそうな魚を少し取っておいたが、良かったら買わないかと私に持ちかける。その価格には、多少の上乗せ分があるものの、私は大抵彼の言い値を飲んで買い取る。私が彼をシャイと言い切れないのは、このことがあるせいだ。彼は、シャイというよりも、どちらかといえば、悪い印象を与えないすべを知っているのだろう。それだけに、彼の「押し売り」を断るのは、かなり難しい。なにせ、話をする前から、私は彼に「負ける」準備を心の中で始めているのだから。

 段差がまるで出鱈目な、白い階段を下ってゆく。
 素人の手仕事。この島のあらゆる建物、あらゆる道は、そういう印象である。不恰好で、機能的ともいえないのだが、毎日通っていると愛着が湧いて、愛らしく感じるから不思議だ。街の隅々にまで、人の手が触れた息遣いがある。そんな風に感じるからなのかもしれない。遠くを見渡せば、一面に青い海と、点在する島影がある。素晴らしい風景だが、その光景と同じくらい、私にはこの町の細部が大切なもののように感じた。

 港に降りた時にはもう、魚市はとっくに終わったあとだった。当然そうだろうと思っていたから、これといった感想はない。一仕事終えて、漁具の手入れをしている漁師の姿を見ながら、私は海岸線に沿ってしばらく散歩をした。もともと観光客はそれほど多くはない島だから、港にいるのは殆どが地元の人々だったが、それに混じって、数人の観光客の姿も見える。やはり朝の散歩をしているようだ。
 私は港の外れまでの長い距離を歩いた。そして、コンクリートで出来た小さな倉庫の裏手に廻った。そこは少し広い船着場になっていて、磨かれたように滑らかなコンクリートの上に、いつのもようにベータがいた。ベータはこちらに背を向け、ゆっくりとした調子で、手に持った棒で地面に並べられている蛸を叩いていた。蛸を叩いて、柔らかくしているのだ。
 私が彼の名前を呼ぶと、ベータは手を休めず、面倒臭そうに首だけこちらに廻したが、私の姿を認めると、手を止めて、私の名前を呼んだ。
 「どうした、また魚を買いそびれたか?」ベータが言った。
 「君から買う魚のほうが美味しいんだよ」私は言った。
 「そりゃそうさ」ベータが言った。そして、倉庫の中に姿を消した。そして中から木箱を一つ、両手に持って出てきた。
 「どれか買う?」とベータが言った。
 私は中を覗き込んだ。箱の中には、鯛や鯵など、十匹ほどの魚が横たわっている。私は中から、鯵に似た、やや大ぶりな魚を選んで買うことにした。
 代金を払い、ベータから魚を受け取りながら、私は先ほどまで彼が叩いていた蛸を見詰めていた。その視線に気付いたベータは、「蛸も欲しい?」と聞いてきた。私は、欲しい、と答えた。
 「蛸は美味いよな」とベータは言った。「外国には蛸を嫌う奴らも多いけど、美味いよな」
 「蛸は美味しいですよね」私は言った。「蛸は私の大好物の一つなんですよ」
 「そう」ベータは嬉しそうに言った。「じゃあ、後で蛸をひとつあげるよ。これはこれから干すからさ、夕方にでも君の家まで持っていってあげるよ」
 「本当に?」
 「いつも魚を買ってもらっているからね」
 それからしばらく私達は世間話をして過ごした。ベータはせっせと蛸を叩き、終わると、物干し台に渡したロープに蛸を干し始めた。
 「日本では、これを『タコ』というんです。で、空に上げるのもやはり『タコ』というんですよ」私はそう言いながら、ふと目の端に、どこからかやってきた猫がこちらを物ほしそうに見ているのを捕らえた。
 「猫がこちらを見てますね」
 「いつも来るんだよ」ベータが言った。「それで、一生懸命にタコに飛びつこうとするんだ」
 「タコに?」
 「そう。どうせ届きゃしないのにね」
 「猫って、タコを食べるんですか?」
 「食べるよ」
 「腰を抜かしたりしませんか?」
 「腰?」ベータは不思議そうな顔をした。「猫が腰を抜かすのか?」
 「ええ」私は言った。「日本では、猫にイカをやると腰を抜かすと言うんです。だから、タコもそうかと思って」
 「知らないなあ」ベータは言った。「で、イカをやってみたことはある?」
 「ないですね」私は言った。「駄目だと言われていたので、試そうとは思わなかった」
 「ふーん。じゃあ、わからないわけだ」ベータは言った。
 「そうですね」私は言った。
 「腰を抜かした猫か。一度見てみたい気もするよな」ベータが言った。

 夕方に蛸を届けてもらうという約束をして、彼と別れた後、私はまた港に沿って歩いた。時々立ち止まって、海の中を覗き込むと、足元のコンクリートには、びっしりと貝が張り付いていた。

 歩きながら私がぼんやりと考えていたのは、ベータが干していた蛸に、やって来た猫たちが次々に飛びついている光景だった。猫たちは、素晴らしい跳躍を見せて、見事に蛸を齧ることができるのだが、その途端、腰を抜かしてしまうのだ。
 そこまで考えて、私は少し笑った。
 そう、咥えたまでは良かったが、そのままになってしまう。ぶらりと、しなだれた鯉のぼりか、水を含んで重い洗濯物のような猫たちが、数匹。蛸を咥えて、物干しのロープからぶら下がっている。風が吹いて、ぶらーん、ぶらーんと、少し廻ったりしながら。それを見たベータは、仕方なく、腰を抜かした猫を一匹一匹、まるで置き物のように棚に並べてゆくのだ。弱った顔のベータを見詰めながら、猫たちはさらに困った顔をしている。でも、腰が抜けて動けないから、どうすることも出来ないのだ。
 

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 「楽園への疾走」
 J.G.バラード著
 東京創元社刊

 を読了。

 何と言うか、すごい話。

 最初は、狂信的な自然保護主義者が暴走して、破滅してゆくという話だろうと思いながら読んでいたのだが(まあ、実際そうではあるのだが)、終盤になってゆくにつれて、物語が臭気とともに破綻し、こちらの想像を遥かに越えていってしまった。まさかこんな結末になるとは。バラードらしいといえば、ものすごく「らしい」のだけれど。
 この本がイギリスで刊行されたのは、1994年ということ。映画化されて大ヒットした「ザ・ビーチ」よりも早い(『ザ・ビーチ』は酷い映画だったけれど)。こうした、楽園が地獄に変わってゆくという作品は、「蝿の王」など、イギリスには昔から多いような気がするが、この作品は、個人の狂気を異様な迫力で描き出しているという点で、強烈。言うまでもないことだが、その「個人の狂気」とは、主人公のバーバラのことだけではなく、それ以上に、繰り返し同じ光景を夢見続けている著者、バラードのことでもある。

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 A moment it seemed, and a voice spoke. The words came to me muffled, as though through mists of eternity-unmeaning they seemed and unreal. A dreamy feeling stole over me. I felt disinclined to listen. Again the voice came and I roused myself to catch the words. Two words only, but they woke me thoroughly. The sound echoed from the far heights with a tender insistence: "My Love! My Love! My Love!" And presently a step sounded, muffled and soft. I turned, and lo! the Captain's face showed palely. He was looking up into the wide with a rapt expression. I looked also, but though I searched earnestly, could see nothing. Suddenly I heard again the vague murmur of a deep splash, andd glancing down quickly, could nowhere see the Captain. I stood confounded. The cry above had ceased. Then it seemed I saw a shadowy form with a face like that of the Captain's, float upwards into the violet twilight.
 And thus, stupified, I stood waiting; waiting for I knew not what.
 Presently I roused myself and made my way gropingly towards where I judged the side of the vessel to be. In a while my hand rested on something that I knew to be the rail running along the port side of the poop, and thus I leant upon it and peered over and down into the strangeness of that unearthly sight. Sometimes I looked and saw nothing, save the illimitable deeps of that billowy misty ocean. It seemed to me as though ages passed over my head and still I watched dreamily. At times I dimly saw weird things that peered up at me and vanished. Thus I stood, and the monotony of time passed over my head in silent aeons. Then, it might have been halfway through eternity; something drove up out of the boundlessness, a dull green glow that shone lividly through the purple gloom of that infinite mystery. Steadily it grew, a cold malicious gleam that frightened me, and in a while, looking far to my left I saw another ghostly glimmer strike through that dark-hued sea.
 Brighter grew the brilliance of those lights until their vivid greenness smote intolerably up into the violet impalpableness like two transparent pillars through which played a shiver of lambent flame, and suddenly the murky vastnesses beneath were heaved upwards into a mighty wave that drove towards us threateningly. Yet ere it reached us, my eyes had seen something, something terrible-eyes that blazed out of mystery, and beneath, lips-white, vast and slobbering had opened, disclosing the blackness of an everlasting night. Then, like an awesome wall that reached up into the nothingness above and blotted out everything, the wave was upon us, and instantly we were wrapped in a surging blackness that seemed to weigh down upon us and suffocate. My head began to sing queerly and I felt my knees give weakly. Then the blankness of unconsciousness swept over me, and I passed into dreams.
 I opened my eyes and looked around bewilderedly. For a moment I saw things through a violet haze. It passed, and I saw that the sun was shining brightly. I glanced aloft, noting that a fresh breeze of wind filled the sails; then down on deck to where the two Mates still stood, just as I had seen them last. Even as I gazed, the Second Mate stood upright and yawned, then looked round him in a puzzled manner. As he did so, his eyes fell upon the Mate still sleeping. The Second stared stupidly a moment, then put out his hand and shook his superior roughly.
 "What the devil's up, Mr. Gray?"
 The Mate jumped and swore quickly
 "What the hell's the matter with you?" Then seeming to realize that he was not in his bunk, he rubbed the sleep out of his eyes and looked around--dazed.
 The Second Mate spoke again, "Blarst!" and stared over the break of the poop. The Mate turned slowly and looked also. I heard him give a little gasp. Wondering what it was they eyed so earnestly, I ran to the break and glanced down on to the main-deck. Great God! What a sight. There, lying on the deck and huddled on the top of one another, lay the crew. The watch on deck, and the watch below mixed up in an inextricable senseless heap. As we watched them, one of the men stood up shakily. His lips moved, but no words came. I saw the two Mates look at one another, and their eyes were full of doubt. Then the First Mate turned and tottered to his room. The Second Mate said nothing but continued to watch the men, as at intervals they rose and with suspicious, bewildered looks stumbled forrard. Some cursing there was, yet most preserved a glum and vacant silence. True, a little Frenchman--excitable like all his nation--started to question volubly, but ceased in surprise at the blank looks that were cast upon him. During the day, and indeed the rest of the voyage, the subject was strictly tabooed. It was as though each one of us felt afraid to admit that which according to our knowledge could not be.
 Strangely enough, seen in this light, no surprise was expressed when the Captain's and Langstone's disappearance was formally announced. Instead, each one received the news tacitly. All, that is, except the little Frenchman, who swore softly in several languages at the to him-incomprehensible behaviour of his comrades.
 Once, a few days later, I had some work to do for the First Mate in the cabin. On the table was the Log book, and with a mingled dread I turned up the date of that fearsome night. There I found the following entry:

 Lat.─S. Long.─W Heavy gales. About 2 A.M. shipped a tremendous sea which washed Captain Ronaldson and Langstone, one of the A.B.’s, overboard.

 At the bottom were the signatures of the two Mates.


THE END





 主人公(どうやらホジスンという名前らしい)が乗り込んだ船の船長は、結婚してたった六週間で妻を失っていた。その船が夜の航海で不思議な紫の光に出会う。やがてその光が船を包み込み・・・という話。
 ストーリ自体は、それほど凝ったものではないのですが、ホジスンらしい作品ですね。

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 The gulf of light rose right up into the midnight sky spreading fan-wise, and vanishing into further space. We were apparently some two miles from it when I heard the First Mate whisper something and go back to our binnacle. When he came back I heard him mutter hoarsely that we were drifting directly into the thing. The words were caught by some of the crew and passed round quickly in accents of fear.
 Strange to say, no light came to us from the rift and this, I think, made it the more spectral and unearthly. The two miles had dwindled down to half, and I saw the Second Mate raise his glasses and look towards where the gulf had joined the sea. In fearful curiosity my gaze followed his, and there came to me a fresh feeling of dread as I saw that the point of the shimmering wedge seemed to drive far below the surface of the silent deep.
 Still nearer, now but a hundred yards from that luminous gulf. I stared but could see nothing.
 Nearer, and I looked up one slope of the riven night showing like the side of an eternal mountain.
The ship's bows drifted into the light. A moment, and I saw the foremast with its maze of ropes loom ghostly against that weird effulgence.
 The Mate spoke jerkily.
 "Damn!" he said, and was silent.
 I looked forrard again and stared, terrified.
 The fore-part of the ship had vanished. In place rolled a sea of violet clouds out of which rose grotesquely the frightened face of the lookout man. Further aft came the impalpable billows of mist. Forward of the foremast, nothing showed save that frightened face.
 The ship drove forward and the main-mast faded into nothingness. I saw the crew in the waist stare fearfully out of those trembling waves of mystery. A moment later it was upon me, and I found myself submerged in an ocean of violet shades that gleamed wondrously.
 The two Mates still stood together, and I saw them look bewilderedly at one another, though neither spoke. I looked astern and saw a mighty shape of blackness, with a glimmer of dark waters. It was the night we had left.
 Slowly, as my faculties began to work, I saw things more plainly. Afar on my left rose a vast range of shadowy peaks, showing ghostly.
 Between them and where I stood rolled an immensity of luminous misty waves that fluctuated eternally.
 To the right, the eye swept away into unutterable distances, and over all reigned an intolerable silence. A coldness like that of a tomb crept over me. I shivered. Once the brooding silence was broken by a moaning, as of a distant wind.
 Presently I put out my hand through the winding mist and felt something hard; it was the rail running across the break of the poop.
 I looked down, but could see nothing. I took a step forward and stumbled against a hard object; it was a hencoop, and gropingly I sat down on it. I felt strangely tired and bewildered. How long I sat there it would be difficult to say. Time seemed to have no part in that dread place. The cold grew more intense, and I have an indistinct memory of shivering through an indeterminable space of time.
 Suddenly there came again that windy moan, and then a cry of indescribable fear from many voices, followed by a sound as of whispering in the sky. I leapt to my feet and looked to where I had last seen the crew. There they were, all huddled together like frightened children, their eves staring fearfully upwards into the void. Instinctively my gaze followed theirs. At first I could not make out what it was they watched so steadfastly; but slowly there grew out of the mists shapes, shapes clothed mistily, that watched us with great sombre eyes. Nearer they came, and looking towards the distant mountains, I saw dusky masses of clouds sweeping steadily from their towering heights in our direction. On they came, and as they drew nearer I saw that they were not clouds, but legions upon legions of those spirit forms. Still they came, floating like great clouds of intelligence above us. The weird sight impressed me terribly. I felt that the end of all things was approaching. Then as I watched, a strange thing happened. From those unnameable beings above, there drove a single dim enshrouded figure. It came headlong like a storm-driven cloud, and stopped before the crowd of cowering sailors. Then, as the wrappings of a shroud, rotten with extreme age might fall away shewing the corpse within; so did the dusky mist slip away and reveal to my astonished gaze-not a corpse, but the face and figure of a lovely young girl. I gave a gasp of astonishment, and leaned forward to get a better look; even as I did a tall form sprang from amongst the crowding sailors and shouted hoarsely.
 "Mary! Mary!" it said, and ended in a harsh scream. It was Langstone, one of the A.B.'s. The girl put one ghostly hand to her heart, and I saw the handle of a sailor's sheath-knife showing starkly. What she meant, I could not at first make out. Then Langstone's voice rose shrilly, "Mary! Mary! Forgive..." He stopped abruptly. The girl-spirit after that one accusing gesture had turned away coldly and unforgivingly I saw Langstone give a despairing glance at the shrinking men, then with a cry of "God help me," he leapt away Out into the purple billows, and faintly to my ears as though from miles beneath my feet came the sound of a far distant splash, and then a long dread silence.
 In a while I looked again towards those gloomy heights, but now I could no longer see the spectral hosts; instead it had grown wonderfully clear, and far into the void I saw a speck of snow-white fleece which grew rapidly larger as I watched, until presently it floated just overhead, and I made out a tender, womanly face smiling down upon me. It was the face of my mother who a short year previously had passed into the arms of the Great One. I took a step forward and held my arms out supplicatingly I felt as though the tumultuous beating of my heart would suffocate me. I called "Mother," first softly, then loudly, and saw the dear lips move tremulously. Then even as I watched, it faded and like a dream was gone. For some moments I stood looking tearfully and unbelievingly upwards, until sorrowfully it was borne upon me that she had indeed gone.


...to be continued later





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