「ヒューゴの不思議な発明」 マーティン・スコセッシ監督
を観る。
SFXの父、ジョルジュ・メリエスを扱った映画。物語そのものは虚構だが、メリエスの生涯については、ほぼ史実に沿っているということ。日本では稲垣足穂らに強烈な影響を与えたメリエスは、晩年にはモンパルナスの駅の小さなおもちゃとキャンディの売店で、実際に売り子をして生計を立てていたというが、この映画はその頃を舞台にしている。人びとに忘れ去られ、負債だけを抱えて全てを失ってしまった失意のメリエスが、この映画の中に登場する孤児のヒューゴの活躍によって、再評価されるまでを描いている。
メリエスは、かつては「月世界旅行」がミニシアターなどで定番のプログラムだったし、異端文学者の稲垣足穂をはじめ、さまざまなサブカルチャーのクリエーターらに影響を与えたことから、日本とのつながりも深い。映画自体、とても面白い映画で、スチームパンク的な映像もすばらしかった。映画館に観にゆけば、もっと楽しめたかもしれないとちょっと思ったりした。
最新の画像[もっと見る]
- サーカス、見世物小屋を題材にはじまる物語 3年前
- 『平成怪奇小説傑作集3』 5年前
- 古井由吉『杳子・妻隠』 5年前
- シャルル・バルバラ『赤い橋の殺人』 5年前
- アンナ・カヴァン『草地は緑に輝いて』 5年前
- 『平成怪奇小説傑作集2』 5年前
- 『平成怪奇小説傑作集1』 5年前
- ミゲル・デ・セルバンテス『ペルシーレスとシヒスムンダの苦難(上・下)』 5年前
- シャルル・バルバラ『蝶を飼う男』 5年前
- ハイリンヒ・フォン・クライスト『チリの地震』 5年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます