さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

統一戦、幻に終わるか

2019-11-20 18:54:18 | 関東ボクシング



コメント欄でご教示いただくまで知らなかった、フェリックス・アルバラード欠場の件ですが、海外メディアの記事に続き、拳四朗本人もツイッターでコメントした模様

記事によれば、好条件を約されていたアルバラードは、あくまで延期という希望を持っているようですが、村田メインの大興行ならばこその条件であったことを考えると、このまま幻に終わる可能性もありそうです。

さいわい、拳四朗自身は、違う相手と試合を行えるようですが...とはいえ、名も知らぬランク10何位、とかだったら、さすがに辛いです。
さりとて国内でも、京口はスケジュールが合わず、その次と言えば久田哲也か、小西伶弥か、堀川謙一を破った高橋悠斗か。

※あと、WBOアジア王者の冨田大樹もいますね。山口隼人戦の出来は見事でした。書くの忘れてました。すみません m(_ _)m

そもそもスケジュール自体、年末の難しさがある上に、もうひと月かそこらです。
元王者のブドラー、アコスタ、ペタルコリンあたりと組めるわけもないでしょうし。


暮れの忙しい時に、しかも見やすいとはお世辞にも言えない会場に出向く予定を立てていたのは、ひとえにこの試合見たさ...トリプルタイトルということもあり、地上波TV局が限られた枠内でどんな取捨選択をしよるものか、知れたものではないから、確実に見るためには、四の五の言わんと行くしかない!という理由でした。

ところが、その肝心要の一戦が飛びました。どないしたものやら...。
いやはや、これは本当に参りましたなー。コリャ (*_*) マイッタ




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壮大な夢への関門か? 田中恒成、大晦日に大田区登場

2019-11-19 22:09:41 | 中部ボクシング



田中恒成、大晦日に大田区総合体育館に登場、井岡一翔とダブル世界戦
少し前から噂になっていたそうですが、今日、発表されました。

前回、指名挑戦者をKOで退け、それでもえらく不満げ、というに納まらず「気のない」発言をしたことが印象的でしたが、その次、年末に試合があるとしたら、どんなカードがあり得るのだろう、と思っていたら、こういう話になりました。

相手は中国のウラン・トロハツ。名前からしてウィグル系?
日本人とも対戦経験があるらしいですが、驚くほどの強敵というわけでもなさそうです。
相手からすれば「あの」木村翔を破った選手に挑む、ということに大きな意味があるのかもしれませんが、田中恒成の側から見れば、上位や対立王者クラスと比べて「落ちる」相手でしょう。


もちろん油断大敵ですし、発表が随分遅かったことも含め、心身の調整が十分でなかったら、という心配はありますが、普通に見て、この試合を井岡一翔と同一興行に持ってくるとなると、来年以降への布石、という意味を読んでしまうところです。
井岡が技巧派シントロンに勝てると決まったわけでもないですし、恒成とて同様ですが、共に期待通りに勝つとなれば...という。

井岡の方は、この話には興味を示していないコメントを以前出していましたが、例えば来年、スーパーフライ級でWBSS開催、TBSがそれを推進する、というようなことにでもなれば、話は違ってくるのかもしれません。そうなれば、単に国内の話題カード、という枠を超えた話になるわけですから。
そして、万が一、この大晦日、大田区の試合が、そのための「関門」なのだとしたら?

まあ、なかなかそんな簡単にもいかないでしょうが、そうだったら楽しいだろうなあ、とも思います。はてさて...。




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来月23日、午後4時30分

2019-11-18 18:23:32 | 関東ボクシング



ということで、さいたま決戦ですっかり燃え尽きてしまいました、と言っている舌の根も乾かぬうちに、来月にも観戦予定をあれこれと立てて(しまって)います。
どこまでもスチャラカな我が人生。嗚呼。
まあ、今のところ例年よりおとなしめに、3興行だけなんですが...充分ですか。


そのうちのひとつ、拳四朗の統一戦お目当ての12月23日、横アリですが、ローソンチケットのページを見ると、第一試合開始は午後4時30分、とのことです。

当初、記者会見の時点で「試合時間が未定」とあって、まさかアメリカのプライムタイムに合わせて、午後1時ゴングとか?と、ちょっとだけ思ったんですが、やっぱりそんなことはありませんでした。
まあ、メインカード、というか村田の試合に、今のところ、そんな需要はないでしょうね。


それにしても、チケットの売れ方は、当然ですが先のさいたま決戦とはだいぶ違う模様。
なんというか...色んな意味で、ハードル上がってしもうたのかなー、という気もします。

拳四朗のカードなんかは、それに近い価値があるものだと思うんですが、一般への訴求は、やはり不足あり、なのでしょう。
あの頼りないドイツ人プロモーターがうそぶいたように、ライトフライでのWBSS開催、とかいう大ごとが起これば、色々違ってはくるんでしょうが...。


あと、やはり村田のカードが弱い、というのもありましょうか。
エンダムやブラントとの「雪辱戦」のようなテーマがあれば盛り上がりますが、そうでない相手の場合は、やはり名前を一見して「おお」と思える何かが欲しいところです。
しかし、今回の相手が、実力者であるかどうかはともかく、そんなインパクトがある名前の持ち主ではない。それは動かしがたい事実です。
さりとて、そういうところに踏み込むとしたら「東京ドーム」「ゴロフキン」という「幅跳び話」でないと駄目、と決まっているみたいですしね...。


とはいえ、試合のお題目がどうとか、変わらず言いたいこともありつつ、日本のミドル級ボクサーとして、抜きん出た実力者である村田諒太が闘う「国際試合」ですから、試合自体は大いに楽しんで見よう、というところでもあります。
拳四朗統一戦に加えて、八重樫東の、長きに渡る激しい拳歴にピリオドが打たれるのか、それとも...という試合も「見届け」ねばならんですし。


しかし、第一試合がこの開始時間で、村田の試合が午後9時30分頃ゴング、とかだったら...IRA値(←なんやこの変換は...)じゃなくて、イラチの関西人にとっては、精神的に厳しいものがあります。
タイトルマッチがみっつあるから、主催者にしたら、時間に余裕は欲しいところでしょうが。
出来れば、主催者やTV局の皆様方には、常識ある判断をしていただきたい、と切に願う次第であります。いやホンマに。



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ということで、一曲。
佐野元春 & ザ・コヨーテバンド「白夜飛行」。







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今の「日本バンタム級王者」はこの人 栗原慶太、IBF4位にKO勝ち

2019-11-17 06:44:30 | 関東ボクシング




金曜夜、ホールで栗原慶太がIBF4位スックプラサート・ポンピタックに2回TKO勝ち
A-signの動画で、即日見ることが出来ました。ありがたや。


スックプラサートは、タイの元王者やランカー常連選手に時々居る「世界ランク配給王」みたいな見方もされますが、その反面、その実力自体は一定以上のものがあります。
前回来日時の小國以載戦でも、小國のロングのボディアッパー、コンビネーションを浴びても怯まず出て、ダメージ甚大とはいかなくともダウンを奪い、その後の攻勢では小國を厳しく追い込む場面も再三。

あ、こりゃけっこ強いな、そもそもちゃんと勝つ気あるやん、と見えたのを覚えています。
そりゃ「世界で4番目に強いバンタム級コンテンダー」では全然ないですが、本気のタイ国ナショナル王者、くらいには充分見られる選手である、と。

今回の試合でも、栗原の強いリードに対し、ダック、スリップで外して左右のフックを強振。
隙があったらアタマも添えて、という感じで、良し悪しはともかく、ちゃんと本気でした。

しかし栗原、その大振りに巻き込まれ、お付き合い...と見せといて、2回にコンパクトな右ショートを地味に決め、スックプラサードを止めると、強いワンツー、右で攻め、下がりながら返しの左フックでダウンさせる。
追撃でタイ人の腰が二度落ちたところ、レフェリーが止めました。まだ手を返してはいたのですが...。


栗原慶太はその実力からすると、不思議なくらい低いランクに甘んじていた選手、というのが第一印象でしたが、上位ランカー対決で田中一樹を倒し、小林祐樹を下してOPBF王座獲得、パレナスを初回で倒し、そして今回の勝利。
IBFランクがどの程度上がるか、というのが周辺の狙いなのでしょうが、部外者のいちファンとしては、ここ数年の間、井上拓真が担っていた「日本バンタム級チャンピオン」の仕事を受け継いでいる、と言える選手になってくれたなあ、というところです。

井上拓真と比べると、全体的にまだ緻密さで劣る感じはありますが、正攻法でパンチもあり、好機に決め手をもって詰めるところの迫力、確信の深さのようなものは、試合のレベルが多少違うにしても、勝るとも劣らないものがあるように見えます。

その井上拓真、実際の日本王者たる鈴木悠介、指名挑戦者澤田京介、そして一度破ったアジアパシフィック王者小林に加え、WBOでは何故かバンタム級4位の石田匠、その上の2位にいる赤穂亮、そしてブランク中にもかかわらずWBC5位に記載された比嘉大吾。
さらに先日のゴッドレフト大会準決勝で、アマチュア時代からのライバル南出仁を初回で倒したサウスポー、中嶋一輝も遠からず浮上してくることでしょう。

こうして見るに、なかなかの顔ぶれが揃うクラスですが、その中でも一定以上の水準の相手とコンスタントに闘い、勝っている栗原慶太は、国内におけるこのクラスの軸、メインキャストたりうる存在だと思います。

この辺、どう組み合わせても面白そうです。ひとつでも多く、お互いにリングの下でなく、リングの上で避けて打って、というのをやって見せてもらえたら、ファンとしては幸いです。
それは「真の日本一」を争奪する闘いとして、先の「真の世界一」を争う試合と同じく、見る者を納得させるものになるでしょう。
その中心のひとりとして、栗原慶太の今後に期待します。


ということで、動画を紹介。
画質は充分、試合前のインタビューはあるし、画面表示もあって、これでKOシーンのスローリプレイがついたら、もうTV局なんか要らんわい、と蹴たぐれるところですね(^^)





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あと、アンダーで寝屋川石田ジムの石脇麻生が、池田竜司をこれまた2回TKOで下した試合もご紹介。






全日本新人王を惜しくも獲れなかったあとも、アクティブに活動している石脇、15位とはいえランカーに快勝です。
同僚の福井貫太と共に、積極的に格上に挑み続けている石脇、今後も要注目です。

それにしても寝屋川石田ジム、先日の新人王戦にも複数、選手を送り出して来ましたし、新興ジムならではの勢いを感じます。
今後、西の一大勢力になってくるかもしれません。
セコンドに立つと、その長身で非常に目立つ石田順裕会長を超える逸材が、いつかこのジムから現れるのかもしれませんね。



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ということで、一曲。
THE WILLARD ”SILLY GAMES” です。






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DAZN、11月24日にライブ配信二本立て

2019-11-15 20:27:02 | 海外ボクシング



DAZNのボクシング放送予定を今日見ると、24日午前4時と11時から、ふたつの興行をライブ配信すると出ていました。
午前4時から、カラム・スミスvsジョン・ライダー。スーパーミドルのWBA団体内統一戦。
午前11時から、アンドリュー・カンシオvsレネ・アルバラード。WBAスーパーフェザー級タイトルマッチ。

この日はWOWOWでワイルダー、オルティス再戦が11時から生中継。
重なるときは重なるものですね。
UFCとなら時間調整しても、ボクシング同士だと何も無いのだから困ったものですが...。




ところで、DAZN日本では配信されなかった日本時間10日、ロスの興行ですが、DAZN USAがYouTubeに全試合ハイライトを出しました。
メインがYouTuber対決ということで、ようわかりませんが、ビリージョー・サンダースとデビン・ヘイニーが出て、共に防衛しています。
仮にライブ配信されていても、こちらは府立の地下にしけこんでいましたし(笑)そもそも、その前の木曜日に燃え尽きて、ほとんど真っ白な灰状態で、たぶんまともには見ていなかったでしょうが。
まあ、手短に見られるのでご紹介。






それにつけてもメイン、というか最後の試合、場内の沸き具合と、試合内容の釣り合いが全然取れていません。ほんまにようわかりません。
これこそもっと手短に...1分くらいにまとまらんかな、と思ったりもしますが。


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てなことで、一曲。
米津玄師 “MAD HEAD LOVE” です。






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「やばい兄弟」との闘争を経て 田中亮明・恒成、井上兄弟を語る

2019-11-14 08:24:25 | 井上尚弥




先週木曜のさいたま決戦を終え、さらにその声名を高めた井上尚弥の特集が掲載された雑誌ふたつ
今日、Numberを買いに行ったら、つい週刊プレイボーイの方にも手が出てしまいました(笑)。

Numberといえば、スポーツ全般を扱う雑誌の代表格(というか、唯一?)であり、その表紙を前回は村田諒太、今回はついに井上尚弥が飾りました。
彼ほどの逸材が、ようやくこのレベルの扱いを受けるようになった、という点で、喜ばしく思います。
週刊プレイボーイの方は、こちらの表紙に起用されるということを、どう理解していいのか、ようわかりませんが。


まあ、色々と記事が載っていましたが、一番の「読みどころ」は、Numberに掲載されていた森合正範記者による「井上家vs.田中家の拳闘史 やばい兄弟がライバルだった」でしょうか。
何度も実際に拳を交えた者が、その都度に変わって行く「実感」や、「今」にして思うところを述懐していて、興味深く読みました。

長谷川、内山、山中のトークバトル(と書いてありましたが、普通に和気藹々)や、森川ショージ氏の井上尚弥評なども面白かったです。
「漫画で描いたらボツになる」とのことですが、確かに(笑)。

古手のファン(笑)の方々にとっては、人呼んで和製バッド・シュルバーグこと(褒めすぎ?)前田衷氏の「KOパンチャーの系譜」も楽しいところでしょうか。
藤猛の試合を「少年時代の目撃談」として語れる人は、なんだかんだ言って貴重な存在です。
そもそも前田氏は、その昔、Numberがボクシング特集を始めた頃、中心となって記事を書き、編集作業をしていた方ですので、もっとページを割いて、何か書いてもらっても良いのに、と思いました。


全体として、週刊プレイボーイの方は...別にまあ...強いて...という感じでした。
毎週、コンビニで売られている雑誌に取り上げられることに、意味が無いとは言いませんが。

Numberの方は、まずまず、楽しく読めた部類でした。
中量級黄金期、タイソン全盛期や辰吉・鬼塚時代のように、とは行かずとも、今後も井上の試合前後や、何か大ごとがある時は、またボクシング特集号を出してもらえたら嬉しいですね。


と、そういえば明日は専門二誌の発売日です。
普段買ってない皆さん、今月号くらいは買いましょうね。いやホンマに...(^^;)




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日本ヘビー級史上、最強の相手に「挑戦」決定

2019-11-13 19:26:47 | 海外ボクシング




藤本京太郎、WBO6位のダニエル・デュボアと対戦決定
英国ロンドンで、12月21日とのこと。

おそらく彼にとっても、いや、日本人のヘビー級ボクサーにとっても、おそらく過去最強の対戦相手かもしれません。
日本のジム所属、という括りなら、モスクワでオレグ・マスカエフに挑んだオケロ・ピーターの例がありますが。


で、対戦相手のダニエル・デュボアについての紹介記事
えらく評価高いですね。


ちょっと探すと、2017年から、2019年4月までに闘った10試合のハイライト動画がありました。






正直言って、途中までは、寄っていってフックを好きに打つ、という場面ばかりなので、ようわかりません。
最後の方はちょっとジャブ、ストレートが見られますが。

確かに体格に恵まれ、パワーもある期待の選手だとは思いますが、まだこれから、の段階にも見えますね。
とはいえ、12月の試合では、さらに成長を見せるかもしれませんし、藤本にとっては充分強敵ですが。


その藤本、会見では、大場浩平か小國以載か、というノリの自虐ぶり?ですが、ボクシングに転じて以降、いろいろ大変だった時期を経て、遂にやってきた「世界挑戦」です。
内心、大いに燃えている...のだと思います。たぶん。そのはず。そうであってほしい。

冗談はおいといて、本当にこれは大勝負ですね。
内容と結果を予想すれば、それは厳しかろう、となりますが、それより先に、このような試合に辿り着き、それを闘うこと自体を、ひとつの勝利と見るべきだ、とも思う次第です。健闘を。


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ということで、一曲。
Duran Duran “What Happens Tomorrow” です。






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強敵だが苦手ではない...はずですが 岩佐亮祐、タパレスと暫定戦決定

2019-11-12 20:12:50 | 海外ボクシング




岩佐亮佑、マーロン・タパレスとIBF暫定王座を争う試合が決まったとのことです。

知らなかったんですが、少し前から噂というか、海外報道?SNS?で出てた話なんだそうですね。
チャーロのアンダーで、NYはブルックリンの新メッカ、バークレイズのリングに上がるのですから、あとは良い試合して勝つだけです。
言うのは簡単ですが(笑)。

マーロン・タパレスが122ポンドでどんな感じかわかりませんが、例の計量失格のこともあり、減量はきつかったんでしょうね。
大森将平との初戦は、確か、けっこう軽く上がったような記憶がありますが。


岩佐が過去に敗れた相手は皆、サウスポーということですが、左右関係なく、大きく動いて射程を外し、それでいて執拗に攻めてくる相手、それが岩佐の苦手とするタイプだと言って良いでしょう。
正攻法の山中慎介は例外というか...単に強かった、という。

セサール・フアレス戦は、きちんとした映像は見られませんでしたが、あのノニト・ドネアに大苦戦を強いたタフガイ相手に、打ち合いやって勝ったのですから、「来る」相手にも、それなりに応対は出来るでしょう。
問題はパンチ力があることで、減量苦から解放されて、しっかり腰据えて狙ってくるとしたら、やはり怖いです。


その反面、弱点もけっこうはっきりしています。
大森戦の連勝や、山中慎介とのスパーリングでの評判など、タパレスは強さばかりが語られますが、初戴冠のプンルアン戦など、中盤、ボディ打たれて効かされて、まあ大変でした。
あそこから逆転したのは立派ですが、あれは当然、狙い所でしょう。
もっとも、それを打ちに来る相手に、一発強打を狙ってもいるわけですが。

しかし、なまじパンチ力があるだけ、手数を惜しまず無理押しするような感じではなく、その辺は岩佐にとって幸いかもしれません。
小柄に見えて、意外に射程が長い、とか、色々要注意な部分もありますが、そんなことはもう、岩佐も陣営も重々承知でしょう。

長身、リーチを生かして突き放し、ロングの距離での攻防が出来れば、勝機は必ずあるはずです。
単に王座奪回というに留まらず、本人の言のとおり「闘っていきたい」今後を手にしてほしいものですね。


さて、当日、どうにかして見られんものか...と思ったら、この日は大阪で二部興行、サウジでジョシュア、ルイス再戦と、あれこれ大変な一日ですね。なんともかとも。



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ということで、一曲。
SION「12月」。







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フェザー級のみ、別世界の緊迫 新人王西軍代表決定戦2019観戦記

2019-11-11 07:33:30 | 新人王戦




ということで、遙かなりさいたまスーパーアリーナから戻って3日後、府立の地下で観戦してきました。
超大箱の二階から、ナニワの小箱のリングサイドに席を変え、あまりの距離感の違いに目も眩む思いでした。

...やっぱりお前はホンマのアホやな、という率直なご意見は、謹んでお受けいたします。
結果はこちらの記事にも。以下、簡単に経過と、ちょっとだけ感想です。



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ミニマム級は、丁野拓海(中日)が2-0判定勝ち。

立ち上がり、丁野が仕掛け、初田翔(寝屋川石田)が左突き返す。
初田が左を出していると試合が落ち着くが、続かないのでやや荒れ気味の打ち合い。
初田は右カウンターが単発で好打するが、丁野の仕掛けに巻き込まれた感もあり。



ライトフライ級は、表祥(SFマキ)が3-0判定勝ち。

表が右クロスで先手を取り、田中蓮志(トコナメ)もシャープな左、ボディ打ち。
2回、田中のスリーパンチが出るが、表がより重みのある右でダウンを奪う。
3回、田中バランスが少し乱れ、顔が前に出ている。しかし左ボディを続けてヒット。
4回も田中が捨てパンチを使って左ボディ狙い。

なかなかの熱戦でしたが、採点はいずれも2回のダウンの分だけ表を支持。



フライ級は中村淳希(市野)が2-1判定勝ち。

長身の中村、自ら寄っていく感じで神崎靖浩(倉敷守安)を攻める。
2回、押され気味だった神崎の右が決まり、中村一瞬ぐらつく。
3回、中村少し右足が滑るような動作、数回。ダメージある?神崎右クロスヒット。
しかし踏ん張り、4回は手数、ヒットでまさる。積極性、手数が支持された内容。



スーパーフライ級は岩崎圭祐(オール)が2-1判定勝ち。

5勝5KOの28歳、長嶺竜久(平仲BS)がじりじり出るが、岩崎が当てて動く流れ。
2回、長嶺のボディが入ると、岩崎少し口が開く。きつそうだが動きは止めない。
3回以降、長嶺はワンツーの「ツー」をボディへ送る攻撃。
岩崎は右ダイレクトを決めて対抗。
4回、長嶺の右から左の返しで岩崎ダウン。決定打かと思ったが、岩崎前に出て保たせ、しのぐ。

判定は長嶺のボディ攻撃への評価が低かった、と見るしかないもの。正直、意外。
この日の試合は、ほとんどが4回戦だったが、この試合などはもう1ラウンド欲しかった、と思うところ。



バンタム級は中西寛多郎(HKスポーツ)が2-0判定勝ち。

わずか2戦、1勝1分という中西だが、森田翔大(森岡)の仕掛けるビジーファイトに動じず、威力のある右から左の返しを見せる。
大きくステップを踏み、積極的に仕掛けるのが持ち味の森田だが、2回中西の右で効かされる。出血もあり。
3回は森田が果敢に攻める。4回、森田右ダイレクト、中西左で捌くような時間帯も。
接戦と見たが、中西のパワーと正確さが評価されたか。中西はキャリアこそ浅いが、面白い素材。



スーパーバンタム級、この階級のみ5回戦。
津川龍也(ミツキ)が初回TKO勝ち。

初回早々、良い体格の津川、朝倉豊(博多協栄)の側頭部に右を決め、朝倉膝をつくが、スリップの裁定。
しかし津川追撃、アッパーで崩し、コーナーに追って右、レフェリー止めてTKO。
津川はMVP受賞。初回で倒したから、というなら安易な選考ですが、攻め口がなかなか良かったので、これは妥当かと。



フェザー級は前田稔輝(グリーンツダ)が3-0判定勝ち。

日本拳法から転じて2勝2KO、サウスポー前田と、4勝4KOの福永輝(沖縄ワールドリング)の対戦。
互いに攻撃力を秘める者同士、試合が始まって対峙すると、それまでの試合とはレベルが違う緊迫感。

初回、両者警戒し合い、手数は少ないが、張り詰めた空気。
前田が速い左でその空気を破る。単にハンドスピードがあるだけでなく、打ち出す判断のタイミング自体が速い。
福永は低い姿勢でじりじり出て、右から入るが、前田は左へステップを切り、右肩の後ろへと外す。

2回、福永出て、ロープを背負った前田に連打。しかし前田、敏捷に外す。
前田、左ストレートを胸の辺りに。ジャブ、左ショート、強く打ち込めないが、速いヒット。

3回も同様。4回、福永の左フックが浅く当たる。前田左ヒット。
福永迫るが、前田空振りさせて、福永がスリップする場面も。

4回では短すぎる、新人同士としては緊迫した内容だったが、ヒットをほとんど許さなかった前田の勝利。技能賞受賞、納得。
攻撃力だけでなく、防御にも非凡さを見せた前田だが、ロープを背負い、コーナー近くに下がり、という「位置取り」は感心しない。
その位置で外せる自信があるのでしょうが、今後相手が変わったとき、損なことが増える。改善の余地あり。



スーパーフェザー級は、岩崎淳史(フジタ)が三者三様の引き分けながら、優勢点を得て、全日本進出。

岸田聖羅(千里馬神戸)が左から攻めるが、2回くらいから、固かった印象の岩崎、動きがほぐれてくる。
3回、共に長身の両者が右クロス、左ボディなど、似たパンチを応酬する。
4回、岸田の右クロスが決まり、岩崎がクリンチするが、岩崎が前進してボディ連打で押し返す。

「割れるかも」と思ったらその通りの採点。優勢点云々については、何もよう言いませんが。



ライト級、藤田健介(千里馬神戸)が不戦勝。二熊亮成(平仲BS)の棄権による。



スーパーライト級、藤田裕崇(名古屋大橋)が2回TKO勝ち。

30歳のサウスポー、髙橋拓也(寝屋川石田)が足使って右から左、当てて回る。
藤田、初回最後に右一発だけ。しかしパワーでまさる藤田、スイッチして攻める。
2回、高橋が軽い連打をヒットするが、藤田がサウスポースタンスに変え、右から左、高橋ダウン。
またスイッチして追撃、右フックを決めて高橋ダウン。TKO宣告と同時にタオルが入りました。

これで5勝5KOとなった藤田は敢闘賞受賞。なかなかの強打者でした。



ウエルター級は安井誉(森岡)が初回TKO勝ち。

初回、長身、リーチのある能嶋宏弥(薬師寺)が、懐深く構えるが、安井が右フックヒット、ロープへ追い、能嶋バランス崩す。
レフェリー、ダウンは取らず続行。安井が左右をヒット、能嶋が体勢崩し、もつれているところでレフェリーストップ。



ミドル級は国本泰幸(金沢)が3-0判定勝ち。

国本がワンツーから当てて行く。新山十士(広島三栄)は2回、連打で攻め込み、国本がスリップする場面も作る。
しかし3回以降、国本が丁寧に足を使ってヒットを重ね、リードを広げて勝利。



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ということで、お目当てのフェザー級、前田稔輝の試合、西日本決勝では相手の棄権で見られませんでしたが、今回は無事、見ることが出来ました。
相手もなかなか強い選手だったこともあり、思うように攻撃力を発揮出来ませんでしたが、その代わりに防御のセンスが良いこと、強打出来ずとも軽打を当てて、無闇に打ちたがる愚を犯さず、冷静に闘えることなど、新たな良さを見ることができた試合でした。

反面、まあ当たり前ですが、自分の立ち位置を俯瞰して見る、というところまでは行っていないところも見えました。
相手の力量もあったでしょうが、あまりに安易に、危ないところに追われてしまう。或いは、自ら足を運んでしまう。
その度合いが、ちょっと高すぎるようにも感じられました。まあ、贅沢すぎる注文だとわかってはいますが。


それ以外の全体的な印象としては、全体的に、まずまずのレベルで均一化してきているように。
この階級はちょっといただけんなあ、というような試合はなく、当然、各地域を勝ち上がってきた選手同士の試合でもあり、接戦、熱戦が多く見られました。
反面、突出した好選手が大勢居る、とも言えないわけですが。

今年の東の様子は、まだチェックしていないのですが、ここ最近のように、五分五分くらいで収まってくれたら良いなあ、と思っています。
G+の生中継、ありがたく拝見することといたします。



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そんなことで、一曲。
Bruce Springsteen “Blinded by the Light” です。





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4ラウンズ分、遅かった巻き返し 井上拓真、ウーバーリに判定負け

2019-11-10 02:54:17 | 関東ボクシング



ということで、セミファイナルについても感想を。

両者が向かい合うと、やはり目に付いたのが、全身びっしりと筋肉の鎧を身に纏ったノルディ・ウーバーリの肉体、その迫力でした。
井上拓真はバンタム級ボクサーとして、けっして華奢なわけでなく、厚みのある身体の持ち主なんですが、比較して見ると、あまりに差があり、愕然となるほど。

過去の試合映像から見ても、身体の軸が決まっていて、下肢が安定し、そこからしっかりリズムを取り、コンパクトに打ってくるウーバーリに、正対して力勝負をするのは得策ではなさそう。
何とか前後左右に動いて、相手の「軸」を揺さぶり、バランスを崩していく展開を作れないものか。
試合前はそこに注目していました。


しかし初回、どうもそういう風ではなく、わりと普通に対して、思ったよりは間も詰まった感じでスタート。
井上拓真が右ショート浅く決める。

2回、両者どうやら距離がほぼ同じらしい、というのが見えてくる。
そして、正対してやり合うと、全体として、どうしてもウーバーリの方が押す「絵」になる。
3回、コーナーに押してウーバーリが左、右返し。守っても拓真のパンチを巧く防ぐ。






4回、拓真の細かい巧さが、ポイントに繋がらない流れの中、ウーバーリの左が決まって拓真ダウン。
途中採点、当然3-0でウーバーリ。

5回以降、拓真は地道に立て直しにかかる。右ショート上下、ロープ際から左フックカウンター、右も。
しかし6回以降、拓真本人は「やられていない」「外せている」と思っているのだろうなあ、しかしウーバーリの手数、仕掛けの回数がジャッジの印象に残っているだろう...と傍目には見える、もどかしい展開が続く。






案の定、8回終わっての途中採点では、さらにウーバーリのリードが拡大。
ジャッジ二人が大差をつけていて、ポイントでの逆転は不可能と、数字で出てしまう。

失点しても痛くも痒くない状況のウーバーリは、その状況に浮かれず、さりとて無用に自重もせず、流れのままに「対応」するのみ、という風情。
9回以降、拓真の右からの攻撃が散発的に決まり、左ボディも。

しかしこの辺も、好意的に見れば拓真だが、という域を出ない。
拓真の良さが出ているが、それは1回につき1ポイントを取る巧さでしかなく、それでは勝敗に何も影響しない。
最終回、拓真の左フックが決まって攻勢も、ウーバーリ乗りきって終了。採点は聞くまでもありませんでした。


見終えて抱いたのは、4回のダウンはやっぱり痛かった、というアホみたいな感想です。
ダメージ甚大、とまではいかなくても、当然ダメージはあり、5回以降の立て直しが「地味」なものに留まってしまった。

もし9回以降の攻勢が、5回から始まっていて、8回にダウン寸前まで打ち込む攻勢が取れていたら、残り4つで「勝負」になったことでしょう。
しかしその仮定も、言ってしまえば無意味です。そもそもウーバーリがスコアを聞いた上で流したからこその、終盤の攻勢だったわけですから。

試合後の拓真の一連のコメントは、試合中に「本人はきっと...」と想像していたものと、ほぼ一致していました。
そうでなければ、前半はともかく、ダウン取られたあとの中盤を、あの感じで闘うはずがないだろうと。


兄と違い、見た目派手な、鮮やかなそれとはまた違う巧さを持つ井上拓真は、その安定感、完成度において、展開次第で充分世界上位にも通じるものがある、と見ています。
それは今回、いわば欧州王者ともいうべきノルディ・ウーバーリと対した12ラウンズを見終えても、変わらない印象です。

しかし、相手の力強さと、そこから来る見映えを過小に見て、ダウン以外の回も取られていると、途中採点で知らされてなお、そこからの巻き返しが「あの程度」のものに留まったことが、あまりにも痛かったと思います。
毎回、ひとつずつポイントを押さえて勝つ、それが井上拓真の勝ち方である以上、そのために残り4つで慌てるのでなく、残り8つの段階から、より危機感を持って、もっと打ち、もっと外し、それがかなわなくとも「試合展開構築の意志、我にあり」という姿勢をはっきり見せていく必要があった。

しかしそこを読み違えた、のか。或いは、それが出来ない状態にあった、のか。
力や技で大きく劣っていた、という風には見ませんが、いずれにせよ、勝負どころをほぼ全て押さえられていた以上、井上拓真は明白に敗者でした。


デビュー戦から全試合を見てきた選手ですが、この一年のブランクも込みで、色々と難しいところで負けてしまったなあ、と思います。
彼が「日本バンタム級チャンピオン」として活動し、安定した好条件で闘っていけるなら、それは素晴らしいことですが、昨今の日本ボクシング界の状況は、そのような「然るべき」状況にもありません。
さりとて、周辺の状況に追い立てられるようにWBCタイトルマッチを二度戦い、一勝一敗で終わった今、言葉は悪いですが、適切な「置き所」がどこなのか、よくわからないのが正直なところです。


それにしても、いかにウーバーリが受けに回っていたといっても、最終回のあの攻勢を見ると、兄との比較さえなければ、充分に優れたボクサーである、と言える力があるのになあ、と思わずにはいられませんでした。
兄と違い、終盤ということもあって、好打したあとフォームが目に見えて乱れたりもしましたが、ある意味、あれで当然、あれが普通でしょう。

世界上位の選手相手に、これだけやれる選手、としての井上拓真は、兄を除けばやはり、日本バンタム級において現状、最高レベルの選手です。
出来ればもう一度、じっくりと再浮上への道のりに乗ってほしいものだ、と期待します。



※写真提供は「ミラーレス機とタブレットと」管理人さんです。


コメント (7)
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