穴にハマったアリスたち

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感想:映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!」

2024年09月13日 | わんだふるぷりきゅあ!
■映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!」

物理攻撃禁止、歴代2シリーズの客演等々。
かなり厳しい制約の中、えげつないレベルでパズルを組み立てて、解かれたような、そんな映画でした。さすがはプリキュア。

観劇前に抱いていた不安や疑問が、納得と共にパタパタと反転してテーマに昇華されていく感覚がとても心地よいです。この瞬間がプリキュアの一番の醍醐味とすら思えます。プロの業だ。すごい。

【現代の鏡石】
鏡石の奇跡は、本来なら会話できない動物と会話できること。
そのせいで喧嘩や悲劇も生まれはするけど、お互いに知り合えるのは嬉しいこと。

その交流の根幹にあるのは個々の気持ち。
逆説的ではありますが、言葉があるから気持ちも伝わるし、気持ちがあるから言葉も(実際には音にされなくても)伝わる。

舞台はオンラインゲーム。
遠く離れたところにいる、本来なら知り合えない人とも一同に会せる空間。

今作のかなり特徴的な要素として「敵」がその辺の善意の民間人であること。
タヌキははっきりと、競争相手は他のプレイヤーだと明言しています。

この状況下は、鏡石のもとに集った動物たちを連想します。
コミュニケーションがとれる。そして競い合い、分かり合う。
ネット空間は私らにとっての鏡石。

直近でにゃんふるえんさーのSNS回をやったのも、ここに繋がってたんだろうな。
あの1話で助走をつけてないと、何でゲーム世界なのか唐突感があったと思う。
ゾウさんとのエピソードも「体がでかいと怖いけど、実際は違う」を押さえておきたかったのかも。

こむぎ達の言動で、遠く離れたところにいる見知らぬ人が、正体と事情を察するのも何ともリアルです。
彼女らは助けを言葉にしたわけではないけど、助けがいることは伝わってる。

【たとえ明日喧嘩しようとも】
元々こむぎは、いろはに置いて行かれることに苦しんでいました。
今回もがむしゃらに、いろはを追いかけ続けてる。依存といえば依存しきってる。

ですがそこからの巣立ちも、こむぎはちゃんと覚悟してた。

「明日喧嘩するとしても、今日仲良くしないのは寂しい」の更に一歩先。
明日喧嘩するために、今日仲良くする。

いやもちろん喧嘩しないならそれに越したことはないのだけど、喧嘩することも織り込んで未来に向かう。
仲良く一緒に歩むからこそ起きる、未来の出来事。今で止めたら喧嘩もできない。

死なずにいつまでも同じ永遠でいるよりも、一緒にお祖母ちゃんになる未来を選ぶ。
プリキュアシリーズに通底する「未来で待つ、避けられぬ終わり」。その精神が、わんぷりさんにも継承されてた。

【本編の行く末】

ナツキさんが本編での誰にあたるかは不明。かつてのアニマルタウンの住人なのか、ニコ様なのか。
この辺りは本編が進んだら、また発見がありそう。

素直に見るならムジナはガオウです。
ムジナはきっかけとなったタヌキとは別存在。だから絶滅の当事者のガオウとは違う…のだろうか。

神社の謎の動物像や、ザクロさん達の誕生経緯からして、ガオウも思念(?)の集合体的なのかもしれない。それならムジナと同じ立場。

ムジナは見た目が厳つくて、あんなのに全力で迫られたら恐怖でしかありませんが、ナツキさんに対して敵意はない。
「約束を破りやがって」的な報復行動ではない。

ガオウも根っこは「人間とまた関わりたい」なのかしら。
この辺も本編を待ちたい。

ガオウ=ムジナだとすれば、ガオウを作ったのは誰なのかの視点もありそう。
ナツキさんに相当しそうな第一候補はニコ様でしょうから、ニコガーデンが真っ先に襲われたのも説明がつきそう。
ニコ様がいまいち心を許してない感じなのもそのせい?(上記予想なら人間を憎んでいるのはニコ様ともいえる)

「明日喧嘩するために」の文脈でいえば、悟くんは告白しそう。玉砕か、待ってましたと飛びつかれるかは不明ですが、明確な返事をするんじゃないかな。

【その他1】
大福の変身はバランスよく着地させたと思う。
公式にはプリキュアではない(※)けれど、プリキュアになったらこの姿なんだろうなと思える位置づけ。

※たった一言「キュア大福ってとこだな」と名乗らせるか、ワンダフルから「変身した!?」ではなく「プリキュアになった!?」と言わせれば確定できることなのに、それをしなかったあたりが公式見解だと思ってる。従来でいえば白い西南、ダークココ等々のポジション。解釈はお任せするが、公式では明言しない(ことが公式解釈を物語ってる)パターン。

変身の直接原因は、おそらくは願いの承認ミスで授かった、救える力。
うっかり口にした言葉が誤解を招くのは、鏡石関連のテーマも反映していそうだし、同時に「ワンダフル達とは別系統。ゲーム由来の変身である」ことを示唆してる。

映画に大福が登場するのに、何でテレビ本編で大福を活躍させないのか疑問でしたが、「大福はメインキャラではない」という分かってしまえば普通の結果でした。
これは大福を貶めたいのではなく、サイドストーリーとして兎組を描きつつ、上述の「言葉がある故の誤解」といったテーマの補佐も行う大活躍だったと思う。

※追記
公式アカウントから、公開日の12時というほとんど即時で公開されました。

ネタバレが集客になるのなら1週間前には公開した方がいい(例:キュアモフルン)。
ネタバレを伏せた方が観賞体験が盛り上がるなら、1週間は待った方がいい(例:キュアプーカ)。

そのどちらでもなく、ある意味もっとも水を差す変なタイミングでの公開は、公式としてはこれを目玉のように扱われるのを避けたかったんじゃないのかな。主役はこむぎですので。

大福を軽く見ているのではなく、影響の大きさを認識しているからこそのコントロールだと思った。

(ネタバレ対策で先にネタバレした説は、かなり苦しいと思う。非正規な情報漏洩ではないので個人の口コミを咎めるのは奇妙だし、自分で先に広めても解決しない。やるにしても公開前にやればよい)

【その他2】
ワンダフルによる物理攻撃。スタッフ様の意地を見た。

かつてのプリアラ映画でのパルフェの頭突きの如く。「これは暴力ではない」の体裁をとりつつも、「まぁ物理攻撃だよな」という執念の一打。

ムジナを踏み抜いてのジャンプは、別にこむぎ姿でも成立するのに、わざわざ一瞬でプリキュアに変身させています。
実際の本音は分かりませんが、私としては「物理攻撃」と受け取りました。ワンダフルさん、格好いい。スタッフ様も格好いい。

強引なお約束といえば、ピンクトルマリンも良かったです。はーちゃんの執念は怖い。

【客演】
まほプリとひろプリが採用されたのは、直近の放送シリーズだからでしょうけれど、どちらにも共通する「ふたつの世界」でまとめたのは納得。

まほプリは「思いを伝えるのが魔法」ですから、そもそも鏡石と相性が良い。
ネット空間=鏡石と置き換えるなら、魔法でゲーム世界に入れぬ道理はない。

(ただ動物との会話が魔法に含まれていないので、鏡石とは決定的な部分が異なる。この辺は多分、わんぷり本編を最後まで見ればもっと語れそう)

決戦の場がリアルの横浜だったので「現実世界にやってくる」的意味合いで、ひろプリも活きてたと思う(個人的には、ひろプリの「ふたつの世界」とは、プリキュア世界と現実世界のことだと解釈してる)。

鏡石が現代のSNSやオンラインゲームなどに喩えられるのと同様に、「プリキュアコンテンツ」自体もプリキュアさんとこちらの世界を繋ぐ鏡石とも言えるのかもしれない。
状況的にも場所的にも、NS1の「想いを伝えるために走る民間人と、それを援護するプリキュア」の構図になっており、色々な解釈ができそう。
わんぷり本編が終わった後に見返したら新たな視点もでてきそうな、楽しみの残る展開だったと思う。

【まとめ】
とりあえず映画を見たあとの第一感想を、パンフすら読まないまま、思うままに吐き出してみた。
落ち着いて振り返ったら色々と訂正もあると思うけれど、まずは形に残してみる。

今作はかなりの制約が話題になってるシリーズですが、その上でそれを上手く組み立てた凄い映画でした。

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