今回で3回目となる新宿でのオールナイト企画。
20時に始まり、終わったのが明け方5時。
爆弾低気圧が接近する中、楽しい夜を過ごすことができました。
■10年目のありがとう!『映画プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち』大ヒット記念!プリキュアオールナイト
日時:2013年04月05日(金)開場20時30分/開演21時00分
場所:新宿・バルト9
出演:本名陽子、樹元オリエ、三瓶由布子、小松由佳、水沢史絵、小清水亜美、福圓美里、生天目仁美(トーク1回目)
生天目仁美、寿美菜子、渕上舞、宮本佳那子(トーク2回目)
演目:
01. トークイベント1
02. 映画 プリキュアオールスターズDX3
03. トークイベント2
(休憩:10分)
04. 映画 スイートプリキュア♪
05. 映画 スマイルプリキュア!
(休憩:20分)
06. 映画 プリキュアオールスターズNewStage
07. 映画 プリキュアオールスターズNewStage2
(本記事は私の記憶・主観に基づいたものであり、実際の演者の意図・言動とは異なる場合があることをご了承ください)
告知されたことに気づく間もなく売り切れてしまってましたが、友人の好意でチケットを貰えました。
本当にありがとう。
【トークイベント1の1】
歴代の声優陣の皆さまが御出演。
これだけ並ぶと圧巻です。
この人たち全員プリキュアか…。
問:
「シリーズ毎に様々な特色があると思いますが、現場の雰囲気や特徴などで何かありますか?」
生天目さん:
「のんびりしてます」
福圓さん:
「英語タイムがあった。あんまり五月蠅いから英語しか喋っちゃダメ」
「あと突然歌いだしたりしてた」
小清水さん:
「うちもキャラクターショーの合間に踊ってた。テンションを維持するために」
「するとリズム役の折笠富美子さんから、『そろそろ出番だから座ろうね』と注意されたりしてた」
水沢さん:
「プリキュアシリーズ最年長チーム。全員オーバー30」
小松さん:
「とても大人の雰囲気のシリーズ」
「子供をなめてない作品だと思った」
「あと私らもよく踊ってた。ダンス振付師も一緒だったし」
「ほぼ覚えたからイベントで披露しようという話もあったけど、完璧ではなかったのでNGが出た」
三瓶さん:
「人数が最も多い。5人+1人な上に、小動物が何匹か」
「五月蠅いのは五月蠅かった。特にレモネード」
「空き時間に落書きをしては、これ敵に採用してくださいと売り込みしてた」
「シロップが登場した時、自分がデザインしたキャラクターと思い込んでたみたい」
樹元さん:
「仲が良い。この間も飲み会を開いたところ、12人集まった」
「当時ド新人の自分が演技を出来たのは指導してくれた周囲あってのこと」
本名さん:
「今でこそ初代様とか呼ばれるが、当時は1年のつもりでいつも崖っぷちだった」
各人各様各シリーズ、特徴がでまくってます。
本編のイメージを反映してるところも面白い。
とりあえずスマイルチームがろくでもないことは、大変によく伝わってきました。
福圓さんの星空力、高い…。
【トークイベント1の2】
2問目はシリーズごとに質問が行われました。覚えてる範囲で書く。
問:
「2代目という事で意識されたこととかは?」
樹元さん:
「考えている余裕はなかった。とにかく走り続けるだけで」
問:
「敵キャラからプリキュアになる役でしたが…?」
小松さん:
「私の声優人生を変えた役。巡り合えて幸せでした」
「オーディションの段階では『悪の女幹部』としか知らされていなかった」
「(こういう声なので)まさかプリキュアをやるとは」
「採用された理由は、後から聞いたところ『お前の声が一番憎たらしかったから』だそう」
問:
「新しい魅力を発揮した個性的なキャラですね」
水沢さん:
「なんでしょうかそれは…」
「えぇ、ハートキャッチは(フレッシュと比べ)絵柄も子供っぽく、昭和な雰囲気」
「だからこそ存在できたキャラクターだと思います」
「NS2でもやらかしていて。ポスターを見たときに何か変だと」
「どうしてマリンがあんなことになったかは、映画を見てください」
その他、問いは忘れましたが、小清水さんの回答に会場中、大喝さいでした。
小清水さん:
「この役が決まったとき、ナージャバトンがベルティエになって帰ってきた!と」
「テンションがあがりました」
ついに言及されたナージャ大先輩!
あの屈従の日々を耐えた甲斐がありました。
そうですよ!ナージャ先輩ですよ!先輩がいなければプリキュアさんはいなかった。わぁい!!
【トークイベント1の3】
問:
「最後に一言ずつお願いします」
三瓶さん:
「最後にのぞみから一言」
夢原さん:
「みんな!朝まで寝ないこと、けってーーい!!」
樹元さん:
「絶好調なりーで見てください」
本名さん:
「500人も集まってるなんて、ありえな~い!」
…最後の3名が印象的すぎて、その前の皆さまの言葉が吹き飛びました。
全体に楽しい雰囲気で、非常に密度の濃い時間でした。
予定では30分でしたが大幅超過。
だけどまだまだ時間が足りない感じ。物凄く贅沢な時間でした。
【トークイベント2の1】
第2部はドキドキチームオンリー。生天目さんは出番2回目。
他の3名は、謎生物をひきつれての登場でした。
4名ともそれぞれのキャラクターを意識した装い。
色を揃える演出はよく見かけますが(先日の「NS2」舞台挨拶でのスマイルチームとか)、今日のはかなりのコスプレ度。
特に四葉さんは髪の毛までセットする気合いの入り様。
始まりはお約束の一人ずつの名乗り…でしたが。
皆さま:
「プリキュア・ラブリンク!」
「える!おー!ぶい!いー!」
「NS2」の舞台挨拶では、いまいち綺麗にできなかった集合台詞もばっちり。
見事に汚名返上されてた。
名乗りは1回目のトークイベントでも行われました。
歴代プリキュアが次々と名乗っていく中、最後の締めが相田さん。
相田さん:
「みなぎる愛!キュアハート!」
シンプルなだけに格好いい。
【トークイベント2の2】
問い:
「先ほどのトークで、他のシリーズの方はよく踊っていると聞きましたが、ドキドキチームは?」
生天目さん:
「踊ってます」
「でもよく振付が分からない」
「分からなくなったら、六花のとこから踊ってる。こういうやつ」
そして菱川さんを除く3名が一斉に踊りだす。
「何万光年先は遠い未来じゃない」のとこですね。
菱川さんの扱いが微妙だ…。
【トークイベント2の3】
渕上さん:
「戦うところが楽しいです。もっと戦いたい」
「(NS2の見所を聞かれて)戦うところです」
完全に血の味に目覚めています。
これが四葉さんの中の人…。
渕上さん:
「ありすが何を考えているのか分からない」
「『まぁステキですね』と言ってても、腹の中で何を考えているのか…」
最も四葉さんに近いところにいる渕上さんでさえこの発言。
何者なんだ、四葉さん。
問い:
「執事がいる珍しい設定ですが?」
渕上さん:
「はい。なんでもやってくれます」
「四葉財閥、四葉財閥、四葉財閥を宜しくお願いします」
四葉さんもですが、渕上さんも何者なのか分からない…。
なお渕上さんは四葉さんの扮装をされていました。が。
渕上さん:
「いまどきこんな髪型、中学生でもしな……あ」
終始、「ドキドキチームはマイペースにのんびりやってる」と言っていましたが、それが嘘ではないことは、この短い舞台の間だけでもひしひしと伝わってきました。
【トークイベント2の4】
歌のお姉さんこと宮本さん。
ですが、お歌の事は先日の舞台挨拶でも華麗にスルーされていました。
普通に考えれば「以前ED唄っていました」と、自己紹介がてら話しても良さそうなのに。
夢原さんと喧嘩でもされたんでしょうか。(恐ろしい…!)
そんな「今聞きたい」ことを、司会のお姉さんはずばり聞いてくれました。
問い:
「得意の歌を活かした活躍などありますか?」
『歌を活かした』の部分は、若干強調目に発音。
宮本さん:
「はい!5月にソードのアルバムが出ます!」
おぉ。それはおめでたい。
…おめでたいのですが、いやちょっと待って佳那子お姉さん!
そこまで振られても、夢原さん時代のことは封印ですか。
だ、大丈夫かな。本当に夢原さんと喧嘩したんじゃないのかな、この子は。
物凄く不安になりましたが、最後の最後で、一言だけ触れてくれました。
何か事情あるのかな。。
トークでは、ステージ上を暴れまわってました。
佳那子お姉さんは、相変わらずお姉さんだった。
【トークイベント2の5】
ただ一人の常識人、菱川さん。
今回のトークでもマイペースな3名に対し、一歩後ろに下がっておられたように見えました。
問い:
「第9話、いえ第8話でしたか?ツッコミが大変そうでしたが?」
生天目さん:
「マナは最初は頭も良くて優秀だったはずなのに、回を重ねるごとに『あれ?』と」
「でもそういう六花も、回を重ねるごとに何かが…」
どうも出演者の間でも、菱川さんの残念空気は感じられているようです。
寿さん:
「あの強烈な両親の元で、よくまともに育ったなと」
「あ、そういえば次の回の放送は…」
次回は噂のお泊まり回。
生天目さん曰く、「むちゃくちゃ面白い」とのこと。楽しみです。
なんか制作サイドと同じ感覚を共有してる気がする。
寿さん:
「最後にラケルから一言」
「皆さんで『チェケ!ラケ!』と言ってください」
意味不明なノリで会場中から声があがる。チェケ!ラケ!
【トークイベント2の6】
NS2の見所は?と聞かれた生天目さん。
生天目さん:
「目の前にいるので答えたくないですが」
「みゆきがエンエンに伝言を頼むところ」
そして即座にあがる「ありがとー!」の声とガッツポーズ。
観客席最前列の中央は、先ほどトークイベントを終えたはずの福圓さん、本名さん、水沢さん(?)が陣取られてました。
トークの始まりから、ミラクルライトを振りつつ大盛り上がり。先輩怖い。
トーク終了後、ドキドキさんの退場に続き、御三方もぱたぱたと楽屋に引き上げてました。
沸き起こる拍手。荷物を取り落とす福圓さん。沸き起こり続ける拍手。荷物に埋もれる福圓さん。
あの方の星空さん力は異常過ぎる。
【バルト9】
司会はいつものおなじみの方。
普段どういうお仕事の方なのかは存じませんが、凄まじく素晴らしい司会進行でした。
上の方で「問い」を書いてますが、実際に行われた質問は、場の空気や流れ、そしてプリキュア愛をよくよく汲み取った絶妙な言葉と内容で行われました。
ともすれば収拾がつかなくなる舞台をまとめ、掘り下げるところ・避けるところ等々も、綺麗にさばいておられた。
他のスタッフの方も素敵でした。
誘導のお姉さん:
「大きなお友達の皆さま、これより10分間の休憩を行います」
「トイレは各階に……」
誘導のお姉さん:
「隣の方と仲良く観賞してください」
「ライトはちゃんとつきますか?…つきますね。わぁい」
「それでは行ってらっしゃいませ」
一体何を考えてるんだと唖然とするほど、愉快なアナウンスをキビキビとされてた。
何なんだこの映画館は。
お土産としてミラクルライトの他、NS2の販促ポスターも貰いました。
「わたしたちはひとりじゃない!」のキャッチコピーのやつ。
これ、かなり欲しかったのでとても嬉しい。
【上映】
映画そのものは見るだけ…ではあるのですが。
ミラクルライトのシーンは勿論のこと、会場中でライトが点灯。
二段変身完了後には、自然と拍手が上がっていました。
もちろん、上映終了後も。
EDは(劇中での注意の通り)立ちあがってダンスをする人もなく、席で盛り上がっていました。
スイートさんEDの手拍子が楽しかったです。
あれは振付として、とても良いアイデアだと思う。
「DX3」は初となるデジタル上映。
このためだけに5000万の機械が導入されたとか。
バルト9さんが本気すぎる。
イベント終了は予定では4時20分でしたが、トークイベントが盛り上がった結果、5時ごろに。
帰路は、早朝だというのに妙に人が多かったのが印象的でした(多分、新人歓迎会をオールでやってた人たちだ)。
幸いにして雨もまだ降っておらず、ポスター抱えて無事に帰れました。本当に楽しいイベントでした。バルトさんとプリキュアさんに、心から感謝したい。
以下、今回のイベントとは直接関係ないですが、各映画の感想を書いてみる。
【DX3】
誤解を恐れずに書くと、オールスターズ映画の中では一番好きではないです。
最大の原因は、公開されたのが震災の直後で、映画を楽しむ気分になかったことだと思う。
映画そのものの面白さ以前に、そういう時期的な背景があるので、どうしても色々と思うところが…。
そんなネガティブなイメージがあるので、若干後ろ向きな目線になってしまうのですが。
今回改めて見て、違和感の元が幾つか分かりました。
「オールスターズ映画なのに、オールスターズになってない」、多分ここが妙なんだ。
シリーズを越えたチーム編成で戦ってるので、一見すると「これぞ見たかったシリーズ間交流」に見えるのですが、よくよく見るとむしろ逆なんですよね。
というのも、バラバラの世界に飛ばされた後、行方不明のパートナーに言及するばかりで、今まさに横にいる他のプリキュアさんは比較相手として使われるだけ。
美翔さんも「ブルームがいない」と嘆くだけで、「そうだ、横にいる白い人と一緒に戦おう」とは考えてないんです。
もしもシリーズ間交流というのなら、「ブルームもどこかで頑張っている」ではなく、「ブルーム以外とでも力を合わせられる」に重点が置かれるはず。
しかし実際はそうならず、分断から脱出した後はわき目も振らずに本来のパートナーの元に走り、見知った敵相手に必殺技をぶちかましに行っています。
戦略としては正しいのですが、「美翔さんと雪城先輩で一緒に新式マーブルスクリュー」とか、そんな展開には全くならない。
困ったことに、テーマが「卒業」。ラストでは謎生物との別れも描かれています。
それならば、本来のパートナーとの別れと、新しい出会いを描けない理由はありません。
チョッピと別れるのは感動的なシーンとしてOKだが、日向さんと別れるのはキャラクター的に絶対嫌…とか言いだすと、かなりめんどくさい事になってしまう。
更に「一緒に過ごした時間の長さが違うから仕方がない」と言い出すと、それこそまさに「やっぱり、あんまり交流してなかったんだね」となってしまう。
しかもDXシリーズが長く続けば続くほど、説得力も消えて行きます。視聴者の体感的には、あの子ら知り合ってもう何年にもなりますしね。。
つまり交流を描いたはずが、『交流を描くのは無理』を描いてしまってる。
ただ、そうは言っても、「雪城さんが近くにいるのに、北条さんとの方に、より友情を感じている美墨さん」とか、「一番の親友は陽光さんと考えている日向さん」とか、かなり強い抵抗を受けると思います。
勇気を出してそこに踏みだせば、物凄く息の長い今後の展開も見えてきますけど、やっぱり厳しいかなぁと。
となると、オールスターズ企画としては限界が出てしまうんですよね。
今回の敵さんは劇場ボスで、使役しているのも巨大・不定形・飛行・武器持ち等々、強力な奴らばかり。
戦略も優秀で、初撃で足元を破壊して態勢を崩し、立て直す間もなく吹き飛ばしてパートナーと分断し、足場の悪い砂漠や海、制約ありバトルに持ち込んでる。
対プリキュアとして考え抜かれてるのに、それでもプリキュアさんには勝てない。
立て直した後のプリキュアさん達は、まさに圧勝モード。
そして何より、見てるこちら側が持つイメージとしても、今更苦戦するとも思えません。
劇中で描写されてるピンチシーンも、単に「仲の良くない」プリキュアと一緒にいるから…というハンデ戦なせいに見えてしまうので、妙にストレスがたまるんですよね。
「仲良しの特定の子としか力を合わせられない」って、そんな子たちだったのか?的な。
まぁ美翔さんはそんな子だと思いますけどね。あの子、日向さん以外ともちゃんとやっていけてるのかしら。
(今回気づきましたが、黒白先輩は魔女にマーブルを打ち込んだ後、すぐに残心を解いてるんですね。
普段なら過剰なまでに力んで大砲を発射し続けてるのに。
おそらく即座に勝ちを確信し、自分らが戦ったもう1組のフリーズン・フローズンを攻撃に行くつもりだったんだと思う)
これらのことを併せると、もはやこの形式でオールスターズを続けても、成長も発展も見込めません。
(というか、成長や発展をさせようとすると、新しい交友関係を描かざるを得ず、シリーズ本編からの「卒業」が大きくなりすぎる)
「NS」に移行したのは、尺の都合もあるでしょうけど、「全員一緒に出しても、ドラマとして意味がない」と感じられたのかもしれません。
【スイート】
『昔は良かった。皆が一緒にいて、同じものを見て、同じことを感じていた。
しかし現在。同じものを見ても、人によって感じ方が違う。
何が真実か分からず、意思の疎通もできず、皆バラバラだ。
私たちは孤独で、どうにもならない不安と絶望に取り囲まれ、ただただ苦しんでいる。
昔は良かった。それなのに、どうしてこうなった』
これでもかとばかりに繰り返される「見方によって感じ方が変わる」描写の数々。
そして辿りついた回答に涙。
私たちは何も奪われていない。価値観が違う?昔は良かった?それならば、その「良かった昔」を共有してるじゃないか。私たちは一人じゃない。
公開当時、猛烈に泣きました。
ただあえて欠点をあげるなら、テレビ本編がその先に進んでしまったんですよね。
「良かった昔」を共有しているから一緒になれるのなら、共通の思い出がないと連帯できない。
でも連帯できないと共通の思い出を作れないから、過去を共有していなかったら永久に孤独から脱出できない。
だからもう一歩進んで、「孤独で悲しいという価値観は同じじゃないか」。
個々の価値観そのものは人それぞれで、中には理解できないものもあるけれど、「孤独は悲しい」は共通している。
だって、それは私たちも経験して知っているから。だから連帯できるはず。
「異なる価値観も優しく受け入れよう」ではなく、「実は根っこの価値観や経験は同じだった」による解決は、スイートさんの大きな到達点。
ハウリングやメイジャー3は、そもそも「孤独は悲しい」と考えていないようなので和解できなくて当然ですが、この「スイート」ラストの展開が織り込まれていないのは、今にして思うと、残念といえば残念。
まぁテレビ本編が凄まじすぎただけなので、否定的に思うほどではないですけれど。
【スマイル】
『メルヘンに救われ、メルヘンに憧れた子供が、しかし現実はメルヘンのようにはいかないと知る。
努力や対策の余地がないほど未来は破滅的で、厳しい現実にメルヘンは悲鳴をあげている。
だけどだからこそ笑おう。メルヘンを現実にするのは自分だ。
メルヘンに救われた自分たちが、メルヘンから学んだようにスマイルで立ち迎えるなら、メルヘンは無駄じゃなかったと証明できる。
そしてそんな自分たちの姿が、次の世代の子供たちにとってのメルヘンなんだ』
「ニコさんが林原めぐみさん」から始まる二重三重のメタ構造。
作風としては最も「ゆるい」のに、扱ってる内容はかなりシビアな「スマイル」さん。
ところで、ニコさんは「絵本の国では、絵本の登場人物の体験ができる」と言ってましたが、フェイクのような気がします。
物語が混ざり合って妙なことになったのは、星空さん達が横合いから入り込んだせいなんじゃないかな。
他人の物語(それも筋が決まり切ったもの)を追体験するだけというのは、テーマ的には否でしょうし。
【NS1】
『プリキュアに憧れて、プリキュアが大好きなのに、実際の私たちは応援してるだけ。
彼女たちのことを勇敢で格好いいと思い、友情や夢や希望にときめいているのに、実際の私たちは人に話しかけることすら躊躇してしまうほど弱い。
では「プリキュア」は虚構なのか。私たちは「プリキュア」にはなれないのか』
冒頭5分で鳥肌と涙が出た映画。
それはタブーなんじゃないかと思うところに、ばっさりと切りこんできた。
今にして思えば「スマイル」さんのテーマそのまんまなのですが、とにかく展開が怖すぎる。
坂上さん:
「どうしよう。私、プリキュアの敵になっちゃった」
この一言の絶望感は半端ない。
プリキュアに憧れていたはずなのに、何で敵になってんだ。
だからクライマックスで先輩方が駆け付けてくれた時、心底嬉しかった。
(初回視聴時、「台詞がなかった」ことに気付かなかったくらい)
私たちもプリキュアになれる。いつか夢原さん達に助けにきてもらえるように、恥ずかしくない人生を送りたい。
【NS2】
ではプリキュアになれるとして、何のためにプリキュアになるのか?
どうして力を得たいのか。それってただの自己中じゃないか。
やってること自体は「NS1」とほぼ同じなのですが、他者とのリンクに比重が置かれた印象。
スマイルチームの完結編になってたのも良かった。
星空さんらは、全滅することが宿命づけられてるチームだと思うんです。
そして、戦った彼女たちの姿を見て勇気づけられた次の世代が戦う。
あとラストのダンスが良いですね。
夢原さん、ダンスが上手になったなぁ…。
最初の頃とはえらい違いだ。いっぱい練習したんだろうな。。
20時に始まり、終わったのが明け方5時。
爆弾低気圧が接近する中、楽しい夜を過ごすことができました。
■10年目のありがとう!『映画プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち』大ヒット記念!プリキュアオールナイト
日時:2013年04月05日(金)開場20時30分/開演21時00分
場所:新宿・バルト9
出演:本名陽子、樹元オリエ、三瓶由布子、小松由佳、水沢史絵、小清水亜美、福圓美里、生天目仁美(トーク1回目)
生天目仁美、寿美菜子、渕上舞、宮本佳那子(トーク2回目)
演目:
01. トークイベント1
02. 映画 プリキュアオールスターズDX3
03. トークイベント2
(休憩:10分)
04. 映画 スイートプリキュア♪
05. 映画 スマイルプリキュア!
(休憩:20分)
06. 映画 プリキュアオールスターズNewStage
07. 映画 プリキュアオールスターズNewStage2
(本記事は私の記憶・主観に基づいたものであり、実際の演者の意図・言動とは異なる場合があることをご了承ください)
告知されたことに気づく間もなく売り切れてしまってましたが、友人の好意でチケットを貰えました。
本当にありがとう。
【トークイベント1の1】
歴代の声優陣の皆さまが御出演。
これだけ並ぶと圧巻です。
この人たち全員プリキュアか…。
問:
「シリーズ毎に様々な特色があると思いますが、現場の雰囲気や特徴などで何かありますか?」
生天目さん:
「のんびりしてます」
福圓さん:
「英語タイムがあった。あんまり五月蠅いから英語しか喋っちゃダメ」
「あと突然歌いだしたりしてた」
小清水さん:
「うちもキャラクターショーの合間に踊ってた。テンションを維持するために」
「するとリズム役の折笠富美子さんから、『そろそろ出番だから座ろうね』と注意されたりしてた」
水沢さん:
「プリキュアシリーズ最年長チーム。全員オーバー30」
小松さん:
「とても大人の雰囲気のシリーズ」
「子供をなめてない作品だと思った」
「あと私らもよく踊ってた。ダンス振付師も一緒だったし」
「ほぼ覚えたからイベントで披露しようという話もあったけど、完璧ではなかったのでNGが出た」
三瓶さん:
「人数が最も多い。5人+1人な上に、小動物が何匹か」
「五月蠅いのは五月蠅かった。特にレモネード」
「空き時間に落書きをしては、これ敵に採用してくださいと売り込みしてた」
「シロップが登場した時、自分がデザインしたキャラクターと思い込んでたみたい」
樹元さん:
「仲が良い。この間も飲み会を開いたところ、12人集まった」
「当時ド新人の自分が演技を出来たのは指導してくれた周囲あってのこと」
本名さん:
「今でこそ初代様とか呼ばれるが、当時は1年のつもりでいつも崖っぷちだった」
各人各様各シリーズ、特徴がでまくってます。
本編のイメージを反映してるところも面白い。
とりあえずスマイルチームがろくでもないことは、大変によく伝わってきました。
福圓さんの星空力、高い…。
【トークイベント1の2】
2問目はシリーズごとに質問が行われました。覚えてる範囲で書く。
問:
「2代目という事で意識されたこととかは?」
樹元さん:
「考えている余裕はなかった。とにかく走り続けるだけで」
問:
「敵キャラからプリキュアになる役でしたが…?」
小松さん:
「私の声優人生を変えた役。巡り合えて幸せでした」
「オーディションの段階では『悪の女幹部』としか知らされていなかった」
「(こういう声なので)まさかプリキュアをやるとは」
「採用された理由は、後から聞いたところ『お前の声が一番憎たらしかったから』だそう」
問:
「新しい魅力を発揮した個性的なキャラですね」
水沢さん:
「なんでしょうかそれは…」
「えぇ、ハートキャッチは(フレッシュと比べ)絵柄も子供っぽく、昭和な雰囲気」
「だからこそ存在できたキャラクターだと思います」
「NS2でもやらかしていて。ポスターを見たときに何か変だと」
「どうしてマリンがあんなことになったかは、映画を見てください」
その他、問いは忘れましたが、小清水さんの回答に会場中、大喝さいでした。
小清水さん:
「この役が決まったとき、ナージャバトンがベルティエになって帰ってきた!と」
「テンションがあがりました」
ついに言及されたナージャ大先輩!
あの屈従の日々を耐えた甲斐がありました。
そうですよ!ナージャ先輩ですよ!先輩がいなければプリキュアさんはいなかった。わぁい!!
【トークイベント1の3】
問:
「最後に一言ずつお願いします」
三瓶さん:
「最後にのぞみから一言」
夢原さん:
「みんな!朝まで寝ないこと、けってーーい!!」
樹元さん:
「絶好調なりーで見てください」
本名さん:
「500人も集まってるなんて、ありえな~い!」
…最後の3名が印象的すぎて、その前の皆さまの言葉が吹き飛びました。
全体に楽しい雰囲気で、非常に密度の濃い時間でした。
予定では30分でしたが大幅超過。
だけどまだまだ時間が足りない感じ。物凄く贅沢な時間でした。
【トークイベント2の1】
第2部はドキドキチームオンリー。生天目さんは出番2回目。
他の3名は、謎生物をひきつれての登場でした。
4名ともそれぞれのキャラクターを意識した装い。
色を揃える演出はよく見かけますが(先日の「NS2」舞台挨拶でのスマイルチームとか)、今日のはかなりのコスプレ度。
特に四葉さんは髪の毛までセットする気合いの入り様。
始まりはお約束の一人ずつの名乗り…でしたが。
皆さま:
「プリキュア・ラブリンク!」
「える!おー!ぶい!いー!」
「NS2」の舞台挨拶では、いまいち綺麗にできなかった集合台詞もばっちり。
見事に汚名返上されてた。
名乗りは1回目のトークイベントでも行われました。
歴代プリキュアが次々と名乗っていく中、最後の締めが相田さん。
相田さん:
「みなぎる愛!キュアハート!」
シンプルなだけに格好いい。
【トークイベント2の2】
問い:
「先ほどのトークで、他のシリーズの方はよく踊っていると聞きましたが、ドキドキチームは?」
生天目さん:
「踊ってます」
「でもよく振付が分からない」
「分からなくなったら、六花のとこから踊ってる。こういうやつ」
そして菱川さんを除く3名が一斉に踊りだす。
「何万光年先は遠い未来じゃない」のとこですね。
菱川さんの扱いが微妙だ…。
【トークイベント2の3】
渕上さん:
「戦うところが楽しいです。もっと戦いたい」
「(NS2の見所を聞かれて)戦うところです」
完全に血の味に目覚めています。
これが四葉さんの中の人…。
渕上さん:
「ありすが何を考えているのか分からない」
「『まぁステキですね』と言ってても、腹の中で何を考えているのか…」
最も四葉さんに近いところにいる渕上さんでさえこの発言。
何者なんだ、四葉さん。
問い:
「執事がいる珍しい設定ですが?」
渕上さん:
「はい。なんでもやってくれます」
「四葉財閥、四葉財閥、四葉財閥を宜しくお願いします」
四葉さんもですが、渕上さんも何者なのか分からない…。
なお渕上さんは四葉さんの扮装をされていました。が。
渕上さん:
「いまどきこんな髪型、中学生でもしな……あ」
終始、「ドキドキチームはマイペースにのんびりやってる」と言っていましたが、それが嘘ではないことは、この短い舞台の間だけでもひしひしと伝わってきました。
【トークイベント2の4】
歌のお姉さんこと宮本さん。
ですが、お歌の事は先日の舞台挨拶でも華麗にスルーされていました。
普通に考えれば「以前ED唄っていました」と、自己紹介がてら話しても良さそうなのに。
夢原さんと喧嘩でもされたんでしょうか。(恐ろしい…!)
そんな「今聞きたい」ことを、司会のお姉さんはずばり聞いてくれました。
問い:
「得意の歌を活かした活躍などありますか?」
『歌を活かした』の部分は、若干強調目に発音。
宮本さん:
「はい!5月にソードのアルバムが出ます!」
おぉ。それはおめでたい。
…おめでたいのですが、いやちょっと待って佳那子お姉さん!
そこまで振られても、夢原さん時代のことは封印ですか。
だ、大丈夫かな。本当に夢原さんと喧嘩したんじゃないのかな、この子は。
物凄く不安になりましたが、最後の最後で、一言だけ触れてくれました。
何か事情あるのかな。。
トークでは、ステージ上を暴れまわってました。
佳那子お姉さんは、相変わらずお姉さんだった。
【トークイベント2の5】
ただ一人の常識人、菱川さん。
今回のトークでもマイペースな3名に対し、一歩後ろに下がっておられたように見えました。
問い:
「第9話、いえ第8話でしたか?ツッコミが大変そうでしたが?」
生天目さん:
「マナは最初は頭も良くて優秀だったはずなのに、回を重ねるごとに『あれ?』と」
「でもそういう六花も、回を重ねるごとに何かが…」
どうも出演者の間でも、菱川さんの残念空気は感じられているようです。
寿さん:
「あの強烈な両親の元で、よくまともに育ったなと」
「あ、そういえば次の回の放送は…」
次回は噂のお泊まり回。
生天目さん曰く、「むちゃくちゃ面白い」とのこと。楽しみです。
なんか制作サイドと同じ感覚を共有してる気がする。
寿さん:
「最後にラケルから一言」
「皆さんで『チェケ!ラケ!』と言ってください」
意味不明なノリで会場中から声があがる。チェケ!ラケ!
【トークイベント2の6】
NS2の見所は?と聞かれた生天目さん。
生天目さん:
「目の前にいるので答えたくないですが」
「みゆきがエンエンに伝言を頼むところ」
そして即座にあがる「ありがとー!」の声とガッツポーズ。
観客席最前列の中央は、先ほどトークイベントを終えたはずの福圓さん、本名さん、水沢さん(?)が陣取られてました。
トークの始まりから、ミラクルライトを振りつつ大盛り上がり。先輩怖い。
トーク終了後、ドキドキさんの退場に続き、御三方もぱたぱたと楽屋に引き上げてました。
沸き起こる拍手。荷物を取り落とす福圓さん。沸き起こり続ける拍手。荷物に埋もれる福圓さん。
あの方の星空さん力は異常過ぎる。
【バルト9】
司会はいつものおなじみの方。
普段どういうお仕事の方なのかは存じませんが、凄まじく素晴らしい司会進行でした。
上の方で「問い」を書いてますが、実際に行われた質問は、場の空気や流れ、そしてプリキュア愛をよくよく汲み取った絶妙な言葉と内容で行われました。
ともすれば収拾がつかなくなる舞台をまとめ、掘り下げるところ・避けるところ等々も、綺麗にさばいておられた。
他のスタッフの方も素敵でした。
誘導のお姉さん:
「大きなお友達の皆さま、これより10分間の休憩を行います」
「トイレは各階に……」
誘導のお姉さん:
「隣の方と仲良く観賞してください」
「ライトはちゃんとつきますか?…つきますね。わぁい」
「それでは行ってらっしゃいませ」
一体何を考えてるんだと唖然とするほど、愉快なアナウンスをキビキビとされてた。
何なんだこの映画館は。
お土産としてミラクルライトの他、NS2の販促ポスターも貰いました。
「わたしたちはひとりじゃない!」のキャッチコピーのやつ。
これ、かなり欲しかったのでとても嬉しい。
【上映】
映画そのものは見るだけ…ではあるのですが。
ミラクルライトのシーンは勿論のこと、会場中でライトが点灯。
二段変身完了後には、自然と拍手が上がっていました。
もちろん、上映終了後も。
EDは(劇中での注意の通り)立ちあがってダンスをする人もなく、席で盛り上がっていました。
スイートさんEDの手拍子が楽しかったです。
あれは振付として、とても良いアイデアだと思う。
「DX3」は初となるデジタル上映。
このためだけに5000万の機械が導入されたとか。
バルト9さんが本気すぎる。
イベント終了は予定では4時20分でしたが、トークイベントが盛り上がった結果、5時ごろに。
帰路は、早朝だというのに妙に人が多かったのが印象的でした(多分、新人歓迎会をオールでやってた人たちだ)。
幸いにして雨もまだ降っておらず、ポスター抱えて無事に帰れました。本当に楽しいイベントでした。バルトさんとプリキュアさんに、心から感謝したい。
以下、今回のイベントとは直接関係ないですが、各映画の感想を書いてみる。
【DX3】
誤解を恐れずに書くと、オールスターズ映画の中では一番好きではないです。
最大の原因は、公開されたのが震災の直後で、映画を楽しむ気分になかったことだと思う。
映画そのものの面白さ以前に、そういう時期的な背景があるので、どうしても色々と思うところが…。
そんなネガティブなイメージがあるので、若干後ろ向きな目線になってしまうのですが。
今回改めて見て、違和感の元が幾つか分かりました。
「オールスターズ映画なのに、オールスターズになってない」、多分ここが妙なんだ。
シリーズを越えたチーム編成で戦ってるので、一見すると「これぞ見たかったシリーズ間交流」に見えるのですが、よくよく見るとむしろ逆なんですよね。
というのも、バラバラの世界に飛ばされた後、行方不明のパートナーに言及するばかりで、今まさに横にいる他のプリキュアさんは比較相手として使われるだけ。
美翔さんも「ブルームがいない」と嘆くだけで、「そうだ、横にいる白い人と一緒に戦おう」とは考えてないんです。
もしもシリーズ間交流というのなら、「ブルームもどこかで頑張っている」ではなく、「ブルーム以外とでも力を合わせられる」に重点が置かれるはず。
しかし実際はそうならず、分断から脱出した後はわき目も振らずに本来のパートナーの元に走り、見知った敵相手に必殺技をぶちかましに行っています。
戦略としては正しいのですが、「美翔さんと雪城先輩で一緒に新式マーブルスクリュー」とか、そんな展開には全くならない。
困ったことに、テーマが「卒業」。ラストでは謎生物との別れも描かれています。
それならば、本来のパートナーとの別れと、新しい出会いを描けない理由はありません。
チョッピと別れるのは感動的なシーンとしてOKだが、日向さんと別れるのはキャラクター的に絶対嫌…とか言いだすと、かなりめんどくさい事になってしまう。
更に「一緒に過ごした時間の長さが違うから仕方がない」と言い出すと、それこそまさに「やっぱり、あんまり交流してなかったんだね」となってしまう。
しかもDXシリーズが長く続けば続くほど、説得力も消えて行きます。視聴者の体感的には、あの子ら知り合ってもう何年にもなりますしね。。
つまり交流を描いたはずが、『交流を描くのは無理』を描いてしまってる。
ただ、そうは言っても、「雪城さんが近くにいるのに、北条さんとの方に、より友情を感じている美墨さん」とか、「一番の親友は陽光さんと考えている日向さん」とか、かなり強い抵抗を受けると思います。
勇気を出してそこに踏みだせば、物凄く息の長い今後の展開も見えてきますけど、やっぱり厳しいかなぁと。
となると、オールスターズ企画としては限界が出てしまうんですよね。
今回の敵さんは劇場ボスで、使役しているのも巨大・不定形・飛行・武器持ち等々、強力な奴らばかり。
戦略も優秀で、初撃で足元を破壊して態勢を崩し、立て直す間もなく吹き飛ばしてパートナーと分断し、足場の悪い砂漠や海、制約ありバトルに持ち込んでる。
対プリキュアとして考え抜かれてるのに、それでもプリキュアさんには勝てない。
立て直した後のプリキュアさん達は、まさに圧勝モード。
そして何より、見てるこちら側が持つイメージとしても、今更苦戦するとも思えません。
劇中で描写されてるピンチシーンも、単に「仲の良くない」プリキュアと一緒にいるから…というハンデ戦なせいに見えてしまうので、妙にストレスがたまるんですよね。
「仲良しの特定の子としか力を合わせられない」って、そんな子たちだったのか?的な。
まぁ美翔さんはそんな子だと思いますけどね。あの子、日向さん以外ともちゃんとやっていけてるのかしら。
(今回気づきましたが、黒白先輩は魔女にマーブルを打ち込んだ後、すぐに残心を解いてるんですね。
普段なら過剰なまでに力んで大砲を発射し続けてるのに。
おそらく即座に勝ちを確信し、自分らが戦ったもう1組のフリーズン・フローズンを攻撃に行くつもりだったんだと思う)
これらのことを併せると、もはやこの形式でオールスターズを続けても、成長も発展も見込めません。
(というか、成長や発展をさせようとすると、新しい交友関係を描かざるを得ず、シリーズ本編からの「卒業」が大きくなりすぎる)
「NS」に移行したのは、尺の都合もあるでしょうけど、「全員一緒に出しても、ドラマとして意味がない」と感じられたのかもしれません。
【スイート】
『昔は良かった。皆が一緒にいて、同じものを見て、同じことを感じていた。
しかし現在。同じものを見ても、人によって感じ方が違う。
何が真実か分からず、意思の疎通もできず、皆バラバラだ。
私たちは孤独で、どうにもならない不安と絶望に取り囲まれ、ただただ苦しんでいる。
昔は良かった。それなのに、どうしてこうなった』
これでもかとばかりに繰り返される「見方によって感じ方が変わる」描写の数々。
そして辿りついた回答に涙。
私たちは何も奪われていない。価値観が違う?昔は良かった?それならば、その「良かった昔」を共有してるじゃないか。私たちは一人じゃない。
公開当時、猛烈に泣きました。
ただあえて欠点をあげるなら、テレビ本編がその先に進んでしまったんですよね。
「良かった昔」を共有しているから一緒になれるのなら、共通の思い出がないと連帯できない。
でも連帯できないと共通の思い出を作れないから、過去を共有していなかったら永久に孤独から脱出できない。
だからもう一歩進んで、「孤独で悲しいという価値観は同じじゃないか」。
個々の価値観そのものは人それぞれで、中には理解できないものもあるけれど、「孤独は悲しい」は共通している。
だって、それは私たちも経験して知っているから。だから連帯できるはず。
「異なる価値観も優しく受け入れよう」ではなく、「実は根っこの価値観や経験は同じだった」による解決は、スイートさんの大きな到達点。
ハウリングやメイジャー3は、そもそも「孤独は悲しい」と考えていないようなので和解できなくて当然ですが、この「スイート」ラストの展開が織り込まれていないのは、今にして思うと、残念といえば残念。
まぁテレビ本編が凄まじすぎただけなので、否定的に思うほどではないですけれど。
【スマイル】
『メルヘンに救われ、メルヘンに憧れた子供が、しかし現実はメルヘンのようにはいかないと知る。
努力や対策の余地がないほど未来は破滅的で、厳しい現実にメルヘンは悲鳴をあげている。
だけどだからこそ笑おう。メルヘンを現実にするのは自分だ。
メルヘンに救われた自分たちが、メルヘンから学んだようにスマイルで立ち迎えるなら、メルヘンは無駄じゃなかったと証明できる。
そしてそんな自分たちの姿が、次の世代の子供たちにとってのメルヘンなんだ』
「ニコさんが林原めぐみさん」から始まる二重三重のメタ構造。
作風としては最も「ゆるい」のに、扱ってる内容はかなりシビアな「スマイル」さん。
ところで、ニコさんは「絵本の国では、絵本の登場人物の体験ができる」と言ってましたが、フェイクのような気がします。
物語が混ざり合って妙なことになったのは、星空さん達が横合いから入り込んだせいなんじゃないかな。
他人の物語(それも筋が決まり切ったもの)を追体験するだけというのは、テーマ的には否でしょうし。
【NS1】
『プリキュアに憧れて、プリキュアが大好きなのに、実際の私たちは応援してるだけ。
彼女たちのことを勇敢で格好いいと思い、友情や夢や希望にときめいているのに、実際の私たちは人に話しかけることすら躊躇してしまうほど弱い。
では「プリキュア」は虚構なのか。私たちは「プリキュア」にはなれないのか』
冒頭5分で鳥肌と涙が出た映画。
それはタブーなんじゃないかと思うところに、ばっさりと切りこんできた。
今にして思えば「スマイル」さんのテーマそのまんまなのですが、とにかく展開が怖すぎる。
坂上さん:
「どうしよう。私、プリキュアの敵になっちゃった」
この一言の絶望感は半端ない。
プリキュアに憧れていたはずなのに、何で敵になってんだ。
だからクライマックスで先輩方が駆け付けてくれた時、心底嬉しかった。
(初回視聴時、「台詞がなかった」ことに気付かなかったくらい)
私たちもプリキュアになれる。いつか夢原さん達に助けにきてもらえるように、恥ずかしくない人生を送りたい。
【NS2】
ではプリキュアになれるとして、何のためにプリキュアになるのか?
どうして力を得たいのか。それってただの自己中じゃないか。
やってること自体は「NS1」とほぼ同じなのですが、他者とのリンクに比重が置かれた印象。
スマイルチームの完結編になってたのも良かった。
星空さんらは、全滅することが宿命づけられてるチームだと思うんです。
そして、戦った彼女たちの姿を見て勇気づけられた次の世代が戦う。
あとラストのダンスが良いですね。
夢原さん、ダンスが上手になったなぁ…。
最初の頃とはえらい違いだ。いっぱい練習したんだろうな。。