穴にハマったアリスたち

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一言感想:週刊少年マガジン「星を継ぐもの」

2009年09月03日 | 週刊少年漫画「マガジン」「サンデー」感想
■波打際のむろみさん #10「家族愛とむろみさん」

いつの間にかタイトルが「波打ち際」から「波打際」になってた。

まろやかに人魚ブームを扇動している「むろみさん」。今日は食物連鎖のお話です。
熊からただの食い物として認識されてるあたり、海の覇者・人魚さんもたいしたことありません。
そして容赦なく熊を殴り倒し、ともすれば逆に食ってしまいそうな勢いの人魚さんは、さすが海の覇者です。サカナ舐めんな。

むろみさん:
 「あたし繁殖期を迎えた魚にはようモテるんよ」
 「やけん、(食べるために)捕まえるのは簡単っちゃん」

自分に恋心を抱く交配可能な相手を、何のためらいもなく食の対象にする。
およそヒトにはできない発想です。
性欲と食欲が分化していない下等生物の悲しさと強さがここにある。
なにせ自分の産んだ卵すら、ぼんやり食ってしまう生き物です。
お魚さんの世界は長閑で殺伐としてる。

■エデンの檻 第36話「Loss brain 10:光の空」

密かに好き。

修学旅行の帰りに飛行機が謎の不時着。
辿り着いた先は絶滅動物が跋扈する謎の無人島。
主人公さんたちは謎のサバイバルに明け暮れる、そんな話。

「絶滅動物」というと大抵は恐竜が扱われがち。
大人気ですものね、恐竜。
ですが恐竜と人類の間には、忘れ去られたおぞましき生物群が存在するのです。

恐竜が絶滅したのが約6500万年前。人類誕生が1千万年前。
その間の5000万年の間、地上は巨大哺乳類によって支配されていました。
悪夢の時代です。

「でかいことはいいことだ」の妄執に捕らわれた彼らは、恐竜がいないのをいいことに肥えに肥え、現代からするとわけのわからぬ生態系を作り上げました。
平気で5メートルを越えてみたり。無駄に長大な牙を保有してみたり。
その変な角は何のためにあるの?ねえ何のために?と泣きながら問いたくなるような奇怪な姿をしてみたり。

恐竜と違い、なまじ我々と血縁関係があるだけに気色が悪すぎます。
この漫画の主人公さんたちは、そんな世界に放り込まれる羽目に。可哀そうに…。
「むろみさん」がバシロサウルス(クジラの祖先)に唾棄している時、こちらではそのバシロと死闘を繰り広げてます。(やっぱり奴らは人類の敵だ)

個人的にメガテリウム(160万年~1万年前に生息。体長10メートルに達する巨大ナマケモノ)が出てきたのが恐怖でした。
あれの化石を子供時代に見たのですが、物凄い衝撃を受けました。
恐竜の化石とか大好きだったのに、奴に対しては「これは死体だ」という印象が先だって気持ち悪さばかりが…。
まぁ例によって現場はスミソニアン博物館なのですけれど。
あの博物館はお子様に立ち入らせたらダメだ。

メガテリウムの生息年代を見て分かる通り、人類は実際に奴らと遭遇しています。
それどころかメガテリウムの絶命原因は、人類による乱獲だとか。
意味不明ですよ。体長10メートルある巨大ナマケモノを見て、「食おう」と思った人類の発想が。そんな奴らに石や木の武器で立ち向かった彼らの勇気が。

今は逃げまどうことを優先している主人公さんたちも、いつかは「奴らは食える」と悟るのかもしれません。
食うか食われるか。
「むろみさん」といい「エデンの檻」といい、生物の基本はやはりそこなんだろうと思いました。
コメント
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