Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

2016-12-19 22:19:36 | 映画 ま行
        
2016年/イギリス/111分
原題:FLORENCE FOSTER JENKINS
監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:メリル・ストリープ、ヒュー・グラント、サイモン・ヘルバーグ、 レベッカ・ファーガソン、ニナ・アリアンダ
あらすじ:ニューヨークの社交界のトップ、マダム・フローレンスの尽きない愛と財産は、夫のシンクレアと音楽に捧げられていた。ソプラノ歌手になる夢を追い続けるフローレンスだが、彼女は自分の歌唱力に致命的な欠陥があることに気づいていない。愛する妻に夢を見続けさせるため、夫のシンクレアはマスコミを買収し、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを開催するなど忙しく献身的に立ち回っていた。しかしある日、フローレンスは世界的権威あるカーネギーホールで歌うと言い出して―。持病を抱えながらも音楽に生きる彼女の命がけの挑戦に、シンクレアも一緒に夢をみることを決める。さあ、笑いと涙で包まれた奇跡の公演の幕があがる!~TOHOシネマズより

フローレンス・フォスター・ジェンキンズの歌声を初めて聴いたのは学生時代、伴奏法の授業の時だった。レコードから流れたその素っ頓狂ではまり切らない音程の「魔笛」の「夜の女王」のアリアに、唖然としそして大笑いしたことを思い出す。そして、その折、彼女がお金持ちで音楽を愛し、歌を愛し、カーネギーホールで歌ったという話を聞いたのだった。彼女の演奏はともかく、何をこの時の講義で先生が話したかったのかといえば、彼女の伴奏者の巧みさだったのだ。
今回この「マダム・フローレンス」を観ていて、彼女が背負っている重荷の大きさを知るとともに、そうした理不尽と思える重荷を背負いながらそれに毒されずに保っている純粋さ、無邪気さに打たれた。だからこそ、彼女の周りには人が集まったのだろうと、勿論彼女のお金目当てという人間もいただろうけれど、思われた。愛の形の多様なことも、納得できる。彼女の生きる姿勢に深く感動し、観終わって満ち足りた気分で家路についた。
しかし、メリル・ストリープは演技は勿論、歌も上手い~!!上手でなければあんな風に外せないわ。
画像は手元にあるジェンキンズのCD。私、持ってるんです
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マッドマックス 怒りのデス・ロード

2015-09-02 21:29:03 | 映画 ま行
         
2015年/アメリカ/120分
原題:MAD MAX: FURY ROAD
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー 、 ブレンダン・マッカーシー 、 ニック・ラソウリス
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キース=バーン、ロージー・ハンティントン=ホワイトレイ
ストーリー:荒廃した近未来を舞台に妻子を殺された男マックスの復讐劇を描いた「マッドマックス」(1979)のシリーズ第4作。85年の「マッドマックス サンダードーム」以来30年ぶりの新作となり、過去3作でメル・ギブソンが扮した主人公マックスを、新たに「ダークナイト ライジング」「インセプション」のトム・ハーディが演じた。資源が枯渇し、法も秩序も崩壊した世界。愛する者を奪われ、荒野をさまようマックスは、砂漠を支配する凶悪なイモータン・ジョーの軍団に捕らえられる。そこへジョー配下の女戦士フュリオサらが現れ、マックスは彼らと力をあわせてジョーに立ち向かっていく。フュリオサ役でシャーリーズ・セロンが共演し、監督・脚本は過去3作同様にジョージ・ミラーが担当。~立川シネマシティより

語学学校の友人と『【極上爆音上映】あります。』という立川シネマシティ2で『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を観てきました。
平日の午前中にもかかわらず、訪れた日はかなりの混みようで、この映画の人気の高さを思い知らされました。しかも、一緒に行った友人は今回が3度目だということで、その面白さもわかろうというもの!!鑑賞前から、いやがうえにもテンションは上がります
いよいよ映画が始まりましたら、低音のエンジン音、爆発音、太鼓の音etc.etcなどが特に響いて椅子がずず~んと一緒に振動して、臨場感たっぷり。引き込まれました~!!
「行って帰る」だけなのになぜこの興奮!と友人が言っていたのが、いや、よ~くわかりました!!
緊迫するシーンの連続の中、ふと「あ!?ふふっ」なんて会話があり、目と目でかわす会話もあり・・・映画館で観るべき作品でした。素晴らしい
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション

2015-08-12 22:30:00 | 映画 ま行
          
原題 Mission: Impossible - Rogue Nation
2015年/アメリカ/132分
監督:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ビング・レイムス
ストーリー:CIAやKGBをはじめとする各国の元エリート諜報部員が結成した無国籍スパイ組織「シンジケート」の暗躍により、イーサン・ハントの所属するIMFはまたも解体の危機に陥る。組織の後ろ盾を失いながらも、イーサンは仲間とともに世界の危機を救うため史上最難関のミッションに挑む。約1500メートルの上空を飛ぶ軍用機のドア外部から機内に侵入するというアクションを、クルーズがスタントなしで演じているシーンが撮影時から話題に。~映画.comより

大活劇!!トム・クルーズの身体を張ったアクション満載~
程よく冷房の効いた映画館で涼みながら大きなスクリーンで、はらはらしながら楽しみました。
夕方の回を観たのですが、外に出たらチケット売場に老若男女の長い列ができていて吃驚しました。色々な映画が観られるシネコンは集客力があるなあ、と改めて思いました。
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まほろ駅前狂騒曲

2014-10-29 23:44:15 | 映画 ま行
          
2014年/日本/124分
監督:大森立嗣
原作:三浦しをん
出演:瑛太、松田龍平、高良健吾、真木よう子、本上まなみ
ストーリー:まほろ市で便利屋を営む多田啓介(瑛太)のところへ、中学時代の同級生・行天春彦(松田龍平)が転がり込んで3年目。行天と凪子(本上まなみ)の娘はる(岩崎未来)を預かって四苦八苦する中、まほろ市の裏組織の人間である星(高良健吾)から、駅前で毎日のようにビラ配りをする怪しい団体「家庭と健康食品協会」の調査を依頼される。やがて、その協会は以前新興宗教団体だったことがわかり、代表の小林(永瀬正敏)が行天の過去を知る人物だと判明する。さらに調べを進める多田たちだが、思わぬ形でバスジャック事件に巻き込まれていく。~シネマトゥデイより

公開を楽しみにしていた『まほろ駅前狂騒曲』。
第一作の『まほろ駅前多田便利軒』、TVで放映した『まほろ駅前番外地』、それに続くこの『まほろ駅前狂騒曲』だったのだ~!!
多田便利軒の多田と行天、そして彼らの周囲のあまりにも濃い登場人物たち
しかし、それにしても次々に明らかになる多田そして行天が背負っている込み入った過去に「えっ、そうだったの」と驚かされながらも、この二人ならそれもあり、と思わされてしまう。
とにかく胡散臭い団体やバスジャックやらてんこ盛りなのだが、どこかひょうひょうとした流れが気持ちよかった~
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ミッドナイト・イン・パリ

2012-06-13 23:21:25 | 映画 ま行
              
2011年/スペイン・アメリカ/94分
原題:Midnight in Paris
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:オーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス、マリオン・コティヤール、キャシー・ベイツ、マイケル・シーン、エイドリアン・ブロディ、カーラ・ブルーニ、コリー・ストール、ミミ・ケネディ、アリソン・ピル
ストーリー: ハリウッドでの成功を手にした売れっ子脚本家のギル。しかし、脚本の仕事はお金にはなるが満足感は得られず、早く本格的な小説家に転身したいと処女小説の執筆に悪戦苦闘中。そんな彼は、婚約者イネズの父親の出張旅行に便乗して憧れの地パリを訪れ、胸躍らせる。ところが、スノッブで何かと鼻につくイネズの男友達ポールの出現に興をそがれ、ひとり真夜中のパリを彷徨うことに。するとそこに一台のクラシック・プジョーが現われ、誘われるままに乗り込むギル。そして辿り着いたのは、パーティで盛り上がる古めかしい社交クラブ。彼はそこでフィッツジェラルド夫妻やジャン・コクトー、ヘミングウェイといった今は亡き偉人たちを紹介され、自分が1920年代のパリに迷い込んでしまったことを知るのだった。やがてはピカソの愛人アドリアナと出逢い、惹かれ合っていくギルだが…。<allcinema>

冒頭のパリの景色からうっとり~。いつか行ってみたいな、と思わせる多彩な表情をカメラは次々目の前に取りだして見せてくれる。
パリの街を彷徨っているうちにタイムスリップしちゃうなんて・・・してみたいよ!!
まさに夢のようなおとぎ話、そんなふわふわ感の中に漂って主人公のギルと一緒の時間旅行をしているような愉快な感覚になっている。1920年代のパリに花咲く芸術家たちの姿を垣間見るだけで、気持ちは弾む。そして思う、「隣の芝生は青い」んだなあって。憧れは憧れのままでいいんだって。
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モテキ

2011-10-16 00:04:51 | 映画 ま行
                
2011年/日本/118分
監督・脚本:大根仁
原作:久保ミツロウ
出演:森山未來、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子、新井浩文、金子ノブアキ、リリー・フランキーその他
ストーリー:藤本幸世(31歳)。金なし夢なし彼女なし。派遣社員を卒業し、ニュースサイトのライター職として新しい生活を踏み出そうとしているが、結局のところ新しい出会いも無いまま。だが、ある日突然、「モテキ」が訪れた!みゆき、るみ子、愛、素子。まったくタイプの異なる4人の美女の間で揺れ動く幸世。「こんなのはじめてだ…今まで出会った女の子と全然違う…冷静になれっ!…期待しちゃダメだぁ…」モテキの波を超えて、幸世は本当の恋愛にたどり着けるのか?~goo映画より

「探偵はBARにいる」を観た時に予告編で知った「モテキ」
モテキ・・・???TVドラマは殆ど見ないので何故にこの作品が「セカンド」・モテキ??だったのだけれど、画面から伝わる雰囲気が明るくて、どこか素っ頓狂で、音楽も楽しくて興味を引かれたのだった。
テンション高く突っ走っていく話の展開にげらげら笑ったり、ぷっと吹き出したりの連続。ミュージック・クリップ風も楽しくて愉快だった。
前半のはちゃめちゃな展開に比べて、後半はラブ・ストーリーまっしぐら路線になって、それはある意味ありきたりな展開な気はしたものの、幸せな顔が見られるのもいっかあ、と思わせてくれて後味爽やかだった。
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まほろ駅前多田便利軒

2011-05-02 22:42:46 | 映画 ま行
                
    <お困りごとは アフターケアも 万全の 多田便利軒へ。>
2011年/日本/123分
監督・脚本:大森立嗣
原作:三浦しをん
音楽:岸田繁
出演:瑛太、松田龍平、片岡礼子、鈴木杏、本上まなみ、柄本佑、横山幸汰、梅沢昌代、大森南朋、松尾スズキ、麿赤児、高良健吾、岸部一徳
ストーリー:東京郊外の地方都市“まほろ市“で便利屋を営むバツイチ男・多田のもとに、ある年の正月、高校の同級生・行天が転がり込んでくる。多田の手伝いをするのを条件に行天は彼の家に住み着き始めるが、そんなふたりの店には曲者の依頼人が次々と訪れるのだった。~「ぴあ映画生活」より

久しぶりに邦画を観た。瑛太と松田龍平が便利屋の看板を横にして佇んでいるチラシを見た時から、二人の表情と視線が気になっていた作品だった。
これ以上一言でも多くても、逆に少なくても成り立たないような台詞と、そこにある「間」とが独特の空気を醸し出していて、それを観ている私も自然にその世界に引き込まれていた。一見、世捨て人のように見えてでも決して投げやりでなく生きている多田と、まるでどこかからふいっと舞い降りてきた天使のような、天使というにははなはだひねているのだが私にはそう思えた行天とのコンビが絶妙で、生真面目さとユーモア、緊張と弛緩に翻弄されていた。二人も興味深いが、二人をを巡る登場人物もみんな一癖も二癖もあって面白いのだ。
「多田便利軒」が近くにあったらいいのにな~
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毎日かあさん

2011-02-15 00:06:41 | 映画 ま行
                  
2011年/日本/114分
監督:小林聖太郎
原作:西原理恵子
出演:小泉今日子、永瀬正敏、矢部光祐、小西舞優、正司照枝、古田新太、大森南朋、田畑智子、光石研、鈴木砂羽、柴田理恵、北斗晶、安藤玉恵、遠山景織子

グーグーだって猫である』で主人公の漫画家:麻子(原作者の大島弓子)の役を演じていた 小泉今日子さんが今回はやはり漫画家である西原理恵子の役を演じるというのを楽しみにしていた作品。公開初日に観に行ったのだった。
チラシには「泣いているヒマがあったら、笑おう。~本音で生きるかあさんと、ちょっと変わった家族の感動の実話」とある。
漫画家サイバラの息子ブンジと娘フミのいかにも子どもらしい子どもの姿に笑って和んで、そして「子はかすがい」なんて言葉を心に浮かべたりしていた。そして何よりサイバラと夫のカモシダ(戦場カメラマンでアルコール依存症と格闘中)との壮絶なぶつかり合い、その結果、互いに受け容れ赦すことにたどり着いていく軌跡、家族の姿を懸命に模索する姿が心に残る。サイバラと友人ゴンゾ、そしてママ友たちとの様々な会話がいかにも何気なくて・・・よかった。
100万の家族があれば100万通りの家族の在り方があるわけで、つらつらと自分の家族のことも振り返って考えていたよ。
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マラドーナ

2010-01-17 00:30:07 | 映画 ま行
             
2008年/スペイン・フランス/91分
原題:Maradona by Kusturica
監督・脚本:エミール・クストリッツァ
製作:ホセ・イバネス
撮影:ロドリーゴ・プルペイロ・ベガ
音楽:ストリボール・クストリッツァ

『ウェディング・ベルを鳴らせ!』などの鬼才、エミール・クストリッツァ監督が世紀のサッカー選手、マラドーナの素顔に迫るドキュメンタリー。カメラはサッカー界のアイコンの波瀾(はらん)万丈の半生と、一人の人間としての魅力をとらえる。監督もインタビュアーとして登場し、息子のストリボル・クストリッツァが音楽を担当する。奇跡のゴールから一転、コカイン中毒の苦しみや反米主義など、赤裸々に語られるヒーローの言葉に衝撃を受ける。(Yahoo映画より)

マラドーナが有名なサッカー選手であること、彼が病院に入院したニュース、そして彼の退院を喜ぶ大勢の人々の姿を映すニュース映像くらいは知っていてもマラドーナという人物が何者であるのかということは知らなかった。それなら何故?と言えばそれは簡単、エミール・クストリッツァ監督のドキュメンタリ作品ということに興味を引かれたから。勿論、そこで使われる音楽にも興味津々~♪
華やかなサッカー人生を歩んできたと思われるマラドーナが、その陰でいかに挫折と復活を繰り返してきたかを映像は描き出す。彼のノー・スモーキング・オーケストラでのステージも堂々として、やはりただ者ではないと思わせられる。カメラの前で語るマラドーナの腕にはチェ・ゲバラ、足にはフィデル・カストロの刺青、熱く革命を語る姿に彼の一面を見る。それ以外の多面体の彼がこの作品にはぎっしり詰まっているのだが、それで彼を知ったかと言えば答えは「否」である。人を描くというのは難しいものだとつくづく感じていた。描かれているのは当然ながらクストリッツァからみた彼の姿なのだが、マラドーナの祖国アルゼンチンとクストリッツァの祖国セルビアの歩んできた歴史とが重なり合っていることが明かされることで単なる人物譚を超えたより深い印象を与えられた気がする。
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マイケル・ジャクソン THIS IS IT

2009-11-02 22:43:52 | 映画 ま行
              
2009年/アメリカ/111分
原題:THIS IS IT
監督:ケニー・オルテガ
振り付け:トラビス・ペイン
音楽監督:マイケル・ビアーデン
プロデューサー:ランディ・フィリップス
出演:マイケル・ジャクソン 他

最期のコンサート“THIS IS IT”がリハーサル映像により奇跡の映画化!
今年の夏、ロンドンのO2アリーナで開催されるはずだった彼のコンサート“THIS IS IT”。本作は2009年4月から6月までの時間の流れを追いつつ、百時間以上にも及ぶリハーサルと舞台裏の貴重な映像から構成される。幻となったロンドン公演の監督を務めていたケニー・オルテガが映画も監督。2週間限定で全世界同時公開される。(チラシより)

MJの歌というと、スリラーとバッド位しか思い浮かばず・・・くらいなのだけれど、でもやはりこれだけの人気を保ち続けたマイケル・ジャクソンがどういう風に一つのステージを創り上げていくかに興味を抱いていたので出かけたのだが・・・。

とにかく、圧倒された!!MJって凄い!!
音楽もダンスも、そしてすべてを完璧に掌握している上で、それをさらに高めようとする姿に感動!!
スタッフの誰かが言った「彼はいつもフレンドリーで謙虚だ」という言葉が彼の音楽、ダンス、スタッフ・観客、すべてに対する姿勢を言い表していると見ていてつくづく納得。自分が表現しようとするもののために、自分を惜しまず、妥協もせず、スタッフとああだこうだと創り上げていく。
50歳という年齢を、というか年齢を超越したかのような彼のリハーサルを重ねる姿を見ていると今、彼がもうこの世に存在しないという事実が嘘のように思われてならない。彼が公演を行っていたなら、この素晴らしい作品を観ることはなかったかもしれないと思うと複雑な気持ちになる。
どんなにヒットしても2週間で公開は終わりというこの作品、公開中にもう一度観たい~!!
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マンマ・ミーア!

2009-02-19 00:21:31 | 映画 ま行
               
2008年/イギリス・アメリカ/108分
原題:Mamma Mia!
監督:フィリダ・ロイド
音楽:ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルバース
出演:メリル・ストリープ、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド、アマンダ・セイフライド、ドミニク・クーパー、ジュリー・ウォルターズ、クリスティーン・バランスキー

舞台となったギリシアの島の景色の明るさ、美しさ--白と緑と青とそして咲きこぼれる花の華やかさ--を背景に最初から最後まで、出演者全員、歌って踊って演技し、弾けて輝く。
歌われるABBAのナンバー、私は彼らに特に思い入れはないのに、流れてくる曲が全て聴いたことがあることに、彼らの音楽がいかにヒットしていたのかを改めて思い知らされていた。懐かしさとノリのよさで全編が彩られる。
歌も踊りも弾け具合もどれもとってもいいんだけれど・・・でも、でもね、この作品、私にとってはそこで終わり~、だったんだよね。歌も踊りも演技も、それがつるつる表面をただ流れて行ってしまって・・・。次々打ち上げられる同じような花火を見続けているのに退屈してしまった、とでもいった感じだろうか。
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モンテーニュ通りのカフェ

2008-05-24 00:30:27 | 映画 ま行
              *公式サイト
               人生に恋をした
                 パリ、8区。
                 夢が座る時間に、
                 カフェも開く
2006年/フランス/106分
原題:FAUTEUILS D'ORCHESTRE
監督:ダニエル・トンプソン
出演:セシル・ドゥ・フランス、ヴァレリー・ルメルシェ、アルベール・デュポンテル、クロード・ブラッスール、クリストファー・トンプソン、シュザンヌ・フロン

驚いたのは、エンドロールが終わって場内が明るくなり始めた時に、何人かの観客から「ぱちぱちぱちぱち・・・」と拍手がスクリーンに向かって起こったこと~こ、こんなこと初めてだったよ~!!

フランス・パリ、モンテーニュ通りにある”カフェ・ド・テアトル”で交差する様々な人間模様にしみじみとして、くすりと笑えてついでに大笑いの場面もあって・・・気持ちは大いに和んだのだけれど、でもねえ、それ以上に胸が一杯になりました。
交わされるそれぞれのさりげない台詞、そしてそれが重ねられることで見えてくる新たな風景がとても新鮮で温かく、なにより優しい。
美術収集家の親と断絶している息子、自分の歩んでいる道に疑問を抱くピアニストとその妻、人気者なのに不満を抱く女優、定年を迎えようとする劇場管理人、新たな映画のキャストを探している映画監督、そしてカフェ・ド・テアトルで「ギャルソン」として働き始めたジェシカがいかにも軽快で可愛らしくて・・・。
作品の中で使われているすべての音楽、美術、演劇もそれぞれに交錯し、それが素敵にコラージュされて幸福感を増幅してくれたようだった。
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マザー・テレサ メモリアル

2008-04-08 23:48:33 | 映画 ま行
                *公式サイト
『没後10周年・ドキュメンタリー2部作』
母なるひとの言葉
2004年/アメリカ/55分
母なることの由来
1986年/アメリカ/83分

マザー・テレサの没後10周年を記念して、その言葉と生涯を記録した名作ドキュメンタリー『マザー・テレサ:母なることの由来』のデジタル復刻版と新作『マザー・テレサ:母なるひとの言葉』の2作品同時公開。11日には終映してしまうので(吉祥寺バウスシアター)、この機会にどうしても観ておきたかった。
「おこなってこそ、愛なのです」をその生涯を通し貫き通し、カトリックのシスターとして、人種も宗教も国境もすべての壁をないがごとくに越えて「愛」に生きたマザーテレサの確信に満ちた強さと、明朗さ、澄んだ快活さに圧倒される。様々な問題の中、貫き通す実にシンプルな、だからこそ揺るぎない強さに打たれ続ける。マザー・テレサの設立した『神の愛の宣教者会』の「もっとも貧しい人のために働く」その活動とその身にまとう白いサリーの意味もここで初めて知ることができた。
語られるすべての言葉は常に一点を見据えていて、それは決してぶれないし動かない。作品は彼女の活動を丹念に追い続け、その言葉を記録し、また「母なるひとの言葉」では彼女の言葉と、「その言葉を継ぐ者たちの証言」(チラシより)とでシンプルに構成されている。

追記:好評につき1週間追加上映決定!4/18(金)まで・・だそうです!

*Wikipedia⇒マザー・テレサ
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迷子の警察音楽隊

2008-01-07 00:02:39 | 映画 ま行
          *公式サイト
2007年/イスラエル・フランス/87分
原題:BIKUR HATIZMORET
監督:エラン・コリリン
出演:サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカベッツ、サレー・バクリ、カリファ・ナトゥール、イマド・ジャバリン

これが今年最初の劇場での鑑賞作品だということが嬉しい~

はるばるエジプト・アレキサンドリアからイスラエルに演奏旅行でやってきた警察音楽隊の一行が迷子になってしまう・・

コメディなのだけれど全編が詩的で、ユーモアと哀しみが混在して複雑な温かみを醸しだす。
それはあくまで明るい長調の曲の中に宿る哀しみのようであり、また明るさに輝いて描かれた絵画の中にふっと一刷毛の影が射しているようにも感じられる。作品中に流れる音楽は「マイ・ファニー・バレンタイン」、「サマータイム」などと、どこか哀愁を帯びた民族音楽がなのだが、不思議なことにその哀愁の中にそこはかとないユーモアをも感じてしまうのだ。

エジプトとイスラエルという微妙な立場にある2国だけれど、ここではそれは関係ない。あくまで人間対人間、向き合えば同じ人間であり家族もあり、喜びも悲しみも内に秘めているのだ。笑いながら泣き、泣きながら笑う・・・そんな思いを抱いていた。

ところで私はこの作品ツボだったんだけれど、帰りのエレベーターで乗り合わせた一組のご夫婦が「あなた、始まってすぐにぐうぐう寝てるんだもの~。もう一本別の観る?」と話しているのを耳にした。(何しろその一組と私だけだったんで)
う~む、これは案外好き嫌いがあるのかしらん・・・。
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ミス・ポター/MISS POTTER

2007-09-17 00:20:19 | 映画 ま行
              *公式サイト
2006年/アメリカ/93分
監督:クリス・ヌーナン
出演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン、ビル・パターソン、バーバラ・フリン

観終わってしみじみとした思いに満たされ、ミス・ポターの生きる姿勢に、一人の人間として、また女性として心打たれる

あの悪戯ウサギ、ピーター・ラビットを生み出した作者のビアトリクス・ポターを描くこの作品。1902年当時の封建的な空気の中で結婚せずに自分の才能を信じ、子どもの頃から親しんだ動物達を描きお話を紡ぎ出していくビアトリクスの姿は、しなやかで上品、凛としていて清々しい。自身の才能で運命を切り開いていく彼女だが、それが自然でちっとも力みがないところが、何とも魅力的でしかも可愛らしい。彼女は真に自由で自立した健全な魂の持ち主だったのだと思われた。

両親から身分違いだと反対された彼女と編集者のノーマン・ウォーンとの恋も、その愛を信じているからこそ貫き通す。結局、婚約するが思いがけないノーマンの急死によって二人の愛は幕を閉じられてしまう・・
その後、彼女は愛してやまない湖水地方に移り住みその自然を守るために活動を続けていく。それも、やはり自然体で・・。

イングランド・湖水地方の美しい景色を楽しみ、ピーター・ラビットなど彼女の絵本のおなじみの登場人(動)物たちが共演しているのを見られるのも映画ならでは・・ほんわか嬉しい。

*Wikipedia:ナショナル・トラスト
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