Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

RHEINGOLD ラインゴールド

2024-04-22 21:33:51 | 映画 ら行

2022年/140分/ドイツ、オランダ、イタリア

監督:ファティ・アキン

出演:エミリオ・サクラヤ、カルド・ラザーディ、モナ・ピルザダ、アルマン・カシャニ、フセイン・トップ、ソゴル・ファガーニ

ストーリー:ジワ・ハジャビはクルド系音楽家のもとに生まれ、パリに亡命し音楽教育を受け、ドイツのボンに移り住むが、両親は離婚、貧困を味わう。ある日、街の不良たちにブチのめされ、やり返したい一心でボクシングを覚え、カター(Xatar:危険なヤツ)となったジワは、ドラッグの売人や用心棒などで金を稼ぐようになり、さらには、金塊強盗までしてしまう。世界的指名手配犯となり、逃亡中のシリアで拘束され、送還されたドイツの刑務所内でレコーディングした曲でデビュー、本物の"ギャングスタ・ラッパー"となり、音楽プロデューサーとして成功する......。破天荒な実話に基づく奇想天外なサクセスストーリー。

新聞の映画紹介欄の記事を読んでいてファティ・アキンの名前に「これは絶対観たい」!

ファティ・アキンと言えばトルコ系ドイツ人の映画監督で、その作品は音楽と深く結びついているという印象をずっと持っている。

この作品で彼の作品は6作目なのだが、この「ラインゴールド」もこれまでに観た5作同様音楽と深く結びついている。

先ずその題名、「ラインゴールド」・・・ん?ラインの黄金?ワーグナーじゃん。

主人公のカターはドイツで有名なラッパー、しかもそのデビューは刑務所内でレコーディングしたという!

彼のたどってきた道の険しさ、困難さに観ていて身体が硬直してきてしまう。

クルド人として生まれたことで、様々な差別、支配、それも暴力に満ちた、にさらされ続けながら生き抜いていく。

難民キャンプについて報道によって画像では見てはいるが、それは外側からのテントが並んでいる画像のみを見ているだけだったということに気付かされる。

そこで暮らしている人々の困難さを観客の目の前にさらけ出してみせる。

時間の流れとともに、主人公のジワ(後のカター)の生きている場所も変化する。その点からいえば、ある意味ロード・ムービーでもあるかもしれないが、でもぬぐえない、途切れないひりひり感。

しかし、そこに流れるカターを始めとするラップのパワフルで圧倒的な魅力に救われていた。

そして作品の中でワーグナーの「ラインの黄金」は関係していて、その取り合わせも面白く感じられた。

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ル・コルビュジエの家

2017-03-16 23:07:47 | 映画 ら行
       
2009年/アルゼンチン/103分
原題:EL HOMBRE DE AL LADO
監督・撮影:ガストン・ドゥブラット / マリアノ・コーン
出演:ラファエル・スプレゲルブルド、ダニエル・アラオス
ストーリー:椅子のデザインで世界的な成功をおさめたレオナルド(ラファエル・スプレゲルブルド)は、近代建築の巨匠として有名なル・コルビュジエが設計した南米唯一の邸宅に、妻子と共に生活していた。ある朝大きな音で目覚めた彼は、隣家の住人ビクトル(ダニエル・アラオス)がレオナルド宅に向けて窓を作るべく、ハンマーで壁に穴を開けていることを知るが……。~シネマトゥデイより

スペイン語の映画が見たいと思ってTSUTAYAの棚を眺めていて見つけた1本。
隣人との壁に「窓」を開ける、開けないのトラブルがきっかけになって、次第に追い詰められていく(と主人公が勝手に思い込んでいる)様子が南アメリカ大陸にある唯一のル・コルビュジエ設計のクロチェット邸を舞台に描かれる。
これをブラック・ユーモアと呼ぶかどうかは見方によって変わると思う。少なくとも私はブラックだとは思ったが、果たしてそこにユーモアがあるかどうか、微妙だと受け止めていた。唯一ほっとしたのは、不思議でちょっとなまめかしさを漂わせる指人形のシーンだった。
のどに呑み込めない何かを残しているような後味の悪さが残るラスト・シーンとエンド・ロールのしゃれた感じが或る種の悲しみを感じさせ心に残る。
しかし、癖のあるアルゼンチンのスペイン語をずっと聞いているのはなかなか興味深くて、先ずそのアクセントの強さというか流れるリズムがたいそうイタリア語っぽいのが面白かった。
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リップヴァンウィンクルの花嫁

2016-04-13 22:22:07 | 映画 ら行
         
2016年/日本/180分
監督・原作・脚本:岩井俊二
出演:黒木華、 綾野剛、Cocco、原日出子、地曵豪
ストーリー:SNSで知り合った鉄也と結婚することになった派遣教員の皆川七海は、親族が少ないため「なんでも屋」の安室に結婚式の代理出席を依頼して式を挙げる。しかし、新婚早々に鉄也が浮気し、義母から逆に浮気の罪をかぶせられた七海は家を追い出されてしまう。そんな七海に、安室が月給100万円という好条件の住み込みのメイドの仕事を紹介する。そこで知り合った破天荒なメイド仲間の里中真白と意気投合した七海だったが、真白は体調がすぐれず日に日に痩せていく。そんなある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出す。~映画.comより

不思議な世界に迷い込んで、登場人物と共にその中を漂流し浮遊していたような気がする。3時間という長さを全く感じさせない、というか3時間という時間がそこでは何の意味もないような、全く別の世界を旅してきたような・・・。巨大な迷路に迷い込んで、でもなんとか歩き続けなければ、止まったらそこで終ってしまうという風な・・・。
虚構が次々に積み上げられた時、では虚構以外の真実はあるのだろうか?いや、積み上げられた虚構の中にこそ現実は潜んでいるのではないのだろうか?いやいや、そもそも虚構と真実という風に考えてしまうことこそが、嘘っぽく、間違いなのではなかろうか?etc.etc.・・・。
岩井監督の世界と俳優陣の凄さを堪能した素晴らしい作品だった
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ルイーサ

2015-05-11 23:57:27 | 映画 ら行
               
原題:LUISA
2008/アルゼンチン、スペイン/110分
監督:ゴンサロ・カルサーダ
脚本:ロシオ・アスアガ
出演:レオノール・マンソ、ジャン・ピエール・レゲラス、マルセロ・セレ、エセル・ロッホ
ストーリー:ブエノスアイレス都心のアパートで、猫のティノと暮らすルイーサ。
つらい過去にとらわれながらも早朝から2つの仕事を掛け持ちして何とか暮らす日々。
定年まであと1年となった、ある朝、ティノが死んだ。途方に暮れたどり着いた職場では解雇を言い渡され、仕事を2つとも失ってしまう。茫然自失の中、初めて降りた地下鉄の駅で、あることを思いついたルイーサは、ついに行動を開始するのだが…。主演はアルゼンチンの国民的舞台女優、レオノール・マンソと本作が遺作となったジャン・ピエール・レゲラス、72歳の現役ショーガール、エステラ・ロッホと個性あふれる俳優陣が織りなすアルゼンチンの骨太映画。~「ラテン!ラテン!ラテン!」より

Action Inc.が届けた10年間の軌跡『ラテン!ラテン!ラテン!』と題する映画祭が新宿k's cinemaで15日まで開催中だ。先だって鑑賞した『スリーピング・ボイス』は初公開の作品なのだが、その他の作品で見逃したものを観ておきたいと思っていた。この『ルイーサ』もその一つで、語学学校の友人と鑑賞した。
ストーリーの紹介だけは知っていたが、さてその後ルイーサがとった行動とは?掛け持ちでしていた仕事を同時に失い、愛猫のティノを失った彼女はどうするのだろう?と好奇心で一杯になって観た。アルゼンチンの社会を背景に、彼女の置かれた状態は重くシリアスな設定なのだが、随所に笑いが散りばめられておりこんな言い方は変かもしれないが楽しめた。与えられた仕事はきっちりこなしますよ、というルイーサの孤独で硬い表情が、映画が進むうちにどんどんどんどん変わっていき、人と関わりを持つようになり、そして能面のようだった彼女の顔の表情が生き生きと豊かになっていくのが何とも嬉しくなる。彼女がそれからどうなっていくのかは観る側に委ねられるのだが、不思議に希望を抱かせられていた。
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ローマでアモーレ

2013-06-28 23:58:09 | 映画 ら行
           
2012年/アメリカ・イタリア・スペイン/101分
原題:To Rome with Love
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ウディ・アレン、アレック・ボールドウィン、ロベルト・ベニーニ、ペネロペ・クルス、ジュディ・デイヴィス、ジェシー・アイゼンバーグ、グレタ・ガーウィグ、エレン・ペイジ、アントニオ・アルバネーゼ、ファビオ・アルミリアート、アレッサンドラ・マストロナルディ、オルネラ・ムーティ、フラヴィオ・パレンティ、アリソン・ピル、リッカルド・スカマルチョ、アレッサンドロ・ティベリ

ストーリー:ローマでイケメンと婚約した娘に会うため、アメリカから飛んできた元オペラ演出家のジェリー。フィアンセの父親が驚くべき美声の持ち主と知り、彼を担ぎ出してオペラ界への復帰を目論むが…。著名なアメリカ人建築家ジョンは、建築家の卵ジャックと知り合い、小悪魔的な恋人の親友によろめく彼に必死に警告を続けるが…。田舎から上京したばかりの新婚カップル、アントニオとミリー。妻が外出し、ひとりホテルの部屋に残るアントニオの前に、突然グラマラスなコールガール、アンナが現われ…。ごく平凡な中年男レオポルド。ある朝突然、大勢のパパラッチに取り囲まれ、あれよあれよと大スターとなってしまい…。~allcinemaより

愉快な夢を、ローマを舞台にした陽気な夢を見ているような、あるいは大人のための軽快なそしてちょっとだけ苦味がある童話が書かれた絵本を読んでいるような・・・。そして訪れたことのない私にとっても、ローマに行ってみたいなと思わせる、この街の魅力が伝わってくる作品だった。
ローマという街の魅力を背景に豪華で達者な俳優陣によって可笑しくも奇妙で奇天烈にも思われる話が繰り広げられる。それは、どこかシュールでそれでいて現実的で・・・不思議なとらえどころのないふわふわした感じを味わわされる。
そして、やっぱり可笑しかったのは現役のテノール歌手ファビオ・アルミリアートの熱演&怪演による『シャワー・オペラ』~
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レッド・ライト

2013-02-22 00:30:14 | 映画 ら行
             

2012年/スペイン・アメリカ/113分
英題:RED LIGHTS
監督・脚本:ロドリゴ・コルテス
出演:ロバート・デ・ニーロ、キリアン・マーフィ、シガーニー・ウィーヴァー、エリザベス・オルセン、トビー・ジョーンズ
ストーリー:科学者のマーガレット・マシスンとトム・バックリーは、超常現象を科学の力で解き明かすため、研究を重ねる日々を送っていた。そんなある日、30年前に引退した伝説の超能力者サイモン・シルバーが復帰するというニュースが世間を騒がせる。実は以前、マーガレットはシルバーに挑んだが、心の弱みを突かれて完敗を喫し癒えることのない傷を負っていた。それを知ったトムは、全てを解き明かすため、単独でシルバーのショーに乗り込むことを決意する。果たして、サイモン・シルバー復活の裏に隠された、真っ赤な嘘と真実とは……。~goo映画より

ロバート・デ・ニーロ、キリアン・マーフィ、シガーニー・ウィーヴァーに惹かれて、それこそ「赤い光」に導かれるように観ました。はあぁ~、科学と超常現象の対決に緊張感を強いられっぱなしでした。
何と言うか、この心理的緊張感とホラー映画のような恐怖感に、観続けられるだろうか、いやこの科学と超能力との対決は観通してこそ・・・と心は千々に乱れて・・・でも最後まで観続けなければ得られない解答をマーガレットとトムと一緒になって暗闇の中で探し回っていたような感じでした。面白かったけれど、途中は怖かったわ。
でも、シガーニー・ウィーヴァーは素敵な年の重ね方をしているなあ、と思いましたし、うわぁ、悪~い奴とロバート・デ・ニーロ思わせましたし、キリアン・マーフィ、あなたが真の主人公だったのね!というのも良かったです!!
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La Cabina/電話ボックス

2013-02-04 23:45:02 | 映画 ら行
スペイン語でかなり前(もう1年以上前になりましょうか)に勧められた作品。
勿論、勧められた時にも観ているのですが、最近見直して改めて1972年制作にも拘わらず、その色褪せない面白さと怖さを味わったのでアップしてみました。
年代的にフランコ時代ということもあり、幾らでも深読みができそうなところがまた面白い作品です。短編と言うには長過ぎる37分という中編、言葉はスペイン語ですが英語字幕付きです。といっても、殆ど台詞らしい台詞はないです。観ればわかる、とでもいいましょうか。

フルスクリーン・モードでも楽しめる画像です。



1972年/スペイン/37分
Dirección/監督:Antonio Mercero/アントニオ・メルセロ
Guion/脚本:Juan José Plans、José Luis Garci、 Antonio Mercero
Música/音楽:Alfonso de Vilallonga
出演:José Luis López Vázquez/ホセ・ルイス・ロペス・バスケス
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ル・アーブルの靴みがき

2012-05-26 23:59:57 | 映画 ら行
               
2011年/フィンランド・フランス・ドイツ/93分
原題:Le Havre
監督:アキ・カウリスマキ
キャスト:アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン・ミゲル、ジャン=ピエール・レオ
ストーリー:昔パリで暮らしていた芸術家のマルセル(アンドレ・ウィルム)は、今は港町ル・アーヴルで靴磨きをしながら生計を立てている。彼は自分に尽くしてくれる妻(カティ・オウティネン)と愛犬ライカとの暮らしに満足していた。だが、ある日妻が病気で入院した後、アフリカからの難民の少年と出くわし、警察に追跡されている彼をかくまうことにする。~シネマ・トゥデイより

フランスにおける不法移民という重い問題を扱っていながら、一篇の夢のような、大人のおとぎ話のような作品。
ル・アーブルという題名にも拘わらず、目に映る景色はフランスでありながら、色濃くアキ・カウリスマキ監督の今までの作品同様北欧、フィンランドを感じさせる色彩に満ちているように感じられてならなかった。だからこそ、それがより興味深く面白く思えたし、同時に文化的背景についても考えていた。一緒に観に行った友人もやはり同じことを考えたという。そして、夢のように上手く全てのことが運ぶ話に、観終わって素直に幸せな気持ちになっていた自分を発見する。
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RAILWAYS~愛を伝えられない大人たちへ

2011-12-05 23:15:48 | 映画 ら行
        
2011年/日本/123分
監督:蔵方政俊
出演:三浦友和、余貴美子、小池栄子、中尾明慶、吉行和子

現在、富山県の富山地方鉄道で活躍中という西武池袋線をかつて走っていた懐かしのレッドアローの雄姿が見られるというので行ってみた。最初のシーンから「おおお~!」2両編成のレッドアローが走る。
抑制のきいたしみじみとした作品、それでいてやわらかな笑いを伴って。描かれる夫婦と世代的に重なっているせいもあり、その真っ直ぐさ、不器用さに共感を覚える。う~ん、わかるわかる、その気持ち・・・と頷くこと多し。
立山連峰を背景に走る電車のシーンは美しく、その景色で時間の経過を知ることになる。こんなにも自然に恵まれ美しい国に住んでいるのだ、と今更ながら深く思う

劇場で3枚セットの絵葉書プレゼントをもらいほくほくです。しかも1枚目は懐かしい西武池袋線を走っていたレッドアロー号~


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リミッツ・オブ・コントロール

2009-10-12 00:25:01 | 映画 ら行
             
2009年/スペイン・アメリカ・日本/115分
原題:The Limits of Control
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
出演:イザック・ド・バンコレ、アレックス・デスカス、工藤夕貴、ティルダ・スウィントン、ガエル・ガルシア・ベルナル、ビル・マーレイ、ジャン=フランソワ・ステブナン、ルイス・トサル、パス・デ・ラ・ウエルタ、ヒアム・アッバス、ジョン・ハート
ストーリー:「自分こそ偉大だと思う男を墓場に送れ」という不可解な任務を与えられ、一人の男(イザック・ド・バンコレ)がスペインにやって来た。“孤独な男”なるコードネームを持つ彼は、任務遂行を目指してスペイン中を巡っていく。そんな“孤独な男”の前に、彼同様にコードネームを持つ名もなき仲間たちが現れ始めるが……。(シネマトゥディより)

そこはかとなく「ふふふっ」となるぷわぷわとしたユーモアが漂い、それでいてどこか心にひっかかって、でもそれがどーした!!と開き直りたくなるような・・・。
「孤独な男」がエスプレッソを2杯頼む、それが注文通りにいくまでの英語とスペイン語でのやりとりには、思わず笑ってしまったんだけれど、意外に場内しんとしていたっけ。そしてスタイリッシュに決めた「ブロンド」が手に持つビニール傘とか、不思議でどこか可笑しく思えて・・・取り交わされるマッチ箱などなど、飽きないなぁ~!
話はスペインを舞台に繰り広げられ展開してゆくその先にあった孤独な男の旅の終わりには思わず「えっ!?どうやってそこに入り込んだの?」という疑問を一杯に投げかけてくる。でも彼の短い説明を聞いて思わずその場では納得していたのが後から考えると不思議で。その不思議さが不可解であり魅力であり・・、うぅぅ~
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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

2009-02-21 21:17:21 | 映画 ら行
              
2008年/アメリカ・イギリス/119分
監督:サム・メンデス
出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャシー・ベイツ、キャスリーン・ハーン、マイケル・シャノン

大分前に鑑賞していたのだが、とにかく観終わった直後はもうもうずっしりと心が重くなっていた。それは観ている間、主人公であるフランクとエイプリルに共感が持てず、彼らの言い争う場面に苛立っていたからだ。
そんな展開の中、彼らの心模様をただ一人精神を病むジョンだけは的確に言い当てていたのがいかにも皮肉に映った。またラストで年月を経た夫婦の一こまが切り取られていたのだが、妻の止むことのないおしゃべりにその夫が何食わぬ顔をして補聴器を切るシーン・・・印象に残った。

ただ、時間が経つとあの時にあれだけ苛立たされたこと、そしてそれが心のどこかにひりっと残っていることに気付かされている。
この作品の舞台である1950年代の郊外の住宅地での閉塞された状況の中での彼女のひりつくような心の乾き、満たされない思い、描く夢と現実との折り合いをどうつけるのかという果てのない堂々巡りにあがく姿が際立って心に残っていることに驚かされているのだ。そうした彼女の姿が、観ていた私のどこかをふっと照らし出してざわめかせ波立たせ、ざらりとした思いを残したのではないだろうか。彼女の実際の行動に共感はできなくても。
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恋愛睡眠のすすめ/Science of Sleep

2007-05-21 00:05:29 | 映画 ら行
             公式サイト
2005年/フランス=イタリア/106分
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、 シャルロット・ゲンズブール、 ミュウ・ミュウ、 エマ・ドゥ・コーヌ、 アラン・シャバ

全編がまるで夢のよう~、現実と夢の間を行きつ戻りつしつつも、夢と現のその境界がだんだん薄れていってしまう感覚に陥る。その境目がまるでなくなっていく感覚が・・・素敵なの~
夢でしか見られないことって、ある(まっ、悪夢っていうのもあるけれど)夢に逃げ込みたいというのも、わかる!現実とのギャップが大きければ大きいほど、いい夢を見たいここには「ステファンの見たい夢」だけが描かれる。
彼の「¡UNO,DOS,TRES,CUATRO!」の声とともに彼と一緒にその世界に飛び込んで、その創り出された国の住人となっていく。その世界に散りばめられている様々な小物一つ一つが、可愛く、いとおしくてたまらない。そしてかわされる会話も、なんとも可笑しくって、しかも時に非常にきつかったりして・・・笑ってしまう
ベッドで眠るステファンの髪をやさしくなでるステファニーの穏やかで優しい姿はまるでお母さんが子どもの頭を撫でているような・・うふっこの二人の恋はどうなっていくんでしょうね~!

ステファンの創り出す世界に溺れ、たゆたいました~
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リトル*ミス*サンシャイン

2007-01-10 00:36:04 | 映画 ら行
        
        ★夢と希望を乗せて、黄色いバスは行く★ 
2006年/アメリカ/100分
監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
出演:グレッグ・キニア/トニ・コレット/スティーヴ・カレル/アラン・アーキン/ポール・ダノ/アビゲイル・ブレスリン  公式サイト

去年、劇場で最後に観た作品は「明日へのチケット」汽車に乗ってのロード・ムービーだった。
そして今年の一本目は「リトル・ミス・サンシャイン」黄色いフォルクスワーゲン・ミニバスに乗った崩壊寸前の家族がアリゾナの乾いた土地からひたすらカリフォルニア目指して旅をする、これまたロード・ムービー。

旅の途中に次々に起こる事件(?)に思わず声を上げて笑ってしまい、そのきつ~いユーモアに「ひょえ~!」となり、そのくせ自然にほろりっとなって・・何がどう、じゃなくて作品の流れに自然に乗って旅していた。この家族を素直にしみじみとした目で見ている自分に気付く。まさに人生は旅、な~んてね!

大好きロード・ムービー!

ところで、これは(↓)前売り券、ミニバスの形になっています。(バスの形になっている線が見えるかなぁ?)こんな可愛いの初めて!!

         
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レント/RENT

2006-11-30 00:10:07 | 映画 ら行
           

2006年/アメリカ/135分
監督:クリス・コロンバス
原作:ジョナサン・ラーソン
振付:キース・ヤング
作詞作曲:ジョナサン・ラーソン
出演:ロザリオ・ドーソン/テイ・ディグス/ジェシー・L・マーティン/イディナ・メンゼル/アダム・パスカル/アンソニー・ラップ/ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア/トレイシー・トムズ/サラ・シルヴァーマン

プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」を下敷きに、1989年12月24日のニューヨークに舞台を移し、そこでエイズ、ドラッグ、など様々な現代の問題に悩みつつも懸命にそれぞれの夢、愛、友情を追い求める毎月の家賃(=RENT)も払えない貧しいけれど輝いている若者たちの青春のただ中の一年間を描き出す作品。

ミュージカルというと台詞と台詞の間に歌が挟まれる、というイメージを抱いていたんだけれど、これは殆どすべてが歌でつながれて話が進行していくの、まさにオペラ!!極上の
そこに流れる音楽の素晴らしさ歌もダンスも映像も、ただもう素晴らしいの一言。
あぁ、もおぉぉ~、なんでこんなに素敵なのっ!そして、うまいのっ!!(公式サイトの中の予告編を是非ご覧あれ!)魅了されました
未来はない、過去はない、今日を生きる、と歌う彼らに思わずうるうる~
真っ向、直球勝負!まさにストレートにこちらの胸にずばっと届きました。確かに受け止めたぜっ
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リバティーン

2006-11-28 00:09:28 | 映画 ら行
           

2004年/イギリス/110分
監督:ローレンス・ダンモア
原作戯曲・脚本:スティーヴン・ジェフリーズ
音楽:マイケル・ナイマン
出演:ジョニー・デップ/サマンサ・モートン/ジョン・マルコヴィッチ/ ロザムンド・パイク/トム・ホランダー/ジョニー・ヴェガス/ケリー・ライリー/ジャック・ダヴェンポート

チラシも二種類ゲットして観る気満々だったのに、ちょっと出遅れて結局見損ねた作品。TSUTAYAでもうレンタル始まったので早速借りてきた。
あっという間の110分、ジョニー・デップって凄い~あぁぁ、劇場でやっぱり観たかった。

全編を通じて灰色、全体を覆う暗いトーンがその時代(17世紀、王政復古のイギリス)をリアルに感じさせた。特にぬかるみのべちょーっとした感じ、足の裏にそれが冷たくぺたっとつく感じ、汚い街に顔を見せるチラッと出てくるネズミに病気も蔓延しただろうと納得させられる。そして売春婦、女優の置かれた立場など興味深い。
こうした時代の中でロチェスター卿の本能のおもむくままの自由な生き方、破天荒な言動は自分自身を燃やして光る炎のようだ。持て余すほどの才能を繰る日々、そして同時進行する酒と女性に溺れ破滅に向かって一直線に突き進む日々、それは狂気の日々でもある。灰色の世界の中で彼の燃やす激しい炎は煌きそしてぱたりと燃え尽きる。
ロチェスター卿をめぐる女優のエリザベス、妻エリザベスそして娼婦ジェーンという三人の女性の彼に対する愛、彼女ら自身の生き方が対照的に描かれその姿が深く心に残る。
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