Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

夏の日、上野で。

2024-08-08 22:32:45 | 展覧会・建築・器

思いがけず、ぽつっと空いた夏の日。かねてより見たかった西洋美術館で開催中の『内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙』に上野に出掛けた。

会場:国立西洋美術館 企画展示室

会期:2024年6月11日(火)〜8月25日(日)

開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は9:30~20:00)
※入館は閉館の30分前まで

入場料:一般1,700円、大学生1,300円、高校生1,000円

2019~2020年度に3期にわたって開催された小企画展の2期、3期の展覧会で内藤コレクションに初めて接し、その作品の一葉一葉に感激し深く感銘を受けたことはいつまでも忘れられない鮮烈な思い出となって心に残っている。

そして同時に数十年にわたって収集したコレクションを一括してこの国立西洋美術館に寄贈された内藤裕史氏に感動した。

そのコレクションの大多数が一堂に展示されるという『内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙』が8月25日まで開催中で見に行くのを楽しみにしていた。

記事⇒内藤コレクションⅡ内藤コレクションⅢ

過去の内藤コレクション展の1番目『ゴシック写本の小宇宙— 文字に棲まう絵、言葉を超えてゆく絵』は見損ねてしまっていたので、この展覧会でその折に展示されたものも見られると期待もした。

印刷技術のなかった中世ヨーロッパで薄く加工された獣皮紙に、すべて人の手によってテキストを筆写し、ただそれだけでなく中には余白に美しく華やかな装飾として彩飾が施されたものも多く、それらの前に立ってその一葉一葉を見ているとそこに込められ費やされた労力、時間、アイデアの膨大さに圧倒される。

暗い修道院の一室で一心不乱に羽根ペンを動かしている背中が見えるよう、などと妄想を膨らませてみる。そしてまた、こういう豪華な写本を作成した教会、また王族・貴族といった人々の財力についても想像してしまう。

これだけのコレクションを一堂に見られるとは、まさに宝物のいっぱい詰まった箱の中をのぞいたよう!

作品の保存のためだろうと思うが、冷房が効いていて展示室の中は酷暑の夏を忘れ、寒くなるほどだったが、気持ちは美しいものを堪能した喜びに満たされた。

この展覧会でも一部の『撮影禁止』作品を除き、撮影できるようになっている。

思わずへへっと笑ってしまうような獣皮紙の隅に書き込まれた人の顔、鳥、魚、動物などがあるかと思えば、その時代の遠近法で描かれた風景、その時代の植物、装飾の数々に魅了された。

  

こんな風に修道士たちが写本を書架において楽譜を指し示しながら聖歌を歌っていたんだなあ。

おっ、楽器たち~♪

   

真面目な風で、でもなんとなく笑っちゃう。

  

色んな人、動物たちが次々登場。

  

こんな鳥が歌い、花が咲き、そして人々の向こうに広がるその当時、中世の風景。

    

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三鷹市美術ギャラリー収蔵作品展Ⅴ@三鷹市美術ギャラリー

2024-07-27 22:23:20 | 展覧会・建築・器

三鷹市美術ギャラリー収蔵作品展Ⅴ

【前期】2024年6月1日(土)~7月7日(日)
【後期】2024年7月13日(土)~8月18日(日)
会場:三鷹市美術ギャラリー(第1・第2展示室)

前期:福島修子、藤江民、筆塚稔尚、堀浩哉、前田常作、最上壽之、元永定正、森田沙伊、山下菊二、山本正(※)、
   横尾忠則、𠮷田穂高、吉田政次、依田順子、依田寿久、依田洋一朗、和田賢一

後期:横山操、米谷清和、李禹煥

開館時間:10:00~20:00

観覧料:無料

JR三鷹駅南口前のCORAL5階にある『三鷹市美術ギャラリー』で開催中の『三鷹市美術ギャラリー収蔵作品展Ⅴ』の後期の展示を見てきた。

今回は横山操の新聞小説の挿絵153点を中心とし、米谷清和、李禹煥の3作家の作品198点を展示している。

そして、2020年より毎年開催してきた三鷹市美術ギャラリー収蔵作品展は、今回の第5回で最終回となるということをチラシで初めて知った。

最後の最後に見られてよかった!(会期は8月18日まで)

最近、展覧会では写真撮影OKの会場が多くなったが、今回も同様でフラッシュ撮影は禁止だが撮影は許可されていた。

毎日新聞夕刊に連載された永井龍男の小説『石版東京図絵』の横山操の挿絵を中心とした作品の展示。

 

細かな指示が鉛筆で書き込まれているのも興味深く、その小説は知らないながら1枚1枚に描かれている人物、物、風景などに想像力をかき立てられた。

  

  

以前同じギャラリーで米谷清和展を見ていたので、今回また彼の作品に出会えることにワクワクした。

頭の中で覚えていた彼の作品は、今回実際に目の前にするとその大きさに「こんなに大きかったっけ」と思うくらい大きかった。時間の経過のせい、だろうか。

今回、もう一度しげしげ眺めることができて本当によかった。

今ではほとんど見ることがなくなった風景、「Phone」

 

「夕暮れの雨」

どの絵からも音、ざわめき、空気そして温度と湿度とが伝わってくるよう。

そして李禹煥の一枚。

充実した収蔵展を楽しんだ。

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三島喜美代 未来への記憶@練馬区立美術館

2024-07-09 22:40:12 | 展覧会・建築・器

  

三島喜美代 未来への記憶

会期:2024年5月19日(日)〜2024年7月7日(日)

会場:練馬区立美術館

三島喜美代(1932-2024.6.19)

初期の油彩画や、新聞、雑誌等をコラージュ下前衛的な作品から、陶にシルクスクリーンで印刷物を転写した多様な立体作品、大型インスタレーション、産業廃棄物を作品に取り込んだ近作まで焼く90点の作品を通して、これまでの三島の創作活動を振り返ります。~練馬区立美術館HPより

 

練馬区立美術館で開催されていた『三島喜美代 未来への記憶』展を鑑賞した。

東京の美術館で開催される彼女の初めての個展ということで、しかも7日に終了してしまうというので7月に入ってすぐ出かけた。

今回の展覧会では三島喜美代氏の初期の平面作品から陶の立体作品、インスタレーション、そして近作までが展示されるということで、初めて氏の作品を目にする機会にわくわくした。

展示室に入って最初の作品は初期の油彩画でその色、色彩、構図、なんとも魅力的。

 

そして陶の作品が次の部屋に続く。

 

え、これが陶でできているの?と驚きつつ、面白がりつつ、感動しつつ眺める。 

 

途中の部屋で彼女のインタビューが流されているのだが、これが面白い。

どんな風に彼女の作品は生み出され、また変遷してきたのかなど、その他の色々なことが彼女自身によって語られる。 

  

『20世紀の記憶』。部屋いっぱいに敷き詰められた耐火レンガ、ブロックに圧倒される。

 

実際に作品に触ることができるコーナーでこの二つの作品を持ち上げてみた。

重い!

作品を直に手で触ることできる瞬間!

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ブランクーシ 本質を象る@アーティゾン美術館

2024-07-01 22:20:55 | 展覧会・建築・器

ブランクーシ 本質を象る

会場:アーティゾン美術館6階展示室

会期:2024年3月30日(土)ー7月7日(日)

開館時間:10:00~18:00

ルーマニア出身の彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(1876-1957)は、純粋なフォルムの探究を通じて、ロダン以後の20世紀彫刻の領野を切り拓いた存在として知られます。本展は、彫刻作品を中核に、フレスコ、テンペラなどの絵画作品やドローイング、写真作品などが織りなす、ブランクーシの創作活動の全体を美術館で紹介する、日本で初めての機会となります。ブランクーシ・エステートおよび国内外の美術館等より借用の彫刻作品約20点に、絵画作品、写真作品を加えた、計約90点で構成されます。~HPより

 

彫刻家ブランクーシの作品が一堂に見られるという展覧会『ブランクーシ 本質を象る』展が開催中で、しかも会期が7月7日までということでウェブ予約チケットを取って出かけた。

初めてのウェブ予約、初めてのアーティゾン美術館、日本の美術館で開催される初めてのブランクーシ展と、初めて尽くし!

会場内は殆どの作品が撮影許可になっていたので、平面はもとより、立体である彫刻作品を前後左右から撮ることも可能だった。

カタログの表紙になっている「接吻」

  

向こうの壁面にモディリアーニが展示されている。

 

「眠れるミューズⅡ」

 

「レダ」

 

「若い男のトルソ」「魚」

 

白い空間に光が差し込んだ展示室、

ここはブランクーシのアトリエを再現した空間に設置された彫刻作品。

  

「空間の鳥」

 

彫刻作品以外に絵画・素描、そして写真と見どころ満載。

そして展示室の一つで公開されている記録動画も興味深く見入ってしまった。 

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人の手の花瓶にバラを活ける

2024-06-14 22:00:33 | 展覧会・建築・器

いつもそこに並べられている品物を眺めるのを楽しみにしているバルセロナの”gyu's shop”で何度か見かけていたこの形の花瓶。

その不思議なデザインと果たして花瓶として花を活けたらどんな風に見えるのだろう、といつも見る度に思っていた。

人の手の形というと、丸い石を持った指輪をはめた婦人の手のドアノッカーを街角で幾つも見たことを思い出す。

”花束を持つ手”と思っていて、説明を読んだら

<指輪をはめた貴婦人の手が、豊穣の角を持っている、オパリンガラスの花瓶。1920年代のアール・デコのもので、花がとても引き立ちます。

人の手の形のオパリンガラスの花瓶を見てきましたが、ブルーは初めて。>

とあった。花束の花抜き状態の物を持っているわけではなくて、”豊穣の角”

大分長い間どうしようかなあ、と迷っていたけれど「値下げしました」に背中を押されてポチした。

そうそう、オパリンガラスについては、他のところでこんな説明を読んだ。

「オパリンガラスとは、オパールの様な乳白色のガラスで、16世紀ヴェネチアで考案されました。当時人気で高価だった磁器に似た風合いと、女性らしい優しいデザイン性から、フランスの王政復古期1815~1830年頃に人気となり、フランス国内では1900~1930年頃に最も製造されました。様々な物質を混ぜる事で、オパール色の他にもブルーやピンク、黄色等を作る事も出来ました。」

期待高まる中、到着した花瓶。

青いどっしりとしたガラスでできており、指輪をはめた手でしっかりと豊穣の角をつかんでいる。

  

ドキドキしながら、バラの花を活けてみた。

6本の華やかなバラが・・・似合う!!

Γバラをどうぞ!」と言われたような、言われないような😃

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イワタルリ展~色彩と造形の器~@柿傳ギャラリー

2024-05-22 22:34:56 | 展覧会・建築・器

5月16日(木)~5月21日(火)まで新宿東口にある「京懐石・柿傳」の地下1階にある柿傳ギャラリーで開催されていた『イワタルリ展~色彩と造形の器~』展に行った。

一歩入り口から入り階段を下りていくと、そこに広がっていたのは都会の喧騒から離れた別世界、異空間。

静かで落ち着いた雰囲気の漂う中で展示された作品を鑑賞できるギャラリーだった。

想像していたよりずっと広い会場で、並べられていた作品も多く、またその種類もぐい飲みや小皿と言った小品からオブジェのような大きな作品まで、繊細なものから大胆で力強いものまで展示されていてまさに色彩と造形を楽しむ展示だった。

ガラスが自在に変化して目の前に色々な表情を見せてくれるのに驚き、その美しさに目を奪われた。

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白糸と色糸のおはなし@ギャラリー ラー(Galerie La)

2024-05-18 21:13:03 | 展覧会・建築・器

銀座1丁目の奥野ビル6階にあるギャラリー ラー(Galerie La)で開催中の2種類の刺繍作品による展覧会『白糸と色糸のおはなし』に出掛けた。

このギャラリーのある奥野ビルは、この建物自体が素晴らしくレトロで、それがぴかぴかの建築物が並ぶ中で逆にモダンに感ぜられる。

外観とエレベーターホール。

 

エレベーターの上のエレベーターの位置表示盤。

このエレベーターには2枚のドアがついていて、目の前で停止したら赤い扉をまず開け、次にその中の黄色の蛇腹状の扉を開けて乗り、乗り終わったら必ず2枚とも閉めてからエレベーター内の行き先階を押すとゆるゆると目的会を目指して動き出すという仕組みだ。

そうして到着したギャラリー ラー。

白糸はAemilia Ars:アエミリア アルスという刺繍で、これはイタリア・ボローニャで生まれ、イタリアに伝わる伝統文化の一つで空気を編むと言われている、縫い針で編むレース編。木綿糸で台紙のデザインに従って編むのだそうだ。

出品作家は五十嵐和子、中村美紀、門廣真弓、藤野照子、日下順子、森ゆみ、田中和江、山﨑知子の各氏。

そして、色糸は色糸針箱氏によるクロス ステッチ作品が画廊の壁を彩る。

美しく繊細で一つの作品に込められた思い、閉じ込められた時間や布に一心に向かって針を動かす姿を想像するとなんだか胸が一杯になってしまう。

白一色のアエミリア アルスに対して信じられないくらいの多数の色糸を使ってまるで織ったかのように細かく施されたクロスステッチの作品群のコントラストが見事だった。

人の手はすごい!すごいものだ!!

会期:5月16日~5月21日まで、11時~19時(最終日は16時まで)

ギャラリー ラー:銀座1-9-8 奥野ビル6階 アエミリア

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第46回 日本新工芸展@東京都美術館

2024-05-16 21:40:56 | 展覧会・建築・器

東京都美術館で開催中の『第46回 日本新工芸展』、第7回学生選抜展併催に上野に出掛けた。

会期:2024年5月12日(日)~5月18日(土)

   9:30~17:30(入場は17:00まで)、最終日は9:30~12:00(入場は11:30まで)

会場:東京都美術館1階第3・第4展示室
 
今年で46回目というこの展覧会だが、訪れたのは今回が初めてだった。
学生展も含め、8室に分かれた展示は盛りだくさんで、特に布の作品、なかでも染色作品の多さは目をひいた。
 
展示室の風景
 
 
実はこの展覧会を訪れたのは、今回この公募展に初めて応募し、「祝宴」という染色作品で『上野の森美術館奨励賞』を受賞したという知らせをこざわちはる氏から受けたのである。
 
彼女は連れ合いが勤めていた大学のテキスタイル専攻の学生だった頃からの付き合いであり、彼女の作品のファンでもある我が家には何点かの作品が部屋を飾っている。そのポップな色使いと造形はいつ眺めても心躍らせられる。
 
さて、展示室4に入り、壁面に並ぶ染色、織りの作品の中を見渡してみると、きっとあれだ!と思う作品が目に付いた。
近寄ってよくよく眺めた!
これが、こざわちはる作『祝宴』
 
受賞作「祝宴」のキャプションには
「素材は知多木綿のちりめんである。海産物の伊勢エビをモチーフとしてデザイン化した。ポップで新鮮で新しい感覚の着物に仕上がっている」とある。
うっは~いいね、楽しいね
これを着た彼女も是非見たいもの!きっとさらっと着こなしちゃうんだろうなぁ!これからの活躍がますます楽しみだ。
 
またこの展覧会では、竹工芸作品は九州からの出展が多く、地域の特性というか竹の植生といったらよいのか、興味深かった。
そんな学生展で出会った竹工芸の作品。
 
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サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ 永遠の謎 ―@角川武蔵野ミュージアム

2024-04-01 22:34:31 | 展覧会・建築・器

東所沢にある『角川武蔵野ミュージアム』で開催されている『サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ 永遠の謎 ―』展に行った。

実はある雑誌でこの展覧会の「招待券プレゼント」に応募したら、あら、びっくり!当選~

このミュージアムができたのは知っていたが未だ行ったことがなかったので、ちょうどいい機会だと出かけた。

これは「体験型デジタルアート劇場」ということで、「アートと物語を全身で浴びる没入(イマーシブ)体験。」ができるという。

ミュージアムも初めてなら、こういう体験型の展示も初めてだ。

展示会場全体が映像と音楽に満たされて、その中を鑑賞者は自由に行き来できる。

 

階段状の座れる場所があり、また床にも座席が置かれ、好きな場所で楽しむことができるようになっている。

 

壁面から床までが一体となって、刻々変わる景色の様子。

 

色々な展示の仕方があるのだなあ、楽しみ方も様々なのだなあ、などつらつらそんなことを思いつつ、

 

ダリの作品を素材とした映像作品を見た、というのが正直な感想である。

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『ピカソ いのちの賛歌』@ヨックモックミュージアム②

2024-03-31 21:58:02 | 展覧会・建築・器

ヨックモックミュージアムではセラミック以外にも興味深い作品が展示されている。

生き生きしたカエル、トンボ、バッタ、三枚のファクシミリ。そのどれもが迫力満点でこちらに迫ってくる。

  

特別出品作の油彩画『お菓子』

ほっとするようなやわらかな雰囲気に満ちた一枚。

セラミックの作品。

  

どこをみても、どこにいてもピカソ!楽しい!!

    

出口近くに設えラれているピカソの部屋、椅子に座ってピカソ気分で記念撮影ができちゃうよ!

ゆっくり心行くまでピカソと向き合える素晴らしい美術館だった。

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『ピカソ いのちの賛歌』@ヨックモックミュージアム①

2024-03-29 23:01:29 | 展覧会・建築・器

展覧会名:ピカソ いのちの讃歌 / Picasso: Odes to Nature

会期  :2023年10月24日(火)〜2024年9月23日(月・祝)

監修  :岡村多佳夫(美術史家)
監修  :町田つかさ(和泉市久保惣記念美術館 学芸員)

主催  :ヨックモックミュージアム

休館日 :毎週月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館)、年末年始

開館時間:10:00-17:00(入館は開館の30分前まで)

ヨックモックがピカソのセラミック作品を収集し、それを公開している南青山にある『ヨックモックミュージアム』。

いつか行ってみたいと思っていたのだが、『ピカソ いのちの讃歌 / Picasso: Odes to Nature』展覧会が開催されていると知りでかけた。

ここはヨックモックが30年以上かけて収集した500点を超えるコレクションを収蔵しており、開館は2020年に開館したという美術館でそのHPによると

「ヨックモック・コレクションは、ピカソの幅広い芸術活動のなかでもセラミック 、中でもピカソの許可のもと厳重に管理をされて制作された「エディション」と呼ばれる作品を中心に収集した、世界でも有数のコレクションです。
またセラミック作品以外にも、油彩画や版画などをはじめとするピカソ作品や、貴重書を含む図書資料など様々な資料を収蔵しています。」

とのこと。

楽しみだなあ~!!

美術館の佇まいはモダンでありながら静か、という印象で入口を入るとそこには落ち着いた静謐な空気に包まれた空間が広がっていた。

展示室に入るとそこにあるセラミック作品の数々は、どこからどこまでもピカソ!という感じでわくわくしてくる。

今回の展示作品はピカソの許可のもと厳重に管理をされて制作された「エディション」と呼ばれる作品と、2点のオリジナル、「ユニーク」と呼ばれる作品が展示されている。

キャプションに記されているのだが、どれが「ユニーク」作品かなあ、と探しながら見るのも面白かった。

 

展覧会は「ピカソと闘牛」「ラ・パロマ —鳩への思い—」「フクロウ ー豊かな瞳ー」「手のひらのいのち —海の生き物、虫、鳥—」「いのちを超えて、牧神パンとジャクリーヌ」という5章に分けて展示されていた。

 

 

  

 

 

途中で映像も展示され、また少し長めの映像はそれを鑑賞する部屋が用意されていたのでゆっくり座って観ることができた。

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陶磁器人形

2023-08-12 21:39:48 | 展覧会・建築・器

陶磁器で作られた陶磁器人形・フィギュリンはその表情、肌合いなど魅力的だ。

先だって帰省した際、実家に置いてあったフィギュリンを連れてきた。

ゲーベル社のフンメル人形で楽器を弾く女の子、裏には”W.Germany”の文字がある。

この楽器を弾く女の子の姿と顔の表情から音楽を奏でている今その時にかける一心さ、まじめさ、健気さが伝わってきて、ああ、いいなあと思う。

この人形はその昔、父が海外出張の折に仕事で忙しい中、彼の地でお土産として買ってきてくれたものだ。

壊れやすいこの子をそおっと大事にスーツケースの中に入れて持ち帰ってきてくれた父のことが思い出される。

 

また別の出張の機会にはデンマークでロイヤルコペンハーゲンの本を読む少女のフィギュリンを持ち帰ってきた父。

私は陶磁器が好きだし、フィギュリンも好きで大事にしているが、そういう思いはこうした父の持ち帰ってくれた土産の人形を眺めていたからかもしれないな、と思ったりもする。

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西大路雅司 あかり展@Galerie412(ギャルリー412)

2023-07-31 21:40:35 | 展覧会・建築・器

表参道にある画廊”Galerie412(ギャルリー412)”で7月24日から29日まで開催された建築家・西大路雅司氏の「あかり展」を見に行った。

HPに

<1974年に旧同潤会青山アパートにオープンした画廊です。絵画や彫刻、詩や文学、音楽をテーマに、ジャコメッティ、ベン・シャーン、ル・コルビジェ、篠田桃紅、野見山暁治、佐野ぬい、山中現、ケンジ・スズキ、渡邊加奈子等の展覧会を企画。貸ギャラリーとしてもご利用いただけます。>

とあるこの画廊は建物の3階にある。

同潤会アパートの雰囲気をそのまま伝える外観、ギャルリー412の412は4丁目12番地からとったそう。

左は外観、右は中の階段から外が見える小窓。

 

様々な表情で輝くあかりの数々が来廊者を迎えてくれる。

 

ろうそくの揺らぎに動き、変化するあかりにふっと安らぐ。

  

会期:2023年7月24日(月)- 7月29日(土)

場所:Galerie412(ギャルリー412)

OPEN     13:00 - 18:00

会期中、この日の展覧会の後に画廊で開かれた秦琴(しんきん)奏者、深草アキ氏のミニ・コンサートも堪能して画廊を後にした。

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世界名画ファイル、再び

2023-02-24 22:13:43 | 展覧会・建築・器

以前、100均の「キャン★ドゥ」で見かけて以来(こちら)最近はとんと見かけなくなって淋しいなと思っていた『名画ファイル』にひょっこり近所のスーパーの2階にある店で出会った。

嬉しくなって、思わず全種類1枚ずつ購入して並べてみた。

右側のフェルメールはファイルの間に仕切りが2枚入っているのでつごう3パートに分けて使えるようになっている。

左側は普通のクリアファイルの作りになっていて、上部2枚はゴッホ、下部2枚はモネの絵画。

 

クリアファイルは透明なのが中身がぱっと一目でわかっていいけれど、こんな風な絵画だとか何かプリントされているものも使っていて楽しい。

このシリーズ、名画ファイルだけではなくて、「ミュージアムシリーズ」としてマスキングテープ、レターセット、付箋、シール etc.etc.も店頭に並んでいて思わず「ほほぉ~」と眺めてしまった。

ここ最近はコロナ禍もあり美術館が少しばかり遠くなっている感は否めないのだが、そんな中で美術館にある作品がぐっと身近になったようで、ちょっと嬉しい。

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レリーフのあるスプーン

2023-01-29 20:55:49 | 展覧会・建築・器

小さいものは魅力的だ。

今回見つけたのは、「ベルギー製の、かなり凝ったレリーフのあるスプーン」2種あったのだが、その中の一本で、長さ11.2㎝、幅2.4㎝、11gとほんとに小さなアンティークのもの。

 

スプーンの先のくぼんでいる部分にキャンバスに向かう画家のいるアトリエの風景がレリーフで浮かび上がっていて、柄の部分にも細工が施され、柄の先端にはブリュッセルという文字と勇ましい天使(?!)あるいはブリュッセルの守護聖人(?!)が彫られている。

拡大するとこんな感じ。

 

眺めていると想像力がかきたてられ飽きない、そしてそれが楽しい。

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