Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ピアノ・デュオの夜

2017-11-25 23:07:10 | 音楽
久しぶりにピアノ・デュオを武蔵野市民文化会館小ホールで聴いた。
題して『デジュー・ラーンキ&エディト・クルコン ピアノ・デュオ・リサイタル』

(画像はHPからお借りしました)
ハンガリーのピアニスト、デジュー・ラーンキを初めて聴いたのは未だ学生時代、かっこよかったなぁ~。
それからン十年、いい具合に年を重ねて渋さも増して・・・なんて、どうでもいい話だが、つい我が身も同様に年を重ねている事を棚に上げて舞台に登場した姿を眺めてしまった。
プログラムには、第一ピアノを弾いたエディト・クルコンは彼の伴侶であり、二人の息子も同じくピアニストだと書かれていた。

この日のプログラムは
J.S.バッハ:オルガン小曲集より
J.S.バッハ(クルターグ編):我らキリストをたたえまつる BWV611
J.S.バッハ(クルターグ編):最愛なるイエスよ、我らここに集いて BWV633
など7曲。
B.ドゥカイ:満ちゆく月のライオンたちの泉---赤、陽の光、水と岩で作られた、
など彼の作品を4曲。
J.S.バッハ(ドゥカイ編):聖霊の降臨、休息する心
F.リスト:ダンテ交響曲
という濃いものだった。しかも、全作品がハンガリーの作曲家の手によるもので(バッハはドイツ人だが、編曲者はハンガリー人)、それをハンガリー人である彼らが演奏するという、考えてみればハンガリー的なものを正統に聴ける稀な機会だった。
今回、彼らの為に書かれ献呈されているというドゥカイの作品を初めて聴いたが、シンプルでいて深遠、寡黙なようで実は饒舌、といった印象を受けた。たいへん興味深く、楽譜を是非見たいと思った。
2部はリストの大曲ダンテ交響曲。躍動感に満ち、二人の息がぴったりシンクロしているのが実に気持ちよかった。
今回、小ホールで2台ピアノで音量がどうだろう、大きすぎたら、など思ったがすべて杞憂だった。
しかも、スタインウエイを使っていたが、いつもかのピアノのイメージとして浮かぶ華麗すぎる音ではなく、やわらかな美しい響きであったのに第一音から吃驚させられた。
音楽会として充実して楽しかったし、10年来勉強し続けているピアノ・デュオについても考えさせられ勉強させられた一夜だった。
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深まりゆく秋に~♪

2017-11-20 23:07:50 | 音楽会
          
日曜日に狭山市民会館で毎年恒例の『第41回 狭山市合唱祭』開催されました。
前日の悪天から一転、風は強いものの晴天に恵まれ12時から4時まで大ホールは16団体の合唱による音楽に満たされました。
お忙しい中、お越し下さったたくさんのお客様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

今年、伴奏いたしております合唱団『女声コーラスふじみ』(指揮:三村卓也、ピアノ:守谷としえ)は
1.さびしいカシの木:やなせたかし・作詞/木下牧子・作曲
2.海と涙と私と:やなせたかし・作詞/木下牧子・作曲
3.はっか草:野呂 昶・詩/千原英喜・曲
の3曲を演奏しました。

今回の合唱祭では、初参加のグループ、久しぶりに復帰したグループなど賑やかで、またプログラムもオーソドックスな合唱曲あり、ポップスあり、またアニソンあり、そして踊りあり、鳴り物ありとヴァラエティも豊か~
まさに合唱祭!でした。
また、来年お会いいたしましょう~
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本が届いた!

2017-11-14 23:05:33 | 
注文していた本が届いた。
TVドラマ『この声を君に』でその本の朗読を耳にして、是非実際に読んでみたいと思ったのだ。
ミーハー~
在庫がなくて、到着はかなり先になると聞かされたのだが、「予定が早まりました」との知らせが届き、それから程なくして届けられたのだ。
ワクワクして封を切って見ると、出てきたのがこの表紙↓え・・・!?

しかも「あの二人の朗読で大反響中!」ですと!!
よくよく見れば、文庫本に2枚のカヴァーがかけられていて、一枚目をめくると表紙が出てくるようになっている。

『回転ドアは、順番に』 (ちくま文庫)穂村 弘・ 東 直子(著)
二人の歌人による歌を連ねていく「連々歌」と名付けられた歌による一冊の本。
春に出会い、春の別れまで(しかしそれがまた始まりに戻り)を二人の詠む歌によって創られた一つの物語。歌があり、その後に詩のような断章が続き、そしてそれが呼び交わしあって二人の世界を作り上げていく。歌も詩も読み手の想像力を刺激し、新たな世界を旅する気持ちになる。熱くて爽やかで、思わずどきんとしたり悲しくなったり、心の機微に触れてくる。
そしてそれをTVで見たように声に出して読んでみると、その作品の魅力がより身近に感じられて、新鮮だ。(そういえば、短歌って目だけで読むより声に出した方が、というか読んで欲しいと歌の側からも求められる気がする。)
日本語を声に出して読むことから離れていたな~、と改めて思う。声に出してちゃんときちんと読んでみよう。
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人生フルーツ

2017-11-07 22:51:18 | 映画 さ行
        
2016年/日本/91分
監督:伏原健之
出演:津端修一、津端英子
ストーリー:愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅。雑木林に囲まれた一軒の平屋。それは建築家の津端修一さんが、師であるアントニン・レーモンドの自邸に倣って建てた家。四季折々、キッチンガーデンを彩る70種の野菜と50種の果実が、妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わります。刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす英子さん。ふたりは、たがいの名を「さん付け」で呼び合います。長年連れ添った夫婦の暮らしは、細やかな気遣いと工夫に満ちていました。そう、「家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない」とは、モダニズムの巨匠ル・コルビュジエの言葉です。
かつて日本住宅公団のエースだった修一さんは、阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わってきました。1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。けれど、経済優先の時代はそれを許さず、完成したのは理想とはほど遠い無機質な大規模団地。修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめましたーー。あれから50年、ふたりはコツコツ、ゆっくりと時をためてきました。そして、90歳になった修一さんに新たな仕事の依頼がやってきます。~川越スカラ座HPより

新聞の書評を読んで、その本に関係してこの映画『人生フルーツ』が公開されているのを知った。
検索してみると、川越スカラ座で公開していることがわかったので、これは何とか観たいものだ!と最終日の最後の回で観ることができた。
観られてほんとによかった
東海テレビの制作による津端修一さん、英子さん夫妻の生活に密着したドキュメンタリ映画。
静かで豊かな、二人の年齢を足して177歳のどっしり地に足をつけた毎日の積み重ねが淡々と語られ、観ていると画面の中の空気、風を感じられるようだ。
ナレーションは樹木希林さん、何度か繰り返されるフレーズ、

風が吹けば 枯葉が落ちる
枯葉が落ちれば 土が肥える
土が肥えれば 果実が実る
こつこつ ゆっくり 人生フルーツ

こんな豊かな生活があることに心打たれる。

コメント (2)
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夜明けの祈り

2017-11-03 22:07:46 | 映画 や行
         
2016年/フランス,ポーランド/115分
原題:LES INNOCENTES
監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:ルー・ドゥ・ラージュ(マチルド)、アガタ・ブゼク(シスター・マリア)、アガタ・クレシャ(マザー・オレスカ)、バンサン・マケーニュ(サミュエル)、ヨアンナ・クーリグ
ストーリー:1945年12月、ポーランド。赤十字で医療活動に従事するフランス人女性医師マチルドのもとに、ひとりの修道女が助けを求めに来る。彼女に連れられて修道院を訪れたマチルドは、ソ連兵の暴行によって妊娠した7人の修道女たちが、信仰と現実の間で苦しんでいる姿を目の当たりにする。マチルドは修道女たちを救うため激務の間を縫って修道院に通うようになり、孤立した修道女たちの唯一の希望となっていく。~映画.comより

この作品を観てからほぼ1ヵ月経ってしまっているのだが、これを観たことは残しておこうと思った。
1945年のポーランドで何が起こったのか。第二次世界大戦直後の彼の国で歴史の波に翻弄され、混乱する世界が登場人物一人一人の目を通して描かれる。
その時にはそれが最善だと、それぞれが思い込み行動していたのだが、果たしてその後帰国したマチルドはどうなったたのだろう、同僚の医師サミュエルの立場は、また、この後共産主義の中に呑み込まれていったポーランドにおいて修道院、しかも女子修道院というものが果たして存在を許されたのかどうか、そして修道女たちは・・・etc.etc.
観る側にここで起こったことは起こったこととして突きつけ、そしてどうなっていくのだろう、と投げかけてくる。
一緒に行った友人と、観終わった後、重くなった心を抱えながら、しかし佳品だったねと言いながら帰った。
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モンテヴェルディ生誕450周年

2017-11-01 23:32:08 | 音楽
今年は偉大な作曲家クラウディオ・ジョヴァンニ・アントニオ・モンテヴェルディの生誕450周年の記念年

北イタリアのクレモナで生まれたクラウディオ・ジョヴァンニ・アントニオ・モンテヴェルディ(Claudio Giovanni Antonio Monteverdi, 1567年5月15日洗礼 - 1643年11月29日)は、15歳で最初の歌曲集を出版するなど、早くから作曲家として活動を始めた。1590年、マントヴァ公ヴィンチェンツォ1世に宮廷楽師として雇われ、1602年には宮廷楽長に昇格。モンテヴェルディや画家のルーベンスらの活躍によって、マントヴァはイタリア文化の中心的な存在ともなった。1607年、モンテヴェルディはマントヴァ公の命を受けてオペラ「オルフェオ」を作曲・上演。この作品は、現在も上演される最古のオペラとなった。また1610年には教会音楽史上の最高傑作のひとつともいわれる「聖母マリアの夕べの祈り」を作曲した。ヴィンチェンツォ1世没後の1613年、ヴェネツィアのサン・マルコ寺院の楽長に就任。以後、世を去るまでヴェネツィアで活動した。晩年の代表作には、「ウリッセの帰還」(1641年)と「ポッペーアの戴冠」(42年)の、2曲のオペラがある。モンテヴェルディは生涯にわたって、マドリガーレと呼ばれる合唱曲を作曲し続けた。その初期の作品はルネサンスの様式、すなわち各声部が対等に扱われる厳格な対位法に沿っているが、次第に自由な対位法の、表現方法としても新しいスタイルの音楽に移り変わっていく。そのようにして練り上げた作曲技法によって、オペラや宗教曲などの傑作を生み出していったのである。~参考資料:『ニューグローヴ世界音楽大辞典』 講談社
 
音楽会でも今年は特に多く聴かれるモンテヴェルディの作品ですが、それを合唱&アンサンブルで歌ってみようというセミナーが開催されるのを知りました。そこにはこんな風に書かれていました。

~モンテヴェルディを愛するあなたに贈る~
エクス・ノーヴォ;合唱・アンサンブル セミナー
モンテヴェルディ生誕450周年を記念して、エクス・ノーヴォ室内合唱団の指揮者・福島康晴が全ての人を対象にした合唱&アンサンブルセミナーを開催致します。
講師:福島康晴(エクス・ノーヴォ室内合唱団・指揮者)
演奏曲目:1. 全体合唱
         ・ミサ曲《イン・イッロ・テンポレ》よりサンクトゥス〔SSATTB〕
         ・〈我らはあなたを崇める、キリストよ Adoramus te, Christe〉〔SSATTB〕
         ・ミサ曲(1650年)よりキリエ〔SATB〕
      2. アンサンブル
         ・〈まだ夜は明けず Non si levavʼancor lʼalba novella〉〔SSATB〕
          (マドリガーレ集第2巻より)第1部、第2部
合唱団で歌っていた時からブランクはあるけれど、また毎週の練習に通うというのは無理だけれど、こういう集中講義形式の一日セミナーだったら、しかもモンテヴェルディに特化しているというのだから、ここは思い切って参加してみよう!!と申し込みました。友人も参加されるということで、鬼に金棒、心強い!!
高校時代から合唱を始めて以来、アルト一筋の私ですが、譜読みしてみると覚悟はしていたものの低音の連続~♪やっぱね。
息ばかりで音にならんのう~、と思いつつ楽譜と格闘することしばし。ミサも難しいなと思っていたけれど、マドリガーレはそれ以上
そんなこんなで、ばたばたのどきどきで迎えた当日。
福島氏の元、会場に集まった17名でセミナーが始まりました。
頂いた資料を参考にモンテヴェルディの講義を挟みながら、先ずミサ曲を一曲毎に細かい留意点、解説を伺いながら歌っていきました。
独りで歌っている時は孤独だったけれど、合唱になると自分のパートが全体の中のどのピースであるかがはっきりしてきて嬉しくなってきます。勿論、歌い込めば込むほど、更に深くなってくるのでしょうけれど、この日17名でぱっと合わせて合わせが愉快に思えるなんて素晴らしいと思いました。私は特にサンクトゥスでは音が空からどんどん降ってきて、ありがたや~!という気分になってました。
マドリガーレは、素敵な曲だと思いましたが、力不足で・・・これはまた勉強して出直します、はい!!
充実した一日だったので、あっという間に時間が経ってしまってました。
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