Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

迷子の警察音楽隊

2008-01-07 00:02:39 | 映画 ま行
          *公式サイト
2007年/イスラエル・フランス/87分
原題:BIKUR HATIZMORET
監督:エラン・コリリン
出演:サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカベッツ、サレー・バクリ、カリファ・ナトゥール、イマド・ジャバリン

これが今年最初の劇場での鑑賞作品だということが嬉しい~

はるばるエジプト・アレキサンドリアからイスラエルに演奏旅行でやってきた警察音楽隊の一行が迷子になってしまう・・

コメディなのだけれど全編が詩的で、ユーモアと哀しみが混在して複雑な温かみを醸しだす。
それはあくまで明るい長調の曲の中に宿る哀しみのようであり、また明るさに輝いて描かれた絵画の中にふっと一刷毛の影が射しているようにも感じられる。作品中に流れる音楽は「マイ・ファニー・バレンタイン」、「サマータイム」などと、どこか哀愁を帯びた民族音楽がなのだが、不思議なことにその哀愁の中にそこはかとないユーモアをも感じてしまうのだ。

エジプトとイスラエルという微妙な立場にある2国だけれど、ここではそれは関係ない。あくまで人間対人間、向き合えば同じ人間であり家族もあり、喜びも悲しみも内に秘めているのだ。笑いながら泣き、泣きながら笑う・・・そんな思いを抱いていた。

ところで私はこの作品ツボだったんだけれど、帰りのエレベーターで乗り合わせた一組のご夫婦が「あなた、始まってすぐにぐうぐう寝てるんだもの~。もう一本別の観る?」と話しているのを耳にした。(何しろその一組と私だけだったんで)
う~む、これは案外好き嫌いがあるのかしらん・・・。
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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あけまして (とらねこ)
2008-01-07 14:35:20
遅らばせながら、あけましておめでとうございます
この作品、去年の最後に見て、もうとっくに心の中で締め切っていたはずの、ベストを書き換えることになってしまいました。
いやー、ものすごく私にはツボ!どんぴしゃでしたヨー
帰りのエレベーターの中で冷水を浴びせられる・・実は私にはよくあることだったりします(笑)
私には、忘れられない作品になりました。
DVDになったらもう一度見たいです
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そうです、好き嫌いはっきりと分かれると思います (Sa)
2008-01-08 23:02:38
>これは案外好き嫌いがあるのかしらん・・・。

すご~くあると思いますよ~(笑)
涙がじょわ~!笑ってわはは~!だの、アクションドキュバキュ!なのが映画なのだ、というヒトにはものすごく退屈だと思います(好みはヒトそれぞれですから)

私は、大好きでした。よかったですよね~。
登場人物ひとりひとり
(偏屈で固い隊長さんだの、女はまずくどかねばのちとイケメン兄さんだの、男気あるレストランの姐さんだの、公衆電話の前でひたすら彼女からの電話を待つ青年だの…)
の深い背景は語られないけれど、ひとりひとりが背負っているそれまでの人生に思いを寄せて、ひとりひとりを抱きしめたくなるような、そんな思いを持ちました。

きっと、こういった映画が好きだなあ、というヒト同士は気が合いますよ(笑)、ね
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あれれ、TBが失敗してますね~ (とらねこ)
2008-01-09 00:28:29
ごめんなさい。また送ってみますね。
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とらねこさま! (rubicone)
2008-01-09 00:44:27
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

私もこの作品にすっかり参ってしまいました~むくつけき警官隊の面々のあの妙に明るい水色の制服も何だか可笑しく思い出されます。珍しくパンフも購入してしまいました
これがまた、真っ白な表紙に妙に(?!)スタイリッシュな文字が踊ってる~!!眺めては、思い出し、思い出してはページをめくってみます。

心に残る作品の一つになりました!

TB届きました~!ありがとう!!
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私もこの映画で賀正。 (かえる)
2008-01-09 22:42:35
rubiconeさん、今年もよろしくお願いします。
新春1本目がこの映画だったなんて素晴らしい!
私は年末に観たのですが、記事にするのをさぼっていて、新春1本目のレヴュー記事が本作となりましたー。
イスラエル舞台の映画は結構観てきたのですが、ほのぼのコミカル系は初めてでした。
ユーモアと哀しみが混在する映画っていいですよねー。


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Saさま! (rubicone)
2008-01-09 23:45:27
明けましておめでとうございます。
>好みはヒトそれぞれですから
ですね~!ほんとに。

しかし、これは可笑しくてそのくせ心がしんとして・・という作品で、映像も台詞の間も絶妙で、まったく・・やられちゃいましたよ~!!
空港でずら~っと並んで写真を・・というとこに、掃除のおじさんが隊長のまん前に来て作業する、シャターは切られる、というところからもうすっかり虜でしたわ~!

今年もよろしくお願いいたします。
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かえるさま! (rubicone)
2008-01-11 00:15:09
今年もどうぞよろしくお願いいたします~!

>私もこの映画で賀正
う~ふふ、う~ふふ、嬉しいなぁ!
観ている間中も、やられた~!とこの複雑な温かさにどっぷりだったのですが、時間がたってもその思いは心に留まり続けているんですよね~!!素敵だっ
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新年明けましておめでとうございます (Puff)
2008-01-13 02:08:59
年明け早々バタバタしていて激しく出遅れましたが、、

新年明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願い致します~

ワタシも本作が今年のお初映画となりました。
良い映画を観れて嬉しいです。
何だか幸先良い感じ。うふ

気まずい居心地の悪さもあの間合いが何ともユニークでしたね。
それからカーレドの恋愛指南も可笑しかった!
クス・・・と笑える中にもふと切なさと哀愁が感じられて。
温かさと心地良さがありましたよねん。。。
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Puffさま! (rubicone)
2008-01-14 23:57:04
明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします

Puffさんも、この作品で年明けだったんですね~♪
つい、クスッとかエヘッとか、なりつつぐっときてしまってました。
一つ一つのエピソードが丁寧に積み上げられて、でもよく考えると「一日」の間に起こった出来事だったんですよね~。
しかし、両国の間にあんな時代があったとは・・・!!
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夫婦 (kimion20002000)
2008-06-30 01:18:06
TBありがとう。
うーん、どうなのかな。
その夫婦は、また次の作品でも寝ちゃうんじゃないでしょうか(笑)
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