Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

何者

2016-10-27 22:01:31 | 映画 な行
           
2016年/日本/97分
監督:三浦大輔
原作:朝井リョウ
脚本:三浦大輔(
出演:佐藤健(拓人)、有村架純(瑞月)、二階堂ふみ(理香)、菅田将暉(光太郎)、岡田将生(隆良)、山田孝之(サワ先輩)
ストーリー:就職活動の情報交換のため集まった大学生の拓人(佐藤健)、光太郎(菅田将暉)、瑞月(有村架純)、理香(二階堂ふみ)、隆良(岡田将生)。海外ボランティアの経験や業界の人脈などさまざまな手段を用いて、就活に臨んでいた。自分が何者かを模索する彼らはそれぞれの思いや悩みをSNSで発信するが、いつしか互いに嫌悪感や苛立ちを覚えるようになる。そしてついに内定を決めた人物が出てくると、抑えられていた嫉妬や本音が噴きだし……。~シネマトゥデイより

上映中続く緊張感と、舞台で演劇を見ているような臨場感とが混ざり合い、より緊張感を高められた気がする。
リクルートスーツに身を包んで就活に励む若者の姿を目にすることは多いが、その中身の厳しさ、過酷さの一面が画面から伝わってきた。
激しい競争の中で自分とは何者であるかを他者によって眼前にさらけ出されたり、また何者であるかを見失い改めて自分に問い掛けたり・・そして自分自身の心の闇をのぞき込み、それをまた暴かれる瞬間に立ち会わざるをえなかったり・・・。
しかし、自分についてどれほどのことを、この自分は知っているのだろうか、とふと立ち止まって考えさせられ、ぞくっとしたり・・・実に面白い作品だった!!
つい、帰路に本屋で新潮文庫の原作を購入してしまい、映画会社と出版社の目論見にまんまと乗せられてしまっていた私だった。
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ニッポンの、みせものやさん

2013-04-06 22:45:06 | 映画 な行
            
2012年/日本/90分
監督:奥谷洋一郎
出演:大寅興行社のみなさん、大野裕子、西村太吉、西村みよこ、斎藤宗雄
協力:大寅興行社、松坂屋興行社、ワールドオートバイサーカス、カルロス山崎、小池陽子、戸次和歌子、森浩二、門伝仁志、佐藤真、筒井武文、山上徹二郎
撮影・録音:江波戸遊土、遠藤協、奥谷洋一郎、早崎紘平、渡辺賢一
ストーリー:2010年以降唯一の見世物小屋となっている大寅興行社のメンバーたちは津々浦々を回り、旅をし続けるという暮らしを送っている。目的地に到着すると総出で荷物をトラックから運び出し、仮設小屋を組み立て始める。夜のとばりが降りると派手な看板が光を放ち、客寄せの口上が場を盛り上げ、明かりがともった小屋では太夫と呼ばれる出演者たちが出番を待っている。~「シネマトゥデイ」より

川越スカラ座でこのドキュメンタリを観るというのもまた雰囲気がよくて・・・ってどういう雰囲気なんだ
実際には一度も入ったことのない見世物小屋、でもそこで一体何が見られたのかということには興味津々だった。
宮沢賢治の『祭りの晩』で亮二が入った見世物小屋を想像するのがせいぜいで、あとは呼び込みの口上をはるかな記憶にたどるくらいだったのだが、ここで最盛期には300軒ほどあった見世物小屋の最後の一軒『大寅興行社』のドキュメンタリが見られるというのでわくわく出掛けたのである。
「お代は見てのお帰り~」と言う通り、お客は先ず小屋に入って見物しそして出ていく時にお代を払っていく。そこで見られる太夫さんの芸には度肝を抜かれた。「ひょえ~、す、すごい~」
フィルムは大寅興行社を10年かけて追いかけたその貴重な記録である。近い将来、もう見られなくなるかもしれないという危機感と、そこに確かに息づきそしてまた同時に失われようとしている一つの文化の記録と記憶に胸が熱くなりそして締め付けられる

*見世物小屋(みせものごや)とは
好奇心をそそり驚かせるもの(珍品、奇獣、曲芸など)を見せる小屋。
室町時代に始まり、歌舞伎や人形浄瑠璃とともに京都の四条河原をにぎあわせた。江戸時代に、江戸を中心に隆盛した大衆文化のひとつとして発達した。現代でいうところの、サーカス・美術館・動物園・お化け屋敷・芸能パフォーマンスなどに匹敵するような種々雑多の意義を内包していたといえる。
全盛期の江戸後期には全国で300軒もあったが、1950年代末には48軒、1980年代後半には7軒と減少し、1990年代には4軒、2010年以降は大寅興行社1軒のみとなっている。~UPLINKより


映画『ニッポンの、みせものやさん』予告編

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西の魔女が死んだ

2008-07-08 00:01:41 | 映画 な行
            *公式サイト
2008年/日本/115分
監督・脚本:長崎俊一
原作:梨木香歩
出演:サチ・パーカー、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一、鈴木龍之介

あらすじ: 中学生になったばかりのまい(高橋真悠)は登校拒否になり、大好きなおばあちゃん(サチ・パーカー)の住む田舎で過ごすことになる。日本に長年住むイギリス人のおばあちゃんは、西の魔女と呼ばれていた。まいはおばあちゃんから魔女の手ほどきを受け、何でも自分で決めるということを教わる。(シネマトゥデイ)

何に一番心惹かれたかというと、それは「緑の美しさ」
濃い緑、薄い緑・・・ああ日本の山の緑ってきれいだなと。その緑を見て、そこに流れる風を感じ、背後で鳴く鳥の声を聞いているだけで、観てよかったと思える。八ヶ岳に住む友人がいつかドライブに連れて行ってくれた道路が登場し、ああ、きっとここはその辺りなのだと思いながら画面を眺めていた。
自然と共に呼吸しそこに溶け込んでゆったりと日々の営みを重ねるその生活のありようが、夢のよう~。窪地の切り株に生える草の緑、遊ぶ光、山一面のワイルド・ストロベリーの群落etc.・・・。

古来よりの魔女と薬草との深い関係を思い出し、西の魔女が育てているたくさんのハーブに納得する。魔女というのは自然を知って生かすある特別な能力を持つ女性のことなんだ~、などつらつら考えていた。
自然の持つ人を慰め生かす力と、再生させる力について改めて思いを巡らせた。
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ナルコ/NARCO

2007-10-30 00:00:04 | 映画 な行
              *公式サイト
2004年/フランス/105分
監督:トリスタン・オリエ、ジル・ルルーシュ
出演:ギョーム・カネ、ザブー・ブライトマン、ブノワ・ポールヴールド、ギョーム・ガリエンヌ

ナルコレプシーという病気により、どこでも眠ってしまう男ギュスが「夢から目覚める」までを描いたこの作品。

予告編でも、チラシに書かれていた「奇想天外なハッピー・ムービー」の言葉にも楽しいコメディーを予感させて・・・朗らかに笑うつもりで出かけたんです~。
ところが・・・全編ブラックが効いていて、ひりひりする。笑っちゃえるであろう場面も確かにあったけれど、でもそこに潜む苦さを同時に感じて、笑えない。切なさとほろ苦さを噛みしめながら、ギュスの目覚めを見守ることになる。ラスト・シーンのギュスの表情にも人生の皮肉を感じて、切なくなる。充分過ぎるほどドタバタなんだけれど、それをこんなに切なく見せるなんて・・・

しかし、50席の劇場の観客は2人!ちょっと淋しい~。
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ナイト ミュージアム/ Night at the Museum

2007-04-07 22:17:59 | 映画 な行
              *公式サイト
2006年/アメリカ/108分
監督:ショーン・レヴィ
出演:ベン・スティラー、ロビン・ウィリアムズ、カーラ・グギーノ、ディック・ヴァン・ダイク

つい思い出すのは、「NHKみんなの歌」で大貫妙子さんが歌っていた「メトロポリタン・ミュージアム~♪」この曲、好きでした。ちょっと怖いような、でも夜になって展示物が動き出し一緒にタイムトラベルしちゃうなんて、何て素敵なの~と歌とそれに合わせた人形のアニメーションとが今でも記憶に残ってます。

そんな博物館の夜に対してわくわくどきどき感を抱く私をこの映画が案内してくれたのは、「アメリカ自然史博物館」(ほんとに、自分がこういう目にあうのはごめんだけどね)
とにかく展示物が夜中にみんな起き出して、自由になるのを見るのは、楽しい。大きなものから小さなものまで・・いやあ、よく出来てる~逆に、あのお猿さんまでCGかと思ってしまいました本物だなんて、凄いわ!!
あれよ、あれよの怒涛の展開ですっかり博物館の夜を満喫してしまいました。
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ナチョ・リブレ/覆面の神様

2006-11-20 00:28:52 | 映画 な行
              *公式サイト
2006年/92分/アメリカ
監督:ジャレッド・ヘス
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジャック・ブラック/エクトル・ヒメネス/アナ・デ・ラ・レゲラ/リチャード・モントーヤ/ピーター・ストーメア/セサール・ゴンサレス/ダリウス・ロセ/モイセス・アリアス

「実話をヒントに、傾きかけた修道院を救うため、メキシカン・プロレス(ルチャ・リブレ)の覆面レスラーとして奮闘する心優しきダメ男の活躍を描く」(allcinema解説より)この映画は「明日へのチケット」とともに楽しみにしていた作品だったのよ。

これはねぇ、細かいネタが一々つぼにはまって一人で大笑いしてしまいました。話の筋、展開はこうなるだろうとわかるのにも拘らず、少年の心を持ち続けるナチョの一途さに思わずほろりとさせられました。
しかし、他の観客の笑い声が殆ど聞こえなかったのはなんでだろう?案外、これは好みが分かれちゃうかも・・・です。
出てくる登場人物がまた濃くて・・・ナチョはあの体形で、物凄く機敏!タッグを組むヤセが対照的で、その上、裁縫上手なのが可笑しい~!
臨場感溢れるメキシカン・プロレス(ルチャ・リブレ)の試合もふんだんに盛り込まれ、その見せ方に感心してしまいました。プロレスおそるべしっ!!きゃははっまた、音楽も楽しくて軽快で耳に残りました~♪

そういえばナチョが憧れのシスター・エンカルシオン(彼女がとっても美しいの)に書いた手紙の最後に描かれていた○と×。
○○○×××だとhug,hug,hug,kiss,kiss,kiss
そう読むんだ~!可愛い~。彼女でなくてもこんなの貰ったら思わず笑顔になっちゃうよね!
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ナニー・マクフィーの魔法のステッキ

2006-04-27 00:13:01 | 映画 な行
            *公式HP

2005年/イギリス/98分
監督:カーク・ジョーンズ
脚本:エマ・トンプソン
原作:<ふしぎなマチルダばあや>クリスチアナ・ブランド
出演:エマ・トンプソン/コリン・ファース/ケリー・マクドナルド/アンジェラ・ランズベリー/セリア・イムリーetc.

イギリスのファンタジー作品、とても温かく心に残った。全体に一刷毛さっと影がはかれていて、それが作品全体に陰影を与えているような感じがする。いいですぅ~
7人の子どもが、赤ちゃんまで含めてとんでもないいたずらもの!!う~、悪がきなんだけど憎めない、可愛いそして17人のナニーの後にやって来た「ナニー・マクフィー」その風貌はまさに魔法使いのおばあさん!彼女のステッキが「があーん」と床を打つ度に不思議が起こる。わくわくし、そして笑いがあり涙がある。ラストはほんとに美しい

字幕で上映している劇場が少ないようで、都内に出たついでに日比谷のみゆき座で観ました。
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ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女

2006-03-12 23:41:00 | 映画 な行
            *公式HP
『ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女』さすがに公開された直後は混むだろうと、ちょっと日をあけて行ってきた。でもこれが案外の人の入りでちょっとびっくりその上、終わって外に出たら、次の回の入場者が列をなしている。へ~さすが、ナルニア国!

映画は空襲を受けるロンドンの場面から始まる。全体が原作に忠実にとても丁寧に再現されていると感じられて嬉しくなる。
古い衣装ダンスから広がるのは、まさに想像していたとおりの一面銀色のナルニアだった。4人の兄弟姉妹、ライオンのアスラン、白い魔女ジェイディス、フォーンのタムナスさん、動物たちも見事。話は明快でわかりやすく、結構長い作品にも関わらずテンポがいいのでその長さをあまり感じなかった。
ただ、原作に忠実になるあまりその流れを追うことに重点が置かれているように感じられたのが、ちょっと残念だったかなぁ。その分、内容が浅くなってしまったというか、本でいうと行間がなくなってしまうというか、そんな気がしたっけ。
そして見ていて、私が強く感じたのはキリスト教。原作の1&7の時に特に強く感じたキリスト教の思想が本で読んでいる時よりも映像として目に映る事によってより明確に感じられ、そしてそれが自然な流れの中にあることでほんとに大きな文化的基盤なのだと改めて感じたのである。(こういう部分、子どもはどうなんだろう?す~っと通り越していくものなのかなあ?ちょっと気になる)

そうそう、アスランが復活する石舞台を見た時に、復活の場面で同じような石の絵を見たことが・・・と帰宅して捜した絵。
    ① ②
①「キリストの復活」:バウツ(1445)
②「〃」:ウィイノレーサ(1568)
石舞台が、ががーんとなってという場面ね・・・でも、ちょっと違うかしらね?でも、直感的にそう思っちゃったんだも~ん!
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ノーマンズ・ランド

2005-11-07 00:31:39 | 映画 な行
先日鑑賞した「アワー ミュージック」にはサラエヴォが登場していたが、東欧という地域のここ何年かの混乱・戦闘・紛争が正直よくわからない。それまで存在していた国がある日消失し、新たな国々となっているという現実は私の理解をとうに越えている。ただ、TVの向こうにその悲惨さ、酷さ、憎しみが渦巻くのを安全な場所にいられることをしかと感じつつ眺めるのみなのだ。

そんな訳のわからん私が今夏DVDで見た「ノーマンズ・ランド」(大分、日にちが経ってしまっているが・・・)
題名の「ノー・マンズ・ランド」とは中間地帯、1993年、ボスニアとセルビアの中間地帯に何故か取り残されてしまったボスニア軍兵士チキとセルビア軍兵士ニノの二人。彼らは突き詰めると何故戦うのか、何のために憎み合うのか分からないのだが、現実に敵として対峙している。激しい緊張感の中に話は展開するのだが、全編を通じユーモアが底流に流れている。だから余計に戦争の酷さに胸が引き裂かれる。戦争が何も生み出すことの無い、恐ろしいほどの虚無感をユーモアがあるからこそ余計に強く感じる。彼らを取り巻く国連防護軍の無力さ、マスコミの狂奔ぶりにも大いに笑わせられる。

今でも印象深く思い出される笑っちゃった場面の一つは爆弾処理のエキスパートであるドイツ人が、周りが来ない来ないと気を揉んでいる時に、ぴったりの時間に現れるとこかな世界中でドイツ人がどういう風に捉えられているかが顕著にわかって可笑しかった。
忘れられない映画です。  *ノーマンズ・ランド公式HPこちら

2001年/フランス=イタリア=ベルギー=イギリス=スロヴェニア/98分
監督・脚本・音楽:ダニス・タノヴィッチ
出演:ブランコ・ジュリッチ(チキ)
   レネ・ビトラヤツ(ニノ)

ノー・マンズ・ランド

ポニーキャニオン

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