Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

CODA コーダ あいのうた 

2022-04-25 21:01:46 | 映画 か行

2021年製作/112分/アメリカ・フランス・カナダ合作

原題:CODA

監督:シアン・ヘダー

出演:エミリア・ジョーンズ、トロイ・コッツァー、マーリー・マトリン、ダニエル・デュラント、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、エウヘニオ・デルベス、エイミー・フォーサイス 他

ストーリー:家族の中でただひとり耳の聞こえる少女の勇気が、家族やさまざまな問題を力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク。

海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。

 

コーダ(CODA:Children of Deaf Adults)がそのまま作品名となっているこの作品、2015年に観た「エール!」にそっくりな設定だと思ったら、リメイクだという説明で納得。(家族の置かれている状況は農家だった「エール!」に対して漁業を生業とする「コーダ」と対照的)

登場人物それぞれがくっきりしていて、一人一人が抱える重荷、苦しさそして喜びが鮮やかに浮かび上がってくるので、感情移入して見入っていた。

なにより、音楽がすべてを結ぶ鍵となり、そしてとにかく魅力と力強さで迫ってくる。

素晴らしい~

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DVD:こんばんは2

2019-02-09 22:57:43 | 映画 か行
朝日新聞2019年1月21日付けの
『夜間中、学びは未来開く 「意義伝えたい」寄付集めて映画制作』
という記事で紹介されていた映画『こんばんは2』を是非観てみたくて記事にあったDVDを取り寄せた。

届けられたDVDに同封されていたチラシには

<なぜ学ぶのか、
  なぜで夜間中学が必要なのか
   そのこたえがこの映画の中にある>
とあった。

現代の日本でどれくらいの人々が学びたいと切望しているか、そしてその願いに応えられる場の少なさ、乏しさに愕然とする。
そして学びたい彼らと彼らに手をさしのべ支えている人々の姿を映画は淡々と映し出す。
その姿の向こうに透けて見えるこの国の貧しさはなんなのだ!!という思い・・。
年代も国籍も様々で、ただただ学びたいというその一途な思いに応えられていない現状をこの映画で目の当たりにする。

一人でも多くの方に観て欲しい!!

そして記事は次のように結ばれていた。
映画のホームページ(http://www.konbanha2.com/別ウインドウで開きます)も開いた。DVDは千円で、郵送料は200円(枚数によらず一律)。申し込みは同会にメール(konbanwa2kataru@gmail.com)かファクス(03・3629・0362)で。問い合わせは同会(070・4323・3855)。
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この世界の片隅に

2017-01-07 22:22:49 | 映画 か行
          
2016年/日本/126分
監督:片渕須直
原作:こうの史代
脚本:片渕須直
キャスト(声の出演):のん/北條(浦野)すず、細谷佳正/北條周作、尾身美詞/黒村径子、稲葉菜月/黒村晴美、牛山茂/北條円太郎
ストーリー:昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。それでもなお、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。~映画.comより

去年の12月にリニューアルオープンした「新所沢Let'sシネパーク」で観た。
リニューアルに伴いオンラインでチケット予約もできるようになったので評判のいい作品だし、と予約していった。かなり混むだろうと予測はしていたものの、何と、まさかの(失礼!)満席!!
30年ほど前からここで映画を観るのを楽しみにしているが、満席とは、ほんと吃驚。幸先いい~!!
(以前の「新所沢Let'sシネパーク」に関する「港町キネマ通り」に掲載された記事⇒こちら
ロビーも劇場内もベージュで統一され、落ち着いた雰囲気が漂う。劇場内に入ると、一席一席がゆったりしていて、各席がリクライニング、その上、前の列との間隔が広く足を投げ出しても、その向こうを人が通っても邪魔にならないくらいに広くとられている。ここでこの『この世界の片隅に』が観られてラッキーだったと心から思った。

この作品『この世界の片隅に』、素晴らしかった。最初に流れてきた「悲しくてやりきれない」と画面の美しさがたいそう自然にシンクロして、すうっと心の中に入ってきた。
アニメの画像の繊細なこと、美しいことに驚嘆しながら、展開する物語に目と心を奪われていく。物語の舞台となる時代は、とりもなおさず自分の両親の青春時代だったのだと思いつつ、じっと見入ってしまった。
声高に何かを訴えかけるのではなく、戦争の時代を生きた一人の「すず」を中心にその時々を実に丁寧に描くことでその時代の生活をリアルに感じさせ、振り返って「今」を考えている自分に気付く。
いつまでも余韻が残る作品だった。今年の最初に観た映画がこの『この世界の片隅に』だったことに感謝している。
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君の名は。

2016-12-15 22:21:44 | 映画 か行
            
2016年/日本/107分
監督・ 原作・脚本:新海誠
キャスト(声の出演):神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌
ストーリー:。1000年ぶりという彗星の接近が1カ月後に迫ったある日、山深い田舎町に暮らす女子高生の宮水三葉は、自分が東京の男子高校生になった夢を見る。日頃から田舎の小さな町に窮屈し、都会に憧れを抱いていた三葉は、夢の中で都会を満喫する。一方、東京で暮らす男子高校生の立花瀧も、行ったこともない山奥の町で自分が女子高生になっている夢を見ていた。心と身体が入れ替わる現象が続き、互いの存在を知った瀧と三葉だったが、やがて彼らは意外な真実を知ることになる。~映画.comより

クリスマス・コンサートが終わり、ほっとしたところで漸く観てきた『君の名は。』
とにかくアニメーションの美しさに圧倒され気付けばどっぷりこの映画の世界の中に浸かっていた。
まるで実写のような風景描写、細部にまで神経が張り巡らされて描かれ、これはまさにアニメーションでしか描けない美しさなのだと改めて思わされた。
瀧と三葉が入れ替わり、時間と場所が交錯し、ティアマト彗星が出現し・・・目まぐるしく様々な事象と感情が交錯して混沌とした世界を眼前に見る。このこんがらがってしまった世界を解きほぐす手立てはあるのだろうか、とはらはらしながら自分の中でも瀧と三葉が交錯し呼び交わしていた。
ただ、アニメーションとしての完成度の高さと声の出演者の演技力の凄さに感動していた私にとって、劇中で流される歌詞付きの音楽が邪魔になる時があったことは正直に告白しておこう。
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教授のおかしな妄想殺人

2016-10-21 22:07:49 | 映画 か行
         
2015年/アメリカ/95分
原題:Irrational Man
監督:ウッディ・アレン
出演:ホアキン・フェニックス(エイブ)、エマ・ストーン(ジル)、パーカー・ポージー(リタ)、ジェイミー・ブラックリー(ロイ)、ベッツィ・アイデム
ストーリー:アメリカ東部の大学。孤独で気力のない哲学科の教授エイブ(ホアキン・フェニックス)は、ある日不快な判事についての話を聞く。自分がその判事を殺害するという完全犯罪を妄想した途端、よどんでいた彼の人生は鮮やかに色づき始める。一方、エイブのことが好きな教え子ジル(エマ・ストーン)は、教授が奇妙な殺人妄想に夢中になっているとは知らず、恋心を募らせていくが……。~シネマトゥデイより

川越スカラ座でウッディ・アレン監督の『教授のおかしな妄想殺人』を鑑賞。
哲学科の教授エイブの屈折した様子をはじめとして、登場人物がどれもこれも大なり小なり癖があり、その人間模様が軽快な音楽と中に挟まれるバッハの音楽の上でくるくると目まぐるしく変化していく。
これで、この先というか、どう着地するのだろう、と思わせて、あれっ?そ、そうなの?と肩透かしを食わせるラストに、最初から最後まで見事にウッディ・アレンだったなあ、となんだかやられました、という気持ちでとぼとぼ帰路についたのだった。
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カルテル・ランド

2016-07-06 21:12:39 | 映画 か行
       
2015年/メキシコ・アメリカ合作/100分
原題:Cartel Land
監督:マシュー・ハイネマン
製作:マシュー・ハイネマン、トム・イェーリン
製作総指揮:キャスリン・ビグロー、モリー・トンプソン


「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督が製作総指揮を手がけ、2006年から続くメキシコ麻薬戦争の最前線をとらえたドキュメンタリー。メキシコ、ミチョアカン州の小さな町の内科医ホセ・ミレレスは、地域を苦しめる凶悪な麻薬カルテル「テンプル騎士団」に対抗するべく、市民たちと蜂起する。一方、コカイン通りとして知られるアリゾナ砂漠のオルター・バレーでは、アメリカの退役軍人ティム・フォーリーが、メキシコからの麻薬密輸を阻止する自警団「アリゾナ国境偵察隊」を結成。2つの組織は勢力を拡大していくが、やがて麻薬組織との癒着や賄賂が横行するようになってしまう。若き映画監督マシュー・ハイネマンが決死の覚悟で取材を敢行し、メキシコ社会の実態を明らかにしていく。~映画.comより

「正義が揺らいでも 悪は揺らがない」とチラシに書かれている。
まさに、観ていて段々何が正義で何が悪かわからなくなってくる、その境界が非常に曖昧になってくるのが怖い。
正義と悪、といった単純なくくりはここになく、そこにあるのは一度落ちたら上がれない蟻地獄に落ちた蟻のような、底なしの狂気。
それが今現実にアメリカ・メキシコ国境で起きているということをまざまざと知らされて身震いする。
そして、今や世界にそうした狂気が蔓延していることにぞっとするのだ。
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孤独のススメ

2016-04-30 22:46:00 | 映画 か行
        
2013年/オランダ/86分
原題:Matterhorn
監督・脚本:ディーデリク・エビンゲ
出演:トン・カス、ロネ・ファント・ホフ、ポーギー・フランセ、アリーアネ・シュルター
ストーリー:妻に先立たれ、オランダの田舎町でひっそりと単調な毎日を送るフレッド。ある日、言葉も過去も持たないテオがフレッドの家に居ついてしまい、男2人の共同生活がスタートする。フレッドとテオの間にいつしか友情が芽生え、何も持たないテオの生き方からフレッドは真の幸せを学んでいく。~映画.comより

友人に薦められて観たオランダ映画。
静かな出だし、どこまでも続くまっ平らな土地、そしてそこで続く厳格なカルヴァン主義の教会を中心とするオランダの田舎の村での生活。
使われているのは全てJ.S.バッハ、特にマタイ受難曲が心に残る。しかも、映画の冒頭
 ”「難しくはない。しかるべき時にしかるべき鍵盤を叩きさえすればいいのだ」 ――― ヨハン・セバスティアン・バッハ”
という一フレーズが流れる。
いや確かにそうなんだよな~、と引っかかりつつ物語の流れに乗っていると、これが実はすごい一言であることを知ることになる。
バッハで彩られた音楽の中に飛び込んでくる"This is my Life(La Vita)"にその歌詞と一気に全てが解放される瞬間が重なって感動で胸が一杯になる。そしてラストシーンでのマッターホルンの神々しい美しさがいつまでも心に残る
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国際市場で逢いましょう

2016-02-21 22:19:31 | 映画 か行
        
2014/韓国/127分
原題:国際市場
監督: ユン・ジェギュン
出演者: ファン・ジョンミン、キム・ユンジン、オ・ダルス、チョン・ジニョン、チャン・ヨンナム、ラ・ミラン、キム・スルギ、ユンホ
ストーリー:激動の韓国を、ただ家族のために必死に生き抜き、いつも笑っていたおやじの姿―
朝鮮戦争から現代まで、一人の男の波乱に満ちた生涯を描いた一大叙事詩:
幼い頃、朝鮮戦争時の興南撤収作戦で父、そして末の妹と離れ離れになり、母と残された2人の兄妹と共に避難民として釜山で育ったドクス。成長したドクスは父親代わりにお金を稼ぐため、西ドイツへの出稼ぎや、ベトナム戦争への出兵など幾度となく生死の瀬戸際に立たされる。しかし、彼は家族のためにいつも笑顔で必死に激動の時代を生きていく―~新所沢Let'sシネパークより

『2016年2月より、ついに新所沢レッツシネパークで不定期名画座を始めます!名画座上映では過去の作品を2本立て&お得な料金にてご鑑賞頂けます。』というトピックスが発表されていた”新所沢Let'sシネパーク<不定期名画座2本立て>”。
その第2弾≪見逃せないアジア映画≫:『国際市場で逢いましょう』&『サニー 永遠の仲間たち』を観た。
「国際市場」という言葉に惹かれてこれは観てみたいと思っていたのだけれど、韓国という国がたどってきた歴史を一人の人間の歩いてきた道と重ねて描いた素晴らしい作品だった。
朝鮮戦争、ドイツ鉱山、病院への出稼ぎ、ベトナム戦争と激しい歴史の波の中を翻弄されつつ、家族の為に懸命に生きていくドクスと彼を巡る家族、ヨンジャ、親友ダルグ。「コップンの店」で会おう、という父との約束の重さ・・・。苦難の中で、「つらい時代に生まれ、この苦しみを味わったのが子どもたちじゃなくて僕たちで本当によかった」とヨンジャに綴るドクスの言葉がいつまでも心に残る
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グランド・ブダペスト・ホテル

2014-06-20 00:17:14 | 映画 か行
                  
2013年/イギリス・ドイツ/100分
原題:THE GRAND BUDAPEST HOTEL
監督ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハム、マチュー・アマルリック、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、ハーヴェイ・カイテル、ジュード・ロウ、ビル・マーレイ、エドワート・ノートン、シアーシャ・ローナン、ジェイソン・シュワルツマン、レア・セドゥ、ティルダ・スウィントン、トム・ウィルキンソン、オーウェン・ウィルソン、トニー・レヴォロリ、他
ストーリー:1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。~シネマトゥデイより

現代・60年代そして大戦前夜と3つの時代が交錯する構成になっているこの作品は、仮想の国ズブロッカ共和国を物語の舞台として展開する。
仮想の国とは言え、明らかに時代に翻弄された歴史を持つ国を感じさせるように物語が進むので、リアリティがある。
大きく歴史が動く中でまるでそういった事柄とは一切関係ございません、といった、そう、まるでそこだけ別世界、夢の国のようであったグランド・ブダペスト・ホテルとそこに集う人々。しかし、歴史は容赦なくかかわってくる、こういうことって背筋が寒くなるような怖さがある。しかし、そういう怖いものを内に持ちながら物語は軽快なスピードで笑いを交え進んでいく。そのスピード感、登場する俳優の豪華さ、そして舞台の豪華さにうっとり~する。でも、怖いよ!!
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鑑定士と顔のない依頼人

2014-05-06 23:38:41 | 映画 か行
          
2013年/イタリア/131分
原題:La migliore offerta
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジェフリー・ラッシュ、シルヴィア・フークス、ジム・スタージェス、ドナルド・サザーランド、フィリップ・ジャクソン、ダーモット・クロウリー
ストーリー:一流の美術鑑定士にして、カリスマ的オークショニアのヴァージル・オールドマン。極端に人間嫌いで独身を貫く彼が唯一愛情を注ぐのが、女性の肖像を描いた名画たち。これはと思う肖像画が出品されると、相棒のビリーを使い、不正な手段で自分のコレクションに加えてしまうのだった。そんなある日、彼のもとに、亡くなった両親が遺した家具や美術品の鑑定をしてほしいという若い女性からの依頼が舞い込む。ところが依頼人は、決してヴァージルの前に姿を見せようとはしなかった。憤慨するヴァージルだったが、依頼人の屋敷である歴史的名品の一部とおぼしき部品を発見してしまい、この依頼を引き受けずにはいられなくなる。そして屋敷に通ううち、姿の見えない依頼人に少しずつ興味を抱き始めるヴァージルだったが…。<allcinema>より

全てが丁寧に細部まで作り込まれた上質なミステリー
ミステリーということは知っていたのだけれど、完全にだまされました。最後の怒涛の展開には思わず口あんぐりでした。
恋するヴァージルのロマンスが夢いっぱいに描かれていただけに、その落差たるや
ナイト・アンド・デイ―の店内の歯車の装飾とその中で「連れがいます」と言ってじっと座っているヴァージルの姿がいつまでも残りました。

GWに川越スカラ座で鑑賞したのですが、こちらでは劇場すぐ近くの「あぶり珈琲」さんとタイアップしていて入場券を購入する際に申し出るとすべての飲み物が¥250引きになる「クーポン」がもらえるんです。⇒こちら
喫茶店、という感じがとおってもする美味しい珈琲屋さんでした。
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風立ちぬ

2013-08-31 23:24:36 | 映画 か行
             
2013年/日本/126分
監督・原作・脚本:宮崎駿
プロデューサー:鈴木敏夫
音楽:久石譲
声の出演:庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート
ストーリー:ゼロ戦設計者として知られる堀越二郎と、同時代に生きた文学者・堀辰雄の人生をモデルに生み出された主人公の青年技師・二郎が、関東大震災や経済不況に見舞われ、やがて戦争へと突入していく1920年代という時代にいかに生きたか、その半生を描く。~映画.comより

この作品は是非、劇場で観ておきたいと思って出掛けたのだが実のところ宮崎監督作品を劇場で鑑賞したのは久しぶり。そしてやはり劇場で観てよかった!!
アニメーション映画なのにアニメーションだということを忘れて見入ってしまうその映像の美しさ、瑞々しさ。かつてこんな緑滴る風景を見たことがある、と一緒に自分の記憶の扉を開けているような・・・。真っ青な空に飛ぶ飛行機の美しさ。思わず啄木の「見よ、今日も、かの蒼空に飛行機の高く飛べるを・・・」というフレーズを思い出す。
そして廃墟となった地に立ち尽くす二郎の姿に彼自身が8月15日に書いていた手記を強烈に思い起こし、そこにこの作品の監督宮崎駿の強い意志が重なるのを強く感じていた。きな臭い昨今、こんな時代だからこそ、先人の思いを、戦争に対する悔いを心に刻まねばならぬ。

所沢ミューズでモーツアルトのレクイエムを聴いた帰り、隣接する所沢航空発祥記念館をのぞいてみた。堀越二郎展は今日が最終日とあってもの凄い人が並んでいた。
美しい飛行機を作りたいと願い、しかしそれが戦争の具として使われる運命であったというこの事実・・・
           

 
展覧会の記事⇒こちら
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クロワッサンで朝食を

2013-07-30 23:26:44 | 映画 か行
             
2012年/フランス・エストニア・ベルギー/95分
原題:Une Estonienne a Paris
監督:イルマル・ラーグ
出演:ジャンヌ・モロー、ライネ・マギ、パトリック・ピノー、フランソワ・ブークラー、フレデリック・エポー
ストーリー:憧れのパリで家政婦の仕事をすることになったアンヌ。母を看取ったばかりのアンヌはエストニアを発つが、彼女を待ち受けていたのは毒舌で気むずかしい老婦人フリーダだった。高級アパルトマンに一人で暮らすフリーダは、おいしいクロワッサンの買い方すら知らないアンヌを追い返そうとするが、アンヌの中にかつての自分を重ねるようになり…。~allcinemaより

ジャンヌ・モローに惹かれてこれは観たいね!!と友人とかなり前から観るのを楽しみにしていた作品、そして期待は裏切られることなく
エストニアのいかにも厳しく寂しそうな雪景色から一転、働きに出たパリが対照的に華やいで描かれる。主人公のアンヌは中年の女性なのだが、その彼女がこの作品の中でどんどん変化し磨かれていくのを見ているのは楽しい。初めはなんだかちょっと変なフランス語が流暢になっていくように、彼女の立ち居振る舞いが洗練されていくのだ。仕事を終えて夜中に街を散歩するアンヌ、初めての散歩で彼女がふっと足を止めて眺めるショーウインドウ、そこに飾られていた美しい服をまとったマネキン・・・彼女と一緒に夜の静かな街を歩いているような気分になる。
そして、その彼女が家政婦として働くことになるのが、裕福でしかし孤独なフリーダなのだが、これを演じているのがジャンヌ・モロー。彼女の存在感にはもうもう、ただただ圧倒される。凄まじいまでのその迫力!!そして同時に華やかさと可愛らしさ。あのアンヌと二人でステファンのカフェに向かう時の彼女の足取りの軽やかさ!!とても85歳とは思えないそしてシャネルを完璧に着こなしているそのあでやかさ~
最近、高齢の女優が活躍する作品に遭遇する機会が増えているのだけれど、つくづく彼女たちの歳の取り方の見事さに感じ入っている。この作品を観ていても、刻まれたしわまで美しいなと感動していた。

ところで劇場には観客が押し寄せていて、その、なんというのか「マダムたち」の醸し出す熱気に場内包まれていたようでした。しかもその「マダムたち」が纏っている雰囲気が非常に似ているのは何故?と思ったりもしましたが。場内、満席で立ち見も出てました。
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カルテット!人生のオペラハウス

2013-07-10 21:28:32 | 映画 か行
            
2012年/イギリス/99分
原題:Quartet
監督:ダスティン・ホフマン
出演:マギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズ、マイケル・ガンボン
ストーリー:第一線を退いた音楽家たちが生活している「ビーチャム・ハウス」では、経営難のホーム存続を懸けてコンサートの準備に追われていた。そこで余生を過ごすレジー(トム・コートネイ)、シシー(ポーリーン・コリンズ)、ウィルフ(ビリー・コノリー)たちのもとに、かつてのカルテット仲間だったものの確執を残して去っていったプリマドンナのジーン(マギー・スミス)が入居する。コンサートを控えたメンバーは、疎遠だった彼女との再会に当惑するが……。~シネマトゥディより

2人の友人がそれぞれに、強くは勧めないけれど楽しめるよ~♪(微妙)と言ってくれていたこの作品。なんと「ヴェルディ生誕200周年記念」とチラシにあります!もう今年はヴェルディとワーグナーが色んなとこで聴ける年となっていますが、映画でもねぇ~、と妙なとこに感心したり。
で、新所沢Let'sシネパークで2週間限定上映されているということで(7月12日まで)観てきました。
「しわ」がスペインの養護老人ホームを舞台として「老い」に対する問いを真っ直ぐに投げかけてきたばかりだというのに(別にそれが嫌だという訳では全然ないです)、この「カルテット」は引退した音楽家たちが暮らす「ビーチャム・ハウス」という老人ホームが舞台。う~ん、またまた「老い」を考えてしまう。
ただこの作品の場合、老いてもそこは音楽家たち、生業としてきた音楽でホームの危機を救うべく立ち上がりガラ・コンサートを成功させるというストーリー展開が行く手に希望を持たせてくれます。
とにかく音楽満載(過剰なほど)、そして往年の名音楽家たちも多数登場して画面を彩ります。DECCAも全面的に協力してるのかしらん!?。彼ら往年の名演奏家たちはエンドロールに若かりし頃の写真と現在の写真が並んで登場しているので、ほほぅ~と思ってしまいました。

ところでヴェルディは実際に音楽家のための老人ホーム:音楽家のための憩いの家、を作り今もミラノで運営されていると聞いたことがあり検索してみました。
参考⇒こちら
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きっと、うまくいく

2013-05-25 23:49:42 | 映画 か行
          
2009年/インド/170分
原題:3 Idiots
監督:ラジクマール・ヒラニ
出演:アーミル・カーン、カリーナ・カプール、R・マーダビン、シャルマン・ジョーシー
ストーリー:超難関の名門工科大ICEに入学したファランとラージューは、そこで超天才の自由人ランチョーと出会う。彼らは、一緒にバカ騒ぎを繰り返しては鬼学長の怒りを買い、いつしか“3バカ”として札付きの問題学生となっていく。そんな中、ランチョーは天敵である学長の娘ピアと恋に落ちるが…。時は流れ、3人が卒業してから10年後。ファランとラージューは、行方知れずのランチョーの消息を知っているというかつての同級生と再会する。そして彼とともにランチョーを探す旅に出るのだが…。~allcinemaより

新所沢Let'sシネパークで何とまさかの(えっ!?)『ボリウッド4:ザッツ エンタ-テ「インド」メント』が公開中。4作品が順番に公開されていく予定ということなのだが、今はその第1作『きっと、うまくいく』が上映されている。
ボリウッド作品を劇場で観るのは初めて。新所沢Let'sシネパークは整理券配布をしていないので、開始前になると上映スポット(グリーン、レッド、イエローと分かれている)の前に並んで開場を待つことになる。なんだかわくわく~
で、この作品、よかった!楽しかった~
笑いと涙、歌あり踊りあり、しかもロードムービーでありサスペンスでありちょっとロマンスあり、物語は大学時代と10年後と二重構造になっている。こういうと、何だか「何でもありのてんこもり」な感じがするのだけれどそれらの要素が実に上手く作用しあってラストになだれ込むという感じ。学歴偏重社会と格差社会という社会問題もさらりと提示している。
原題の「3 Idiots」は3バカということなんだけれど、この3人が魅力的~170分という長さを全く感じさせない、すかっとした味わいの作品だった
歌って踊りながら劇場を後に(という気分)した私です

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桐島、部活やめるってよ

2012-12-05 00:28:56 | 映画 か行
              
2012年/日本/103分
監督:吉田大八
出演:神木隆之介、橋本愛、大後寿々花、東出昌大、清水くるみ、山本美月、松岡茉優、落合モトキ、浅香航大、前野朋哉、高橋周平、鈴木伸之 、榎本功、藤井武美 岩井秀

観たかったこの作品が、新所沢Let'sシネパークで1週間限定リクエスト上映されているというので張り切って観てきた。ちょっと待てば近場で、観たかったけれど見逃してしまった作品も観られるのが嬉しい。
さて期待を込めて観に行ったこの作品、期待に違わぬ面白さ~
映画でしか観られない、というか映画ならでは、という表現で高校生の1週間を描いている。(ま、私の高校時代なんてはる~か昔なんですが
学校というもの、あの雑然としたあらゆる意味においての種々雑多な年代と同世代の集合体としての、ないようでいて実ははっきりとある生徒間の秩序など、とてもリアルに迫ってくる。金曜日から始まる一週間、特にその最初の金曜日は「桐島、部活やめるってよ」が校内を駆け巡る長い一日となる。その日、その時々、立つ場所にいる様々な生徒たちの模様が、それぞれの目線を中心にして撮られその違いが鮮やかでしかもそれが実に新鮮。そしてそれはなんだか夢の中で味わったことがあるような、不思議な気持ち。映画の中で映画を撮っているのも、しかもゾンビ映画だし、いいなぁ~・・・完成される日がくるのかどうか、でも完成されたら観てみたいなぁ~
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