老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

小沢一郎に見る人間力

2012-10-05 15:14:11 | 政治
小沢一郎というと眉を顰める人も多いだろう。今は小沢の時代ではないという人もいるだろう。逆に小沢一郎命とまでは言わないが、小沢一郎を支持する人も多い。そういう小沢一郎の毀誉褒貶を含めて、そろそろ客観的な小沢一郎評価をしなければならない時が来ていると思う。

以前、わたしは永久革命者としての【小沢一郎】という一文を書いた。今でもその評価を変更する必要はないと考えている。今日は、思想家としての小沢一郎ではなくて、小沢一郎の人間力という側面から見てみたい。

凡百のメディア評論家どもは、小沢一郎と言うと、【壊し屋】とか【新党をつくっては壊す】などと批判するが、では新党を立ち上げ、それを維持し、政権を担える政党に育て上げる事が如何に大変かについては、語らない。

現在の民主党議員を見たらすぐ分かる。主義主張からいったら、誰が見ても離党すると思われた議員が離党しない。理由は明快。離党したら、お金がなくなる。支援団体はなくなる。支持者は離れる。それでも選挙に出ようと思えば、大借金を背負い、以降の生活は保障されない。これが怖くて離党できない。理想は理想。現実は現実。現実の厳しさには勝てない、というわけであろう。

だから野田首相は、原口・赤松など代表選の相手を一切無視。誰も閣内に入れなかった。“離党するならしてみろ”“新党を立ち上げてみろ”といっている。「そんな事が出来るはずがない」と完全になめきっている。

議員一人でもこの有様。まして、新党を立ち上げるとなると、自分についてくる議員一人一人の人生がかかっているし、彼らに配る莫大な費用もかかる。新たな党事務所もいる。地方組織の整備も必要。そして、何より【理念・政策】の緻密さが必要。議員人生のうち一回でもこれができたら持って瞑すべき事柄なのである。

小沢一郎は、この至難な新党結成を新生党・新進党・自由党・民主党(これは合流)・そして今回の【国民の生活が第一】と計五回(純粋には四回)行っている。この一事を持ってしても、そこらあたりの陣笠代議士とはわけが違う。そして、その度に、多くの代議士が彼と行動をともにしている。

小沢に批判的な人は、【小沢信者】と揶揄するが、これだけの数の新党を立ち上げ、その度に多くの政治家(代議士)を獲得できる人間は政界では他に類を見ない。

他の政治家と比較すれば、すぐ分かる。たとえば、現在の【野田首相】が政権獲得できる新党結成できるか。答えはNOだろう。前原国家戦略担当が、新党結成すると言っても、どれだけの人間が集まるか。生きるも死ぬも彼と一緒という人間がどれだけいるか。これもNOだろう。仙石も同様。では、谷垣前自民党総裁が新党結成するといって人が集まるか。これもNOだろう。安倍晋三もしかり。

現在では辛うじて、橋下大阪市長が新党【日本維新の会】を立ち上げているが、選挙資金は自分で出せ、と言っている。一言でいえば、【俺の人気で議員になれるかもしれないのだから、金くらい自分で出せ。それで失敗して大借金をし、人生を台無しにしても自己責任。俺の知った事じゃない。】というわけであろう。おそらくブームに乗ろうとして「維新の会」から立候補し、残りの人生を台無しにする人間も多数出るだろう。

こう見てみると、小沢一郎という政治家の凄さが分かる。彼は、口先だけではなく、自らの政治理念を実行するために多くの賛同者を集め、新党をつくり、政権を奪取する実行力を持ち、しかも【日本の統治機構の革命的変革】という政治信念が決してぶれない。既得権益層にとって、これほど恐ろしい人間はいない。民主党が【政権奪取】した時、彼らは腹の底から【恐怖】したに違いない。これが、狂ったように、3年余にわたって続けられた【小沢バッシング】の心理的要因だろう。

菅直人の小沢に対する裏切り・常軌を逸した批判は、彼の小沢に対する劣等感の表れだろうし、メデイアを席巻している小沢批判論者の大半は、自らの政治的変節の言い訳のためのためにする批判に過ぎない。

結論的に言えば、小沢と他の政治家を決定的に分かつ点は、【実行力】と【決断力】であり、【政治哲学】の深さであろう。

小沢一郎は毀誉褒貶の多い政治家であり、好き嫌いがはっきりしている。しかし、現在の政治状況を見ていれば、【口先ばかりの政治家】と【政治哲学のない風見鶏の政治家】の多さに絶望的になる国民が多いと思う。【口先ばかりの美辞麗句】や【言う事がころころ変わる】政治家は、平気で国民を裏切る。

彼らに比べれば、小沢一郎は、何十倍も何百倍もマシである。崖っぷちの日本。ここは乾坤一擲、最も力量のある政治家を選択するべきであろう。

「護憲+BBS」「政党ウォッチング」より
流水

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