老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

東電の社外取締役人事にもの申す

2012-05-13 14:53:32 | 原発
11日の報道に依れば、「政府と東京電力は11日、東電の社外取締役にJFEホールディングス元社長でNHK経営委員長の数土文夫氏を充てる方針を固めた。数土氏がNHKの委員長職にとどまったまま、東電取締役に就く方向で最終調整している。」とのことである。

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012051101012

この人事は、かつて自民党の安倍内閣が首相と親交のある富士フィルム(株)会長の古森氏をNHKの経営委員長に登用し、NHKの経営に政権の影響を及ぼそうとした時の裏返しの人事策のようである。

特に現在東電は福島原発の収束廃炉問題、放射能除染、原発被害者への保障、電力料金の値上げ等で難題山積しており、メディアも連日東電のことを取り上げない日はない。NHKも例外ではなく、その報道内容は国民最大の関心事の一つでもある。

そのような状況の中でNHKの経営委員長が東電の社外取締役に就任することになれば、報道やニュース解説、日曜討論、クローズアップ現代等の特別番組で、東電に関する問題が公正にとりあげられなくなるのではないかと危惧せざるを得ない。

勿論社外取締役に就任するNHK経営委員長から直接あからさまな報道干渉はあり得ないと思うが、しかし組織の中には上司が働きかけなくとも、上司の置かれた立場を忖度したり、遠慮したり、積極的にごまをする人間が必ず出てくるのが常である。そうするといつの間にかそれが組織のムードとなり、報道も事実が隠されたり、歪められたり、ひいては東電に関する番組が没にされることすら考えられる。

今なぜ政府(経産省)と東電はNHKの経営委員長を東電の社外取締役に兼務させねばならないのか、NHKの東電に関する報道に無言の圧力をかけ、立ち入った報道や批判的解説、積極的なドキュメンタリー番組の抑制を期待しているとしか思えない。純経営的な社外取締役であれば他にも適任者は居るはずであり、決して自他共に許す人事ではなかろう。まさに自民党安倍内閣時の人事の逆パターンでの再現と言わねばならない。

NHKの経営委員長は公正な報道を進めなければならない立場にあり、現在真実を報道をされると困る側(東電)の取締役に就く行為は、NHKの経営委員長として不適切であり、将来利益相反行為が発生する可能性と危険性が予想される。

数土氏が東電の社外取締役に本当に欠かせないのであれば、先ずNHKの経営委員長を辞任して後に就くべきであろう。数土氏がNHKの経営委員長だから必要で、兼務に価値があるから白羽の矢を立てたでは、経営手腕への期待より報道抑制に期待しているようで、東電とNHKに電気料と視聴料を払っている国民からすれば到底納得できない人事だと言わざるをえない。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
厚顔の美少年
コメント
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