心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

ドイツ、オーストリアの旅③(芸術のまちウィーン)

2016-12-20 22:30:36 | 旅行

 「クリスマスマーケット」をテーマに昨夜ブログを更新したばかりですが、今朝のニュースを見て驚きました。「ベルリンのクリスマスマーケットにトラック突入。12人が死亡、48人が負傷。 テロか」。現地時間19日午後8時、カイザー・ウィルヘルム記念教会の広場に集まった老若男女をなぎ倒す痛ましい事件でした。
 私が夜8時頃にクリスマスマーケットを楽しんだのは、場所は違いますが、ほんの数日前のことでした。人々のクリスマスに寄せる素朴で温かな心が無残にも踏みにじられてしまいました。被害に遭われた方々には心からお悔やみを申し上げます。
 さて、ツアーの最終日、私と家内は、フリータイムをお買い物にではなく、市民の日常を体験するクリスマスマーケットとナッシュ市場(食料品市場)、そして名だたる音楽家の銅像巡りに充てました。そのひとつがカールズ教会広場のクリスマスマーケットでした。目を輝かせる子供たちの姿と私の孫たちの姿が重なって、彼らの動きを楽しく追っていました。ナッシュ市場、これも楽しい時間でした。細長い市場の両側に食料品店が並び、京都で言えば錦市場、大阪なら黒門市場を思わせる庶民の市場でした。そこにウィーンの市民の生活を思いました。
 もうひとつのお目当ては音楽家の銅像巡りでした。昼食会場だったオーストリア料理店ミュラーバイスルから5、6分ほどのところにある市立公園で見つけたのが、ヨハン・シュトラウス2世像、ブルックナー像、シューベルト像、ブラームス像。その南にあるベートーヴェン広場にベートーヴェン像。それを少し下ったところには、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地で、新年のニューイヤー・コンサートの会場になる楽友協会があります。
 カールズ教会広場でクリスマスマーケットを楽しんだあと、次に向かったのはオペラ座でした。それを過ぎるとゲーテ像があります。そして、王宮庭園内にあるモーツアルト像に出会うことになりますが、ここでタイムリミットでした。
 集合場所に集まると、みんなで夕食会場のビアホールに向かいます。ウィーン最後の夜を美味しいビールで乾杯です。こちらも一期一会。楽しい8日間の締めくくりとなります。でも、ツアーはまだ続きます。最後のプログラムはモーツァルトが若干6歳の時に演奏したというパルフィ宮殿で、モーツァルトやシュトラウスの小品を楽しむコンサートがありました。ホテルに戻ったのは10時を回っていました。
 おっと、芸術をテーマにしたブログでひとつ書き忘れていました。その日の午前、ヴェルヴェデーレ宮殿で、グスタフ・クリムトとエゴン・シーレなどの絵画を見ました。なかでもクリムトの「接吻」「ユディトⅠ」「アダムとイヴ」「けしの野」などは、レコードのジャケットをはじめ時々みかける絵画であり、それをまじかで見ることができました。ガイドさんの説明では、クリムト後期の作品に登場する女性の顔は、ジャポニズムの影響を受けている、つまり能面にヒントを得たのだそうです。初めて知りました。
 こうして8日間を振り返ってみると、駆け足の観光旅行ではあったけれど、ドイツとオーストリアの歴史と人の生き仕方の一部を体感できたという意味で心に刻む旅となりました。ブログでは、宗教という視点と芸術という視点からご紹介してきましたが、まだまだ言い尽くせないこともあります。それらはおいおいブログの中でさらりと触れていくことにいたします。

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