心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

温故知新(ふるきをたずねて新しきを知る)

2024-01-27 22:37:04 | Weblog

 ここ大阪は今週、雪こそ降らなかったものの寒い日が続きました。この季節を旧暦では「水沢腹堅」(さわみずこおりつめる)と言い、沢に氷が厚く張りつめる季節を言います。そういえば長い間、軒下にぶら下がっている長くて太い氷柱(つらら)を見たことがありません。

 そんななか、お天気に恵まれた月曜日、天王寺の一心寺にお参りに行った帰りに、四天王寺の骨董市を覗いてきました。特段にお目当てがあったわけではないのですが、ガラクタから陶器やグラス、絵画や人形などのお店が並んでいます。店の前でしばし立ち止まって品定めをしますが、別に値のはる逸品を探しているわけではありません。生活感溢れる品々を眺めながら、古き良き時代の風景を思い浮かべます。この日は、お茶碗やお皿など数点を買い求めましたが、行くたびに買って帰っては収納棚が窮屈になります。老夫婦だけなので、日替わりでいろんな器を楽しむのが日課になっています。
 先週は久しぶりに大阪市中央公会堂に行く機会もありました。ネオルネッサンス様式の美しい外観、いつ訪れても心温まる内部の意匠と空気感が気に入っています。原案は岡田信一郎、実施設計は辰野金吾・片岡安とされ、岩本栄之助の寄附をもとに建築された大阪が誇る大正建築の代表作です。
 週末の今日はシニア仲間11名と兵庫県赤穂市に行ってきました。JR坂越駅前からバスに乗って10分足らずのところにある牡蠣小屋「くいどうらく」がお目当てです。開店前に大勢の客が並ぶ人気店で、美味しい牡蠣料理を存分に堪能しました。
 帰りは坂越湾の風景を眺めながら歩いて駅に向かいました。途中、歴史的な面影を残す坂越のまちなみを散策しました。案内地図には「日本遺産『荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落』坂越」とあります。「ゆっくり、ゆっくり歩けば静かなたたずまいの中にあたたかい人のぬくもりも感じられることでしょう」と記されていました。ちょうど1年ほど前に読んだ玉岡かおる著「帆神~北前船を馳せた男・工楽松右衛門~」を思い出したものです。
 こういう街並みを後世に伝えていくのも大変です。この日は地元の高校生たちが法被を着て街のガイド役を務めていました。郷土愛を胸に元気いっぱいお話ししてくれる姿を頼もしく思いました。
 「温故知新」という言葉があります。「ふるきをたずねて新しきを知る」の意。昔の物事を研究し吟味して、そこから新しい知識や見解を得ることを言います。さてさて、こうしてのんびり過ごした1週間でしたが、もたもたしている間に時間はどんどん走り去っていきます。さあて、残された人生、どう過ごそうかと思案中です。

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「睡眠は最高のアンチエイジング」(文藝春秋2月号)

2024-01-20 11:17:03 | Weblog

 寒さが厳しいとされる「大寒」の時季を迎えました。これから徐々に冬の終わりへ向かいますが、雨の朝のお散歩で立ち寄ったお不動さんでは早くも豆まき舞台の設営が始まっていました。こうして狭い地球上の一画で季節の変化に一喜一憂しながら齢を重ねています。
 今朝のニュースによると、昨夜眠る前に見えた明るいお月さまにJAXAの小型月着陸実証機SLIMが無事到着したのだとか。政治の腐敗が抜き差しならない状況にあるなか、久しぶりに明るいニュースに接して、ほっとひと息です。
 ところで数日前、夜明け前の4時過ぎに何となく目が覚めました。もう一度眠ろうかと思いつつ手許のスマホを手にとって眺めていたら、ブログ「夢逢人かりそめ草紙」さんの記事に文藝春秋2月号企画「私の昭和歌謡ベスト3」のことが触れてありました。
 そういえば月刊総合雑誌って最近読んだことないなあと。さっそくAmazonkindleから文藝春秋2月号のサンプルをダウンロードしました。要するに立ち読みです。表紙にあった「睡眠は最高のアンチエイジング」に目が留まりました。スマートウォッチの睡眠モニタリングを愛用する私にとって、「睡眠」は関心事のひとつです。さっそくデジタル版を購入しました。そしてまず読んだのは、塩野七生(作家・在イタリア)の「日本人へ 無題」でした。軽く斜め読みしながら眠りにつきました(笑)。
 目次には「スペシャル企画:睡眠は最高のアンチエイジング~7時間睡眠を取り戻す12のメソッド」(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構機構長・柳沢正史)とあり、日本が誇る国際研究機関のリーダーが快眠ノウハウを一挙公開、と記されています。
 推奨される成人の睡眠時間は7~9時間なのだそうですが、日本人の睡眠不足は世界的にみても極めて深刻なレベルだとか。それがうつ病、認知症、がん、高血圧、糖尿病など健康リスクにつながっているほか、経済的なリスクをも孕んでいるのだと言います。「快眠習慣のための十二ヵ条」が示されています。
 中途半端な引用は誤解を招きかねませんので、関心の向きは実際に手にとってお読みいただければと思いますが、スマホの睡眠モニターに登場する「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の意味が何となく分かりました。
 この1か月間の私の平均睡眠時間は6時間30分です。記事によれば歳と共に睡眠時間は短くなっていくようなので許容範囲です。この日の睡眠モニターをみると、午後11時頃に眠りについて、「深い眠り」「レム睡眠」「ノンレム睡眠」を繰り返しながら、午前4時過ぎにいったん「覚醒」したことが手にとって分かります。と言いつつ、その後またもや眠りについている辺りは私の得意技かもしれません(笑)。

 本と言えば、先日天満橋のジュンク堂書店で「デジタル遺品の探しかた しまいかた 残しかた 隠しかた」(日本加除出版:1800円)を手にしました。今年のテーマのひとつが「デジタル終活」です。少しずつ手掛けていくための術を、まずはこの本から教わることになります。 表紙には「身内が亡くなったときの スマホ・パソコン・SNS・ネット証券・暗号資産等への対応やデジタル終活がわかる本」とあります。とりあえずは、この本に目を通して実際に何をすべきかを考えていくことにしようと思っています。

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堀川戎にお参りしてきました。

2024-01-13 11:40:34 | Weblog

 あと1週間もすれば「大寒」を迎えます。雪の中から姿を見せる蕗の薹が蕾を出す時季だとか。と言っても旧暦のことですから、いましばらく冬の寒さに耐える日々が続きます。
 早いもので今年も早や2週間が経ちます。年明け早々から能登半島地震や羽田の航空機事故が相次ぎ、やるせない気持ちが充満したお正月でした。その後、NPOも本格稼働していますが、新年会の前に十日戎で賑わう堀川戎にお参りしてきました。天神橋筋商店街にも近く、商売繁盛を願う参詣者で賑わっていました。私も、今年1年の無病息災を祈りました。
 ここ大阪では「えべっさん」と親しまれ、ミナミの今宮戎に並び称される「キタの堀川戎」です。若い頃、旭区の大宮神社の直ぐ横に棲んでいた頃には、「大宮戎のえ~べっさん」という掛け声が一日中聞こえていました。子どもたちと建ち並ぶお店をひとつひとつ見て回ったものでした。
 昨日は帰りがけに大阪メトロ天満橋駅界隈を歩いていて、お店の入口で京都三条の幸福屋さんの「たい焼き」を見つけ、なんとなく2個買って帰りました。店内を覗いてみると、節分を前に恵方巻の予約販売のポスターが貼ってありました。むかしはこんな風習はなかったような気もしますが、なんとなく季節感を感じてしまいます。
 ところで昨日、GoogleMapTimelineから2023年のロケーション履歴が届きました。要するに昨年1年間に訪れた都市(66ケ所)が地図上に記され、移動距離が17,622km(徒歩783km:車5,831km:交通機関9,486km:自転車231kmなど)と記載されています。この距離、地球1周分の44%に相当するのだそうです。
 スマートフォンを着装している間のデータとは言え、ここまで個人情報が蓄積されていることに驚きました。もちろんこれを拒否することもできるのですが、面白半分で1年間を振り返ってみるのもひとつです。
 昨年は、関西地区を中心に、東京・横浜方面、山陰方面、姫路、赤穂。そして何といっても四国全域。残念ながら北海道と九州には行っていません。今年は久しぶりに日本を飛び出し、スペイン、フランス、イタリアに足跡を記すことになるのでしょうか。
 その前に健康チェックもしておかなければ。明後日は「脳ドック&癌検診」の日です。先日の新年会では思いのほか呑み過ぎてしまいましたが(笑)、そろそろ歳相応の振る舞いが求められる歳になってきました。ボケ防止のために4月からシニア向けの文化講座を受講しますが、心穏やかに過ごす1年でありたいと思っています。徐々にフェーズアウトに向けて環境整備を進めていく1年になりそうです。

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今年は「小吉」。テーマは「デジタル終活」か。

2024-01-06 11:20:48 | Weblog

 お正月早々、能登半島地震、羽田空港での航空機事故、さらには各地で発生した火災など重苦しい年明けとなりました。被災された方々には心よりお悔やみ申し上げます。

 和倉温泉には7年前、リタイアした年の暮れに行きました。道中、重たい雲に覆われた日本海をただただ眺めながら、その後の生き仕方を考えた旅でもありました。北朝鮮に拉致された方が彼の地に向かったのも、まさにこの日本海沿岸でした。今日のニュースによれば、北朝鮮の金正恩が能登半島地震を受けて岸田文雄首相に見舞いの電報を送ったとか。なんという歴史の悪戯なんでしょう。
 飛行機事故も胸が痛みます。最近、東京方面に向かうときはほとんどJALパックを利用しているので、他人事ではありません。あの密閉された空間で起きた事故。いつも離陸前に緊急時の行動についてアナウンスがありますが、あまり真剣には聴いていません。でも、今回の映像を見ていると、乗客乗務員も、まさにシナリオどおりの行動ができていました。そのことに感心したものでした。
 さてさて、今年は辰年です。ネットを捲ってみると「物事が目に見えて大きく動き変わっていく年。 今までの流れに囚われない、良くも悪くも予想外の変化が起こる一年になることが予想されます」とあります。恒例の御御籤は「小吉」と出ました。「挫けず願い続けよ。運気もかわる」「節目の旅行で運気上昇。早くから計画を立てると尚よい」などと記されています。
 御御籤には「望」という文字が添えてあり、「自分に何を望んで生きるか 自分なりの美徳をもつと良い」「些細なことでもあなたの支えになる」「心正しく過ごせば 奇跡と思えることも起こる」と説きます。何かしら、私の思いを汲んだ言葉のような気もします。心してこの1年を過ごしたいと思います。
 今年のお正月も、我が家は大騒動でした。高校受験を控えた孫娘と母親を除いて12名が集いました。当初11名と思っていましたが、一番下の孫娘をカウントしていませんでした(笑)。いずれにしても、ふだんは老夫婦のみの静かな家が戦場と化しました。そして今、また静かな朝を迎えています。
 ということで、新しい年を迎えて今年の抱負を述べたいところですが、この歳になると大仰なことは思いつきません。NPOの仕事の合間を縫って、春先に母の50回忌のため帰省すること、初夏に地中海ショートクルーズに出かけることぐらいしか見通せません。
 今年の年賀状にも、賀状卒業の添え書きがちらほらありました。かつて厳しく指導いただいた上司から久しぶりにお電話をいただきましたが、あんなに若々しく元気だったのにもう91歳だとか。だんだんと寂しくなってきます。
 私も、いつまでも元気にNPOのボランティアを続けられるわけでもありません。いやいや自分では現役の頃と遜色ないと思っていても、心身に綻びが目立ち始めています。論理回路は既にズタズタです。そんなわけで近く「脳ドック+癌検診」を受けてきます。決して弱気になっているわけではありませんが、「デジタル終活」が今年の大きなテーマになりそうです。

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