心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

春の到来、そして巣立ち

2007-03-25 15:55:15 | Weblog
 春雨。手許にある歳時記をめくってみると、「しっとりと暖かく降り包む春の雨」とあります。微妙に雰囲気の異なる言葉として「春霖」「菜種梅雨」「春時雨」などが紹介されています。改めて日本語の奥深さを思います。
 昨夜は一晩中暖かい雨が降り続きました。朝方になって何とか小降りになり、そして今は雨もやんで、雲の合い間からうっすらと青空がのぞきます。ときどき陽の光がさします。そんな春の陽気に誘われて庭に出てみると、白いユキヤナギが満開です。花壇では何種類かのハーブたちが発芽の時期を迎えて賑やかになってきました。その一画でラベンダーが花芽を伸ばしています。ローズマリーは濃緑色の細い葉が茂り、枝先には淡青色の可愛い花をつけています。その愛らしさに惹かれて数本かを紐で括って部屋に飾りました。なんとも芳しい香りが漂っています。
 街のあちらこちらも「春」の気配です。今朝、愛犬ゴンタと早朝散歩にでかけると、バス停近くの丘に聳える4本ほどの大きな柳の木の枝先は淡黄緑色に染まっています。公園にある20本ばかりの桜の枝先にいくつかの開花を確認しました。街の「開花宣言」です。ウグイスがいたるところで「ほーほけきょ」「けきょけきょ」と囀っています。待ちに待った「春」が、いよいよやってきた、そんな3月最後の日曜日です。
 昼下がりに、LPレコードのデーターベースから「春」を検索すると数種類の作品がヒットしました。そのなかからきょうは、珍しくシューマンの「交響曲第一番変ロ長調”春”作品38」を取り出しました。このLPは、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮、ドレスデン国立管弦楽団の演奏で、1972年秋の録音です。大学4年生のときです。聴きながら思い出したのですが、その半年ほど前に、わたしは友人と一緒に大阪フェスティバルホールでドレスデン国立管弦楽団の演奏を聴いたことがあります。でも、何を聴いたのか思い出せません。
 先日、わたしが卒業した同じ大学を次男君がめでたく卒業しました。京都に本社のある会社に就職しましたが、どうやら社会人としての第一歩は関東になりそうです。春の訪れとともに巣立って行きます。昨夜、上の二人と同じように、技術系の彼にもピーター・ドラッカーの著書を何冊か買ってプレゼントしました。なにやら神妙な顔をして受け取ってくれましたから、本人もそれなりの思いをもっているのでしょう。今週半ばには、嫁いだはずのお姉さんが4日間ほどお里帰りをするのだとか。といっても仕事をしていますから、実家から通勤するのですが、これからは滅多に会えないだろうからというのがその理由なのだそうです。我が家の3人の子供たちの絆も、案外捨てたものではないと感心したり安心したり。.........きょうは、意味もなく、思い浮かんだことをそのまま綴りました。
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LPレコードに癒し求める

2007-03-18 10:09:54 | Weblog
 愛犬ゴンタを連れた早朝散歩のときには、寒そうな雲が空を覆い、春分の日を前にして珍しく花びらのような雪が舞っていました。それから数時間が経って、いま、私の部屋の窓辺には明るい春の陽がさし青空を眺めることができます。
 そんな清清しい休日の朝、チャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調作品64を聴きながら、いま、ブログの更新をしています。実はこのLPレコード、きのう気分転換に大阪・梅田にでかけた際に入手したものです。以前から探していた、エフゲニ・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。私が10歳の頃の1960年11月にウィーンで演奏されたものです。カートリッジはMC型のDENON DL-103を使用していますが、特に第四楽章は他の指揮者の演奏に比べて意思の強さを感じさせる素晴らしい演奏でした。
 きのうはJAZZピアノのLPも手に入れました。キース・ジャレットの「ヨーロピアン・コンサート」。3枚組で1,800円でした。箱の帯に書かれた「風になる。鳥になる。そして大地に還る。ピアノのなかの全世界」という表現が気に入りました。こちらは1981年の初夏の録音です。社会人になって8年目を迎えた時期の演奏ということになります。昨夜は、SHUREのMM型カートリッジN97xEで、このLPを楽しみました。
 年度末という気ぜわしい時期を迎えたうえに、この4月、4年ぶりに新しい職場(部署)に変わることになったので、最近少し落ち着きがありません。仕事の重さになんとなく幼稚な拒否反応が見え隠れします。そのためでしょうか、ここ数日間は、遅めの夕食を終えたあとの30分ほど、JAZZのピアノ曲を聴いて、自分を慰めたり、気を取り戻したり、元気をいただいたりしています。それも、ビル・エヴァンスやキース・ジャレットといった、どちらかといえば「都会」の風景を感じさせるソロピアノ曲を好んで聴いています。このあたりになると、クラシックとJAZZの境界が見えなくなってくるから不思議です。そして思い直したようにビジネス鞄の中から書類を取り出す。そんな日々が続いています。
 と、ここまで書き上げて、もういちど窓辺に目をやると、えぇ??、お空はまたもやどんよりとした曇で覆われ、寒そうな風景が飛び込んできました。きのう、駅前第二ビルの付近を通りかかったときには、数本の桜が満開だったのに....。お天気の方も、季節の変わり目をむかえて落ち着きがなさそうです。
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ターシャ・テューダーの世界に憧れ

2007-03-11 10:37:59 | Weblog
 もう春と思いきや、急に寒くなったり、また暖かくなったり。春にむかって天も地も何やら騒々しくなってきました。そんな陽気に誘われて、冬の間じっと耐えてきた「生命」も、地球という大きな舞台にご登場のご様子です。遠くの山並みを見通せるほどの視界はないけれど、足元の至るところに小さな春を見つけることができました。
 そんな嬉しい季節に、わたしは昨日、職場の知人の結婚披露宴に出席してきました。ふだん難しい表情をしている彼が、いつになくにこやかに見えて、結婚ってこれだけ人を変えるものなんだと改めて思ったものです。良き伴侶を得て、新しい人生の扉をあけようという若い二人の門出を祝いました。出席したわたしも、なにやら元気をいただいた気分でした。
 宴を終え、春めく大川端を散策しながら徒歩で天満橋へ。ジュンク堂書店に立ち寄って DIAMONDハーバードビジネスレビュー4月号を買って帰途につきました。今月の特集は「弁証法思考 超ロジカル・シンキング」です。久しぶりに野中郁次郎先生の論文を拝読させていただきます。きょうは少し時間があるからじっくり読もうと意気込んで帰ったのですが......。
 帰宅して何気なくテレビのスイッチを入れたら、1830年代の広大なニューイングランド式庭園を散策するおばあさんの姿。綺麗な草花が美しく映し出されていました。「ターシャからの贈りもの~魔法の時間のつくり方~」(NHK総合)の再放送でした。主人公は絵本作家ターシャ・テューダーです。米国バーモント州の小さな町のはずれの深い森のなかで、ペットと自然に囲まれて、季節の花々を育てながら、絵本を書いたり、人形をつくたったり、とにかくゆったりした時間と向かい合って生きていらっしゃる姿が印象的でした。羨ましく思いました。......宴席で美味しいワインをいただいたせいでしょうか。テレビを眺めながら、いつの間にか深い眠りに陥ってしまいました。
 わたしたちも、もう少し、ゆったりとした時間を持ちたいものです。毎日、分刻みの世界に身体が馴染んでしまうと、何か大切なものを見失ってしまうのではないかと心配になります。かつて「勝ち組」「負け組」という二項対立的なものの考えがもてはやされた時期があります。でも、何を持って勝ちといい、何をもって負けというのかを冷静に考えてみると、不安になります。もっと懐の深い視点が必要なんだと思います。さあ、きょうは久しぶりに花壇のお手入れでもしましょうか。
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季節の変り目

2007-03-04 09:36:44 | Weblog
 先日、夜遅くに帰宅したとき、玄関先で夜気に漂う桃花の香を感じました。ほんの一瞬でしたが、微かな香りから春の訪れを実感しました。休日の朝、目を凝らして我が家の庭を眺めると、なんとブルーベリーの花芽が大きく膨らんでいます。山椒の木の枝には新芽が顔を覗かせ、花壇ではハーブの新芽をいたるところに見ることができます。と思えば、庭の草むらの下にフキノトウもちらほら。懐かしい春の香を楽しむため3個ほど摘んで、今夜は芳しいフキノトウ味噌を作ってもらうことにしました。お酒が進みそうです。春先の、こんな生き生き感がわたしは大好きです。
 ところで、先週、娘夫婦に赤ちゃんが生まれることに触れました。あれから1週間。もしやと思っていましたが、昨夜、久しぶりに鹿児島に暮らす長男君から電話がありました。長男夫妻にも赤ちゃん誕生の知らせです。ことしの10月には孫二人が誕生の予定となりました。少子化の時代でありながら、我が家のオバアサンは何やら落ち着かないご様子です。「つわり」がひどそうなので、今月半ばにも仕事を休んで鹿児島にお出かけとか。このあたりは、オバアサンにお任せしておきましょう。
 仕事をもつ娘も、出産にはずいぶん悩んだようですが、育児休業制度などをよく理解して、決断したようです。育児休業法が制定された当時、職場の育児休業制度を立ち上げた経験があります。この少子化の時代、改めて制度の意義を思います。出産手当といった一過性のお手当で問題を解決するというよりも、もう少し長いスパンで出産というものをサポートする制度化が必要なんだと思いました。いずれにしても、安心して子を産み育てる環境づくりが、これからの日本には必要なんでしょう。
 いよいよ3月です。愛用している「超」整理手帳の、昨年11月に始まった第一シート(A4版ジャバラ式1シートで両面16週、年3シート)も先週末で終わり、来週からは第二シートに入ります。第二シートの期間は3月5日から6月24日までです。これが終わる頃は鬱陶しい梅雨の季節の真っ最中ということになります。この先4ヶ月の間に、いったいどんな状況が待ち構えているのか皆目見当もつきませんが、少なくとも周囲に振り回されることのないように、足元をじっくり見つめながら歩んでいきたいと思っています。
 明日からは次男君がイタリアへ卒業旅行に出かけます。もろもろ考え合わせてみると、部厚い本の第1章を読み終え、頁をめくって第2章に進むような、そんな思いを強くしています。
 さぁ、きょうはこれから知人のコンサートに京都へおでかけです。(^^♪

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