沖縄や奄美が梅雨入りしました。ここ大阪も、来月半ばには梅雨入りです。若葉が青葉に代わり、草木がぐんぐん伸びていく時季。我が家の庭では早くもカシワバアジサイが咲き始めています。園芸店の片隅にあった小さな苗を買い求めて3年。今年初めて花開きました。
一昨日は、庭の片隅で白い花をつけるドクダミを刈り取りました。干して刻んでドクダミ茶を作ります。ついでにハーブ畑のレモンバームも刈り取って軒下に吊るしました。いよいよ健康茶の仕込みの季節です。
健康といえば、先日、3カ月ぶりに病院に行ってきました。術後の定期検診のためですが、今回初めてマイナ保険証を使いました。カード読み取り装置にカードを置いて暗証番号を入力するだけ。あとは自動的に読み取ってくれます。
マイナンバーカードについては、国の施策もあって、保有率は73%に達していますが、マイナ保険証の利用率は6%に過ぎないとか。私自身は確定申告はじめ何かと重宝していますが、カードへの不信感が利用を躊躇させているのでしょう。
ただ、デジタル時代を逆手にとって悪事を働くケースが頻発しているのも事実です。時々届くフィッシングメールもそのひとつ。〇〇銀行、〇〇会社など一見すると本物のメールに見えますが、よくよく見ると違います。まずアドレスが不自然です。
でも、歳を取って認知機能が衰え始めると、私だって簡単にメールを信じ込んでしまう時が来るかもしれません。ご用心、ご用心。ネットで便利になった反面、防御しなければならないことも増えてきて、大変です。
昨日の水彩画教室は、通天閣が見える天王寺公園で写生会でした。河底池のほとりでアオサギやカモ、カメたちに見守られながら、遠くに聳えるアベノハルカスを描きました。これをどう仕上げるかが悩みの種です(笑)。
明日からスケッチブックを持って、スペイン、南フランス、イタリアを巡ってきます。長旅になりますから、塩野七生の新潮文庫「ローマ人の物語」から「ハンニバル戦記」を3冊、須賀敦子全集(河出文庫)2冊も、リュックに忍ばせました。いずれも一度は読んだことのある本ばかりですが、時と場所を変えて地中海という「風景」を肌で感じながら、まったりとした時間を過ごそうと思っています。
そんなわけで、ブログ更新は1週間お休みします。次回は6月7日、と言いたいところですが、その日は母の50回忌法要のため実家に帰りますので、その前か後のいずれか空いた時に、更新する予定です。
3年前、我が家にお連れしたシャクヤクが、今年やっと花開きました。去年もおととしも、蕾は見えても開花に至りませんでしたから、根気よく待っていて良かったです。花言葉は「恥じらい」「はにかみ」なんだそうです。
そんなある日、大学時代の同窓会の打合せのため上洛しました。早く着いたので、久しぶりに三条河原町の喫茶店「六曜社」を覗きました。
半世紀も前の学生時代に時々おじゃましていた喫茶店ですが、今でもテーブルにはマッチ箱が置いてあります。昔はどこの喫茶店もそうでしたから、当時粋がって煙草を吸っていた私は、いろんなお店のマッチ箱を集めたりしていました。
喫茶店と言えば、昔、三条と四条の間あたりに「夜の窓」というお店がありました。入口のドアを開けると、その奥に大きなスピーカーがでんと座りレコードがずらりと並んでいました。
お店の中には中庭もあって、木漏れ日を感じながらぼんやりクラシック音楽を聴いたり、本を読んだり、あるいは友と語り合ったり。残念ながら、このお店は今はありません。
この日集まったのは10名。補聴器をつけても聞き取りにくい80代の先輩も、奥様同伴でいらっしゃいました。時々筆談を交えてお話ししましたが、冷たいビールをいただきながら終始穏やかに楽しそうにされていたのが印象的でした。
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どこかに出かけると、何となく入ってみたくなるのが本屋さんです。この日はぶらり河原町のジュンク堂書店に立ち寄りました。そこで目に留まったのが松居竜五著「熊楠さん、世界を歩く。~冒険と学問のマンダラへ」(岩波書店)でした。学術書とは趣を異にして、南方熊楠の人となりが分かりやすく記されていました。さっそく帰りの電車(特急ではなく各駅停車)の中で読み始めました。
そう言えば、今週の文化講座のテーマは「宣教師が見た日本の自然環境と人間」でした。宣教師が紹介したひと昔前の日本の自然文化史、博物誌のお話しを聞いていると、ふっと熊楠の世界とニアミスします。それどころか、古代ローマの博物学者プリニウスにまで話が及ぶと、ここ1か月の間なんとなく気になっている方々に取り囲まれたよう。楽しい時間を過ごしました。
最後にもうひとつ。先日、シニアの仲間たちと法隆寺に行ってきました。法隆寺金堂壁画保存活用資金クラウドファンディング支援者向け「壁画収蔵庫限定公開」が目的でした。私が生まれる1年前の昭和24年、解体修理のさなかに火災が発生し、釈迦如来や薬師如来などを描いた大壁4面と小壁8面が焼損するという痛ましい出来事がありました。
薄っすらと往時の姿を留める仏像壁画は、焼け焦げた大きな柱共々に関係者のご努力によって保存されています。その姿が痛々しくもありました。
帰りには藤ノ木古墳に立ち寄り、近くの斑鳩文化財センターでは古墳に埋葬されていた品々(レプリカ)を観て、往時の面影を偲びました。
私の好きな言葉に「温故知新」という四字熟語があります。「昔の物事を研究し吟味して、そこから新しい知識や見解を得ること。ふるきをたずねて新しきを知る」(広辞苑)の意味ですが、なんとなくそんな楽しい1週間でもありました。
庭に植えたオリーブの木が3メールほどになりました。よく見ると、若葉の陰に蕾が見えます。今年も実がなるのでしょうか。オリーブと言えば、何年か前に旅したシチリアを思い出します。ギリシャ神殿が点在するアグリジェントの丘で樹齢千年のオリーブの木に出会ったことがありました。その木肌に手を添えて、オリーブの「いのち」をお裾分けしていただきました。
ゴールデンウィーク後半はお天気もよく、我が家の小さな菜園のお手入れに汗を流しました。ピーマンの苗を植えたり、葉物野菜の種を撒いたり、ゴーヤの蔓棚を作ったり......。ミニトマトの枝先には早くも小さな実が見えます。
そんななか、今週の水彩画教室の画材は「春の野菜」でした。出がけに、菜園からアスパラガスとサニーレタス、グリーンリーフの葉をもって教室に向かいました。本来なら描いた水彩画をここに掲載したいところですが、その日はうまく描けず、代わって庭先のブルーベリーの写真でお茶を濁すことにしました(笑)。
そうそう。連休の昼下がり、新潮社のWEBマガジン「考える人」を開いたら「漫画で歴史を描くということ」と題する鼎談が載っていました。天文・地理、動植物の生態など森羅万象を網羅した百科全書『博物誌』を書き遺した古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(23~79年)の生涯を描いた、漫画『プリニウス』(全12巻=新潮社)です。ヤマザキマリさんと、とり・みきさんの合作ですが、先頃、第28回手塚治虫文化賞 マンガ大賞(年間のベスト作品)を受賞したとか。それにちなんで、8年前に出口治明さんと鼎談した記事が再録されていました。
ちょうど、マルグリット・ユルスナールの「ハドリアヌス帝の回想」を読み始めて、少し文字に疲れていたこともあり、さっそくAmazon Kindle(kindle unlimited=月額980円で読み放題サービス)から漫画「プリニウス」をダウンロードしました。
若い頃、塩野七生の「ローマ人の物語」(全43巻)を読んだことがありますが、漫画で見る古代ローマ史はもちろん初めてです。漫画とは言え、古代ローマ人が生き生きと描かれていて、なによりも大噴火に見舞われたポンペイの街など古代ローマの歴史風景が私の心を虜にしてしまい、ついつい4巻まで読み進んでしまいました。
ところで、鼎談の中にこんなくだりがあります。
「南方熊楠(註1867~1941年。博物学者。粘菌の研究などで知られ、生涯在野の研究者であった)に似ていますよね」。「同時代を生きた知識人のセネカは、とても整った文章を書く。だから後世にも立派な著作集が残るわけです。プリニウスが南方熊楠だとしたら、セネカは柳田國男(註1875~1962年。日本の民俗学の泰斗。元は農商務省の官僚)かも」。
なるほどね。今週受講した文化講座は「世界文学としての方丈記」の第二段、「南方熊楠」がテーマでした。この歳になると、ひょんなことから点と点が繋がって急に視界が広がります。それが私の好奇心をくすぐります。この性格、死ぬまで直らないのでしょうね。きっと(笑)。
今夏も高野山夏季大学を受講する予定です。未だ、主催者である毎日新聞社からは社告はなされていませんが、先日、早々と2泊3日の宿を仮予約してしまいました。その前に、今月下旬には久しぶりにヨーロッパ旅行に出かけます。スペイン、南フランス、そしてイタリア。イタリアでは、フィレンツェとローマを再訪します。残り少なくなった人生に向かってギアチェンジの時を迎えています。
ゴールデンウイーク前半は、もうひとつお天気が良くありませんでしたが、それでも小雨の合間を縫って四天王寺「春の大古本祭り」と京都みやこめっせで開かれた「春の古書大即売会」を覗いてきました。お天気のせいもあって、いつもより人手は少ない感じがしましたが、それでも古書愛好家の方々が熱心に品定めをしていました。個人的な感想を言えば、京都の方がなんとなく分野別に陳列されてあった分、探しやすかった印象があります。やはり大学の街だからでしょうか。
そして実は今日、再び京都に出かけました。奥様のお供でクラフトマルシェin京都府立植物園、そして岡崎マルシェ~ものづくりMuseumのハシゴです。開園100周年を迎える京都府立植物園は、70歳以上は入場料無料。お花はボタンにシャクヤクの時季ですが、なによりも柔らかな若葉の美しさに心洗われました。つぎに向かったのは岡崎公園のみやこめっせです。おととい春の古書大即売会を覗いたばかりですが、奥様とは別行動で再び古書即売会場入りとあいなりました。さすがにお天気が良かった今日はたくさんの方々がお越しになっていました。
今回、古本祭りをハシゴして連れて帰ったのは「ウンベルト・サバ詩集」(須賀敦子訳)、ミュシャ小画集「夢想」(画:ミュシャ、詩・歌:与謝野晶子)、相田みつを「にんげんだもの」、ヘッセ詩集(高橋健二訳)、そして小林秀雄全作品(5)「罪と罰」について」の五冊でした。
そのうちサバの詩集は、京都に向かう電車の中で読んでいた若松英輔著「霧の彼方 須賀敦子」にサバの話が書いてあったこともあり、広い即売会場でありながら向こうから合図をされたような出会いでした。
須賀敦子は「鋭い洞察もつキニャールの作品」の中で、「読みたい本を読む時間がなかなか確保できなくて、気がつくと、<読みたかった>のに、<まだ読んでいない>本が、食卓や枕もとにこんもりと山をなしている」と言います。私も、枕元に数冊の本が山をなしています(笑)。
話しは変わりますが、先週ご報告したように、先日、京都・亀岡の湯の花温泉に行ってきました。前夜7時過ぎに予約を入れて翌日の夜6時頃にはお宿で美味しいお酒とお料理を楽しむ。温泉に浸かってゆったりまったりの時間を過ごしました。夕刻には、創業400年という「保津川下り」もネットで予約。翌朝、新緑が眩い保津川を1時間半かけて下りました。なんとも和やかな船旅でありました。
船を降りたのは渡月橋が見える嵐山です。外国人観光客で街中がごった返していましたので、足早に四条河原町へ移動し、ランチを楽しんで家路につきました。
ゴールデンウイーク後半は始まったばかりです。お天気も良さそうなので、花を愛で、本を楽しみ、孫と語らう楽しいひと時を過ごすことになりそうです。