先月末から続いている原因不明の筋肉痛のこと。取り敢えずお医者さんから湿布と飲み薬をいただいて以降、全身に広がっていた痛みは和らぎましたが、まだ両肩の痛みは残ります。
そんなわけで、温泉に浸かって少し心身を休めることにしました。今回の行先は紅葉の北海道です。もう一度行ってみたい温泉の中から積丹岬の温泉「岬の湯しゃこたん」を選びました。
町営の立派な施設なのに、余市以北は鉄道が走っておらずお客の多くは町の常連さん。より多くの方々に来てもらうには課題がありそうでした。前回訪ねたときは来客は数組。3ヶ月後の2022年1月末で休業する旨の貼紙が掲示されていました。
ところがその後、有志で株式会社を設立し、再開にこぎつけたようです。若者たちの地方創生の取り組みに期待を寄せました。
泉質はナトリウム一塩化物・炭酸水素塩温泉で、とろりとした肌触りがなんとも心地よい温泉です。適応症は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩など、私の症状にはぴったりです。
問題は近くに移動が便利な宿がないこと。3年前には、北海道中央バスの「岬の湯しゃこたんバスセット券」を購入し、札幌から高速バスに乗って小樽駅へ。そこで路線バスに乗り換えて行きました。
でも今回は違います。中央バスが「秋の絶景積丹岬コース」という定期観光バスを運行していて、途中、島武意海岸(しまむいかいがん)や神威岬(かむいみさき)などを下車観光しながら、ちょっとした小旅行気分です。
札幌駅前を9時過ぎに出発しお昼前に「岬の湯しゃこたん」に到着しました。施設の雰囲気は3年前と変わらず、昼食後に露天風呂に入ると、右に積丹岬、左には神威岬が一望できます。この日はバスツアー客のほか十数名がオートバイやマイカーで三々五々やってきていました。
ところで、今回の北海道旅行は、いつものように格安JALパック+誕生日優待〈-15,000円〉を利用しました。10日ほど前に航空機とホテルの手配だけ済ますと、あとは現地調達の行き当たりばったり。いつもの珍道中です。
2日間、夜の札幌を楽しんだあと、3日目の朝には地下鉄とバスを乗り継いで羊ヶ丘展望台に行きました。なんと、その路線バスを運転していたのは前日の定期観光バスを運転していた若い女性運転手さんでした。若者たちが頑張っています。
午後には次の温泉地・定山渓温泉に向かいました。こちらは3回目の訪問です。道内最大規模の温泉施設で、泉質と効用はしゃこたんの湯とほぼ同じ。ホテル周辺の紅葉を愛でながら温泉に浸かって美味しいお酒をいただきました。連日の温泉三昧でなんとなく肩の痛みも和らぎました。
帰阪した翌日、つまり昨日は朝から京都の講座に出かけ、絵画教室ではさっそく北海道の紅葉風景を描き始めました。お誘いをいただいたので、来月からは京都観世流の先生の指導による謡曲同好会にも入ることにしました。来年6月大阪・関西万博EXPOホールで開かれる能「2000人の”水の輪”」に備えます。
この日はそのあと夕刻、大阪に舞い戻ってシニア仲間と合流しました。このところの原因不明の筋肉痛は、生活リズムが激変したため身体が追いついていないのかもというのが元看護婦長さんの見立てでした(笑)。慌ただしくも呑気な1週間でした。
第五十一候「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり).....。戸口で秋の虫が鳴き始める時季になりました。お庭に金木犀の香が薄っすらと漂ってくるなか、バッタさん夫婦がやって来て、冬支度でしょうか、プランターに植えつけたばかりのロマネスコ(カリフラワー)の葉っぱを美味しそうに食べています。そんな秋の到来を肌で感じながら、ゆったりまったりの一日を過ごしています。
先週に続いて今週も、まずはお不動さんの話題から.....。5年前から建替えが進んでいた山門がやっと完成し、先日その落成法要がありました。施工は神社仏閣建築を手掛ける世界最古の企業、金剛組(578年創業)です。屋根を覆う銅板を寄進したこともあって参列させていただきましたが、四国八十八カ所の札所にも劣らぬ立派な山門のお披露目でした。
お寺繋がりの話題になりますが、先日、小学校がお休みの孫次男君を連れて東福寺塔頭・勝林寺に坐禅体験に行きました。塾通いとピアノの練習、ゲーム遊びに忙しい彼も、その日ばかりは神妙な面持ちで、僧侶が近づいてくると自ら手をあわせ、警策という木の棒で両肩を叩いてもらっていました。
お寺繋がりでもうひとつ。日本最古の大寺・四天王寺「秋の大古本祭り」にも行ってきました。ドナルド・キーンの「能・文楽・歌舞伎」、思想読本「西行」のほか園芸関係の本を何冊か連れて帰りました。秋を迎え、昨日から大阪天満宮で、月末には京都・知恩寺でも秋の古本まつり~古本供養と青空古本市が始まります。
ここでやっと本題に入ります。先日の日曜日、大阪市中央公会堂前の屋外で演じられた山本能楽堂「いのちの能/水の輪」を観劇してきました。この新作能は観世流能楽師・山本章弘さんの作で、「水都大阪2009」で初演以来、国内外で演じられ、私はこれまで2回山本能楽堂の舞台で鑑賞しています。(屋外であっても公演中の写真撮影禁止のため舞台風景のみ掲載します)
聞けば、来年6月18日、大阪・関西万博EXPOホールでの公演が決まっていて、「2000人の”水の輪”」と銘打って、二千人の観客がうたう謡いに合わせて舞うのだとか。なんだかグスタフ・マーラーの千人の交響曲のようです。万博に向けて年明けから山本能楽堂で「謡」のワークショップが予定されているのを知り、さっそく申し込みました。もちろん初体験です。
そんななか、昨日は、絵画教室の作品展準備のため京都に行ってきました。帰りに初秋の空気感漂う鴨川べりを丸太町から三条まで歩きましたが、途中、鴨川の淵を覗くとたくさんの魚たちが元気よく泳いでいました。アユ?オイカワ?都会の真ん中を流れる鴨川の水の美しさを思いました。この水が淀川に合流し大阪湾に注ぐことになります。ふっと「いのちの能/水の輪」のお能を思い出しました。
作品展の方は受講して未だ日が浅いので、今回はとりあえず最近描いたものの中から1枚を選んで出展しましたが、教室の皆さんの力作ぶりには驚きましたし、今後の励みにもなりました。
そんな折、先生から「月末に5、6人で信州に一泊二日の写生旅行に出かけますが一緒に行きませんか」と笑顔のお誘いをいただきました。北海道旅行から帰った直後の日程なので今回はお断りしましたが、次回から仲間入りすることにしました。それまでにもう少し上達しておかねばと気持ちを新たにした次第です(笑)。
【添書き】
今日のブログ更新は、久しぶりにレコード棚から松下真一作曲「交響幻想曲〈淀川〉」(朝比奈隆指揮/大フィル)を取り出して聴きながらまとめました。第一楽章は、安曇川、姉川、野洲川など琵琶湖に注ぐ淀川の源流。第二楽章は淀川のもうひとつの源流である鴨川、桂川。第三楽章はさらにもうひとつの源流である木津川。第四楽章<フィナーレ>は淀川によって育まれた世界都市・大大阪の輝かしい未来への賛歌で構成されています。1975年、大阪青年会議所創立25周年を記念して箕面市民会館で録音されたレコードです。これを私は日本橋の中古レコード店でずいぶん前に見つけました。別に、2004年秋、河川環境管理財団の河川整備基金の助成を受けた大学コンソーシアム大阪音楽祭でライブ録音されたCDもあります。こちらは酒井睦雄指揮、相愛オーケストラの演奏です。いずれも合唱は大学グリークラブ、混声合唱団等が歌っています。
十七節気「寒露」。朝お散歩に出かけると、爽やかな空気感に心癒されます。途中立ち寄るお不動さんでは、数年前から宮大工さんが丹精込めて四国八十八カ所の祠を新調していましたが、ついに完成しました。
そんなお不動さんで、先日、十三代目市川團十郎白猿と八代目市川新之助の襲名奉告参拝がありました。その場面にたまたま居合わせたところ、境内をお練りの際に「成田屋!」という「大向う」が飛び交っていました。
さてさて、この秋にNPOを引退して10日が経ちます。パソコンに保存していた関連データはすべて消し去り、紙ベースの書類も個人情報絡みはすべてシュレッダーで裁断しましたので、なんとなく肩の荷がおりた気分です。なによりも、毎日メーリングリストから届く膨大なメールから解放されたのは、予想外の収穫でした。
以降、時間の流れ、生活のリズムもがらりと変わりました。老夫婦でゆったり朝食をとった後、お散歩に出かけるのが日課です。帰ると少し休憩して花壇や菜園のお手入れ。午後にはお昼寝をしたり、本を読んだり、ステレオを弄ったり、次週の絵画教室の準備をしたり....。まさに晴耕雨読の日々を楽しんでいます。
これまで以上に家内と向き合う時間も増えました。今月下旬には久しぶりに北海道に出かける話もまとまりました。
今週の絵画教室では、5月に出かけたイタリア中世都市の写真を基に、茶系の混色をいろいろ試しました。クリムソンレーキ×バーントアンバー、バーミリオン×バーントアンバーなど。混ぜ具合によって微妙に色あいが違います。試行錯誤を繰り返しながら、このあたりの感覚を身につけていきます。
そうそう。京都講座のホームページに、先週クラスメイトと談笑する私の写真が掲載されていました。ぼちぼち新たな人の輪を広げていこうと思います。(念のためお相手のお顔はぼかしています)。
でもねえ。生活のリズムが変わると体調にも影響がありそうです。ここ2、3週間、全身が原因不明の筋肉痛に悩まされています。思い切って今日、病院に行ってきました。いろいろ検査をしてもらいましたが、数値に特段の変化はなさそう。気の持ちようかも知れません。主治医の先生からは、症状に変化がなければリュウマチ専門の先生を紹介すると言われました。ご用心、ご用心。
文の流れのアクセントで置いた下の写真は、今日近くの公園で撮りましたが、オオシロカラカサタケのようです。ネットで調べると毒性があるとか。こちらもご用心、ご用心。
話は変わりますが、先日、仙台にいる5歳年上の従兄から珍しくメールが届きました。来月、母親の3回忌で松江に帰るので、その際、父親の実家である我が家のお墓参りがしたいが、50年ぶりなので墓の場所を教えてほしいと。
一時は高知の大学に勤めていましたが、その後東北の大学に移り、先進的な研究成果は海外でも広く注目されていました。そんな従兄も、この春めでたく退官し悠々自適の生活に入ったところです。
私のパソコンの中に、昔々の写真を何点かデジタル化したものが残っています。70年近く前というと昭和29年前後でしょうか。祖父の法事に集まった縁者30名あまりがお墓で写真に納まっている集合写真があります。東京に嫁いだ長女のご主人が撮ったもので、両親も叔父叔母も兄姉も健在の頃。従兄は小学校低学年でした。そんな写真をメールの返信にそっと添えておきました。
すぐに返信がありました。「顔がわかる人とわからない人が混在していて時間の経過を感じる」「当時は松江から蒸気機関車に乗って行った記憶がある」「夏の暑い日に叔母さん(私の母)に頼まれて〇〇さん(私の姉)と一緒に祖母の実家にお届け物を持って行ったことがある」...........。セピア色の写真を眺めながらぽつりぽつりと古き良き時代を思い出した様子でした。
少子高齢化、東京一極集中と過疎化......。75歳以上(後期高齢者)の人口は、私が生まれた1950年当時は約100万人だったそうですが、2025年には約2200万人になるという推計があります。私の実家だけでなく片田舎の菩提寺や神社も跡継ぎ問題で揺れ動いています。数ヶ寺の住職を兼ねている和尚さんもちらほら。
事は深刻です。近く総選挙があるようですが、与野党問わず根本的な何か大切なものが欠けているように思います。
今朝はどんよりした曇り空でした。なんとかもつだろうと傘を持たずお散歩に出かけました。お不動さんの休憩所で一服して、さあて帰ろうかと思ったとき、なんと雨が降り出しました。さあ大変。散歩コースを短縮して急ぎ帰途につきましたが、5分も経たないうちに雨足が強まり全身びしょ濡れになってしまいました。
そんななか、雨音に混じって後ろから「すみませ~ん」と呼ぶ声が微かに聞こえてきました。「すみませ~ん」「すみませ~ん」。だんだんと近づいてきます。なんだろうと振り返ると、若い女性の方が傘をもって近づいてきました。「この傘を使ってください」と。あとワンブロックで我が家に到着するところだったので、丁重にお礼を申し上げて失礼しました。存じ上げない方でしたが、そのお気持ちに感謝です。何かホッとした気分になりました。
さて、あれよあれよという間に、今年も10月、神無月を迎えました。あと3カ月もすれば年末です。時の経つのはなんと早いことか。今年もいろいろありましたが、きょうはオンライン講座を話題にしようと思います。
先日、ロンドンにお住まいの方から、Zoomによるオンライン講座「ゴッホ:詩人の魂」(£18)のご案内をいただきました。数年前帰国された際にお会いしましたが、いま、ロンドンナショナルギャラリーで「大ゴッホ展」が開催されていて、展覧会をよりわかりやすく楽しむためのオンライン講座を企画しているのだと。ロンドンに行けない方も、晩年のゴッホの世界に浸ってみませんかというお誘いでした。オルセー美術館からは《星降る夜》が、シカゴ美術館からは《ベッドルーム》、アムステルダムからは《黄色い家》など、世界の大ミュージアムからゴッホの作品が一同に会しているそうで、来年の秋には、神戸市立博物館で「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展―夜のカフェテラス」が開催されるというご案内もいただきました。
Zoomによる講演会は何度か参加していますが、その多くは一方通行です。今回は、時差の関係で午後9時開講でしたが、お話の途中に受講生の受け止め方をアンケート形式で求めたり、質問の時間をたっぷりとるなど双方向のやりとりも楽しいものでした。50数名の方々が受講していました。
ゴッホ晩年の代表的な作品1枚1枚を画面に映しながら、「色彩、筆使い、構成」「愛・詩・永遠なる生命」「複数作品の構成」「感想・想像力・記憶」の視点から、ゴッホの心と作風に迫る丁寧なお話しでした。Zoomの画質も、現物とは異なりますが、教室の大スクリーンに映し出されるものとは全く違い、色彩、筆使いを立体的に見ることができました。楽しい講座でした。
Zoomと言えば、この秋に開く大学のゼミ同窓会。OB会員の高齢化に伴い京都まで出かけることが適わない先輩諸氏に配慮して、今回、Zoomでの同窓会企画を考え、オンライン参加の希望を募りました。ところが希望者はゼロ。残念ながら80代の先輩方には敷居が高かったようです。でも、時代の進展と共に、居ながらにして世界各国の情報を知ることができる時代になってきているのは事実です。
でもねえ。オンライン講座ばかりでは味気ないですね。人と人の繋がりが希薄になります。それを補完する意味で、私は昨日から京都の秋季講座を正式に受講することにしました。午前中は一般教養講座を受け、午後は選択科目に分かれますが、私は絵画部を選びました。元気な95歳の女性もいらっしゃいましたが、みなさん水彩画だけでなく、鉛筆画やペンテル画、アクリル画、パステル画など様々な方法で絵画を楽しんでいらっしゃいました。さっそくグループLINEに仲間入りしましたが、その日のうちに全員の皆さんから歓迎のLINEをいただきました。
初日は、奥入瀬に行った時に撮った写真を画題に描きました。でも、川面の描き方が難しい。それに、光の変化で微妙に異なる色あいを見せる樹々。先生からは、原点に戻って色の出し方を教えていただきました。来週までに仕上げなければなりません。
秋季講座が始まって日が経たないのに、月末には作品展があるとか。さあて何を出品しようかと少し慌てています(笑)。この日は、帰りに三条通のお店で開催中の先生の個展を覗いてきました。