心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

一世を風靡したクーガー1150 BCLラジオ

2020-09-26 15:50:46 | Weblog

 今週もあっという間に過ぎてしまいましたが、前回紹介した湖北の山小屋から持って帰ったものがあります。National Panasonic RF-1150 クーガー1150 BCLラジオ 5バンドレシーバー (SW1~SW3/MW/FM)。ずいぶん昔、BCL(Broadcasting Listening)に嵌った時期に聴いていたラジオです。ここ10年ほど山小屋で一人静かに留守番をしていたのを持ち帰りました。
 さっそくスイッチを入れてみると、まだまだ現役です。最近のデジタルラジオより音質はしっかりしていて安定感があります。海外の短波放送も聴くことができます。インターネットが普及する前は、海外を身近に感じる道具でもありました。ネットで調べてみると中古品でも6万円前後で売られています。当分、私のおもちゃになりそうです(笑)。(下の写真は竹生島に向かう船上から函館山を望む風景)
 その湖北の山小屋から帰った翌日はお彼岸でもありましたので、長女一家と義妹のお墓参りに行きました。その帰り道、孫君二人が急にお祖母ちゃんの家に泊まりたいと言い出し、その後2日間を共に過ごしました。子供部屋の本棚を埋め尽くす漫画本を持ち出して読んだり、昔のゲームで遊んだり.......。近くのスーパーへお買い物に付き合ってくれて荷物運びをしてくれました(下の写真)。部活も塾もない束の間の休日を楽しんだようでした。 さてさて、週末のきょうは午前中、山本能楽堂の能講座「能活」に行ってきました。テーマは「葵上の巻」。源氏物語の葵の巻をもとに作られたお能で、光源氏の正妻である葵上への嫉妬に狂う六条御息所の怨霊のお話しですが、きょうは内容には深入りせず、お能の「音楽」がテーマでした。小鼓と大鼓と謡の実演を交えて、西洋音楽の8拍子とお能の8拍の関係、七五調の謡と囃子の8拍の関係、七五調12文字と8拍16文字(1拍2文字×8)の関係、........独特のリズムの取り方に伝統芸能の奥深さを思いました。山本能楽堂では10月10日に「葵上」を公演する予定ですが、残念ながらその日は予定が入っています。
 9月の更新はこれでお終いです。来週から水彩画教室(週1回)が再開します。週末には第20回「四天王寺  秋の大古本祭り」が始まります。ブログも題材に事欠かない季節を迎えます。

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比叡と湖北の山の上から初秋の琵琶湖を眺める

2020-09-19 22:37:54 | 旅行

 第四十五候 白露末候「玄鳥去」。秋と入れ替わりに燕が南へ帰っていく意味だそうです。昔の人の自然と共に生きる姿、感性に共感を覚えます。
 急に秋らしくなった週末、比叡山のホテル「ロテルド比叡」に行ってきました。もちろんGoToを利用してのお出かけです。午後4時頃にホテルに到着すると、比叡の山ははや秋の風情。全室二十数室というこじんまりしたホテルですが、つい数か月前までは数年間、星野リゾートが運営を委託されていたホテルです。温かくお迎えいただきました。その夜は美味しいワインをいただきながら、ゆったりまったりの時間を過ごしました。

 翌朝、清々しい空気を肌に感じながら比叡山延暦寺の根本中堂に向かい、ご本尊の薬師如来様に朝のお勤めをさせていただきました。最澄がご本尊の前に灯して以来1200年の間消えることなく灯され続けているという不滅の法灯。守ることと改めること....。1200年にわたる歴史の重みというものを考えました。

 その日は朝食が終わると京都駅まで戻って、今度は湖西線に乗って近江今津に向かいました。何年ぶりでしょうか。びわこ函館山に向かいました。冬はスキー場になりますが、四季折々の琵琶湖の風景を楽しませてくれます。
 ロープウェイに乗って山頂に到着すると、目の前に広がる奥琵琶湖の景色に圧巻されます。手前に竹生島、遠くには滋賀県と岐阜県に跨がる伊吹山が見えます。展望デッキに腰かけてしばし時間を忘れます。
 この日のもうひとつのテーマは、10年近くほったらかしにしていた函館山の麓にある山小屋の現状確認でした。建て直すべきか、それとも処分してしまうか。残念ながら、200坪の木立の中に建つ小さな山小屋は、伸び放題の草木で覆われていました。家自体もずいぶん傷んでいました。
 子どもが小さい頃は、夏休みや冬休みはこの山小屋で過ごしました。時にはお猿さんに囲まれることもありましたが、今回尋ねてみると「野生動物(クマ、イノシシ、サル、シカ)に気をつけてください」という看板が至る所にありました。餌を求めて里に下りてくるのでしょう。
 子どもたちが独立すると、仕事の息抜きに私一人で出かけることも多々ありました。モバイル関係の道具は一切もたず、リアルな世界を遮断。その代わり、自然というリアルな世界と対峙します。屯田兵よろしく草刈り機を肩にかけ草刈に精を出しました。作業中に
大きな土蜂に左手首を刺され、ひと晩で風船のように腫れあがったこともありました。夕暮れ時には近くの川に魚釣りにでかけ、お酒の肴に不自由することはありませんでした(笑)。それがいつの間にか仕事の忙しさにかまけて足が遠のいてしまいました。さっそく子供たちにLINEで現状を報告しました。

 そうこうしているうちに9月も半ば、今年もあと3カ月を残すばかりです。その間、多くの時間をコロナに振り回された感があります。そのせいもあって今年は古本市が全滅でしたが、数日前にネットで調べてみると、なんと復活していました。10月初旬に大阪・四天王寺さんの「秋の大古本祭り」、10月末には京都・百万遍の知恩寺で「秋の古本まつり」が開かれます。秋を迎えてシニアも俄然元気になってきました。リュックを背負って出かけてこようと思っています。何やかやと忙しくなる予感がします。

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「趣味どきっ!仏像の世界」に心和む

2020-09-12 09:20:38 | Weblog

 台風一過。ここ大阪も急に秋めいてきました。朝のお散歩も気分爽快で、ついつい遠くまで歩いてしまいます。すると、あるお宅の塀に蔓系の花が満開でした。この花の名前は一体なんでしょう。とりあえずスマホに収めました。
能「紅葉狩」
 先週、能「紅葉狩」のお話をしましたが、その後、YouTubeにアップされている映像を見ながら「対訳でたのしむ”紅葉狩”」(檜書店)に目を通しました。

「下紅葉、夜の間の露や染つらん、夜の間の露や染つらん、朝の原は昨日より、色深き紅を、分け行く方の山深み」
「面白や頃は長月二十日あまり、四方の梢も色々に、錦を彩る夕時雨、濡れてや鹿の独り鳴く、声をしるべの狩場の末、げに面白き景色かな」
「げに面白や所から、巌の上の苔筵、片敷く袖も紅葉衣の、紅深き顔ばせの、この世の人とも思はれず、胸うち騒ぐばかりなり」

 長月。今でいえば10月か11月頃の風景でしょうか。美しい女性(鬼神)に惹かれる維茂の心。緑の苔の上にひらりと落ちる紅葉と絡めて、深まりゆく秋の風情を思わせます。古文が苦手な私ですが、ぼんやりと風景を思い浮かべることができます。お能では、これに鼓と笛、そして地謡が舞台を盛り上げます。
NHKテキスト「趣味どきっ!仏像の世界」
 そんなある日、本屋さんでNHKテキスト「趣味どきっ!仏像の世界」(9~10月)に出会いました。いろんな場面でお目にかかることのある仏像ですが、仏さまにもいろいろな方がいらっしゃっるようです。ページをめくると「如来」「菩薩」「明王」「天部」という分類が説明されてありました。なるほどなあと思いながら連れて帰りました。
 朝のお散歩の際に立ち寄るお不動さんの奥の院には、薄暗い洞窟の奥に大日如来をはじめ8体の仏像が鎮座しています。「歩き遍路」では、歩き疲れてやっと到着した夕暮れどきの本堂で対面する仏さま(仏像)に心癒されることがありました。第一回目の放映が今週月曜日にありました。これまで何気なく接してきた仏像の意味、見方などをお話しいただきました。これを機会に少し仏像というものを体系的に眺めてみたいと思っています。
コロナ禍からどう立ち直るか
 話題はがらりと変わりますが、今週は秋から再開するシニアのための講座運営に関連して4日ほど外出しました。久しぶりに環状線に乗って気づいたこと。それは車内広告がほとんどないことでした。あるのは交通系&電鉄系企業の広告ばかり。他の業界の広告は全くと言っていいほど見当たりません。こんなところにもコロナの影響が見え隠れしています。業界全体が消極的になっているのか、それとも強かに別のことを考えているのか定かではありませんが、こうした空気が払しょくされるにはもう少し時間がかかりそうです。
孫の成長
 さてさて、今日はこのあと孫次男君(小2)がお泊りにやってきます。我が家の近所のピアノの先生からレッスンを受けたあと、やってくるのだそうです。娘のピアノを引き継いで以降、最近はけっこう練習に励んでいるそうで、娘の話では母親の誕生日にピアノ演奏のプレゼントをしてくれたと感激していました。
 長男君からは先日、3人の子どもたちの七五三を祝う写真が送られてきました。昨夜は横浜にいる次男君のAmazonPhotosに、10カ月になる孫娘が机に手をかけて立ち上がった瞬間の動画がアップされました。動画の背後に両親の驚きと感激の声が響き拍手の音まできっちりと入っていました。子どもの成長記録です。我が家でも昔同じような感激シーンがあったのでしょうが、もう忘れてしまいました(笑)。子や孫たちもそれぞれに成長しています。

 

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9月「長月」 なんとなく秋の気配が....。

2020-09-05 10:17:43 | Weblog

 9月に入ってここ数日、夕立が続いてなんとなく秋の気配を肌に感じます。旧暦では「長月」と言いますが、その由来は夜が長く感じられる季節という説もあるのだとか。旧暦の10月頃に相当する時期を思うと納得もしますが、いずれにしても少しずつ過ごしやすくなってきているような気がいたします。
 今朝、お散歩でお不動さんに立ち寄ってきました。奥の院の入口まで歩いて、石段の上にドングリの実を見つけました。まだ青さが残ります。台風の影響で落ちてしまったのでしょう。気持ちだけでも秋を感じたい。いくつか実を拾って写真に撮ってみました。
 秋といえば、山本能楽堂の第2回「能活」のテーマは「紅葉狩」でした。華やかな紅葉を愛で酒を酌み交わす、そんな舞台を想像していたのですが、なんと信濃国の戸隠地方に伝わる鬼退治伝説をもとにしたお話しでした。(下の写真は「名作能50」(多田富雄監修)から)
 ....美しい紅葉の下で酒宴を楽しんでいる美しい女たち(実は鬼神の化身)。その傍を鹿狩りの途中らしい武士(平維茂)が通りかかります。維茂は女たちに誘われて宴席の仲間入りをします。その後酔いしれ眠ってしまった維茂は、夢の中で男山八幡宮の末社の神から鬼退治の太刀を授かりました。目を覚ました維茂は、襲いかかる鬼たち(女)を太刀を使って退治してしまいます......。ざっとこんなお話しでした。残念ながら今秋予定されていた公演「紅葉狩」は、新型コロナウイルスの関係で来年の秋に繰り延べになったとか。
 この日は終了後、11月末にある公演「神・男・女・狂・鬼」を予約しました。「養老」「敦盛」「井筒」「玉鬘」「土蜘蛛」の五つのお能のハイライトになります。またも能楽師・山本章宏さんと照明デザイナー・藤本隆行さんのコラボを楽しむことができます。
 その二日後、今度は京橋のTWIN21アナトリアムで始まった第11回DISC SALE(中古レコード、CD)に出かけました。このイベントは、広島を拠点にするGROOVIN’さんが企画しています。かつて広島勤務併任のため週の半分を広島で働いていた時期、広島駅前のお店によく立ち寄っていた馴染みのお店です。いつもご丁寧に開催案内が届きます。ことしは近畿地区の主だった古本フェアが軒並み中止となりましたので、シニアには久しぶりの楽しみでもありました。
 この日連れて帰ったのは中古レコード4枚。チェコのピアノ詩人ヤン・パネンカのヤナーチェクの作品ほか、ラザー・ベルマンのピアノ曲2枚(リスト、シューマン、シューベルト)、そしてジャック・ランスロのクラリネット五重奏(モーツアルト、ブラームス)です。心なしか秋を感じる静かな朝に部屋に充満する音の風景。贅沢なものです。
 三回目のお出かけは事務所でした。この日は朝から夕方まで、会議をしたり作業をしたりであっという間に一日が過ぎましたが、お昼はみんなで新潟名物の「へぎそば」のお店に行きました。へぎそばと愛媛宇和島の新鮮な魚介類をあしらったお寿司をセットで950円なり。美味しくいただきました(笑)。
 店内にあった宇和島のポスターを見て思い出したのは「歩き遍路」です。宇和島界隈を歩いたのは1年以上も前のことになります。松尾峠や柏坂峠など旧街道を歩いたことが昨日のことのように思い出されます。結願まであと10カ寺。コロナが収まるまで辛抱です。
 きょうはヤナーチェクの「四つの小品(霧の中で)」を聴きながらのブログ更新でした。ヤナーチェクとの出会いは村上春樹の小説「1Q84」です。心の中で「シンフォニエッタ」を聴きながら読んだのは何年前のことだっただろう。
 こうしていろんなものを繋ぎ合わせながら物事を体感する。元気に古希を迎えられたのですから不足感は何もありません。日々をつつがなく楽しく過ごすことができればそれでよし。さあ、きょうは午後、近くの天然温泉スパにでも行ってきますか。

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