心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

心穏やかな四国遍路の旅

2016-12-09 01:32:26 | 四国遍路

 先週に続いて今週も四国八十八ヶ所遍路の旅に出かけてきました。今回も愛媛県で八ヶ寺を回ってきました。そのうち、初日にお参りした岩屋寺と大宝寺が、山の上にあって相当きついものでした。林立する杉の木に囲まれた参道を登っていくと、山の岩肌の一画に岩屋寺はありました。どうしてこんなところにお寺を建てたんだろう。厳しい修行に耐えた僧侶たちの姿が浮かんで見えるような気がいたしました。
 第四十四番札所・菅生山大宝寺(上浮穴郡) ご本尊は十一面観世音菩薩
 第四十五番札所・海岸山岩屋寺(上浮穴郡) ご本尊は不動明王
 第四十六番札所・医王山浄瑠璃寺(松山市)  ご本尊は薬師如来
 第四十七番札所・熊野山八坂寺(松山市)  ご本尊は阿弥陀如来
 第四十八番札所・清瀧山西林寺(松山市)  ご本尊は十一面観世音菩薩  第四十九番札所・西林山浄土寺(松山市) ご本尊は釈迦如来
 第五 十 番札所・東 山 繁多寺(松山市) ご本尊は薬師如来  第五十一番札所・熊野山石手寺(松山市) ご本尊は薬師如来
 
 人はなぜ修行するのか、なぜ祈るのか。.........40名ほどの団体がお大師様に向かって般若心経を唱える。回を重ねるごとにお経のリズムがあってくる。不思議なものです。
 行く先々で身体の弱いところに効くお呪いの言い伝えに出会います。まん丸い石の玉を撫でるとボケにならない、仏さまの足型を踏みしめれば足腰が強くなる、仏さまの手型に手を添える、小さなお地蔵さんを抱っこする....。境内のいたるところにパワースポットがあったりします。ふつう信じられないようなお呪いを、ついつい信じてしまう私がいます(笑)。医療が万全ではなかった時代、人々は仏にすがる思いだったのだろうと思います。  そんなことを同行者の方々に話したところ、相部屋でご一緒した方も、足腰に自信がなさそうでした。それでも頑張って、山の上に立つ岩屋寺に時間をかけて登りました。これも「祈り」なのでしょう。「お礼参り」もあります。同室のもうひと方は数年前、レベル4の肺がんが見つかり一時は死を覚悟したけれども、なんとか持ち直したのだと。そこで今、「お礼参り」をしていらっしゃる。聞いて驚いたのは抗がん剤の費用が月に100万円もかかったのだとか。癌も薬で治る時代がやってきたという意味で意を強くしましたが、100万円はあまりにも高い。なんとかならないものか........。
 四国遍路の旅は、ある意味で「一期一会」の出会いです。様々なキャリアの方々とご一緒に寝食を共にし、道後温泉を楽しむ。一献傾ける。そして語る。たくさんの気づきをいただきます。わたしにとっての「お接待」なのかもしれません。鬼軍曹のような顔立ちから、お若い頃は相当辣腕を振るわれたんだろうと思しき方が「お遍路にでかけるようになって心が穏やかになった」と。イライラすることがなくなったのだと。そういえばわたしも、最近そんな気がいたします。これもひとつの効用なのかもしれません(笑)  さて、きょうはこんな時間になってしまいました。週末から少し遠出をしてきますので、明日はその準備に追われそうです。というわけで次回のブログ更新は不定期になります。10日ばかりお休みをいただきます。

コメント (2)