心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

アナログディスクに魅せられて

2007-01-28 16:55:13 | Weblog
 年初のドタバタも峠を越したので、きのうきょうとお休みをいただきました。つい1ヶ月ほど前にまとまった休暇をいただいたばかりなのに、なぜか久しぶりの休日のようで、マルタ・アルゲリッチが奏でるシューマンの幻想曲を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごしました。
 そうそう、NHK「趣味の園芸」を見ていたら、今日はクリスマスローズの特集でした。日陰を好むとばかり思っていたのですが、日陰でも強いという意味で当然に陽の光を好むので、植え替え時には古葉を整理したほうが良いとか。さっそく庭に出て、地植えのクリスマスローズを調べてみると、確かに古い大きな葉っぱの下で可愛い蕾が頭を擡げていました。古葉を取り除き、陽の光が届くようにしてあげました。一、ニ週間もすれば、開花の季節を迎えます。
 ところで、きのうは大阪ミナミの日本橋界隈に出かけました。中古レコード店を散策するのが目的です。このあたり、最近はいかがわしいソフトを売る店が増えてきて、一昔前の面影は薄れつつあるのが残念です。それでも何軒かの老舗オーディオ専門店は頑張っていますし、何軒もの中古レコード・CD・DVD店があって、それぞれに特徴ある品揃えですから、まぁ退屈をすることはありません。半日は時間を潰すことができます。
 我が家のCDプレーヤーの性能の問題なのかもしれませんが、どうもCDの薄っぺらな音がしっくりこなくて、いやいや単なる郷愁なのかもしれませんが、とにかく最近はアナログディスク、すなわちLPレコードを聴く機会が圧倒的に増えています。第一、仕事を終えて帰ったあと、気持ちを入れ替えるほんの僅かの時間は、片面20分前後のLPレコードのほうがお手頃です。わたしの日常生活のなかに定着してしまいました。最近お店にいくと、団塊の世代と思しき方々をお見かけするようになりました。もういちどレコード文化が復活すると良いのにと思います。ただ、細々とながら発売されるLPの新盤は、とにかくお高いのがネック。大量生産できるほどの客が見込めないのでしょう。なのにレコードプレーヤーが最近、初級・中級・高級のいずれの機種も相次いで発売されているのは嬉しいことです。なぜかって?レコード針の生産が止まったら困るからです。初心者のわたしでも、5本のカートリッジと未使用の新品交換針2本を常に手許においています。
 そんなわけで、きのうは、以前から探していたマルタ・アルゲリッチが奏でるシューマンの「幻想曲作品17、幻想小曲集作品12」のほかに、オスカーピーターソンとエヴァンスのジャズピアノ曲各1枚を手にしました。異色といえば、松下真一作曲の交響幻想曲「淀川」(朝比奈隆指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団)もゲットしました。大阪青年会議所が設立25周年を記念して、淀川改修100年記念事業に協賛する形で松下真一氏に作曲を依頼したものです。1975年4月に演奏されました。その後演奏される機会がなかったようですが、2年前に再演された際に初めてこの曲の存在を知りました。その初演のLPレコードに出会えたのは幸いでした。帰ると、さっそく専用の洗浄液で丁寧に磨きをかけて、あとは聴くだけ。楽しい1日もあっという間に終わりました。....まぁ、とにかくのん気な連休でありました。
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生活の中の電子機器

2007-01-21 16:39:53 | Weblog
 きょうは休日出勤でした。出勤前に愛犬ゴンタの様子を伺うと、待ってましたとばかりに小屋から飛び出してきました。きょうが日曜日であることを知っていたのでしょうか。でも、ネクタイを締めた私の服装を確認すると、お散歩を諦めて小屋の中に入っていきました。
 で、いつものようにバスに乗って、電車に乗って、職場に向かいます。日曜日ですから、ネクタイを締めている人は少ない。逆に受験生らしい若者たちがいたるところにいる。きょうは全国一斉のセンター試験の日なのでした。最近はリスニングの試験もあるようで、今朝の新聞を見ると機器不備による再試験が至るところで行われたようでした。何十万個ものICプレイヤーを一斉に使うとなると、若干の不具合は出てくるのでしょうか。それを当たり前とみるのか、それとも完璧さを証明するのが日本の技術力を示すものなのか、そのあたりは良くは判りませんが、少なくとも不具合で再試験を受けた方は、それだけ他の受験生とは違う環境に置かれたということになります。それが良い方向に転んだのか、悪い方向に転んだのかは、それぞれなんでしょうが、悩ましいところです。
 機器の不具合といえば、我が家のインターネットはADSL回線なのですが、昨年の暮れに速度アップを行いました。真新しいモデムが届き、さっそく繋いで、その快適さに喜んだのも束の間、翌日には接続できなくなってしまいました。マニュアルを読んで、モデムを初期化してもう一度セットアップ。でも翌日にはまたもや不通。運良く帰省していた長男君にパソコン本体の機能チェックを要請したところ、特段に問題になるところはなく、モデムか回線自体かが犯人らしい。ということでさっそくサポートセンターに電話を入れました。丁寧な応対に安堵しながら、数日様子を見ることになりました。その間、遠隔操作でもするのでしょうか。そのうちに安定してきました。1週間が経って、またもや不通。今度はモデムのスイッチをいったん切って再起動。繋がりました。最近は順調なのですが、仕組みを知らない素人には、なんとも手の出しようがありません。インターネットが身近なコミュニケーションツールになってしまいましたから、接続できなくなるとたいへんです。
 人間さまの道具であるべき電子機器に、人間さまが振り回される。そんな時代にはなりたくないですね。でも、嫌が上でも、そういう状況が進みつつあります。高齢化の進展と技術社会、心配です。人間にやさしい技術社会が訪れることを期待するばかりです。
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ラジオを楽しむ

2007-01-14 14:43:50 | Weblog
 厳しい寒さも幾分和らぎ、晴れ間がのぞく日曜日です。そんな休日の朝、珍しく庭にウグイスがやってきました。と言っても繁殖期ではありませんから、ホーホケキョなんて鳴きません。木々の枝をパッパッと移動しています。サザンカの花の蜜でも舐めているのでしょうか。ピラカンサの赤い実も熟してきましたから、そろそろヒヨドリさんのお出ましかもしれません。
 さて、きょうは、雑誌「サライ」の特集記事”優しくて懐かしいラジオを再び”を題材にお話しをしたいと思います。大正14年にラジオ放送がスタートして今年で82年を迎えるのだそうです。昭和生まれの私も、その恩恵を受けながら今日を迎えた一人です。いくらテレビが普及しても、パソコンが普及しても、ラジオとのお付き合いは続いています。私の場合は、おそらくテレビよりも圧倒的にラジオを聞く機会が多いと思います。それも、意味もなく騒々しい番組は好まず、静かに流れる温かい人の声に安堵感をいだきます。
 私とラジオの出会い、それは昔、居間に置いてあった大きな木箱から流れるラジオ放送でした。小学生になると、何台かあった壊れた真空管ラジオの分解、ゲルマニュウムラジオの製作などをして遊びました。受験世代になると、深夜放送を聞きながら勉強をすることもありました。雑誌サライには、当時パーソナリティーだった野沢那智さん、白石冬美さん、落合恵子さんなど懐かしい方々の写真が掲載されています。その後、海外の短波放送を楽しんだ時期へと続きます。
 そして現在は、NHK「ラジオ深夜便」。アンカーのゆったりとした語りがラジオ世代の心を和ませてくれます。意識して聞くというよりも寝入る前の僅かな時間、放送が流れているといった、そんなお付き合いです。慌しい昼間との落差が、「こころ」の疲れを癒してくれます。そんな時間のなかで、ふと気づきをいただくことがあります。それが明日への糧になることもあります。
 きのう参加した「IT」関連のシンポジウムでは、私たちの生活にとってITがいかに有用であるのかが議論されました。一方で、ITの光と影が話題になりました。双方向のコミュニケーションツールとしてのITが、匿名性であるがゆえに人を傷つける道具にもなることの警鐘です。考えてみればITもラジオも、人間の知恵が生み出したものです。単なる冷たい箱にすぎない装置です。が、その活用如何で、人の「こころ」が癒されもすれば傷つけられもする。使う側の問題なのでしょう。ラジオやパソコンの向こうに、ひとの「こころ」が見える、そんなお付き合いがしたいと思っています。このところあまりにも悲惨な事件が多すぎますから。
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新しい年を迎えて

2007-01-07 16:56:59 | Weblog
 日本列島に寒波が押し寄せています。ここ大阪も、昨夜は強風が吹き荒れ、今年1年の厳しさを思わせました。でも一夜明けて、きょう午後には青空も広がり、寒いながらも明るい年初の連休となりました。きょうはホームセンターで何枚かの板を買ってきて、愛犬ゴンタのお家の防寒対策をいたしました。
 さて、2007年という年も早や一週間。我が家では、除夜の鐘の音が聞こえてくると家族全員で近くの神社にお参りでした。真夜中なのに大勢の参拝者でごった返し、本殿に辿り着くまでに30分もかかってしまいました。これも御利益を得たい一心で待つことになりますが、年に一度ぐらいは辛抱、辛抱。....今年の御神籤は、昨年と同じく「小吉」でした。あまりドラスティックな展開は期待せず、地道に生きていくことの教訓と受けとめました。
 私にとって今年がどんな1年になるのか見当もつきませんが、紆余曲折はあったにしても、これまで余りにも順風満帆に歩んできた我が人生、これ以上何を望むのかという思いがあります。一日一日を真剣に生きていくこと。これに尽きます。結果は甘んじて受け入れる。なんとも殊勝な心がけなのであります。と思いきや、初出の日から難題山積みのデスク。初日からフル回転の一日でした。難局に立ち向かう前のウォーミングアップと身を引き締めています。
 仕事のことはこれぐらいにして、今年もどうやら音楽に傾注していく1年になりそうです。実は昨年の暮れに、西本智実さん指揮のチャイコフスキー交響曲第5番のDVDを見つけました。昨年春の全国ツアーのDVD化で、6月6日の東京芸術劇場ライヴ収録です。その1週間ほど前の5月30日に、私は大阪のフェスティバルホールで聴きました。そのときの感動が再び蘇ってくる。そんな楽しい年末休暇を過ごしました。さあて、ことしは私のアルバムにどんな曲が加わっていくのでしょうか。楽しみです。
 昨日の仕事帰りに書店に立ち寄って購入した本は「知識・構造化ミッション」(日経BP社)でした。このところ記号論やら意味論やらにぼんやりと関心を寄せていますが、時代を見つめる「目」、時代を生きる「知」、そうした足場を築きたいと思っています。いつまでたっても幼稚な知的好奇心は衰えることがありません。こうした路線のなかで思考の裾野が広がっていくのでしょう。どういう展開になるのか、これも楽しみです。
 いずれにしても2007年という年が具体的に動き出しました。公私ともに精一杯「生きる」こと。これに尽きます。苦しくとも楽しい1年にできれば最高です。今年も、このブログを通じて戯言を綴ってまいります。よろしくお願いをいたします。
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