年末の大掃除の合間を縫って、今日は近くのお不動さんで行われた「納め不動特別大護摩供厳修」に行ってきました。それが終わると本堂前の広場では「柴灯大護摩供厳修」、山伏姿の僧侶たちが中央の炉壇で燃え上がる炎の中に、願い事が書かれた壇木と護摩木を投げ入れるお焚き上げです。「ゆく年」に感謝しつつ「くる年」の心願成就を願いました。
ところで、先週に続いて今週も一泊二日の旅行に行ってきました。北陸・山中温泉です。先週末、ずいぶん雪が降りましたから一時どうなることかと思いましたが、雪もおさまり晴れ間がのぞく旅日和。地面のいたるところに30センチ前後の積雪はありましたが、良いお天気に恵まれました。遠くに雪景色を眺めながら露天風呂に浸かり、地酒を楽しみ、ほっこり時間を楽しみました。
旅行のメインは、雪の永平寺を尋ねることでした。2日目の朝、片山津温泉→山中温泉から永平寺に至る1日1往復の大型観光バス「永平寺おでかけ号」に乗って向かいましたが、月曜日だったからでしょうか、なんと行きも帰りも乗客は私たち2人だけ。申し訳ない気持ちになりましたが、贅沢なバスの旅でした。それでも永平寺に着くと参拝客で賑わっていました。いろんなアクセスがあるということなんでしょう。
曹洞宗大本山「永平寺」は、1244年に道元禅師によって開かれた坐禅修行の道場です。吉祥閣から長い階段を登って僧堂、仏殿、法堂、承陽殿、大庫院、山門の順に見て回りました。一般的な寺院に見られるような煌びやかさはありませんが、凛とした空気があたりに充満し、物質世界とは異なる「精神世界」に包まれて身が引き締まる思いがいたしました。
時々、修行僧とすれ違いますが、中には外国人の青年僧の姿もありましたし、参拝客の中にも外国人の方々をちらほら。なんとなく高野山に似た空気感がありました。
修行僧の方々は、冬の寒い時期なのに法衣をまとい修行に励んでいらっしゃいます。修行僧の一日は、「坐禅」、朝のおつとめ「朝課」、作法に則り食事をいただく「行鉢」、そして回廊の雑巾がけなどをする「作務」があると、パンフレットには記されてありました。
山門まで行くと、恐ろしげな顔付きの四体の四天王(南方増長天王 西方廣目天王、北方多聞天王 東方持国天王)が出迎えてくれます。
あたりの雪景色に目を移せば、高い杉木立の傍らに鐘楼があります。大晦日の夜、NHK「ゆく年くる年」で時々登場する鐘楼です。しんしんと雪が舞う中で新年を迎える映像が脳裏をかすめますが、この日は数日前の残雪が心を和ませてくれました。
そうそう、今回の小旅行には、玉岡かおるの長編歴史小説「帆神~北前舩を馳せた男 工楽松右衛門」を連れていきました。特急サンダーバードの車中やホテルでほっこりしているスキマ時間を見つけては頁をめくっていました。
1年前に発行されたのですが、なかなか文庫本化されないので、出がけについつい単行本を買ってしまいました。この年末年始のうちに読みたいと思いながら、明日からは三々五々、子や孫たちがやってきます。読書どころではありません(笑)。
最後の最後まで落ち着きのない生活が続いていますが、ブログ「心の風景」の年内の更新はこれをもって終了します。お越しいただいた皆様には、いつも他愛ない記事をご覧いただきありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いをいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください!
今日は冬至です。1年で昼の長さがいちばん短く、夜の長さがいちばん長い日です。久しぶりにNPOで仕事の整理をしたあと立ち寄ったお店で「ゆず」を見つけました。「木頭ゆず」とあります。「木頭ゆず」と言えば徳島県那賀町の特産です。2年前、無料で学べるオンライン講座gaccoの講座「なかなかいいいなか きてみんで徳島県那賀町」で出会った町です。正規の修了証のほか那賀町長名で杉の板に刻印された修了証までいただきました。那賀町には四国八十八カ所21番札所の太龍寺があります。
今夜は「木頭ゆず」を浮かべたお風呂に入って1年の心の疲れを癒そうと思います。その前に、ある意味で淡々と流れた1年を振り返ってみたいと思います。題して「私の2022年10大ニュース」。BGMは、YouTubeにアップされているアンドレア・ボチェッリの「セイクリッド・アリアズ」です。
【1】ロシアの無謀なウクライナ侵略に呆れる
このブログでウクライナのことに触れたのは4月22日の記事が初出です。それまで政治的なことには言及しない方針で避けていましたが、この日は、黒川祐次著「物語 ウクライナの歴史」(中公新書)を紹介し戦争の悍ましさについて触れました。その後、ウクライナが舞台となった映画「ひまわり」に触れ、ウクライナ戦線で仲間の兵士たちの心を慰める戦場バイオリニストの演奏を紹介したりもしました。一向に収まる気配のないロシアのウクライナ侵攻です。何もできないもどかしさを感じながら、年明けにはウクライナ国立歌劇場の歌劇「CARMEN」に出かけます。
【2】「スマホ脳」への挑戦。宅配新聞をキャンセル
長い間、新聞は宅配をお願いしてきましたが、ここ数年、紙面に確固とした報道姿勢が感じられず1紙に限定して購読することに違和感がありました。そこで4月から、思い切って新聞の宅配を止めました。現在は朝日新聞のデジタル版(有料)と、読売、毎日、産経、日経の無料デジタル版そしてNHK+を利用しています。各社の記事(報道姿勢)を読み比べながら社会の動きを多面的に読み解く、そんなお付き合いです。新聞紙のインクの匂い、ほとんど見ることのなかった分厚い広告チラシも今となっては懐かしく思いますが、いましばらく「スマホ脳」への挑戦が続きます。
【3】高野山夏季大学を楽しむ
今夏、久しぶりに高野山夏季大学(毎日新聞主催)を受講しました。びわ湖ホール前館長の山中隆さん、精神科医の名越康文さん、夏井いつきさん、阪神大震災の復興に尽くされた古市忠夫さん、プロデューサーの残間里江子さん、そして女優でUNDP親善大使の紺野美沙子さんからは「今、私たちにできること~「星を見ている」朗読とともに~」をテーマにお話しをいただきました。最終日は、神戸大学教授の中屋敷均さん、高野山大学教授・副学長の松長潤慶さんと充実のひと時を過ごしました。その合間を縫って奥の院まで足を伸ばし1年半前に結願した歩き遍路の御礼参りもしました。
【4】大自然と棟方志功の世界に魅せられた青森の旅
東北の温泉地に行こうと急に思い立ち、8月末に2泊3日で青森に行ってきました。連泊する酸ヶ湯温泉に向かう前に偶然訪ねた棟方志功記念館が印象に残っています。かつては湯治場として賑わった酸ヶ湯温泉。棟方志功もよく出入りしていたようで、なんとなく親近感を覚えました。そういえばここ数日の大雪で、酸ヶ湯温泉付近は2メートルもの積雪だとか。八甲田山の山頂にはもう樹氷ができているのでしょうか。大阪にいると東北を飛び越して北海道に飛んで行ってしまいがちですが、奥入瀬、八甲田山と東北の風景を満喫した「心の旅」でした。
【5】母校OB会の世話役を仰せつかる
長い間、先輩方にお世話いただいてきた母校のOB会の世話役を今夏引き継ぎました。秋にはコロナのため中断していたOB会を3年ぶりに開き、楽しいひと時を過ごすことができました。組織自体は大学紛争後に解散しましたから、メンバーは減りこそすれ増えることはありません。それでも当日は、半世紀も前の活動風景をスライドショーにまとめて見ていただき、夜遅くまで飲み語らいました。健康上の理由でやむなくご欠席の先輩方からは、後日お電話やお手紙をいただき、今後の活動資金にとご寄付までいただきました。「心の絆」はこれからも大切にしていきたいと思います。
【6】「老い」を考える
昨年に続いて「老い」というテーマを引きずった1年でもありました。中央公論6月号の特集は「老いと喪失 死と向き合う思想」。古本祭で手にした山折哲雄対話集「こころの旅」(現代書館)も考えさせられるものでした。河合隼雄さんとの対話「フールな老健者~老年期の心理」に登場する映画、イングマール・ベルイマンの映画「野いちご」とヘンリー・フォンダ父娘共演の映画「黄昏」も見ました。自分の「老い」と重ね合わせながら、ついつい見入ってしまいました。現役をリタイアして6年が経過します。
【7】個性豊かな孫たち
この年末年始には家族14名が我が家に勢揃いです。孫もだんだん大きくなってきたので、狭い家が潰れるかもしれません(笑)。大家族でお正月を迎えるのも、そう長くは続かないだろうと思いつつ、年末になると皆からLINEが届きます。長男君宅の孫長男君はサッカーに夢中です。次男君宅にはつい1カ月前、鎌倉の鶴岡八幡宮で孫娘の七五三を祝うため行ってきました。近所にいる長女宅の孫次男君は毎週土曜日、ピアノのレッスンの前に我が家にやってきます。孫も6人もいるとそれぞれに個性があります。その個性が良い方向に生かされる社会であり時代であってほしいものです。
【8】ジャカランダの花
昨年の夏、ある方からジャカランダ(紫雲木)という花木を教えていただきました。さっそく天王寺の一心寺に向かい満開のジャカランダの花に出会いました。鳳凰木、火炎木に次ぐ世界三大花木のひとつで、アルゼンチンなど中南米が原産のようです。今年の春、義妹の三回忌法要で一心寺に行ったときジャカランダの樹の下に直径5センチほどの種殻を見つけました。硬い殻をこじ開けて種子を取り出し水に浸したあと植木鉢に植えると、数日たって淡い緑色の芽が顔を覗かせました。あれから8カ月経ちます。今では30センチほどの苗木が8本元気に育っています。
【9】メダカの誕生
夏の終わり頃、メダカの鉢に入れた水草の端にきらりと光る卵がくっついていました。そんなある日の朝、メダカに餌をやろうと水槽を覗いたら、なんと小さなメダカの子どもが6匹泳いでいました。このままでは餌と間違って親メダカが食べてしまうかもしれません。急ぎ小さな器を買ってきて水草ごと移しました。子メダカといってもほんとうに小さなメダカです。それが秋を過ぎて冬を迎えるこの時期になると、ずいぶん大人らしい体に成長してきました。残念ながら生き残ったのは4匹。これから寒い冬を迎えますが、頑張って暖かい春を迎えてほしいと願っています。
【10】私にとって最後のPC
現役時代から愛用していたレッツノートが、寄る年波に勝てず引退しました。初期設定はWindows8でした。それを10、11とバージョンアップして使っていました(笑)。さすがに動作が重くなってきたので、パソコンショップに行きましたが機種が多くてよくわかりません。ということでPCに長けた東京の甥にアドバイスを求めました。まずは、ふだん私がPCで何をどの程度使っているかというインタビューです。そのうえで予算にあった機種を何点か推薦してもらいました。あれから10カ月、何の不自由もなく使っています。おそらくこれが私にとって最後のPCになることでしょう。
以上、この1年を振り返ってみました。なんとも他愛ないことでした。
ブログ「心の風景」を開設して今日で6,588日目、18年が経過します。なぜ50代半ばでこんな他愛無いことを始めたのか。よくわかりません。でも、企業間競争の真っ只中で自分を見失いそうになりながら、なんとか立ち位置を確かめたい、そんな心の変化があったのだろうと思います。今となっては老人の戯言に過ぎませんが............(笑)。
先日、思うところあって4年ぶりにお伊勢参りをしてきました。近鉄伊勢市駅で下車して伊勢神宮外宮をお参りし、次はバスに乗って内宮に向かいましたが、お天気にも恵まれ年末の慌ただしい時期にもかかわらず多くの皆さんがお越しになっていました。
お参りしたあと、家内は「おかげ横丁」のとあるお店に予約しておいたお正月飾りを30分ほどかけて仕上げました。そのあと鳥羽の温泉宿に泊まって寛ぎましたが、なんと同じ日のほぼ同じ時間帯に知人もお伊勢参りしていることを、その夜LINEで知りました(笑)。
大阪から伊勢に向かう途中、奈良県桜井市あたりを走っている車窓から、うっすらと雪化粧した山々を遠くに見ることができました。日本海側に雪が降っているのは出がけのニュースで知っていましたが、ええ?関西でも雪が降っている?
二日目、大阪に帰る途中、奈良・長谷寺にお参りすることにしました。長谷寺駅に近づくと山肌の日陰に1センチほどの積雪が見え隠れしています。へぇ、雪が積もっているんだ。
長谷寺は近鉄長谷寺駅から徒歩20分とあります。駅前にタクシーが止まっていたら乗るつもりでしたが、季節外れのお参りですから人っ子一人いません。歩いて向かいました。まずは駅前から急な石段と坂道を下っていきます。その後、初瀬(伊勢)街道との交差点を横切って門前町に向かって進みます。どうやら駅と長谷寺は、山間を流れる大和川(初瀬川)を挟んで両岸の中腹に位置しているようでした。
やっとこさ仁王門前に到着すると、目の前に写真でよく見る石階段(登廊)が飛び込んできました。登廊の風情を楽しみながら、本堂へ続く399段を登っていきます。
そしていよいよご本尊の十一面観世音菩薩(写真は長谷寺案内パンフレットから借用)にご対面です。「御身の丈三丈三尺(10メートル余)、右手に錫杖を持ち、平らな石(大磐石)の上に立つ」お姿です。参拝者をやさしく見守る十一面観世音菩薩をただただ見上げるばかりでした。しばし、心温かく心洗われるような空気感に浸りました。
初めてお参りした長谷寺は、西国三十三カ所観音霊場の第八番目「真言宗豊山派総本山 大和國長谷寺」です。四季を通じて牡丹、桜、紫陽花などが咲き「花の御寺」とも言われていますが、残念ながらこの時季は寒桜が静かにひっそりと咲いていました。
これで西国三十三カ所観音霊場は15カ寺お参りしたことになります。お参りするたびに感動をいただいて帰ります。
年明けからは、みたび四国八十八カ所遍路の旅に出かけます。高い宗教心があるわけではないのですが、千年を越えてなお人々に慕われている寺々を廻り、四国の大自然の中に身を置きながら心の安寧を求める。....最近、右膝の調子が芳しくないので、今回は旅行社のバスツアーをベースに、気候と体調の様子を見ながら可能ならば歩き遍路を交えて3回目の結願を果たしたいと思っています。
旧暦では「熊蟄穴」(くまあなにこもる)と言い、熊が冬眠のために穴にこもる時季なのだそうです。ものの本によれば、「冬眠中は体温が大きく下がることもなく、比較的眠りが浅いため、冬ごもりに近い状態」で「雌の熊はこの間に子どもを産み春には一緒に穴から出てくる」のだとか。冬眠の間、何も食べずにこんなことができるんですね。生命の不思議を思います。でも、今夕のニュースを見ていると、栄養不足の熊が人を襲った悲惨なお話しもありました。人と同様に熊も住みにくい世の中になったということでしょうか。
そうそう、今年は我が家で唯一の盆栽であるカリンが美しい紅葉を見せてくれました。ただいまアンリオ婦人の横に置いて眺めています。いよいよ冬本番を迎えようとしている今日この頃です。
そんな年末を迎えていますが、年内のやるべきことを概ねこなしてぽっかり空いた日々をどう過ごそう?なんて呑気なことを考えています。お部屋の掃除を済ませ、読み終わった本の中で再読する可能性がほぼゼロと思しき本を段ボール箱に詰めて、古本屋さんに送り届けました。これで満杯だった本棚がほんの少しゆったりしました。
その合間に年内の小旅行の追加です。今年の小旅行納めは鳥羽と山中温泉。このところ右膝の状態が思わしくないので、ついつい温泉地を選んでしまいます。幾ばくかの健康不安も抱えているので、思い切って年明けに人間ドックも予約しました。婆さんから最近物忘れがひどくない?と言われているので、脳ドック(MRI検査)を含む本格的なものです。現役をリタイアする際に受けたときは何もなかったのですが、さあてどうなることやら。と言いながら、今週も忘年会が2回。嬉々として出かけてきました(笑)。
話題はがらりと変わりますが、ウクライナ国立歌劇場(旧キエフ・オペラ)による「CARMEN」が年明けの1月8日に中之島のフェスティバルホールであります。以前から気になっていたのですが、延び延びになっていたところネットで調べてみると席数もあと僅か。思い切ってチケットを購入しました。
チラシによれば、5年ぶり7度目の来日公演のようです。2月からのウクライナ情勢の悪化により実施の見直しをせまられていたところ、「ウクライナの人々、劇場を応援してくださった日本の皆様に恩返しがしたいとの劇場側の意向を受け」て開催にこぎつけたのだとか。そして「この公演では、ウクライナの港がある黒海が封鎖されていることから舞台装置の輸送が難しく、日本で調達したものを使用することになった」とも記されています。
ロシアの無謀なウクライナ侵攻で始まった2022年。いまだに終戦の行方が見えません。戦争が長期化すればするほど、プーチンの愚かさ際立ってきますが、それを止める機能も今のロシアにはありません。人類史に残る悲劇です。寄付しかできないもどかしさを感じながら日々のニュースに一喜一憂する毎日です。様々な思いを胸に来日公演に出かけるつもりです。
ちなみに、手許には歌劇「カルメン」のDVDが2枚あります。ひとつはウィーン国立歌劇場<1978年収録>、もうひとつはメトロポリタン歌劇場<1987年収録>。前者のカルメン役はエレーナ・オブラスツォワ、ホセ役はプラシド・ドミンゴ、後者のそれはアグネス・バルツァとホセ・カレーラス。2作品を見直して出かけることにいたします。
さあ、NPOの仕事もおおよそ目途が付いたので、しばらくゆったりまったりの日々を送ることにいたしましょう。東京の長男君宅は、子どもの塾の関係で家族5人が日を分けてそれぞれ勝手にやってくるのだとか。そこまでして帰って来てくれることを喜ばないといけませんね。婆さんも、お正月の準備に余念がありません。その前に孫たちへのクリスマスプレゼントがありました。
今日は縁あって鶴見緑地に出かけてきました。30年ほど前に大阪・国際花と緑の博覧会があった場所です。予定より早く到着したので少し園内を散策しました。ワンちゃんと一緒にお散歩する人、ジョギングする人、自然風景にカメラを構える人など様々。都会の一画にある自然公園で人々は大きく深呼吸です。
今年も早や「大雪」を迎えてしまいました。年末も意外と早くやって来るのでしょう。でも、ここは冷静に!そして静かに1年を振り返り、新しい年を迎える心の準備をしなければなりません。年末には小さな我が家に家族14人が勢揃いの予定です。
そんなわけで、週の初めに第5回目のワクチン接種を終え、その翌日には庭師の方に庭木の剪定をしていただきました。木が小さい頃は独学で剪定をしていた時期もありますが、さすがに大きくなるとそうもいきません。すっきりした松の姿を見てほっとひと息です。
そうそう、春先に天王寺の一心寺の境内で拾ったジャカランダの種房から育てた苗は、暑い夏を越えて秋、そしていよいよ寒い冬を迎えます。1年めは大事をとって私の部屋で越冬です。いずれ落葉しますが春先に元気に芽吹くのを忍耐強く待つことにいたします。
そんな呑気なことをしている年の瀬ですが、先日、芸術文化センターの小ホールで開かれた七宝会の能公演を観てきました。今年の見納めは狂言「佐渡狐」と能「鵺」です。
狂言「佐渡狐」は、年貢を納めに都に上る佐渡と越後のお百姓さんの「佐渡に狐がいるか否か」という他愛ない言い争い、それを賄賂をもらったお役人が裁くという不甲斐なさ。えっ?今も「ある、ある」?
お能「鵺」は、私には少~し難しかったかも?摂津の国芦屋の浜辺に、朽ち果てた小舟に乗ってやってきた妖怪・鵺の亡魂。僧が弔ってやると、いったん消えた鵺の亡霊が真の姿を現し自らの生い立ちを語り嘆く。能面と能装束の変化に物語の凄まじさを感じました。
こうして私の1年はあっという間に終わりそうですが、冬はカニの季節です。子供たちが帰ってくる直前に1泊2日の小旅行を企画しました。1年の「心」の疲れを癒すことにいたします。
でも、子供たちは親をどう思っているんでしょうね。先日、村上春樹のエッセイー「猫を棄てる~父親について語るとき」(文藝春秋)を読みました。村上さんには村上さんなりの父と子の関係があります。私とほぼ同世代の父と子の関係に何となく近しいものを感じましたが、さあて我が家の息子たちは私にどんな思いを抱いていることやら。でも、ことさらに意識する必要もありません。この本、秋の古本祭りで見つけました。先月には書店の文庫本コーナーで「文春文庫」として装いを新たに出版され平積みされています。
少しとりとめのないお話しになってしまいましたが、今夜はこれでブログ更新を終えます。年内はあと3回あります。そろそろ年末恒例の「2022年私の10大ニュース」を考えておかなければなりません。さあてどうしよう。
今年最後のページとなる12月のカレンダーを捲ります。いよいよ2022年もあと1カ月となりました。この時季を旧暦では「橘始黄」(たちばなはじめてきなり)と言い、橘の実が黄色く色づく季節ですが、我が家の庭には3メール近く伸びた3本の茎先に皇帝ダリアの花が自慢げに咲いています。
さて、今週は街歩き仲間と河内長野市の観心寺に行ってきました。この界隈には滅多に出かけることはなく、もちろん観心寺も初めてです。飛鳥時代後期(701年)に役行者によって開創されたという古いお寺で、弘法大師空海が彫刻したと伝えられる如意輪観音座像(写真はビジュアルだいわ文庫「仏像礼讃」から)がご本尊です。
ご住職にお寺の沿革についてお話しを伺ったあと紅葉の境内を散策し、その足で創作精進料理「KU-RI」(完全予約制で月火水1日20食限定)で美味しいランチをいただきました。まずは、観心寺の子院槙本院の台所として建てられた建物内を見学しましたが、その中門の梁に飾材として置かれていた天邪鬼像(レプリカ。本物は宝物殿所蔵)は、なんと50年前に盗難にあい行方不明になっていたところ、2年前の秋、ネットオークションに登場して発覚。購入した方から寄贈を受け50年ぶりに元の場所に戻されたのだとか。天邪鬼も眩しい秋の日差しを受けてほっとひと息のご様子でした。
もうひとつのお題は、Newton(2023年1月号)の特集記事「スマホと脳の最新科学」です。先日、天満橋のジュンク堂書店に立ち寄った際に連れて帰りました。
スマホは今、私にとっては日々の生活に欠かせない情報ツールになっています。ゲームこそしませんが、日々の電話やメール、ネット検索はもちろん、歳をとって物覚えが悪くなるとメモ帳代わりにもなります。PCのフォルダーに保存しているファイルもスマホで確認できます。スマートウォッチによる健康管理、Amazonkindleによる電子書籍、この4月から新聞も宅配をやめデジタル版を利用しています。そんな私のスマホ活用法をいつかブログでご紹介しようと思っていました。
ところがです。Newtonの見出しは強烈です。「スマホは脳の敵か、それとも味方か?」。ページをめくると「スマホ依存症」「スマホ読書は読解力を低下させる」「集中力を低下させる」「デジタル健忘症」などなど気になる記事が満載です。その中に、ネット依存尺度・調査質問項目がありました。20問あり各問5段階評価です。70点以上はスマホ依存傾向がかなり高い、40~69点はスマホ依存傾向がある、20~39点は平均的なスマホユーザーとされます。では私はどうか。52点となりました。強い依存症ではないけれどその一歩手前といったところでしょうか。皆さんも雑誌を手に取ってお試しください。
私の場合、最近物忘れがひどくなってきましたので、ついついスマホのメモ帳にメモをしてしまいますが、スマホに依存してしまうことによって脳の記憶能力が低下するという研究結果もあるのだとか。「スマホ健忘症」と言います。スマホと脳の関係に係る研究はまだ緒についたばかりのようですから、今後どういう展開になるのか分かりませんが、ある種の警鐘を鳴らす記事ではありました。